艦隊これくしょん―七十年後の君へ―   作:謎のks

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 ○前回のあらすじ

 エースはリカルドより、艦娘は二つの精神を宿し、ふとした瞬間に「前世の記憶に呑まれる可能性がある」ことを聞き出す。
 困惑するエースだが、リカルドより提督の使命…艦娘を人として導く役割を聞かされ、躍起になる。
 …しかし、兵器としての役割を理解している矢矧から「自分たちとは見ている世界が違う」と一蹴され、貴方はこちらに来てはいけないと言われてしまう。
 しかし、彼女たちを放っておけないエースは、ある行動に移る。それは…?


第二十四話 三様

 ──都内病院「特別病棟」

 

 物々しい機材が並ぶ中、中央のベッドに横たわる少女。口元には呼吸器が付いていた。

 彼女の様子を部屋の外から、大窓のガラス越しに見る二人の人影。一人は眼帯の男リカルド、もう一人は…?

 

「…コイツが、関四郎の手駒だった化身の一人だ」

 

 フォックス。彼はエースに頼まれて「とある艦娘たち」を探していた、春野首相にその艦娘の居場所を聞いたところ、この場所…都内病院の特別病棟に行くように言われた。

 そんな彼に真っ先に声を掛けたのは、意外にもリカルドの方だった。彼はフォックスの前に突然現れると「俺をそこに連れて行け」と半ば強制的に同行者となった。

 

「…コイツは今一人かい?」

「いや、こいつと奥にもう一人治療中…って言や聞こえは良いだろうが、二人とも植物状態ってヤツで一応息はしてるが、呼吸も浅くて意識も戻らないそうだ」

「ぬぅ…そうかい」

 

 リカルドはガラスに手を置きながら、悲しそうに目を細め少女を見つめる。

 

「アレはお前さんらが…だろ?」

「あぁ…しっかし、まさかコイツらがかよ。雪たちがやけに親身になってたのは…偶然じゃあなかったのか?」

「あぁ、俺もヤハギたちの仲間がどうなっているのか確認しておきたかったんだが…そうか」

 

 どうやら二人は、化身少女たちの正体…彼女たちが何の艦の魂を宿しているのか理解しているようだ。口ぶりから判断するに「坊ノ岬組」関連だと分かった。

 

「どうする、Boyたちにはどう伝える?」

「…とりあえず保留にしとこうぜ? 折を見て話しを振ってみるわ。今は…色々手一杯だからな」

「そうさな? …ありがとよBad boy? ヤハギたちのかつての仲間を、俺も一目入れておきたかったからな?」

「ケッ、親心ってやつか?」

「ん? …ウハハ、そうだな。…そういうことなんだろうな?」

 

 リカルドがそう寂しそうに零すと、フォックスは「いつものやり口」で彼の持つ情報を聞き出そうとする。

 

「…おっさん、アンタはコイツが「化け物」だと思うか?」

「………」

 

 フォックスの煽りのような問いに、長い沈黙が返ってくる。返答はないが…彼の顔に答えは確りと描かれていた。

 

 ──この娘たちは「人」だ。

 

 それを見てフォックスは、やり場のない悲しみが広がった。そして彼の無言で語る「正義」を肌で感じる。

 人の正義の観点は「自分視点」か「他人視点」か、それに尽きる。自らの野望のために何物をも犠牲にするか、はたまた自身を犠牲にしてでも他者を活かすか、その違いである。

 リカルドの素性は未だ謎が多い、しかし…一つだけ言えるのは彼は後者の「己の正義で他者を守る」タイプである…ということ。

 

「(傭兵ねぇ? …まぁ焦っても仕方ないか、別に今すぐじゃなくても時間はまだあるだろう)」

 

 リカルドの持つ情報は、フォックスですら知らないことを識っていた(艦娘の法則性など)時点で「膨大」であると予測出来る。彼はリカルドの隠し持つ情報から「TW機関」の足取り、あわよくば深海棲艦打破の手掛かりを得ようとしていた。

 

「(おやっさんもそうだったから、おそらくコイツも「軍の関係者」と見て間違いねぇ。機関についても知見があるとみて良い、しかも外国の「然るお方」だとかに雇われた…か。下手すりゃおやっさんより真相知ってるぜ、コイツは…?)」

 

