艦隊これくしょん―七十年後の君へ―   作:謎のks

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 ○前回のあらすじ

 青葉、改め「青子」より新たな艦の記憶の持ち主の情報を聞いたエースたちは、彼女たちの待つ伊勢崎剣道場を訪れる。
 記憶の持ち主で、道場を取り仕切る伊勢崎姉妹、その妹の日向(ひなた)から、榛名の今後を考える「覚悟」を問われるエース。
 自分なりの覚悟を語り、それを聞いた伊勢崎姉妹は、エースたちに助力することを固く誓うのだった。

 こうして、新たな仲間が増えたその裏で…フォックスは何者かの元へ向かうのであった。


第七話 暗躍

「そうか…あの伊勢と日向か」

 

 アトラスはフォックスと携帯電話で、先程起こった出来事を話していた。

 

『んだ。日向の方は剣道場の師範代っつってただ、オラたちの用心棒になってくれると?』

「ふ〜ん? ソイツらも女性なんだろ? エース君も隅に置けないねぇ?」

『んだなぁ? …んでフォックス、オメ今どこ居るだ?』

「あ? 喫茶店。俺も「カノジョ」と待ち合わせってね〜?」

 

 ニヤニヤ笑いながらいつもの調子で皮肉を言うフォックスだが、アトラスは何事かを見透かした様子で語りかけた。

 

『…例のヤツ、だな?』

「…あぁ」

『ん、そか。…なぁフォックス、ここまで来たらオラも何も言わんけんど、いつかはよぉ…』

「…あぁ、分かってる。本当はお前も巻き込みたくなかったんだが…どうしても「アレ」を完成させたくてな?」

『オラは何も気にしてねぇよ。んだどもエースにこのまま黙っておくのは…』

「…()()()()()()()、それで済むとは思わないけどな?」

『っ! フォックス、オラはそういうこと言ってるんじゃ』

「んじゃな、利子にもよろしく言っといてくれ?」

 

 フォックスは半ば無理やり電話を切ると、そのまま喫茶店の入り口を見やった。

 

「──行くか?」

 

 そう呟くと、フォックスはゆっくりと扉を開けた。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 昼間の光が射す、とある喫茶店。

 内装は小綺麗に、そして店内にはオシャレなBGMが流れる…見渡す限りの客席には主に若者が座っており、午後のひとときを談笑しながら過ごしていた。

 そんな店の窓際には、これまた美しいビジネススーツの男装女性。黒髪ショートボブの雪のような白い肌の麗人、佇まいも店の雰囲気も相まってまるで絵に描いたような一コマだ。

 

「…ふぅ」

 

 女性はため息を吹きながら開けた大きな窓の外を見る。昼の街道には埋め尽くすほどの人混みが…その後ろに並び聳え立つビル群。よくある日常の風景。

 

「そろそろのはずだけど…あら?」

 

 コーヒーを片手に待ち人の来訪を待つ彼女。ふと、こちらに歩み寄る小さな人影。

 

「…狐は」

「っ! …"狩る側"」

「人は」

「"狩られる側"」

 

 …一瞬の沈黙の後「ふぅん?」と見下すように女性を見上げると、彼女が座っていた席の向かいに「比較的背の小さい男」が座った。

 

「いらっしゃいませ〜! お連れ様でしょうか?」

 

 フリルの可愛らしい制服のウェイトレスが注文を聞きに来た。

 

「…あ"ぁ?」

「!?」

 

 サングラスを外し、メンチを切る男の凄みにビクつくウェイトレス。

 

「ああ、すみません。彼こういう場所初めてなの」

「は、はぁ…?」

 

 女性は静かに謝ると「コーヒーを」と、男の代わりに注文する…ウェイトレスは聞き届けると、そそくさとその場を後にした。

 

「…ッチ、お高くとまりやがって」

「もう、ここはそういう場所なのよ?」

「へいへい…オレは捻くれ腐ってるからよ?」

 

 男は造語で自身を表現すると、そのまま注文の品が来るまで事のあらましを話し合うことにした。

 

「先ずは…俺を呼んだのはアンタだな?」

 

 スマホを取り出し、ある一通のメールの文面を見せる。

 

 

 

 

 ──貴方のことが知りたい。

 

 一週間後、ヒトマルマルマルに指定された場所に来られたし。

 

