白猫プロジェクト~賢者と黒竜を従えし者と冒険者達の学び舎~   作:九戸政景

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政実「どうも、片倉政実です」
リオス「どうも、リオスです」
政実「今回はタイトル通り、騎竜部の創部準備回です」
リオス「まあ、前回の後書きでも言ってたしな。それとタイトルに新入部員ってあるけど、これは……?」
政実「それに関しては、作中の最後の方で明らかになるよ」
リオス「分かった。
さて……それじゃあ、そろそろ始めていくか」
政実「うん」
政実・リオス「それでは、第4話をどうぞ」


第4話 創部準備と新入部員

 

「うーん……」

 

その日の昼、俺は自分の机の上にある創部届を見ながら唸っていた。

(さて……どうしたもんかな)

そんな事を考えながら唸り続けていると、後ろの方からナギア達に声を掛けられた。

 

「どうしたんだ、リオス?」

「何か悩み事?」

「ん……まあ、ちょっとな」

 

(……まあ、考えるのは後ででも良いか)

俺は静かに答えながら創部届を机の中にしまった。そして席を立ちながら、ナギア達に話し掛けた。

 

「とりあえず、俺達はネロのとこに行ってくるから、皆は先にカフェテリアに行っててくれ」

「ああ、分かった」

 

ナギアの返事に静かに頷いた後、俺は制服のポケットにワイズを入れ、ネロが待つ竜舎へ行くために教室を後にした。

 

 

 

 

竜舎に着いた後、俺は静かに竜舎の中へと入った。そしてネロが入っている部屋まで歩いていくと、ネロは静かに寝息を立てて眠っていた。

(今日も寝てるな……やっぱり気軽に飛び回れない分、やる事があまりないからなのかもしれないな……)

ネロの事を見ながらそんな事を考えていたその時、ネロが静かに目を開けた。

 

「(ん……ああ、リオスか)」

 

そしてネロは体を上へグーッと伸ばしてから言葉を続けた。

 

「(お前がいるって事は、もう昼か)」

「ああ、そうだよ。今、準備するからちょっと待っててくれるか?」

「(おう!)」

 

ネロの返事を聞いた後、俺はネロ用の水桶を手に取り、一度竜舎を出た。そして園芸部や外の運動部が使っている水道を使い、水桶に満タン近くまで水を注いだ。

(よし……こんな所だな)

それを確認し、俺は再び竜舎へ向けて歩き始めた。そして竜舎の中に入り、ネロのところへ戻って来た後、俺はネロの目の前に水桶を静かに置いた。

 

「今、昼飯の方も準備するから、先に水でも飲んでてくれ」

「(おう、分かったぜ!)」

 

ネロが水桶の中の水を飲み始めたのを確認した後、俺はネロ用の皿を手に取り、竜舎の隅に保管しているネロ用の食糧へと近づいた。そして適量を皿へと盛った後、俺はそれを水桶の横へと静かに置いた。

 

「お待たせ、ネロ」

「(おう、サンキューな、リオス)」

 

ネロが静かな声で言った後、食糧を食べ始めると、俺はそれを眺めながら考え事を始めた。

(……やっぱり、ここまでの準備が終わるまでには、それなりの時間が掛かってるし、食糧の保管方法も少し杜撰な気がする。となると……)

俺が顎に手を当てながら更に考え込み始めようとしたその時、ふいにネロが頭を上げて俺に話し掛けてきた。

 

「(……リオス、何か悩み事でもあんのか?)」

「悩み事……まあ、そんなところかもな」

「(ふーん……んで、何を悩んでんだ?)」

「……騎竜部の事についてだよ」

「(騎竜部の……? 何か悩むことでもあったか?)」

 

俺の言葉を聞くと、ネロは不思議そうに首を傾げながら訊いてきた。俺はそれを眺めながら、静かな声で話し始めた。

 