 しかし、当の本人は口を重く閉ざしており、これ以上言っても何を聞いても無駄である。そう感じたフォックスはそれ以上の口を閉ざした。

 …二人が窓の外から、横たわる化身の少女を眺めていると、廊下奥から黒髪の美女が姿を見せた。

 

「フォックス、向こうを見てきたわ。…あら、この方は?」

「おぅ高木。このおっさんは…リカルドっていうただの娘に激アマの親父だ」

「Come on. せめて「お兄さん」だとか「兄貴」だとかな?」

「アンタ、そんな老け顔でよくんな事言えるな?」

「ウハハハ! どんなに老けても心は若いのさ!」

「あらあら、面白い御仁みたいね? …うふふ♪」

 

 元女刑事の高木。高木はフォックスと共にTW機関の足取りを追っていた、それも国から雇われた「探偵」として。

 今回は関四郎の足取りを追う過程として、化身の少女たちについて調べている最中であった。

 

「んで高木、向こうのはどうだ?」

「…酷い有り様。包帯やベルトでベッドごと簀巻きにされていたわ、突然暴れ出すことがあるから、致し方ない処置だって」

「あん? ”植物状態”だってのにか?」

「えぇ、いつもは静かに眠っているらしいけど、時々なるらしいわ。最近は頻度が増してきて、手当たり次第に周りの物を壊そうとするんですって」

「…どういうこった?」

 

 フォックスたちは化身の少女の異変を訝しむ…が、その疑問に確かな問いを掲げる者がいた。

 

「──ソイツぁ前世の記憶の「反芻現象」だろうぜ?」

 

 リカルドだ。静かに答えを出す彼に二人は彼の方を見やる。

 

「反芻現象?」

「あぁ。彼女たちは人造化身なんだろ? 本来は前世の艦から転生して成るカンムスを、彼女たちの場合は「無理やり」艦の魂を繋げちまってる。つまり…肉体と精神の「魂の同調」が上手くいってないのさ。植え付けられた艦の記憶が悪夢として出ちまってんだな。まぁ人造化身にゃよくあることだが?」

「…ッチ、なんだそりゃ。胸糞悪ぃ」

「あぁ全くだ。…Eat shit and die」

「ケケッ! ”クソ食らえ”か、違いねぇ?」

 

 フォックスたちの会話を余所に、高木はガラスの向こう側の少女を見やる。

 

「…こっちの子は大人しいわね?」

「あぁ…こっちには反芻現象は起きていない、同調が上手く出来てんだろうさ?」

「スゲェ綺麗な顔してるよな…コイツが……艦娘だなんてよ」

 

 フォックスの言葉に、誰も何も返せずただ沈黙が漂う。

 

「…ッケ、感傷なんて俺らしくねぇか! …結局目ぼしい情報もなしか。コイツらはとりあえず様子見として、さっさと機関の足取り探しに戻るとするか。行くぞ高木!」

「はいはい…ではリカルドさん? またお会いしましょう?」

「あぁ…」

 

 収穫無しと見たフォックスたちは足早にその場を後にし、リカルドはそんなフォックスたちを見送る。…視線を移して、少し寂しげにガラスの向こうの「眠り姫」を見つめながら、彼もまた感傷に浸る。

 

「…コイツらにも人としての人生があったはずだ。それを台無しにしたのは…"俺たち"なんだろうな」

 

 意味深に言葉を呟くと、彼もまたゆっくりと歩きだす…艦娘の強化訓練、その準備のため動き始める。

 

 

 

 

・・・・・

 

 一方、ここはとある森林地帯、落ち葉を踏みしめながら森の奥深くを駆け抜ける一つの影が。

 

「はぁ……はぁ………っ!」

 

 エースである。しかもその姿は「泥だらけの血だらけ」血眼になり一心不乱に走る姿は、とても普段の温和な彼とは似ても似つかなかった。

 しかし、彼がただ単純に森をマラソンしている訳ではなかった。

 

「…(ガサッ)はっ!? うわああぁぁ!!?」

 

 先ず落とし穴、至る所に仕掛けてあるのかエースの走った後は地面が穴だらけになっていた。

 

「いっつ……っ!!」

 

 激痛に見舞われながらも、必死の形相で穴から抜け出すと、また走り出そうとする…しかし。

 

「(ピシャッ!)うおわあぁぁ!?」

 

 今度は足元に「罠」が。足を吊り上げられ、そのまま体ごと空中に投げ出され宙ぶらりんになる。上を見上げると縄が足首に絡まっていた。

 

「くそ! …(ガッ)…っわ!?」

 

 エースは足首の縄を解こうとするも、空中に張り巡らされた細縄…即ち別の罠に接触してしまう。

 

 

 ──ピシュンッ!

