艦隊これくしょん―七十年後の君へ―   作:謎のks

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 ○前回のあらすじ

 潮音は、親友であった明里を傷つけたことを後悔していた。エースはそんな潮音の暗い顔を見ているだけしか出来なかった…。
 しかし、転機は突然訪れる。明里が潮音の目の前に現れたのだ、明らかに冷静ではない明里は潮音を助けようと、無理矢理外に連れ出す…エースがその場に現れ事無きを得たが、二人の溝はそのまま…かと思われた。
 しかしエースの機転により、潮音や明里の本心を明らかにすることに成功する。明里は潮音に心から謝罪し、事態は一件落着…が、明里がエースたちのサークルに対し懐疑心を抱いていた。
 エースも明里をこのまま放っておくわけにもいくまいと、彼女を特別に「見学」という形でサークルに招いた、これで彼女のトゲが取れれば…エースは潮音と明里の仲睦まじい姿を見ながら、そう思うのだった。


第二十六話 想い

 ──私の家庭には、ちょっとした複雑な事情みたいなものがある。

 

 って言うのは、昔は貧乏だったんだけど…私のお母さんが亡くなって、一、二年後くらいにお父さんが再婚するって言った人が、所謂「名家」ということで。

 それが今のお母さんなんだけど、とっても優しくて、でも厳しい時はすごくキビしい…っあ、今のは聞かなかったことにしてね? あの人が怒ると「怖いなんてものじゃない」から…;

 で、そのお母さんが教育熱心というか…"エース君たち"と一緒にいた小学校から「いかにも上流階級」な学校に転校させようとしてるし、習い事もいっぱい…まぁ長くなるから掻い摘んで言うなら「日程次第では日曜であっても終日外に出回っていた」…なんてことも。

 お父さんは寿司職人で、お世辞にも繁盛してるって言えなかった小さなお店でお寿司を握ってたんだけど、そこの常連さんが今のお母さん。足繁く通うようになっていた理由は「貴方の笑顔を見に来ました」だって? お父さんって確かに笑顔は可愛いかもだけど、すぐ怒るし顔もイケメンってほどじゃないし…分かんないなぁ?

 …で、結ばれた二人だけど、転校するって話になると、私は大泣きしてイヤイヤ言っていたらしい…その時のことは覚えてないけど、どうして泣いていたかは分かっている。

 

 ──離れたくなかった。当時の私は内気でドジで、何をやってもダメで…それでも、そんな私を受け入れてくれたのが、エース君たちだった。

 

「ねぇ! 一緒に遊ぼう!」

「けっ! 仲間に入れてやってもいいぜ?」

「んだなぁ」

 

 彼らとの遊び…もとい活動は、鮮明に覚えている。

 

  ある時は、捨て子猫の新しい飼い主を探してあげたり。

 

  ある時は、地方の都市伝説を調べてみたり。

 

  ある時は、転勤になった先生に、サプライズを用意してあげたり。

 

 大小さまざまな事件事柄に、首を突っ込んでいった。…危ないこともたくさんやった、それでも…そのどれもが私の宝物。

 だから…どうしても行きたくなかったんだと思う。それでも「これも貴女のためです」と無理やり連れてかれてしまったんだけど?

 

 

 ──まぁ。

 

 

「龍美ちゃん、離れても俺たちは友だちだよ!」

「…ありがとう、エースくん」

「…けっ、さっさと行きやがれおっぱい魔人」

「フォックスくん……そのにっくねーむ止めて……恥ずかしいよ…///」

「んだら、元気でな?」

「…うん、アトラスくんも…皆、元気でね!」

 

 

 ちゃんとお別れ出来たし、私的にはなんの後悔もないんだけどね?

 

 あるとしたら、その後かなぁ…エース君たちと離れた後、私はお母さんに言われるままに生きてきた。習い事も駄目なりに頑張ってたし、お母さんも得意の弓術を教えてくれたし…仲は良いと思う。

 でも…窮屈だったし、私には向いてないなって…お母さんたちに黙って家出して来ちゃった。

 お母さんにはもちろん止められたけど、今では「貴女の好きに生きなさい…誰にも縛られる必要はないの」って言ってくれた。…なんだか哀しそうなのは気のせいかな?

 

 …それで、一人暮らしを始めようとした矢先…あの「夢」を見た。

 

 それからは、皆が知ってる通り…私の苦しみを理解したエース君やフォックス君たちと、国の隠された謎や呪いを暴いたり…ついこの間のことなのに、何故か懐かしく感じる。

 …でもね、時々思うんだ。私は皆の期待に応えられているかなって。艦載機を飛ばせるのは空母の私だけみたいだし(もう艦種関係なくない? とは思うけど、利子ちゃんには「呪いの利点を有効活用せねばな!」って言われたし?)

