明日から少し私情で小説編集の時間がたっぷりとれるので、もう一ページは更新しようかなと思います。
えっ? 文字が少ない?
それについては後書きで。
リョータは、見えない目を擦り、周囲を気にしながらヒビの入ったアスファルトをしっかりと踏みしめて歩いていた。
今日の天気は大方晴れ。日差しがかなり眩しいが、リョータの視界の感覚はその日差しを鈍く感じ取っている。
――こんなになったのは八割方あいつのせい、二割は俺の不注意だ。
リョータは意地でも自分の不注意というのを認めない。どうしてもユージの出した言葉に頭にきていた。
『必ずお前を守ってやる』
「はっ、何が守ってやる、だ。ほとんど嘘じゃねぇか」
煮えたハラワタは、ついに愚痴として零れる。事実、ユージは自分で放った確言を迷言にしていた。リョータの負傷した目は、それを証拠付けている。
暫時、ちょうど国境線のある関所がもうすぐ見えてくる少し手前でのことだ。
「ん?」
前方に4人ほどのヒーローが点のように遠くから映った。近づいていくに連れてどんどんその黒い影が拡大していく。
ある一人のヒーローに、三人のヒーローがガンを飛ばされ、絡まれている。雰囲気の悪そうな三人青の三人組からして、どうやら囲まれた一人は仲間ではないようだ。
「すまないなぁ。立ち止まって貰っちゃってよ」
「俺らちょっと困ってんだよね~」
「とりあえず、持ち物全部置いてってくんない?」
「……」
(あいつら……)
よりにもよって関所に近いこの場所で堂々と。よくとは見えないが、いくつか強力な武器を常備している。日本刀やダストイーグル……だろうか。リボルバーらしきものも見える。奴ら三人してあれだけの武器を携帯している、また、日常茶飯事にここで身包み剥がしをしていると考えると、相当な熟練者だ。
それに対して囲まれた中にいる彼はなんだ。服の裏に防弾シールが積まれているわけでもなく、腰やポケットに武器が仕込まれている様子もない。その姿は、まるで『ちょっとそこまで』とばかりに出掛ける気分で外を歩いていたような状態が想像できる。
「……おいおい大丈夫かよあいつ。あの軽装じゃあ歯が立たねぇんじゃないか?」
と、リョータはしばらく様子を見物していると、あることに気づいた。囲まれた中にいるヒーロー。黒く靡いた髪を揺らせたその二十代くらいの男性の全体を見ても、どこの勢力か見分けることができない。普通であれば、必ずバンダナか布切れを額や二の腕に巻いて、すぐにわかるはずなのだ。リョータはハッとなる。
彼はフリーだ。
そうとわかれば、見守っている場合じゃない。神奈川の仲間はいつだってそうしてきたんだ。
「フリーは助けろ、か。流石に指導者には逆らえないよな。それに、目の前で死んでもらっちゃ、俺も気分が悪くなるし」
リョータは不安定なアスファルトを蹴った。そして、三人の間に割り込んで内一人へタックルをかました。
「ぐはっ……」
(うし、上手い具合に割り込み完了、後は…………はっ!)
しかし、そこで重大なミスを起こす。リョータはこれくらいの敵なら大丈夫だと思っていた。タックルを真ん中の奴にかまし、すぐさま事態に動揺した二人へ能力を浴びせるつもりだった。だが、考えてもみればすぐにわかることだったろうに、気づけなかった。今リョータはほとんど目が見えない。これだけの近間でもぼやけてしまう。
「なんだてめぇ!」
「勝手に会話へ割り込んでんじゃねぇぞガキ!」
(ヤバイ……)
一か八か、周囲に能力を使ってフィールドを張ってみるか、と頭の中で考えたが、もし能力者の中に自分に対して不利な属性を持っていたらどうする。危険な賭けだ。そう思慮しているうちにどんどん時間は過ぎていく。このままでは助けに入ったリョータもろともやられる。
「…………やれやれ、俺を知らない奴らがぞろぞろ三人集まりやがって」
「えっ?」
リョータは不意の声に振り向く。すると、
ドサッドサッドサッ――。身体が、引力に吸い込まれ、勢いよくぶつかった音。勝敗は一瞬にしてついた。リョータ自身何もしていない。ただ、目の前で気さくに笑う彼が、何かをしたようだった。
黒髪の男性。なんとか登場できました。
結局その姿を拝見することはなく、運営はイラストを公開することもなかったキャラの登場です。
名前は……次の更新で!
前書きの字数が少ない理由ですが、この話タイトルはまだ続くからです。
ごめんなさい。確かに(キリはいいですが)こんなところで終わらせると、字数が足らなくてボリュームがないように感じるでしょうが、ご了承ください。