「騎竜部では、他のドラゴンライダーの生徒達の相棒の世話も請け負う事にしてるんだけどさ。もし、それを本当にやるなら、色々と足りないものがあるんだよ」

「(足りねぇもの……?)」

「ああ。まず、部員達が竜などについて学ぶための資料を置いたり、お前達に何かあった時に待機しておくための部室、お前達用の食糧を置いておく食糧庫、それとお前達用の給水設備に水道設備とかもだな」

「(……なるほど。けど、水道設備とか食糧庫に関してはカムイに頼んでみりゃあ良いし、部室も部室棟の空室を使ったりすりゃあ良いんじゃねぇのか?)」

「水道設備とか関してはそうするつもりだし、部室についても最初はそれでも良いとは思ったんだけどさ。ただ、さっきも言った通り、お前達に何かあった時の事を考えると、やっぱりこの竜舎に近ければ近いほど良いんだよ」

「(……なるほどな)」

「それに研究用の資料収集とかもあるし、やる事は山積みなんだよな……」

「(まあ、そうだろうけどなぁ……リオス、流石に一度ナギア達にも相談してみたらどうだ? 三人寄れば何とかの知恵って言葉もあることだしな)」

「ナギア達にか……そうだな、時間がある時にでも相談してみるよ」

「(おう、そうしとけそうしとけ。

……さて、お前もそろそろ飯食いに行ってこいよ。まだ時間はあるかもしんねぇけど、のんきにしてっとすぐに時間が無くなっちまうからな)」

「それもそうだな。

それじゃあ、俺達はそろそろ行くよ」

『次は放課後に来ますね、ネロ』

「(おう!)」

 

ネロの返事を聞いた後、俺達は竜舎を出て、銀鮭カフェテリアに向かって歩き始めた。

 

 

 

 

銀鮭カフェテリアに着いてみると、少し数は少なくなっているものの、それでもまだ昼食中の生徒達で賑わっていた。

(さて……まずはナギア達を探さないとな)

そう思い、俺がカフェテリア内を見回そうとしたその時、後ろの方から声を掛けられた。

 

「おーい、リオス-!」

 

振り向いてみると、そこにはナギア達の姿があったが、何故かナギアの手には小さな四角い竹籠が、そしてアイリスの手には水筒のような物があった。

 

(……なんで竹籠、それに水筒なんて持ってるんだ?)

俺がその事を疑問に思っていると、ナギア達が俺へと近付きながらホッとした様子で話し掛けてきた。

 

「ようやく会えたな、リオス」

「まったく……竜舎にいないから、どこに行ったのかと思ったわよ」

「すまなかったな。さっきまで竜舎でネロと話してたんだが……どうやら俺達がここに来る途中で行き違いになったみたいだな」

「そのようだな。俺達もついさっき竜舎でネロから話を聞いて、ここに戻ってきたからな」

「そっか。

……ところで、ナギアが持ってるその竹籠とかは一体どうしたんだ……?」

 

俺が竹籠を指差しながら訊くと、ナギアが竹籠の中を俺に見せながら答え始めた。

 

「これか? これはお前の昼飯のおにぎりだよ、リオス」

「俺の……?」

「うん。リオスが来るのがちょっと遅いからって事で、竜舎まで届けるために、グリーズさんに作ってもらったの」

「中の具も色々あるみたいだし、食べながら楽しめると思うわ」

「それに水筒に入ったお茶もあるしな」

「皆……ありがとうな」

 

俺がお礼を言うと、皆はニコッと笑ってから言葉を続けた。

 

「ふふっ、どういたしまして」

「よし……とりあえず、中庭にでも行こうぜ、リオス」

「あそこならたぶん落ち着いて食えるはずだからな」

「分かった。それじゃあ、早速行こうか、皆」

「おう!」

「うん」

「ええ!」

「ああ」

 

そして俺達は、中庭に向けて歩き始めた。

 

 

 

 

中庭に着いてみると、時間的な事もあるせいか、俺達以外の生徒の姿はあまり見当たらなかった。

(ここってこの時間だとこんなに静かなんだな……)