 だから…せめて皆について行けるようにならなくちゃ! …この海を、世界を…皆の居場所を、守るために!

 

 …出来るかなぁ? (´・ω・` ;)

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ──Start our mission.

 

 

 

 "敵水上部隊の動向を探れ!"

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、榛名たちがいつものように哨戒任務に当たっていた時の一幕。

 

 この日は榛名、龍美、初花、雪、菊月、酒匂と言った「比較的身軽な」メンバー構成となっていた。

 その日、特に何事もなく終わると思われていたが…後方の酒匂から「敵艦発見」の合図。見ると、水平線に黒い点のようなものが動いていた。…エースが見守る中、榛名たちはその謎の部隊に近づく。

 

「…っ! あれは」

 

 その正体は、深海水上部隊…駆逐イ級三隻、軽巡ホ級二隻、そして…おそらく旗艦であろう隊列奥の後ろ姿は…「重巡リ級」。

 ホ級が「イ級の裂けた口の奥から身体を出している女性(?)」とさながらホラー映画の様相に対し、リ級はどこか人間体に近い…これまでで例えるとヲ級やル級に近い。

 しかし彼女も深海棲艦、まるでビキニ姿ではあるが、灰色の肌に虚ろな目、更には両腕には「イ級を模した大砲(深海艤装と言ったところか?)」のような武装をしている。これまで確認されている深海棲艦で最も厄介なのが彼女だろう。

 というのも、リ級はイ級にも勝るスピードとル級クラスの砲撃火力を有すると報告で上がっている。つまり…。

 

『敵対したら厄介だぞ…ん?』

 

 エースは上空からの映像から、リ級たちは榛名たちに「気づいていない」と窺えた。榛名たちはリ級たちの側面を捉えていたが、リ級たちはそのままどこかへ向かおうとしている。よほど急いでいるのか…?

 

『どこかへ向かっている…! まさか…奴らの本拠地!?』

「っ! では…このまま尾行するというのは?」

『い、いやそれは…危険すぎるよ』

「だ、大丈夫! いざとなったら私の艦載機で何とかするから…!」

『龍美ちゃん…分かった!』

 

 エースは龍美の気概を汲み取り、彼女たちのリ級部隊の追跡を承認する。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 数十分後…敵部隊の後ろから、彼女たちに気づかれないであろう位置からこっそりと後をつける榛名たち。

 

 日本海域から大分南下している。このままでは太平洋の真ん中にたどり着く。

 

「はぁ…はぁ……」

「龍美さん…大丈夫ですか?」

「う、うん…うぅ…こんなに駆けずり回る羽目になるなんて…」

 

 龍美がぼやいていると、リ級たちが左へ微旋回しようとしていた。…目的地が近いのかも知れない。榛名たちも慎重に一定の距離を保ちながら、左へ舵を取ろうと波を滑ると──

 

『…SHAAッ!!』

 

 リ級たちが華麗に反転し、そのままリ級が隊列先頭(旗艦)になる…敵艦隊は榛名たちの前を「遮るように」横一列となり躍り出た。

 

「…っえ!?」

『な…まさか”T字戦法”!?』

 

 「T字戦法」…縦一列に並んだ艦隊は、横に並んだ艦隊にとって「格好の獲物」先頭から順番に倒していくことで効率的に敵の戦力を削ぐことが出来る。空から見たら「Tの文字」に見えることからその名で呼ばれる。因みにリ級たちが仕掛けたこの虚を突いた戦術は、皮肉にもかつての連合艦隊司令長官「東郷平八郎」が魅せた戦法(通称”東郷ターン”)と似たものだった。

 

『皆逃げろ、罠だ!!』

 

『SHAAA!!!!!』

 

 エースの叫び声も虚しく、リ級たちは榛名たちに向かい集中砲火を浴びせる。

 

「っ! ぴゃあ~~~!!?」

「酒匂ちゃん!?」

 

 雪が驚き叫ぶ、見ると爆音が響き水柱が乱立する中、後方の酒匂が敵の砲撃の餌食となっていた。彼女の叫びと共に、艤装に大穴が空く大惨事が…「大破」であった。

 

「酒匂っ! 無事か!?」

「だ、大丈夫…でもないかも…ぴゃあ……っ」

『…(ニヤリ)』

 