 

 

「ぎゃああああっ!!?」

 

 身体を大きく捻り、迫り来る「矢」をなんとか躱す。必殺の一閃はそのまま近くの木に刺さる。

 

「容赦ねぇな…っ!」

 

 木から矢を引っこ抜くと、矢じりで足首の縄を切る。無論重力の法則で、切れた瞬間そのまま地面に叩きつけられる。

 

「…っく!」

 

 受け身を取りながら、エースは森の奥をただひたすらに目指した。

 

 その奥で待つモノは──

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「…ん?」

 

 折れた丸太を椅子代わりに座る少女が振り向くと、息も絶え絶えなエースが立っていた。

 泥と血、そして痛みからか目には涙まで浮かべている…ボロボロになった服も相まって、常人ならその痛々しい姿を見て耐えられる者は居ないだろう…。

 

「…ほぉ? 私の罠を掻い潜って来たのか」

 

 しかし、平然と賞賛を口にする黒髪の少女「磯風」に彼に対する意識、同情、焦りなど微塵も感じられない。それが…その姿こそ「当然」と言いたげに。

 

「中々の根性だが、私に用があるにしても他にやりようがあったのではないか?」

「…どういうことだ?」

「貴様はエース、と言ったか? 浜風から聞いている。浜風に伝令を頼めば私はいつでも応じる、逃げも隠れもしない。…何故そうしなかった?」

 

 エースは荒く息を吐きながら目を伏せ、言葉を探すと目を開き答えた。

 

「…君がこの山奥で一人で野宿しているって、その浜風ちゃんから聞いた」

「そうだろう、であれば…」

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「…何?」

「俺は戦争を知らない。君たちの痛みも…分かってやれない、悔しいんだ。そんな自分が」

 

 過酷な状況を切り抜けた故か、エースは鬼気迫る表情と声色で磯風の問いに答える。

 

「…ほぅ? それで?」

「だから…君が日頃から周囲に罠を張っている、って聞いて…これしかないと思った。この痛みが、激しさが…「戦場」なんだな」

「…お前は、私の張った罠に「自らの知らない世界」を感じ取り、それを体感することで、艦娘の「痛み」を知覚しようとした。…そう言いたいのか?」

「ああ…」

 

 そう短く答えるエースに、磯風は深くため息をつく。

 

「…馬鹿か、貴様は?」

「馬鹿なんだよ、俺たちは。こうでもやらないと…解ってやれない。だから、教えてほしいんだ。君たちの思いを」

「悪いが、私は前世がどうだのはどうでも良いと思っている。浜風が浮かれているようだが、艦娘だなど、そのようなことは戦場には関係ない」

「俺は前世の君の考えや、艦娘としての思いを聞いているんじゃない。…君は? 俺は「君」自身の答えが知りたい。…こんなことでしか君たちを知ることが出来ない俺を、どう思う?」

 

 磯風は目を見開くと、少し考えるように顔を伏せる。…そして顔を上げ一言。

 

「…ただの猪突猛進の阿呆。しかし…何かを知ろうとする心そのものを、否定するつもりはない」

「……ははっ、そっか…それでいい……良かっ…た」

 

 エースは満足気に笑うと、そのまま枯れ葉のカーペットに倒れこみ、そのまま睡魔に襲われる。

 

「…………」

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「……ん」

 

 エースが気がつくと、彼はテントと思しき空間で眠っていた…身体を見ると、誰かの手当か上半身の肌に包帯が巻かれていた。

 

「…ここは?」

「起きたか?」

 

 テントから顔を出したのは磯風だった。彼女の温かな顔を見て、エースはぼんやりしながらも今までの状況を思い起こした。

 

「…っは、そういや俺……ごめん磯風ちゃん、迷惑かけたみたいで?」

「全くだ。だがお前なりの考えあっての行動だろう、私はお前を責めはしないさ」

「…ありがとう」

「ふっ…そら、市販のもので悪いが握り飯を買って来た、これでも食え。帰りは私が送ってやる、まだ罠が残っているだろうからな」

 

 静かな語り口調でエースを労う磯風、彼女の人間性を垣間見て、改めて艦娘と人に違いはないことを悟る。

 

「(絶対に忘れさせない…彼女たちの温かい思いだけは…!)」

 