俺が周りを見渡しながら考えていると、突然ナギアが何かを指差しながら声を上げた。

 

「おっ、あったあった。皆、あのベンチに座ろうぜ!」

 

ナギアが指差す方を見てみると、そこには三人掛け程度の大きさのベンチが二基ほど設置されていた。俺達はナギアの言葉に頷いた後、そのベンチへと近づき、各自で好きなようにベンチへと座った。

(ふぅ……なんかようやく座った気がするな)

座りながらそんな事を考えていると、ナギアとアイリスが持っていた物を渡してくれた。

 

「ほい、リオス」

「はい、リオス」

「ありがとうな、ナギア、アイリス」

 

ナギア達にお礼を言った後、俺は竹籠の蓋を開け、中に入っていたおにぎりを一つ手に取り、それを口に運んだ。

(これは……普通の塩むすびか。シンプルではあるけど、それはそれで良いもんだな)

そんな事を考えながら食べていると、ナギアが何かを思い出したような顔で訊いてきた。

 

「そういえば、ネロが言ってたんだけど、騎竜部について何か悩み事があるんだよな?」

「……まあ、悩み事といえば悩み事か。

実は……」

 

俺はネロに話した内容と同じ事をナギア達にも話した。

 

「……なるほどな」

「確かに食糧庫とかに関しては、カムイに頼んだ方が良いかもしれないけど……」

「問題は部室についてね……」

 

俺の話を聞いた後、ソウマ達が真剣な顔で考え始める中、ナギアだけは何かを思いついた様子で話しはじめた。

 

「いや……部室に関しては、問題無いと思うぜ?」

「え? それって、どういう……?」

 

キャトラが不思議そうな様子で訊くと、ナギアはニッと笑いながらそれに答えた。

 

「無ければ建てれば良いんだよ、部室をさ!」

「部室を……」

「建てる……?」

 

ナギアの言葉を聞いて、ソウマとアイリスが不思議そうな顔になった。俺はその様子を見ながらナギアに話し掛けた。

 

「部室をというよりは、部室として使うための建物を建てるって事だろ?」

「その通り。たしか竜舎の横ってスペースが空いてたよな?」

「そういえば……竜舎の両脇って空き地みたいになってたわね」

「もちろん、カムイ学長に訊いてからにはなるけど。もし良いんだったら、そこに部室なり食糧庫なりを建てれば良いんじゃないかなと思ってさ」

「なるほどな……」

 

(これは盲点だったな……やっぱりネロの言う通り、皆に相談して正解だったみたいだな。こうなれば早速、放課後にカムイ学長に訊きにいかないと……)

俺が静かに考えていると、キャトラがナギアに話し掛けた。

 

「でも、もし良かったとしても、建てるための材料とかはどうするのよ?」

「それは……まあ、訊いてみてから考えても良いんじゃないか?」

「それもそうね」

 

そしてキャトラは俺の方に顔を向けると、手の中の竹籠を見ながら話し始めた。

 

「ほら、リオス。考えるのは後にして、まずはそれ食べちゃいなさい?」

「そうだな」

 

(まあ、たしかに今考えてもしょうがないし。キャトラの言う通りここは早く食べてしまうか)

そして俺は一度考える事を止め、竹籠の中のおにぎりを再び食べ始めた。

 

その日の放課後、俺は教室でナギア達と別れた後、カムイ学長がいる学長室へ向かって歩いていた。そして学長室の前に着き、ドアを二回ほどノックすると、

 

「はいは~い、どうぞお入りくださ~い」

 

というカムイ学長の声が聞こえたので、俺はドアノブをゆっくりと回しながら学長室の中へと入った。

 

「失礼します、カムイ学長」

「おや、リオスさんでしたか。

……という事は、もしかして騎竜部についてですか?」

「はい、少しご相談したいことがあったので」

「ふむ……分かりました。それでその相談したいこととは?」

「それは……」

 

俺は騎竜部について考えていること、そして昼にネロやナギア達と話した内容をカムイ学長に話した。

 