 菊月は酒匂の無事を確認するも、矢張り艤装の不調により酒匂のスピードが落ちていた。艦隊は酒匂のスピードに合わせるも、それは敵にとって格好の的となるも同義だった。

 憎々しく嗤うと、リ級は止めとばかりに両腕の深海艤装の照準を酒匂に向けた。

 

「させません!」

 

 榛名は酒匂を守るように艦砲を展開し、一斉射撃で敵艦隊を攻撃する…しかし。

 

『SHAA!!!』

 

 予期していたようにリ級は先頭にて後続を引導しつつ、榛名の攻撃を悉く避けてみせる。

 

「っ! 早い!?」

「な、何あのスピード…!? あれじゃ…艦載機爆撃が間に合わない…!」

『…ちっくしょー!』

 

 エースは怒り任せに台を叩く。敵の情報も集まりきっていないこの時期に、ヤツらは自分たちを潰すために「網」を仕掛けたのだ、あの避け方はまるで、エースの読みを肯定するかの如き鮮やかさだった。

 

『SHAAA!!』

 

 リ級は片腕を翳すと、装着した深海大砲より砲撃する。イ級モチーフの不気味な砲口から爆炎と硝煙が広がり、轟音が鳴り響いた。…標的は。

 

「…っ!」

 

 重く打ち鳴る着弾音は…"榛名"に向かっていた。

 

 ──ズドオォオオン!!

 

「榛名!?」

 

 龍美が悲鳴混じりの叫びを上げたと同時に、煙が晴れ視界が開ける…そこには、ボロボロとなった榛名の姿が。

 

「…っ!」

「榛名さん…そんな……!」

「榛名ちゃん…」

 

 初花と酒匂が震えた声で榛名を心配した。彼女を象徴する巫女服は、ところどころ黒く焼け破れ、艤装も黒煙を上げている…彼女もまた「大破」した。

 

「そんな…!?」

『SHAAAーーーHAHAーーッ!!!』

 

 片目を瞑り、片腕を押さえ、今にも倒れそうな榛名を見て、ハイエナの群れは舌なめずりしながら咀嚼の時を待ち侘びた。

 絶体絶命、大破艦が二隻も出てしまえば、最悪彼女たちを置いて行かなくてはならない。しかし…そんなことをしてまで榛名たちを見捨てることなど、エースには出来なかった。

 

「榛名…」

 

 龍美もまた同じだった。そもそもこの状況は、自分が余計な一言を発したせいで起こった。なんとかしなければ…そう思ったが?

 

「…っ」

 

 震えが止まらない、動悸が激しく鳴り、呼吸は乱れに乱れる。

 絶対的な艦隊のシンボルである榛名、その彼女がほぼ戦闘不能になってしまった。そのアクシデントが、彼女から正常な判断を奪っていた。

 思えば自分は榛名に守られてばかりだった。だのに自分にしかない役割があると調子付き…仲間を危険に晒してしまった。

 榛名の代わりに艦隊を勝利に導けるか、自分にそんな大役果たせるのか、エースの指示を待つべきか、いやこうしている間に敵が、何故私はこんなところに、そうか、全て私の責任だった。私が悪い、私が悪い、私が悪い、私が………──

 

 ──そうして、彼女は夥しい思考の波の中、ある出来事を反芻した。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「奇跡って…起こると思うかい?」

「…? 何の話ですか?」

「いや、土壇場で有り得ないこと起こるって言われるけど、それって妄想もいいとこじゃないかい? 現実は厳しいぜ? んなこと待つより潔く負け認めた方が、手前ェのためになるんじゃないか…ってな?」

「…そんなの、分からないです。………でも」

「でも?」

「もし…自分以外の誰かを守りたいって思うなら…諦めたくないのは、普通じゃないでしょうか?」

「そうだな。…んじゃそれが「自分の命」を計りにかけることになっても?」

「っ! それは…」

「どうなんだい? アンタは自分だけじゃなく、自分以外の誰かのために戦えるかい?」

「……………」

 

「私は…助けたい。私の仲間たちを…守りたい、それだけです」

 

「…クハッ、そうかい。…んじゃ、これ持って行きな?」

「え? …これは?」

「その紙を弓矢に括り付けて飛ばしてみな? アンタのその思いを込めてやれば…奇跡が起きるかもな?」

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「…っ!」

 

 龍美は懐からあるものを取り出す…それは一枚の"紙"。

 

「(…こんなことで、この状況が覆せるとは思えない…でも)」

 

 龍美は次に矢筒から艦載機付きの矢を取ると…紙を矢に巻きつけた。

 

「(艦載機は一度に一つしか飛ばせない…アイツらは早いから、爆撃は絶対間に合わない…)」

 

 矢を弓弦に掛け…力の限り引き絞る。

 

「(私は"飛龍"じゃない…急造の改装空母…こんな非力な私が…何か出来るとは思えない………)」

 

 

 ──でもっ!

