≪はじめまして、通信機ごしで失礼しますね? 私、ムルタ・アズラエル、と言います……キラ、ヤマト君で間違いありません?≫
キラがホフマン大佐に案内された部屋は無人だった。
机と椅子と、通信機のみの簡素なもの……通信室やそれ用の設備とは違う。
おそらくは内密の用件を済ますための部屋だろう。
そこで始まった会話の始まりがそれだ。
モニターに映る男が、アズラエルと名乗ったのが始まりである。
「……」
キラは無言。
失礼な対応だ。少なくとも相手は自分から名乗ってきたのだ。
ならば名乗り返すのが自然、それが当たり前、なのだが。
それでもキラは黙ってしまった。
なんというか……思わず、思わず言葉に詰まったのだ。
挨拶をされたので、誰かは分からないがとにかく挨拶を返そうと相手の顔を見て、そして言葉を飲み込んでしまった。
相手の眼の色を見て、言葉が詰まってしまったのだ。
その理由は分からない。
自分でもはっきりとは分からないが。何か。
何かを感じとって黙ってしまったらしいと、キラは自分で戸惑う。
こちらを探ってくるような相手の顔を見ている内に気づいた。
このアズラエルという人、初対面ではない、と。
この人、会った事がある? 確か、バジルール少尉と一緒にドミニオン、で……? フレイの脱出ポッドを。
だから見覚えが。
キラは『以前』に一度、彼の顔を見ている。その時も通信機ごしだった。
うろ覚えではあったが、ここで顔を合わせた事で当時の記憶が掘り起こされてきた。
どうやら初対面ではない人のようだと認識を改める。
それを理解したキラに強烈な疑問が浮かんだ。
何故ここでこの人が? という疑問だ。
断言できる、おぼろげな記憶といえども『一度目』の時にはこんな事はなかった。
このメネラオスで、このムルタ・アズラエルなる男との対話……そんな出来事は絶対になかったはずだ。
キラは自身に警戒心が生まれてくるのを感じた。
空気も妙なものがある。
他者を感じ取れるようになった、そのせいなのかどうかは分からないが『以前』は感じなかったモノを感じとってしまう。
自分の感情が、彼を受け入れようとしていないのだ。
この感じ……よく、ない? この人。この感じは。
嫌な、空気をまとっている―――それが直感だった。
あくまでも感覚的なもの、理由不明の感覚でしかないそれを、理屈が補強しようと勝手に考え出す。
何故? 誰かに似ているからだろうか? と。
誰だろうか。
似ている空気を持っていた人間を知っている気がする。
自分はこれに似た空気を、確かに知っている―――誰だろう。
≪……あの? 聞こえてます? 君、キラ、ヤマト君で合ってますよね? ああ……緊張すると喋れないタイプ? それとも単に呼びつけられて怒ってる? すみませんね、早く君と話がしたくてそちらの軍人さんにお願いをしたんです……許してくださいね?≫
よく通る声だった。
顔立ちも十分整っていると言えるだろう。
仕立てのよいスーツに身を包み、品を身につけたであろう所作。
上流層の人間というものだろう。
ムルタ・アズラエルはよい男だった。十人いれば半数以上はそう評する位には整った容姿をしていた。
明らかに年下であるキラに対しても穏やかで低姿勢、年長者として余裕を感じさせる態度は大人として間違ってもいないだろう。
事実、キラは『そこ』には不快さを覚えなかった。むしろ好感を抱いたのだから。
ただ、なんだろうか、わずかにゆったりしたわざとらしい抑揚のついた話し方……それが独特な引っ掛かりを感じさせる、と言えるだろうか?