「……なるほど。水道設備などの設置に、空き地になっている箇所への食糧庫や部室の建造、それに竜などについての資料の収集ですか……」

「はい」

「ふむ……なるほどなるほど……」

 

カムイ学長は顎に手を当てながら、視線を天井に向けつつ数分程度考え事をし始めた。そして俺に視線を戻すと、カムイ学長は静かに話し始めた。

 

「……実はあの空き地みたいになっている所には、飼育小屋を作る予定があるのですが……」

「飼育小屋……ですか?」

「ええ。今すぐにという事では無いのですが、近い内に生徒の皆さんの憩いの場の一つになるようにと思って、飼育小屋を作る事にはしているんですが……

もし、飼育小屋を作ったとしても、まだまだあの辺りには空きスペースが出来てしまうんですよね~」

「……! それじゃあ……!」

「ええ。是非その空きスペースを使って、騎竜部の部室や食糧庫を建てちゃってください。空きスペースをそのままにしておくのも、少し忍びなかったですから」

 

(良かった……これで第一段階はクリアだな)

俺はカムイ学長の言葉にホッとした後、カムイ学長の目を見ながらお礼を言った。

 

「カムイ学長、ありがとうございます」

「いえいえ。先程も言いましたが、空きスペースをそのままにしておくのも少し忍びなかったですからね。それにこれから入ってくるドラゴンライダーの生徒さん達の事を考えれば、そのくらいやっておいた方が良いですから」

「とすると、後は……」

「ええ。水道設備や資料の収集については部室が出来てからでも良いのですが、問題はどうやって部室や食糧庫を建てるか、ですね……」

「はい……」

 

(うーん……こうなったら他の生徒達にも手伝ってもらうしか……)

俺達が部室などの建て方について考え始めたその時、廊下の方から何やら賑やかな声が聞こえ始めた。

 

「……おや? 何やら廊下の方が賑やかですね」

「そうですね。何人かの声の他に……星たぬきの鳴き声も聞こえるような……」

 

そんな事を話している内に、その声は徐々に学長室へ近付いてきた。そして声が学長室の前で止まった瞬間、学長室のドアが静かにノックされた。

 

「はーい、どうぞー」

 

カムイ学長が声を掛けると、学長室のドアがゆっくりと開いた。そして中に入ってきたのは、ナギア達と飛行島の大工星たぬき達だった。

 

「皆……それに大工星たぬき達も……一体どうしたんだ?」

「実はリオスが教室を出ていった後に、皆でどうやって部室とかを建てるかについて話をしていたの」

「そしたら、ナギアが大工星たぬき達に頼んだら良いんじゃないかって思い付いてね。それで急いで飛行島に戻って、この子達を呼んできたのよ」

 

キャトラの言葉と同時に、大工星たぬき達がキューキューと鳴き声を上げた。

(大工星たぬき達か、たしかに適任かもしれないけど……)

 

「でも、大工星たぬき達は飛行島の建築作業もあるだろ。それに材料だって……」

「あ、それなら問題ないみたいだぜ?」

「え?」

 

ナギアの言葉に疑問を覚えていると、大工星たぬき達が次々にキューキューと鳴き声を上げ始めた。

(う……相変わらず星たぬき達の言葉は分からないな……)

 

「キャトラ、通訳を頼んでも良いか?」

「まっかせなさい!えーと……

『いつもリオスさんやネロ君にはお世話になってるから、僕達は喜んでお手伝いするよ!』

『飛行島の建築作業の方は最近落ち着いているから、特に問題はないしね!』

『それに建築用の材料も飛行島用として多めに買ってもらってる分を使うつもりだから心配はいらないよ!』

『だから僕達にどーんと任せてよ!』

……だってよ、リオス?」

「皆……」

 

俺は皆の事を見回した後、ニコッと笑ってから言葉を続けた。

 

「ありがとうな、皆」

『どういたしまして!』

 

皆は笑顔で言葉を返してくれた。

(皆がいてくれて、本当に助かったな……)