 …「ミストフォックス」、お会いできるのを楽しみにしています。

 

 

 

 

「…そうよ」

 

 女性は肯定する。男…フォックスを呼び出したのは自分だと。

 

「…まさか、俺の「ハンドルネーム」を知ってるとはな?」

 

 彼は過去に様々な諜報活動を行なっていた。政府、軍、更には国の秘匿情報が眠るデータベースサーバー群…ありとあらゆる秘密をその自慢のハッキング能力を駆使して暴いていった。

 その際、荒らされた場所にはこのような文言を残したという。

 

 

 

 

『What you do knows it (お前らがやることはお見通しだ)──Mist Fox』

 

 

 

 

「ええ、上手く痕跡を消したつもりでしょうけど、ウチにも優秀なハッカーがいるのよ?」

「あ〜ぁそのようだな? 「高木 雄子」さんよ?」

「あら? 私の名前?」

「あぁ、予め調べさせて貰ったぜ? アンタの身元もバレてる」

「…ふむ、そうですか?」

 

 彼女はコーヒーを一口口に入れる…フォックスはその際の「隙」を見逃さない。

 …が、その佇まい、そして姿勢は依然と悠然とし、カップの持ち手も震え一つ起こさない。静か、余りにも静かであった。

 まるで「その位は予測済みよ?」と言わんばかりの余裕を感じさせるものだった。

 

「…んで? 何で俺をご指名で? 俺を「逮捕」しに来たのか? …警視庁捜査一課の高木さんよ?」

 

 フォックスから飛び出した驚きのワード。しかし女性…高木雄子は眉ひとつ動かさず、ショートボブの黒髪を少し揺らして眼前の狩人を見据える。

 

「…確かに貴方には逮捕状は出ているわ。でも…今日ここに来てもらったのは、そんな子供染みた罪を問う為じゃない」

「ほーぉ? 言ってくれるねぇ?」

 

 フォックスはニヤついた笑いをしながら彼女を見る…そして「整理する」。

 この女の目的は? 何故自分に近づいたのか? …「まさか」。

 …と、心当たりありと考えを巡らせていたが、その辺りを勘繰られるのは癪なので表情は口角を上げたまま動かさない。

 

 すると、高木の方から口を開き、話し始めた。

 

「驚いているでしょうね? 今まで裏で動いていた貴方が、こんな明るみに出ることになるなんて」

「……」

「私たちも伊達ではない、ということよ? …そうでしょう「影二」くん?」

「っ!? …てめぇ、俺の名前を」

「ええ、裏を取ったのは貴方だけじゃないということ。これに懲りたら、あまり国家権力を舐めないことね?」

 

 高木は淡々と事実を突きつけるように話す。

 フォックスは彼女を見据え、彼女もまた目を逸らさない…時間が止まったような、冷たい緊張が走る。

 

「………」

「……」

「…ぷ、うふふ…!」

「あ…?」

 

 唐突に和やかに笑い出す彼女。まるで肩透かしを食らった気分で高木を見つめるフォックス。

 

「うふふ…ごめんなさい、少しからかったの。貴方が警察(私たち)を警戒していることは目に見えていたから」

「はぁ?! 俺に合わせたっつうことか!?」

 

 机を思い切り叩きながら勢いよく立ち上がるフォックス。あまりの音に「何だなんだ?」とギャラリーが彼らに振り向いた。

 高木は手をそっと前に突き出す。その手は、静かな大人の雰囲気を纏っていた。

 

「落ち着いて頂戴? 本題を話すから…ごめんなさいね? うふっ」

「ッけえ! これだからサツは信用ならねえんだよ!」

 

 朗らかな笑みを浮かべる彼女をよそに、不機嫌そうにどかっと、又も勢いよく座って腕組みをするフォックス。

 …そして、少し落ち着いた所で本題に入る。フォックスは合間にウェイトレスが持って来たコーヒーを啜りながら聞く。

 

「先ずは手短に。改めて私は「高木 雄子」。貴方の言うとおり警察の者よ?」

「…おう」

「今日ここに貴方を呼んだのは他でもない。…貴方たちの「活動」についてよ?」

「…っ!」

 

 フォックスは目を見開く。とはいえここまでの心理戦を繰り広げた彼女、何を知っていても…そう、例え「アレ」を知ろうとも、驚きはしない。

 