しかしそこを不快と言うにはおおげさすぎる表現だろう。単なる個性で済む程度の特徴だ。
だから分からないのだ。
キラはなぜ『自分がこんなに目の前の人物に警戒を覚えるのか』それが分からなかった。
「キラ・ヤマトです……あの、あなたは」
≪よかった。言葉が通じないのかと思いましたよ。こんにちはヤマト君……会えて光栄です≫
是非きみと、話がしたかったんですよ。
アズラエルはそう言ってにこりと微笑んだ。
だがキラには、それは笑みには見えなかった。
キラがアズラエルと通信機で顔を合わせている頃。
メネラオス艦長室でやっと話せる環境になった者達が、寸刻を惜しむように集まっていた。
デュエイン・ハルバートン、マリュー・ラミアス、ナタル・バジルール、ムウ・ラ・フラガの4名である。
当初はこの集まりにアルスター次官も参加しようとしてきたのだが、フレイが駄々をこねて父親を引き剥がしていた。
フレイの功績と言ってもよかった動きである。
マリューらは、それをこれまで通りのワガママだと判断した。
お嬢様のワガママが今回は上手い方向に作用してくれた、そんな風にありがたがっていた。
マリューらの感覚ではそれだけだが、ハルバートンの抱く印象はかなり違った。
この娘さんは、意図的に父親の妨害をしてくれている……そう感じ取れたのだ。
どういう意図かは知らないが、こちらの邪魔をさせないようにと分かってやってくれているとの認識だった。
本当にありがたい話だ。
しかしそれだけだ。
そういったフレイの動きは、マリュー達やハルバートンにとってあくまでも本題に関係ない話である。
彼らの考える最優先事項にまず関わりを感じない事。
そのために、お互いに口に出して確認する事もない。
だから特に話題には上がらずに流されるだけである。
フレイ・アルスターの動きが、誰からも流されてしまうだけだったのは幸か不幸か。
彼女の姿勢が何故か変わってきている―――もしかするとキラの味方をし始めているのではないのか? と評せるのは、現時点でここに居合わせない当の本人だけだろう。
その結果が今だった。
フレイの変化を誰も気に留める事のない、今という状況だった。
仮に、もしキラとフレイの『過去』を知る者がいれば、今のフレイをキラと会わせてみようかと考えたかもしれない。
向き合わせるべきではないのかと。
それは、キラの心の深いところにある、あまりにも大きな傷を癒す事になったかもしれない事だ。
とてつもなく大切な事になったかもしれない事だった。
だが今は、残念ながら互いの心が交わる事はなかったのである。
キラはそれを知らない。フレイもそれを知る事はない。
それだけだ。
アルスター次官が離れてくれている貴重なこの時間。
マリューらは、ようやくハルバートンに対して直接の報告をあげる事ができた。
「……過去に戻ってきた云々の信憑性はともかく、貴官らの前でそうとしか思えないような不可解な知識や言動を見せたのは確か、か……なるほどな」
ハルバートンは3人の報告に耳を傾ける間、航海日誌に目を落とし、たまに質問を挟むくらいで後はおおむね静かに聞いていた。
内容が内容である。
当たり前の話だがそこには軽々しい空気は一切なかった。
マリュー達からすると、ハルバートンへの経緯の説明は難渋極まると予想していた。
如何にキラ・ヤマトの権利を、否、生命を守るべく弁護すべきなのかと気を揉んでいた。
出会いからこれまでの出来事、これまでの言動と結果……どれを取っても非常識のオンパレードであろう事は明白である。
アークエンジェルは敵性人物の洗脳下に置かれた、と判断されても不思議ではないレベルで彼を自由にやらせてきたのだ。
自分達への追求と処罰は厳しい物になるだろう。
それでも、何とかキラの命くらいは弁護しなければと、マリュー達は覚悟を決めて望んでいた。
しかし。
「……わかった。免責としよう」
かしこまるマリュー達の前で、ハルバートンは数瞬ほど目を瞑り考え込み。