そんな事を考えていると、カムイ学長が楽しそうに笑いながら話し掛けてきた。

 

「ほっほっほ、これなら本当に問題は無いみたいですね、リオスさん」

「はい、皆がいてくれて、本当に良かったです」

「そうですね~

それじゃあ、星たぬきさん達にはこれを―あの空き地に建てる予定の飼育小屋についての情報を渡しておきますね」

 

カムイ学長は大工星たぬき達に飼育小屋の設計図などを渡した後、俺の方に視線を戻した。

 

「部室などが建て終わりそうな時には、僕に報せて下さいね。それに併せて、水道設備などを設置しようと思いますので」

「分かりました。それじゃあ、俺達はこれで失礼しますね」

「はい。それでは皆さん、頑張って下さいね♪」

『はい!』

 

カムイ学長に声を揃えて返事をした後、俺達は揃って学長室を出た。そして騎竜部の部室などの建築計画を立てるために、俺達の教室へと向かった。

 

 

 

 

それから数日間、俺は昼休憩や放課後を使って、ナギア達と内装や外観などについて相談をしながら、部室などの建築計画を立てた。そして計画を立て終えた後は、皆で飛行島から材料を運び出し、大工星たぬき達と一緒に部室などの建築に励んだ。

(皆にここまで頑張ってもらってるんだ、絶対に完成させてやる……!)

そんな思いを胸に秘めながら、俺は皆と一緒にひたすら部室の建築を続けた。

そしてそれから更に数日後、

 

「……よし、完成だ!」

 

俺は完成した騎竜部の部室、そして食糧庫の前に立ち、大きな声を上げた。すると、皆も嬉しそうな声を上げ始めた。

(ふぅ……皆のおかげでようやく完成したな……)

額の汗を拭いながら考えていたその時、

 

「(おっ、完成したんだな、部室!)」

 

ネロが竜舎の中から出てきながら、俺に声を掛けてきた。俺はニッと笑いながらネロに言葉を返した。

 

「ああ、皆が手伝ってくれたおかげでな」

「(へへっ、そうだな。それに俺がこうして勝手に出てこれるのも星たぬき達が部屋の扉を変えてくれたからだしな)」

「そうだな。前までは外からしか開けられなかったけど、今度からは中から開け閉めできるようにしたし、かなり便利にはなったんじゃないか?」

「(おう! もちろんだぜ!)」

 

俺がネロと話をしていると、ナギア達や星たぬき達が次々と俺達へと近付いてきた。そして皆が近くに来たことを確認した後、俺は皆の事を見回しながら大きな声で声を掛けた。

 

「皆、今日までお疲れさま。皆のおかげで無事に騎竜部は活動を始めることが出来るよ。

だから改めて言わせてくれ……皆、本当にありがとう」

 

俺が頭を下げながら言うと、皆が次々と言葉を返してくれた。

 

「リオスやネロは大切な仲間だから、手伝うのは当然だよ。なっ、みんな」

「うん。それに私達も楽しかったから」

「滅多にこんな事なんてやらないもんね。たまにはこういう経験をしてみないとね」

「まったくだ。今回は良い勉強になったぜ」

「皆……」

 

皆の言葉を聞き、俺が呟くように言っていると、突然ネロが楽しそうな声を上げた。

 

「(さぁて……ソウマ、そろそろ良いんじゃねぇか?)」

「……ネロ。あぁ、そうだな」

 

ソウマはニッと笑いながらネロに言葉を返すと、俺に声を掛けてきた。

 

「リオス、ちょっと創部届を貸して貰えるか?」

「創部届を……? まあ、良いけど……」

 

俺が創部届をソウマに手渡すと、ソウマは制服のポケットからペンを取り出し、サラサラと何かを書き始めた。そして書き終えると、ソウマはペンをしまってから創部届を俺に返してきた。

 

「サンキューな、リオス」

「あ、あぁ……」

 