 

 

「(こんな私にも…何か出来ることがあるなら!)」

 

 その瞳に希望の灯火…闘志を燃やして、”龍鳳”は眼前の敵を捉える。

 

「どうか…皆を守る力を…下さい!!」

 

 

『SHAAAーーーッ!!』

 

「うあああああああ!!!」

 

 鬼気迫る表情、雄叫び、彼女の全てを込めて…翼は大空へと解き放たれた。

 

「………っ! えっ!?」

 

 しかし龍美は突如、驚愕の光景を目の当たりにして、目を丸く口を四角にする。

 

 そこには…たった一機しかなかったはずの艦載機、それが炎に包まれたと思うや…空中にて「分裂」した…!?

 

『なっ!?』

 

 エースも驚きの声を隠せない、艦載機が「編隊を組んでいる」何もおかしくはないが、一機だけの艦載機が突如分裂し増えた。過程が過程だけに不可思議な現象であった。

 

『SHAAAーーー!!』

 

 リ級たちの対空射撃、しかし…リ級たちの不運か、そもこちら側の艦載機隊の練度がずば抜けていたのか。

 華麗に舞う鉄翼は、対空弾の悉くを避けてみせた。そして…上空から一斉に急降下爆撃。

 

 

 

 

 ──ズウゥゥウン!!

 

 

 

『SHAAGYAAAAA!!?』

 

 海原に降り注がれた爆炎の雨は、雷鳴のような轟音をたてながら、黒き脅威たちの叫びを搔き消し、それらを海中に没した。

 

『…Gruuu…ッ!』

 

 残されたのはボロボロになったリ級ただ一隻、正に圧倒的な力で敵艦隊を屠った龍美。

 

「す、凄い…っ!」

「…っ! 嘘……」

 

 仲間たちは状況の把握が出来ず、目の前の事柄にただ驚くしかなかった。龍美自身ですら何が起こったのか、理解することが出来なかった。

 突然の出来事に艦隊は何も行動を起こせず…リ級はその隙に戦線を離脱した。

 

『一体何が…?』

 

 エースも状況の整理をするも…しかし、どんなに理論立てても「あの現象」の説明はつかない。

 

『白昼夢だってのかよ…?』

「私…何をしたの? だって…?」

 

 龍美は何処か末恐ろしい気持ちになった、あれだけ状況は敵の優勢であったにも関わらず、自身の放った「たった一矢」で全てが転覆した。

 それを…そんな有り得ない事を他でもない、自分がやったことに。恐ろしさのあまり涙さえ浮かべる。

 

「──龍美さん、ありがとうございます」

 

 榛名は龍美を優しく諭した。涙を流しながら榛名の言葉に耳を傾ける龍美。

 

「貴女がいなかったら…榛名は沈んでいたかも知れません。だから…ありがとうございます」

「榛名…」

『…そうだな、何が起こったのかはさっぱりだけど…龍美ちゃんのおかげで榛名も酒匂ちゃんも助かった…ありがとう、龍美ちゃん?』

「ぴゃ〜! 龍美ちゃん、元気出して! さっきのびゃーってなったの、酒匂カッコいいって思う!」

「エース君…酒匂ちゃん……」

 

 龍美は仲間たちの顔を見回し、自身の願いが果たされたことを理解した。

 

「……っうん!」

 

 龍美の純真な願い、仲間を脅威から守りたいという「想い」は戦争を忌避することに通じると同時に、更なる戦いを呼び寄せることとも言えた。しかし…この光(おもい)が、汚れた欲望に成り果てることはあってはならない。

 ()()()()()()()()()()()、それを身をもって痛感した一行は、一路本土へと帰還した…。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「…それにしても」

 

 エースは先ほどの現象を反芻していた。

 龍美の艦載機が飛び立った瞬間、炎が巻き起こると同時に分裂し、何かに操られたように編隊を組んで敵を駆逐した。

 あれは龍美が意図してやったことではない、本人も何が起こったか理解していなかった…ならば、これは一体?

