東京永年戦争   作:人世一夜

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安定の一日置き更新ですね。
今日はどうにかなりましたが、明日は更新できるかわかりません。
また気長に待っていただければ幸いです。


体の弱い友達

 

   ※

 

 清水公園は、子ども達の憩いの場でもあったが、遥か昔はレジャーのためにやってくる家族向けのレジャー施設だった。

 8歳ぐらいだったリョータとある少女も、そのような理由でやってきていた。もっともこの時に大半のレジャー施設は解体されており、ちょうど春の陽気な晴れ日だったためか、花見をしようというリョータの親が出した提案に少女の親が同意したのが始まりだった。

 それで、花見の弁当も粗方片付き、二人が暇を持て余している時のことだ。少女が向こうを指差しながら呼び掛ける。

 

「リョータリョータ!」

 

「ん?」

 

「あっちに面白そうな遊具があるから、遊ぼうよ~♪」

 

 その方向は、様々な遊具がある区画で、子どもの二人からすれば暇つぶしどころか、夕方まで楽しめてしまうくらい、まるで遊園地のような場所だった。

 誘われたままにリョータは手を引かれて着いていく。少女はとてもパワフルだが、それは見せかけだ。本当は身体が弱い。

 病院の人から余命とかを言われているらしい。

 

――だからこそ、全力で楽しめるんだろうな。

 

 リョータはその心意気に、思わず口元が緩んでしまう。

 

「リョータリョータ! 早く~!」

 

「あぁ、わかったってばさ!」

 

 二人は遊具を見て回った。自分なりの遊びやそれぞれ遊具にあった遊びをしてたくさん遊んだ。そして、気が付けば遊具も最後になっていた。

 

「リョータ! グラグラ吊り橋だって」

 

 看板の説明を見ながらいかにも不安定な橋を指差す。リョータはその方向にある橋を見ながら嫌な予感がした。子どもが渡るにしては足場である丸太と丸太の幅がおかしい。そしてクッション用にあるため池も、澄んではいるものの底がどれくらいあるかわからない。

 

「なぁ、やめといた方がいいんじゃないか?」

 

「何言ってんの? これぐらい平気平気♪」

 

 自信たっぷりな少女は横丸太柱に一歩、足を出す。グラグラと名称通り丸太が揺れた。思ったよりバランス感覚が必要のようだ。

 

「やめろって!」

 

「大丈夫大丈夫♪ ……よいしょっ」

 

 また一歩進んだ。グラグラ揺れる丸太からギシギシと音がする。と――。

 

 ベキッ!

 

「アッ……」

 

「はっ……!」

 

 丸太がボキリと折れた。慌ててバランスを取る。しかし、その折れた丸太が生んだ大きな穴にどんどんと少女の身体が引き寄せられる。

 

「リョータ……亮太っ」

 

 クッション用の溜め池が波を打つ。リョータの読み通りだった。この溜め池、どう考えても子どものためにあるクッションじゃない。二人は知らなかった。いや、看板に書いてはあったが、読めなかったのだ。この遊具は、『10歳未満以外使用禁止』という注意書きを。

 

「アプッ……あっぷっ……亮…………太……」

 

「待ってろ! すぐに助けるからな!」

 

   ※

 

 リョータの記憶は、そこで途切れている。

 

「あの後、どうなったんだっけ……」

 

 ふとその時、言葉が浮かんだ。

 

――死んだ?

 

「いやいや、違う!」

 

 頭を横に振った。辻褄が合わないのだ。リョータがヒーローになろうと思った理由は、あいつが『ヒーローになる!』と言い出したからだ。しかもあの溺れた後の清水公園の噴水前で。あいつは死んでいない。

 

「……」

 

 考えど考えど記憶の隙間は埋まらない。数秒考えたが、やはりだめだった。あの時何があったのか、気になるが考えより寒気が先に襲う。

 

「寒い……」

 

 もう太陽の光が沈みかけている。もうすぐ夜だ。警備もここからが厳しさをむかえる。リョータは空の噴水の先を見ながら仕事にやっと身が入るのだった。

 

 

 

 

 

 数時間が過ぎる。

 

「本当に、何もないのな」

 

 少しだけ楽しみにしていた噴水も、未だに噴き上げすらしない。今何時だろうと見てみたが、もう九時だ。とっくに休眠をとっている時間帯である。リョータはポケットから固形携帯食料の包まれた袋を取り出すと、封を切って中身を口に放り込む。少しパサパサしているが、甘みが口いっぱいに広がる。空かせた腹を満たすにはちょうどいいくらい味は良かった。

 

 カツッ。

 

「っ……!」

 

 噴水が噴き上がった。ビクッと身体を飛び上がらせたリョータは静かに口に含んだ携帯食料を飲み込む。湧き上がる噴水の向こうに何かいる。固い革靴か何かの音が聞こえたのだ。千葉の都市部が照らす明かりで、それを証拠付けた。後姿らしい影が噴水の前で座っている。

 

(こういう場合、どうしたらいいんだ?)

 

 国境線は越えていないが、ここまで近くとなると、報告する必要があるのだろうか。リョータはケータイを取り出す。が、

 

「あっ……」

 

「えっ……?」

 

 高い声が驚いたようにこちらを向く。ケータイを滑って落としてしまった。急いで拾うと、噴水のカーテンの向こうで人影が立ち上がる。すると、ゆっくりこっちに近づいてくるではないか。

 

(やばい……!)

 

 顔面蒼白になりながら立ち上がろうとするリョータ。しかし、長く伸ばしていた足は痺れをきらしていて中々曲げることができない。

 

「だれ?」

 

「だれって……」

 

 振り返った瞬間、顔が目の前過ぎて一瞬硬直する。仄かに甘い香りがする。顔つきからして女の子だ。緑の髪を揺らして、目をパチクリさせている。

 

「リョー……タ?」

 

「……えっ?」

 

 少女の顔がゆっくりと動いた。

 少女の頬に涙が伝う。

 

「まさか……マユミ?」

 

「リョータぁ!」

 

 清水公園の少女――マユミが、今リョータを抱きしめている。突然すぎて夢ではないかと思った。もう何年かぶりになる。病気で死んでしまったのではないかといつも考えていた。

 

 




二人は、昔の友達だったんですねぇ(しみじみ)←書いてるお前が言うかw

こっから色々こじれてきます。
千葉と神奈川の……おっと、ネタバレは控えます。

今日のはちゃんと目安で書けました。
しかし、途中でかなり行き詰りまして;;

大丈夫かなぁ……
本当に完結できるのでしょうか。
でも、応援してくれる人や、東京ヒーローズウォーを懐かしむ人もいますので、がんばります!!

その代わり、更新が遅くなることについては本当に文句付けはなしでお願いします……
そりゃ賛否両論あるとおもいますが、そうまでしてリアを忙しくするのも嫌なので。

次の更新も楽しみにしていただけるとありがたいです。

では、また!
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