 呪いとも言える前世の記憶、ほんの断片であろうとその痛みを思い知ったエースは、必ず彼女たちの「在り方」その解答を見つけ出すと、心に誓うのだった。

 

「…どうした?」

「あ、いや。ありがたく頂くよ磯風ちゃん」

「うむ。しかし…磯風"ちゃん"か…私はあまり女扱いされるのは慣れていない」

「えっ? …あ、そうか。傭兵家業が長かったとか?」

「そうでもあるが、私は「兵器」であると認識しているし、周りからもちゃん付けされたことなどない」

「そんな…でも、俺にとっては磯風ちゃんってことで、良いんじゃないかな?」

「っ! ……っふ、変わった男だ。……お前は…違うかもしれないな?」

「…?」

「いや。…さぁ、早くそれを食ってしまえ」

 

 磯風に急かされ、おにぎりを食べ終えたエースは、その後彼女の導きにより無事罠の道を抜けた。

 

「…私はお前のような男は、嫌いではないぞ。エース?」

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 エースが命からがら帰路に着いた頃、とある場所では…?

 

「ん〜?」

 

 アトラスが唸りながら、何かの設計図と向き合っていた。

 政府が秘密裏に用意した彼らの工房、そこでは日夜艦娘の艤装の研究が行われている。

 最初の疑問として、艦娘は様々な武器の威力を上げることが出来る。その中で何故「艤装」という兵装に拘るのか?

 それはかつてフォックスが見つけた政府の極秘資料に記されていた「化身(艦娘)は軍艦等の兵装を操る時、深海棲艦に対し威力補正を得る」とあるから。

 資料では、かつての世界大戦終結直後に現れた深海棲艦も、当時の艦娘の乗船した軍艦(名前未記載)による砲撃、爆撃により撃退しているとある。

 つまり…呪いの法則として「艦娘の触れた軍兵装には、一際特別な力が宿る」ということであり、それが深海棲艦を打倒する唯一の方法であった。

 しかし…艦娘を軍事転用しようとしたTW機関の長きに渡る暗躍により、日本という国はかつてないほどの窮地に立たされてしまう。

 TW機関の暴走を止めたいフォックスは、アトラスにその法則を話した上で、艦娘を利用した”クーデター紛い”の、化身による侵略行為を妨げる計画を話す。

 だが当時は軍関係の当てもない(十郎太も中々手を貸さなかったこともあり)ので、軍艦もしくは海自の護衛艦は手元に無かった。流石のアトラスでも一人で軍艦を造ることは出来ないので、彼は思考を変えた──

 

『んじゃ人間サイズの"兵装"造ればいんじゃね?』

 

 アトラスの斜め上の発想に、勿論フォックスは「いやいやいや」と反論するも…構想として頭に置いて、先ずは艦娘探しを優先していた。その矢先に「利子」と出会い、彼女にも計画を話した上で協力を受けた後、秘密裏に兵装製作を進めていた。

 アトラスと利子の合作とも言える「艦娘専用艤装」いざ実践すると思いの外上手くいったので、フォックスも舌を巻いていたという。

 それもこれも、アトラスというある種の天才が起こした奇跡であり、協力者の利子も「ええいだから貴様は嫌いなのじゃ」とその実力に太鼓判を押した。

 

「は〜〜……」

 

 またも唸るアトラス。彼は艦娘のシステムを構築する上で「当時の艤装を再現する形の方が、艦娘たちも肌に合うのではないか?」と思い至り、アレンジを加えながらもそれぞれの艦娘の艤装と、ほぼ同じ兵装を造り上げる。

 実際のところ好評(利子評価)なので、それで通そうとするアトラスだが…今取り掛かっている新しい兵装は当時の資料も少なく、再現が難航していた。

 

「これがこう……んだから………ん? んん〜??」

 

 アトラスは天才的な技術力を有していても、歴史好きというわけではない。エースやフォックスも軍事方面であまり博識、というわけではないのでどうやれば良いか分からないでいた。

 そもそも現在艦娘たちの艤装として装備してある「魚雷」も、その気になれば「音響探知式ホーミング魚雷」を造れる、があの時(関四郎との決戦時)は必要なパーツが手元になく、更に取り付けにも時間を要し量産にも向いていない、幸い現在はパーツも何れは政府より支給され、量産のための人員も確保出来る手筈だが…それでも、工夫すればどうにか出来たのではないか? そう思うアトラスであったが、今の自身の技術の腕前ではアレンジにも限界があった。