 

「龍美は上手くやったみたいだねぇ?」

 

 エースはその声の主に振り返る。そこにいたのは…隼子。

 

「隼子さん…?」

「わり、アレをやったのはアタシなんだわ」

「っ!? どういう…」

「待った」

 

 隼子は掌を前に出し、エースの言葉を制止する。

 

「まだそれを言うのは駄目なんだ。…ただ、アレは上手く操れりゃアンタらの力になる…ってのは確かだ」

「……俺たちのために?」

「あぁ…アレは龍美の想いを込めて放てば発現する、最初は難しいかもしれんが、使い続ければ自在に動いてくれる。…ほれ」

 

 そう言いながら隼子は、懐から小さな紙の束を取り出しエースに差し出す。エースは訝しみながらそれを受け取った。

 

「…ありがとう、でも……」

「分かってる。これ以上隠すつもりはない、でも…ちょっと時間をくれないか? アタシが勝手に言うわけにはいかないんでな」

「……あぁ、分かった」

「助かるぜ? …んじゃちょっと行ってくるわ。龍美には…騙したみたいで悪かった、って伝えといてくれるか?」

「うん…隼子さん、行くって何処へ?」

 

 エースの問いに隼子は答えない、ただエースの目を見て「心配ない」と無言で訴えている。そんな彼女は後ろに振り返ると、静かにリビングの扉まで歩く…そして、ポツリと言葉を零した。

 

「それにしても…初めてとは思えねぇなぁ…()()()()()()()()()()()()()()()()…」

「…?」

 

 隼子の物寂しい表情に、エースは首を傾げるが…隼子は去り際に手をひらひらと振りながら、その場を後にした。

 

「……」

 

 水面下で動き始めようとしている何か、それはきっと今までのどんな困難や運命より巨大であろう──隼子の表情を脳裏に焼き付けながら、エースはこれからの展開に身構えるのだった。




○ソルジャーとオタクを組み合わせた全く新しい)ry

エース「そういえば浜風、リカルドと君たちってどうやって知り合ったんだ?」
浜風「隊長とですか? まぁ…色々ありました、と」
雪風「エースさん、こういうのは「ぷらいばしーのしんがい」と言うのではないでしょうか!」
初花「そ、そうです! 浜風たちにもこの現世で辛いことばかりだったと思います、それを」
エース「わ、分かったよ; …でもカッコいいって思ってさ? だって傭兵だぜ? ウチの親父も似たようなことやってるけど、歴戦の勇士、って感じがしてさ!」
浜風「んー…私たちは小間使いばかりで、一概にそうとは言えないですが」
雪風「どういうこと??」
浜風「例えば…この日本では裏社会の小競り合いに加担して、要人又は邪魔者の始末など…」

エ・ゆき・いち「!!?」

浜風「後は諜報活動や、中東の紛争地域で重要拠点の防衛、侵攻支援、敵地に対するテロ…とまぁ、あまりパッとしないというか」
エース「いやいや、浜風さん!?」
雪風「だ、大丈夫ですよ、命までは取らないとか、そういう趣旨なんですよ!」
初花「そ、それでいいのかな?」
浜風「あぁ、心配いりません。隊長から「無闇に命をヤルな」と、常々言われていますので」
エース「ほっ…」
浜風「それでもやる時はヤリますけど?」
雪風「ぴえぇ!?」
初花「は、浜風!?」
エース「軽く問題発言だよ!!?」
浜風「仕事ですので気にしたら負けです、私はやると言ったらやる女ですので」
エース「どこの承○郎…あ、そういえば第三部のアニメ見た?」

浜風「ねぇー! チョー面白かったよねーーっ!? (ギャルのノリ)」

エース「…えぇ;」
雪風「キャラほーかいです!」
初花「は、浜風のイメージが…凄いブレてる…;」
エース「浜風って、仕事とオフの差が凄いね? …すっげぇいきいきしてるし」
浜風「はい、Japanではこういうのを「オタク」と言うのでしょうが、隊長に「趣味を探せ」と言われた結果ですので、私は気にしてません!」ふんす
エース「さいですか…」
浜風「というわけでエースさん、今こそジョ○ョ談義で盛り上がりましょう!」
エース「え」
雪風「頑張ってください、エースさん! (無慈悲と無邪気な笑顔)」
エース「え、え」

 ※こうしてエースは浜風と「朝まで語り明かそうか…」した。

エース「…いや、そういうやましいことしてないから!?」
浜風「いやん♪」
エース「浜風さーん、シャレにならないんでやめて下さいね〜###」
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