次に口を開いたのは決定の通達だった。
不問。免責する。
アークエンジェルの指揮官3名からの口頭報告と、航海日誌、戦闘記録、保安部報告書を読んだハルバートンが言い放った言葉がそれである。
否定する根拠や明確な反証がない以上、ある事象を『明確に否定できるまではあり得る可能性の一つ』として受け入れる姿勢を、ハルバートンはみせたのである。
准将権限により隠せる物は隠し、なくてよいことは文字通りなかった事にする。
戦時の前線において、艦隊司令の強権を持ってすれば大抵の事は押し潰せるだろう。
事実上、キラ・ヤマトを無罪放免で扱うという方針だった。
「私の権限でヤマト少年は不問にして帰国させる―――これ以上の戦線参加は不用だ、必用な書類を整えておく。では本題に入るぞ? ヤマト少年からの情報にあったザフトの強襲に対してだが基本として迎撃を……何かね?」
それは有り難い話だった。
しかし、直接の部下であるマリューですら動揺を覚える程の即断でもあった。話が早いどころではない。
無警戒すぎではないのか? と。
「提督、あの……話が」
話が早すぎませんか? 思わずそう口にしかけ、寸でのところで留まったのはマリューだ。
艦隊司令ともあろう者が迂闊ではないのか、との侮辱になりかねない。
フラガとナタルも言葉にはしてはいないが、やはり困惑気味だ。見知らぬ者へのちょっとした配慮……心遣いにしては明らかにやりすぎだろう。
法規や軍規を丸ごと無視といった動きである。
ハルバートンの、キラ・ヤマトに対する一定の信用が感じられる程だった。
3人はその空気に戸惑う。
何故なのか。
そんなマリューらの態度に、むしろハルバートンの方が不思議がった。
「君たちは彼を擁護したかったのではないのか? ラミアス大尉?」
「いえ、あの、そうです……はい、提督。確かに私は彼を、キラ君を擁護するつもりでしたが……ここまで話が早いとは思わず……提督は、ひょっとして彼をご存じだったのですか?」
そうでなくては憲兵による拘束をせず、尋問担当の者を用意するでもない甘い対応。
何の制限もしない現状、さらには免責による帰国許可。
それらに説明がつかない。
ひょっとしてキラ・ヤマトは本当にどこかの工作員で、ハルバートンはそれを知っていたのかと感じるほどなのだ。
そんな表情を見せるマリューにハルバートンは「いや、会った事はない。顔を見たのもさっきが初めてだ」と事もなげに返した。
「では、何故?」
マリューの、真意を計りかねますという疑問の声。
ハルバートンは一言だけ静かに、しかし力のある声で返した。
「信ずるに足るべき人間かどうかは顔を、面構えを見ればだいたいわかる。君たちとて、だからここまで一緒にきたのだろう?」
だから彼の生命だけでも尊重したいと訴えるためにここに集まったのではないかね? とそう返したのだ。
その返答を聞いた瞬間、マリューは安堵の顔を浮かべた。
これでこそハルバートン提督だと。
フラガはまだこんな将官が連合に居てくれたのかと敬意の眼差しを向ける。
「……提督、ありがとうございます」
「准将は向こう見ずでいらっしゃる。パイロット向きですな」
フラガからのアーマー乗りとしての褒め言葉に、ハルバートンはニヤリとした。
「エンデュミオンの鷹にそう言われるのは光栄な事だ。
貴官は今、モビルスーツを動かすそうじゃないか? 次もあてにさせてもらうぞ」
フラガは色々と足りないところがある男だ。だが、恥知らずではない。
だからハルバートンからの『存分に働かせてやる』との意味の言葉に望むところだと笑った。
「恥ずかしながら、子供に負傷させたまま戦わせるような情けない大人ですよ、俺は……了解しました、次の作戦ではアーマー乗りとしての意地をご覧にいれます」
あえてアーマー乗りと名乗ってみせたフラガに、ハルバートンは満足気に頷く。
「負傷については、あとで直接会って謝罪するつもりだ……ここ最近、うるさい連中からの監視が厳しくてな、誰かと面会するのも一苦労だ」