俺は返事をしながら創部届に目を向けた。すると、今まで俺の名前しか書いていなかった創部届の部員名簿欄にソウマの名前が書き込まれていた。

 

「ソウマ、これって……」

「あぁ、見ての通りだぜ? リオス部長?」

 

ソウマはニッと笑いながら言った後、右手を差し出しながら言葉を続けた。

 

「という事で、これからよろしく頼むぜ、リオス」

「ソウマ……ああ、こちらこそよろしくな!」

「ああ!」

 

俺達が握手を交わしていると、キャトラが少し不思議そうな様子でソウマに話し掛けた。

 

「それにしても……何でソウマは騎竜部に入ろうと思ったの?」

「あぁ、それはな……せっかくこういう学校に来たからには、他では出来ない事をやりたいと思ったから。そして騎竜部の創部についてリオスから話を聞いたり、創部の手伝いをしながら時々ネロと話したりしてる間に、竜って生き物に興味が湧いたからだよ」

「なるほどね。因みにネロがこの事を知ってたのは何でなの?」

「(んー……まあ、事前に聞いてたからな。それにソウマからリオスの驚く顔が見てみたいから、部室とかが完成するまで、この事は皆には黙ってて欲しいって言われてしな)」

「……なるほどな」

 

ネロの言葉に俺はフッと笑いながら答えた。

(ソウマの狙い通り、たしかに驚いたけどな。でもソウマが竜に興味を持ってくれたのは嬉しいし、騎竜部に入ってくれた事はとっても助かるかな)

そんな事を考えた後、俺はネロとワイズとソウマに声を掛けた。

 

「ネロ、ワイズ、ソウマ。色んな人に竜について知ってもらうために、そして俺達も竜について知るためにこれから皆で頑張っていくぞ」

「(おうよ!)」

『はい』

「ああ!」

 

俺の言葉にネロ達は声を揃えて返事をした。

(この皆のためにも、そしてあの時のような事を起こさないためにも、これから本当に頑張らないとな)

皆の事を見ながらそう思っていると、キャトラが何かを思い出したように声を上げた。

 

「あっ、そういえばカムイに部室とかが建て終わりそうな時には報せてくれって言われてなかったっけ?」

「……そういえばそうだったな」

 

(作業に集中しすぎてすっかり忘れてたな……まあ、創部届も出さないといけないし、今から学長室に行ってくるとするか)

俺は自分のペンを取り出し、創部届で唯一埋まっていなかった活動場所の欄をササッと埋めた後、ソウマに声を掛けた。

 

「よし……それじゃあ、ソウマ……いや、ソウマ副部長も一緒についてきてくれるか?」

「……ああ、もちろんだぜ、リオス部長」

 

俺達はニッと笑い合った後、皆の方に顔を向けた。

 

「それじゃあ、今から行ってくるよ。皆、その間留守番を頼んでも良いか?」

「ああ、もちろんだぜ!」

「待ってる間、皆でお掃除してるね」

「後で騎竜部創部記念のお祝いをしてあげるから、早めに帰ってきなさいよ?」

「ああ、分かった」

「それじゃあ……」

「「行ってきます」」

 

声を揃えて言った後、俺達は騎竜部のこれからについて、期待に胸を膨らませながら学長室に向けて走りだした。




政実「第4話、いかがでしたでしょうか」
リオス「新入部員はソウマだったんだな」
政実「うん。ソウマを騎竜部に入れることで、色々な事が出来そうだなぁと思ってね」
リオス「なるほどな。因みに騎竜部の部員はこれからも増えてくのか?」
政実「一応そのつもりだけど、まだまだ先の話になるかな」
リオス「了解。
さて……次回の更新予定はいつ頃になりそうなんだ?」
政実「大体1~2週間後くらいかな」
リオス「分かった。
そしてこの作品や本編についての感想や意見をお待ちしておりますので、よろしくお願いします」
政実「よし……それじゃあ、そろそろ締めていこうか」
リオス「ああ」
政実・リオス「それでは、また次回」
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