 技術士として、彼はまだ発展途上。当時を再現するにあたり「経験」が必須であることは明白。

 

「おーい源三!」

 

 源三…改めアトラスは、自身の本名を呼ぶ声に振り返る。

 

「ん? 何だぁ利子?」

「何だではないわ! えらいことじゃ! これを見よ!!」

 

 慌てた様子の利子が机にある設計図を広げる。

 

「ん! …こりゃあ」

「今しがた政府から送られて来たものじゃ! 新しい艦娘を迎えるのでその艤装を新しく造って欲しい、とのことじゃ!」

「んだなぁ。んでもよ…どう見てもコイツは」

「うむ。政府もそういうことだと言っておる、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

 利子は寧ろ目を輝かせながら嬉々として設計図を見つめた。

 

「…へぇ?」

 

 アトラスもまた、その設計図にニヤリと不敵に笑う。

 これは、宛名のない挑戦状。彼は更なる躍進のため…それを受け取る。

 

「…んよし、いっちょやるかぁ!」

「お、やる気じゃな? 吾輩も居ることを忘れるなよ!」

「ういうぃ。…へへっ、楽しみだなぁ!」

「うむ!」

 

 二人の技術者は、設計図を睨みながらその本分を果たそうとしていた…。

 




○お母さんと一緒。

 ──ピンポーン。

榛名「はーい? どちらさまですか? (ガチャ)」

???「…あ、ここって影二君のお部屋かしら?」

榛名「はい…? (すごく綺麗な人です…!)」
???「…貴女もしかして榛名ちゃん?」
榛名「ふぇ、榛名を知っておられるのですか?」
???「もっちろん! …あ、もしかして進ちゃんいる?」
榛名「はい…しんちゃん??」
???「そっか! 進ちゃーん! 遊びに来たよーーっ!」

エース「ぶっふぉ!? ま…まさか」
フォックス「お、マジで来たのか? 相変わらず行動力あるなぁ」
アトラス「んだなぁ」
榛名「(ガチャ)エースさん、お客様です。綺麗な女の方が…わっ!?」
エース「(ドアから覗く顔を見て)…はぁ、母さん」

礼子「いぇ〜い、間宮 礼子(まみや れいこ)愛しい息子に会いに来ました〜♪」ぴーす

榛名「…っえ!? (驚愕)」
フォックス「おばさんお久〜」
礼子「あら影二君、源三君も! 少し見ない間に大きくなって…!」
アトラス「んども」
エース「…ホントに何しに来たの?」
礼子「進ちゃんのガールフレンドを見に来たの! すっごく可愛いわね、偉いわ進ちゃん! 挙式はいつ?」
エース「話が飛躍しすぎぃ!?」
榛名「は…えっと……???」
フォックス「おぉ、榛名ちゃん珍しく動揺してる」
アトラス「若えからな、エースの母ちゃん」
エース「母さんは親父とは結構歳が離れてるんだよ(10歳ぐらい)、それでも若すぎる、って周りからよく言われるけど?」
榛名「そうなのですか……」
礼子「はぁ、良いわね…若い男女の微笑ましい会話」
フォックス「いやいやおばさんw アンタも充分若いって!」
礼子「もぅ影二君たらぁ! お世辞でもおばさん、マンモスうれピーぞ☆」
エース「やめて母さん、そのセンスは俺が死ぬ!」
榛名「あはは…はっ! そうでした! 改めまして榛名と申します、よろしくお願いします礼子さん!」
礼子「あらあら、ご丁寧に。…進一の母の礼子です、よろしくね榛名ちゃん、あとお義母(かあ)さんって呼んで!」
榛名「はいっ!お母さん! (意味は分かっていない)」
エース「もうやめてよぉ…(恥ずか死)」
フォックス「ケケケ! …んで、連絡あったけど、ホントに泊まるのか?」
エース「はぁっ!!?」
礼子「ええ、お父さんがね? 進一の側で支えてやってくれって。あ、大丈夫。別のお部屋借りて、時々お邪魔させてもらうだけだから」
エース「何が大丈夫なの!? 俺に拒否権は?!!」
礼子「進ちゃん、これからはお母さんと一緒よ。何を頑張ってるかは聞かないけど、頑張りなさい!」
榛名「良かったですね、エースさん!」
アトラス「んだなぁ」

エース「のおおおおお!!?」
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