各自、大きな問題であったキラ・ヤマトの件に一定の決着がついたと判断した。
上位者であるハルバートンがここで決定的な方針を示したのが全てである。
未来から戻ってきたとか、ザフトからの工作員ではないか、との大きな疑念はある。
政治的にもまだ面倒事は残っているだろう。自分達は本国からの命令を無視する形になる。キラを大西洋には送らせないと決めたのだ。良心を優先させると。
これは後々、何があっても言い訳はできない。
だがハルバートンはそれらを無視してでも、とにかくキラを帰国させる方針を決定した。
子供をなし崩しで無理矢理戦わせる、そのような事はするべきではない。
そんな極めてシンプルな考え。
マリューもフラガも賛意を示したのが全てである。
決まりだった。
唯一、ナタルだけが物を申したいような顔をしたが……それは不信や抗議からによるものではなかった。
軍人としてハルバートンの決定に衝撃を受け、思わず自制を失ったような表情だった。
「失礼いたします、准将。バジルール少尉であります。
その……ヤマトの件は本当によろしいのでしょうか?」
「さっき名前は聞いたよ少尉。不満かね?」
准将に対して、少尉が直言―――口を開いてきたナタル・バジルール少尉の顔を見て、ハルバートンは懐かしいものを見たように目を細める。
生真面目で融通の利かなそうな若々しい士官の顔。
まだまだ若すぎる将校の顔だった。
自分も最初はこうだったな、とハルバートンは苦笑する。
前線で、古参の下士官や歴戦の兵達に揉まれに揉まれる前、修羅場や鉄火場で血肉と糞尿と銃弾の洗礼を受けて擦れきってしまう前……そんな可愛い可愛い新米将校の顔だ。
彼女が、理不尽不合理を煮詰めたようなクソッタレな戦場という場にこれから適応していくのであろうな、と思うのは、年上として悲しい事だった。
そんなハルバートンの苦笑いをナタルはどう思ったかは知らないが、それでも意を決したかのように言葉を連ねてきた。
「はい、いいえ。准将殿、不満はありません。キラ・ヤマトの権利保証を上申するつもりでした。准将の決定に感謝します。
しかし……しかし、行動の免責や本国からの命令を無視しての帰国をさせるとなりますと、それは」
命令無視になってしまいます。
ナタルはその最後の一文を声に出せなかった。
ナタルとて思うところはあった。
ハルバートンのやり方に賛意を持ってしまうくらいにはキラに恩ができた。
その恩は返さなくてはならない。
本国からの召還命令など、その先でキラがどう扱われるのか嫌な想像しか浮かんでこないのだ。送り込むのは彼のためにならないだろう。
それは、わかっている。
しかし。
しかし命令だ。従わねばならない。
軍人なのだ。従うのが義務であり責任だ。
自分は宣誓したのだ。だから。
「軍人が個々に勝手な判断をしてしまえば、それは」
だから心の底ではそうしたいと願いながら、それでも軍人としてはやってはいけないとハルバートンの方針に思わず異を唱えてしまったのだ。
それでいいのか、許されるのか? と。
キラへの恩。本国からの命令。
それらに挟まれ、堂々めぐりのように感情が渦巻いてくる。
キラの生命や権利はどうなる、自分は彼の生命や権利を保証してみせると約束したのに。
ここ数週間の経験はナタルの精神を多方面から殴り付けてきていた。
感情が治まってくれないのだ。
そんな様々に相反する思いが、バジルール少尉をしてハルバートン准将への反抗にも駆り立てたのかもしれない。
若いな……若すぎる少尉に対してハルバートンは不満を覚える事もなく、むしろ羨ましそうな表情を浮かべてみせた。
自分は、この尻の青い年代の時に、ここまで上に逆らう気概が持てていたかどうか。
士官学校を出たばかりの頃、古参の下士官に尻を蹴り飛ばされて始めて現場の無茶苦茶っぷりを味わっていただけだった。
「……少尉。貴官が何に葛藤を覚えているかは分かるつもりだ」
ナタルは無言。直立不動だ。