「活動…俺らが何やってるか知ってんのか?」

「ええ、過去の大戦の記憶を持つ人たち。彼女たちがそれを持つ意味を探している。でしょ?」

「へぇ?」

 

 フォックスは肯定する。高木は更に付け加える。

 

「あぁでも…貴方を騙すつもりはない、何をするつもりも無い。それだけは最初に断っておくわ」

「…本音は?」

「あら? 鋭いわね。…もちろん確保はしたいわ。ここまで私たちも煮え湯を飲まされて来た。…逆を言えば「優秀な人材を見つけた」ということでもあるけど?」

「ハッ! よく言うぜ…」

 

 フォックスはいつものように毒突く。彼女から醸し出された雰囲気がそうさせるのか…狐の警戒心は「コイツなら余計な勘繰りは無えだろうな?」と思わせるまでに至った。

 

「…それで? 用件ってのは?」

「そうね? …驚かないでね?」

「今更かよ」

「…私は「高雄」らしいの」

 

 高木の言葉にジロと一瞥するが、直ぐに顔の緊張を緩める。

 

「…そうかい。軍人っぽく話すからそういう関係なのかとも思ったが?」

「あのメール? …あぁ、深い意味はないの。ごめんなさい?」

「そうかよ。まぁそうじゃねぇことは調べているがな?」

 

 そう言うとフォックスは、得意げに笑いながらテーブルに片肘をつき高木に詰め寄る。

 

「高木雄子。本名「高木・スミス・雄子」、日本とイギリス人のハーフ。父方が日本出身の国家公務員。母方はイギリスでは由緒ある家柄のサラブレッド」

「…」

「母親が親父の出身である日本に移住し、そこでアンタが生まれた。ハーフって言ってるが、アンタは生まれも育ちも日本人っつうわけだ」

「…そうね?」

「それだけじゃなく、ハーフ特有の多才ぶりを発揮して、トントン拍子に出世して…現在は捜査一課でも頭の切れる才女として有名になる」

「ご明察よ。…自分を語られるというのは、少し恥ずかしいわね?」

「っけ! 俺の一番嫌いなタイプ! …んで? そんなアンタが高雄だぁ? あの高雄型の?」

 

 ──高雄型重巡洋艦、高雄。

 高雄型は妙高型に隠れがちだが、あの戦いの開戦から東西南北、様々な海域にて旧日本軍を支援して来た。…高雄も一番艦として任務に従事した。

 最期はイギリスに賠償艦として引き渡され、程なくして処分される。

 

「私も詳しくはないのだけど、それでも…あの地獄の中の「轟沈」は間違いはないと思っているわ」

「…姉妹艦か?」

「ええ。あの時の悲しみは何ものより深く刻まれている…そう感じているの」

「ふーん…んじゃアンタは高雄、だとしても俺らに何を求めてんだ?」

 

 先の展開が読めていても、決してその先は言わずわざとらしく聞いてくる。彼の情報を引き出すうえでの常套手段。

 相手が苛立ちその口から情報を漏らすと、すかさず二の言三の言を飛ばし洗いざらいさせる…情報収集力に長けた彼だからこそ出来る業。

 

「──私を、貴方たちの仲間にして欲しいの」

 

 …特に揺れる様子もなく、ただ素直にその言葉を口にした。

 フォックスは「面白くねーな」と内心思いつつあからさまに怪訝な顔をしてみせる。

 

「はぁ〜ん? サツが俺らの仲間に? ふぅーん? 何か? 記憶を持つ者同士で仲良しこよしがしたいってか?」

「あら! それも「面白そう」ね? …でも違うわ」

「あん?」

 

 高木ははっきりとした口調で話し始める…彼女自身の目的を。

 

「私はこの国で何が起こっているのか知りたい。警察内部でも政府の良からぬ噂は耳にしている、でも立場上からそれ以上の「捜査」が出来ないの」

「そんで俺らを利用しようっつうわけだ」

「言葉が悪くなればね? でも…それ以外にもう一つ、私は」

 

 

 

 ──復讐したいの、この国に。

 

 

 

「…ほう?」

「もう調べているのでしょうけど…私の父は、領海を警備する海上保安庁の人間だった。でもある日…突然職務を辞めさせられ、その数日後に」

「殺された…ってか?」

 

