皆さん、あれですよ?
そう、さっきと同じパターンです!
……と、いきたいですが、今回の短い理由は本当にキリがいいと思っただけです。
関所にて
黒澤大悟を見失ってから歩くこと10分弱。リョータは、関所という場所に初めて訪れたのだが、どうやら少しイメージと違ったようだ。リョータの目に橋が見える。この先のど真ん中にデカイ噴水がある。そこがちょうど国境線になっている。
千葉と神奈川、そして埼玉はそれぞれちゃんとした自治を持った国だ。そのため、国外への移動にはパスポートが必要である。それも、全く出回っていないパスポートをだ。しかし、そのほとんどは偽造。見つかれば極刑が待っている。
「あれが、千葉……」
橋の向こうを見ながら呟く。だが、そうまでして国を出たい理由が、リョータは少しだけわかった気がした。
昔、ドイツという国家があった。ある時ドイツは資本主義と社会主義を掲げ、二つに割れたといわれている。その時国を分割するために首都ベルリンを中心に壁が作られたそうだ。後に歴史文書で語られるベルリンの壁だ。
資本主義とは、互いに利益を競争することで繁栄していこうという精神のこと。社会主義は、平等を考え、何もかもが統一したものになり、物品は配給制。競争して国民の所得に格差がないことをコンセプトとして挙げているため、とても貧しい生活を余儀なくされたという。
ある時、社会主義を掲げて暮らす一人の人間が、壁の向こう側が騒がしいと壁をよじ登って向こう側を見下ろしたそうだ。その時、彼はこう言ったという。
『なんなんだ……これは』と――。
その広がった絵は、明るく照らされた街がガヤガヤと食べ物や酒を持ちながら売る様子だった。社会主義で暮らす彼には、その光景が考えられなかった。いつだって街灯一つ照っていない貧しい街を配給切符片手に兄弟のために食料を運んで、朝は早くから働き、疲れて帰れば後は配給の時間を待つだけだ。
自分の置かれた状態。強制的に貧しい暮らしをさせられている自分が惨めに感じた彼は――壁を乗り越えた。
リョータにもそのように映った。千葉は限りなく高層ビルが建ち並んでいる。きっと襲撃のない中心都市は、毎日毎日お祭り騒ぎなのだろう。
「くだらねぇ」
しかしリョータは、その魅力に毒されることはなかった。あの高層ビル群。急速に発展したであろう繁栄の裏には、たくさんの血と死体の山が形成できる。どれだけ発展しても、あそこは帝国だ。仲間の安否など気にすることなくただ目の前の栄えという果実を人を殺してでも作ろうとする連中だ。そんなやつと一緒になりたくない。それがリョータの今持つことができる意見だ。
「さて……」
ここに来た理由は、ただの国境線警備だ。国境ギリギリのラインで警備をしようと考えたリョータは、噴水に向けて歩き出す。そして、少しの無言の間を挟んだ後、噴水へ辿り着くと、地面に腰を下ろして上を見上げる。
「そういや、暫くはここで夜を明かすことになるんだっけ……」
コートくらい持ってくればよかった。まさかここでは寝れないだろうが、こんな下に川がある場所の夜は確実に冷える。どうにかして寒さを凌ぎたいものだが。
「ま、どうにかなんだろう!」
しかし、開き直る。過去をくよくよするのは好きじゃない。今のところ国境線に敵はなし。眼前を遠くで佇む千葉より先に、まだ水がなくて絵にすらならない身が空っぽな噴水が目に入る。リョータは清水公園を思い出した。
「そういや、この数日前はあいつの安否しか考えていなかったんだっけか……」
そう、清水公園前で友達にヒーローになると言った時、リョータの全てが始まった。
次章、予告!
過去編です。以上!←はやっw
いよいよ話が盛り上がってきましたね。
えっ? 戦闘書けって?
も、もう少し待ってください。
ここからだんだんきな臭くなってくるので!
この連続投稿は、木曜まで続ければそうしたいと思います。
金曜からはかなり?更新が遅くなりますが、ご了承くださいね
ではでは次の更新で。