軍人が軍規を無視しては組織など維持できない。統制とは絶対でなければならないのだ。
ましてや武器を扱う軍が個々で勝手に動くなど。
「少尉、君は彼を助けたいかね? それとも処分したいか?」
軍人としてのナタルと、人としてのナタルが叫んでいる。許されないと。お互いの立場から。
「……私は軍人です、勝手に判断はできません」
軍人として、その言葉が出た。
応えたナタルの言葉には将校としての芯がある。しかし本人が思うほど力はなかった。
少なくとも、口に出したナタル本人には自分の言葉が弱く聞こえた。
マリューとフラガの両名には、ナタル・バジルールは落ち込んでいるように映った。
「現実を見えていない……見ようともしないアラスカのバカどもが、キラ・ヤマトを即時処分せよ、といってきても従うかね?」
アラスカ―――現、地球連合軍の統合最高司令部であるジョシュア基地の事である。
地球連合軍の戦略、及び作戦を検討・決定する最上位組織。
そこから出された命令であれば、従うのが当然である。軍人なのだから。
はい、自分は命令に従います。軍人として。
その一言がナタルは口に出なかった。
口に出そうとして、出なかった自分に衝撃を受ける。
何故出ない? 命令遵守は軍人としての絶対原則だというのに。
ナタルは口に出せなかった自分に動揺した。
それでも姿勢は狼狽えずに、しかし目だけは動揺を隠せなかった。左右に揺れてしまう。
器用に目だけで動揺する少尉に、ハルバートンは優しげに口を開いた。
「少尉。上には上の理屈がある。上には上の、判断をする基準というものがあって、そして方針というものがある。下というものはそれに従って動くべきだ。
当然だ、組織とはそういうものだ。個々が自由にやっていては、ましてや武力を持つ集団は勝手を許されるべきではない、そうだな?」
その通りだとナタルは沈黙する。
だがな、とハルバートンは続けた。
「だが、同時に、前線には前線のやり方―――こっちのやり方というものがある。それも事実だ、少尉」
少なくとも教科書通りだけでは下の連中はついてこんぞ? と准将にニヤリとされれば少尉には何も言う事はできない。
ハルバートンは、まだ若い将校に対して―――まだまだ若いナタル・バジルール少尉に微笑んでみせた
「君が、自分を軍人として誇れるように軍歴を終えられる事を、心から応援するよ少尉。頑張りなさい。
……キラ・ヤマトは免責、帰国させる。これ以上子供に殺し合いはさせない。以上だ。
話を戻そう―――ザフトの強襲、これは有るものとして想定し艦隊として事に当たる。防衛戦になる。
問題は避難民のシャトル降下、これを安全に行うまで時間を如何に稼ぐかだが……第8艦隊が盾になる。
アークエンジェルにはアラスカへ向かってもらいたい、目的はモビルスーツの実戦データだ、これを……」
ナタルにはまだ分からない。
だが、命令を―――上の事を「くそ食らえ」と言ってしまえるハルバートン准将という存在を、何故だか不快とは思わなかった。
≪いかがですか? 悪い話じゃあないと、思うんですけどね?≫
ハルバートンやマリューらの会話が纏まりつつある頃。
キラとアズラエルの対話も穏やかに推移していた。
どちらも声を荒げる事もなく穏やかに言葉を交わしている。
≪戦争の終結……大変結構。素晴らしい話です。私も全面的に賛成しますよ≫
アズラエルは愉しそうに言葉を連ねていた。
しかし。
≪貴方がプラントの現指導者層を排除してください。強硬派、過激派も一掃してください。彼らはテロリストです、遠慮は要りません……その後は貴方がプラントコーディネーターを統制、統治してください≫
その内容に耳を傾ければ、尋常ではない言葉が連なっている。
≪……そうすれば、君のお望み通り。この戦争を終わらせられますよ? いかがですか……キラ、ヤマト君?≫
現指導者層の排除、一掃。
プラントの統制、統治。
モニターごしに、キラに対して『粛清』と『革命』を薦めてくるアズラエルはとても優しげに微笑んだ。