 その時、一瞬だけ眉を寄せる。彼女が初めて見せた「らしい」アクションだった。

 

「そう、父は知ってしまったから…国が抱える秘密、その中でもトップシークレットの「海の亡霊」を」

「………」

「何故父が殺されたのか、政府が何を隠しているのか、そもそも「海の亡霊」なんているのか…分からないの、私だけの力じゃ」

「警察に入ったのもその為か?」

「そう。まあ大きい声では言えないけど? …情報を集めるには、渦中に飛び込んでいく必要があった。その成果は、何とか見い出せたみたいね?」

「…そいつは?」

「貴方たちよ? 私と同じこの国の危険性に気づき始めた貴方たち。父の死の真相を探る過程で、私は貴方たちを見つけた」

「ふん。そりゃ協力出来るヤツがいた方が良いわな?」

「ええ。だから協力させて頂戴、貴方たちに教えられることは、何でも教えるわ」

「へっ…「俺」には何のメリットがあるんだ?」

 

 さも当然と言わんばかりにそれを求める。高木はふぅ、と一息入れると。フォックスに対する報酬を掲示する。

 

「…貴方への逮捕状、並びに捜査を私の権限で許される限り差し止めます」

「おいおい、帳消しじゃねえの?」

「自惚れないで。貴方がやったことはどんなに幼稚でも、国の秘匿情報を盗み出すのは立派な「犯罪」よ? 貴方たちに協力する間は目を瞑る。と言っているのだけど?」

「けっ! お堅いこって? …まぁ別に構やしないか?」

 

 フォックスは手を差し出して同盟の契りを結ぼうとする。

 

「…ええ」

 

 高木も望むところと、差し伸べられた手を握る。

 

「…ぅし! 契約は成立だ! だが…俺らの仲間になるってのは話が別だわ」

「そちらのリーダーに話を通せ。ということ? …うふふ、意外と律儀ね?」

「さぁな? まあアイツ色々うるさいんだよ…面倒だろうが付き合ってくれや」

「分かったわ。そちらにも色々教えなきゃだし、後日改めて伺わせてもらうわ…それに」

「あ? んだよ」

「…いいえ? 貴方みたいな捻くれ者を、その人がどうやってまとめているのか、気になっちゃってね♪」

「けっ! 大きなお世話だよ!」

 

 こうして、奇妙な協力者…まさかの国家に属する人間、女性刑事の高木もとい「高雄」が仲間になった。

 二人だけの協議は一先ずお開き…かに思われたが?

 

「ああそうそう。最後に聞いておきたいのだけど?」

「あん? 何だよ」

 

「…()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 ──瞬間、重く凍てつく空気。

 

 

 この土壇場での衝撃発言に、フォックスは内心血の気が引く思いだったが、努めて顔に色を出さないようにする。

 

「…調べたから。だと言ったら?」

「それはおかしいわ。だって…父が死んだのは十年以上前のこと、私が子供の頃。父が国家公務員として在籍した当時のデータも、国が「完全に」削除したはず…貴方が父の存在を知っている時点でおかしい、ということね?」

 

 フォックスは理解した。先程の会話は「カマかけ」だということに。

 

「これは最近見聞きした話だけど…防衛省が管理するシークレットデータスペースに、何者かのデータ書き込みが行われていたの。内容から察するに「国土交通省」の管轄のようだけど、何故か「防衛省」に対し助けを求めるような文言だった…まぁ、これは「海の亡霊」のことなのだけど?」

「…っ」

「貴方が書いたものなのかは別にして、そもそもトップシークレットたる海の亡霊のデータは、セキュリティが厳重に張り巡らされている。入手どころかそのセキュリティを突破出来るハッカーは「世界基準」でも指折り数えられる程度…貴方にそこまでの能力は果たしてあるのかしら?」

 

 私たちに見つかった時点で「そういうこと」じゃなくて? と高木はまたしても事実を突きつけた。思わず苦虫を噛み潰したようような渋い顔になるフォックス。

 

「確定した情報ではないけど、これまでの情報を踏まえた上で、私は…貴方が何らかの方法で「海の亡霊」の情報を手に入れ、それを基に近い将来、この国や政府に対して「何らかの行動」を起こそうとしている…そう推察したわ」

「……テメェ」

 

 フォックスは敵意を剥き出しにして高木を睨みつけた、しかし当の高木は直ぐに訂正を加える。

 

「あぁ、勘違いしないで! さっきも言ったけど、貴方たちに危害を加えるつもりはないの。ただ…私が話したことは全て本当のこと、だから…貴方にも、真実を話して欲しいだけ」

「………」

 

 彼女は本当に、誠実性のある女性であろう。物腰の柔らかさからも理解出来る。ただ「頭が異様に切れる」というだけ。…だからこそ「気に入らない」のだが。

 

「貴方たちのグループ…特にそのリーダーさんには、ちゃんと本当のことは話してるの? これは、貴方だけで抱えきれる問題じゃないのよ?」

「…説教のつもりか?」

「いいえ。只のお節介よ? 貴方たちには…私のようになって欲しくないだけ」

「…はん、だとしてもアンタにゃ関係ないだろ

 

 一瞬、フォックスから鋭い「殺意」が滲み出ていることを感じ、思わずたじろぐ高木。

 

「貴方…」

「…ッチ、もう終わりだろ? 今のは聞かなかったことにする、情報も後で教えてやる。その為に俺に近づいたんだろ?」

「ええ…」

 

 席を立つフォックス。高木に背を向け歩き出す…少し歩いたところで。

 

「…一つ、言っておくぜ?」

 

 振り返り、彼女を見つめる。その瞳には決意めいた「怒り」が滾っていた。

 

「復讐したいのはアンタだけじゃない──そういうことだ」

 

 そう一言だけ添えると、そのまま前を向き再び歩き出す…確りとした「戻れない道」を歩く姿。

 

「…莫迦ね」

 

 ぽそりと呟くと、高木は冷めてしまったコーヒーに一口つける。

 

「…本当は気づいているでしょうに。私たちには…見えない繋がり(ミッシング・リンク)があることを」

 

 高木はそれだけ言うと、一人で罪を抱えようとする愚者を案じるのだった…。

 




◯ギャップ

利子「のうエース、龍美はいつもあんな感じなのかの?」
エース「? どういうこと?」
利子「いや…最初は大人しい奴かと思うたが、はっちゃける時はすごぶる無礼講な感じじゃからのう…吾輩が言うのも何だが、キャラがよく分からん」
エース「言っちゃったねぇ…? まぁ、龍美ちゃんは猫を思い浮かべて貰ったら分かりやすいかな?」
利子「ネコぉ?」
エース「うん。最初は警戒して近づいて来ないけど、人馴れしたらむしろ近づいて来て甘え出す、っていうわけ」
利子「おぉ! 確かにそんな感じじゃ!」
エース「でしょ? 例えば…あっちに妙子さんいるじゃん? (テレビ見てる)」
利子「うむ。隣に龍美がおるが、今ひとつ固いのぉ?」
エース「うん、でそこに榛名が行くと…」

榛名「お茶をお持ちしました〜!」
妙子「まぁ! すみません、ありがとうございます!」
龍美「わぁ〜い! っあ、そういえばお菓子買って来たんだったぁ! 榛名ちゃん、一緒に食べよー?」
榛名「いいのですか? ありがとうございます!」
龍美「うんうん、妙子さんもどうですか?」
妙子「えっ? いいですよ私は…?」
龍美「皆で食べた方が美味しいですよ〜? ねー?」
榛名「っふふ! 龍美さんの言う通りです!」
妙子「…うふふ、そうですね? ではご相伴に与らせて下さい♪」
龍美「やったー! えぇと確かこの辺に…」

エース「…と、あんな感じで見ず知らずの人とも仲良くなり、友達の輪を広げていく、ってね?」
利子「おお、ギャップ萌えとはこのことよ!」
エース「それはちょっと違うんじゃ…ん?」

フォックス「お! チョコチップクッキー見っけ! もーらい!」
龍美「あ?! こらぁ!! それは榛名ちゃんたちと食べるのー! 吐き出して、はーきーだーせー! (ほっぺぎゅー)」
フォックス「いたたたたひゃひゃひゃ!!?」
はる&たえ「…;」

エース「…あれは引いてるな」
利子「うむ! 夫婦ゲンカほど見ていて恐ろしいモノは無いからの!」

たつ&ふぉ「夫婦じゃなーい! (ほうほじゃへー!!)」
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