この素晴らしい算術士に祝福を! 作:鰯の頭
「何て敵の数だ!これが魔王軍の襲撃かよ。」
王都を出ると、目線の先には見渡す限りのモンスターの大軍で埋め尽くされている。
早くウォールをかけないと敵の弓や魔法でやられそうだ。
「大地に眠る古の力、その力を、地上にもたらせ。『ウォール』!」
自分の周りに半透明の光壁が現れる。
よし!魔王軍に見せてやるか!光魔法の究極を!
作ってもらったったステッキを手に持ち、敵の中心を見据えて構える。
ーー 魔王軍が近づいてきた。こっちに気付き始めている。
「おい!あんな所に冒険者らしき奴が1匹いるぞ!魔法で消し炭にしろ!」
敵の指揮官が命令したら、こっちに雨あられのように魔法が飛んできた。…まあ、無駄だけど。
「何だ⁉︎全部弾かれたぞ!どうなってるんだ!おい、アンデッド達!奴を襲え!」
いい感じで敵が押し寄せてくる。よし!今だ!
「魔王軍!!俺の究極魔法の実験台になれ!!」
そう格好つけて、光が収束したステッキを横薙ぎに振る。すると、敵の中心に向かって高濃度の光の玉が飛んで行く。
「ははっ!なんだぁ!このチンケな光の玉は!これで何しよおってんだ?」
敵指揮官が何か喚いているが、もう遅い。
「食らえ!究極の光魔法、太陽の魔法!!
『サン・バースト』ッ!!」
ドッガァァァァァン!!!!!
白い光の大爆発が起こり、辺り敵の大軍全てを呑み込む。
かの有名な爆裂魔法にも引けを取らない威力だ。
土煙が立ち込めていたが、徐々に晴れて行く。
「格好良く決まった!魔王軍とやらも大したことないな!辺り一帯の敵全部いなくなってんじゃん!」
見渡す限りの敵は全滅。敵の死体すら残っていない。オーバーキルな威力だ。
「まだ、反対側にも敵が残ってんのかな?続けて倒しに行くか!」
もう一度、究極魔法を撃ちに行くために駆け出そうとしたところ、、
「でかい音で急いだってのに、おい、おい!敵がいなくなってんぞ!どういう事だ⁉︎」
「何が起こったんだ!大軍が消滅してるぞ!」
「あそこに一人、誰かいるぞ!あいつがやったんじゃないか?」
王国の騎士団と冒険者達が来た。あーあ、これは事情を追求されるな。
説明するのめんどくさっ。ウィズさんとの集合時間に間に合うかな…?
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「いやあ、リークさん凄いですね!敵の大軍を一瞬で消滅させるとは!見事な戦いっぷりでしたね!」
「リークさんの光の魔法、初めて見ましたよ!あの威力、爆裂魔法以上ではないですか?」
王城の中にある大きな広間。そして、そこには豪華な食事が並べられたテーブルが幾つもあり、武装した人達が食事を楽しみ酒を嗜んでいる。
…今、俺は騎士団の人や冒険者の人たちに集られてる。あんまりこういうのは得意じゃないのに……。
「このお酒をどうぞ、リークさん!あなたはこの度の戦いの英雄!そんなに謙遜しないでください!」
そう、只今魔王軍との戦いの戦勝パーティに参加している。最初は断ったのだが、猛烈に押しかけられたので参加せざるを得なくなった。
ウィズさんには、戦いが終わった後に経緯を話し、この王都に留まってもらっている。
ーー あの後、何が起こったか軽く掻い摘んで話すと、まず騎士団の人に説明をしたら、続けて参戦してもらうように頼まれた。
そして、東西南北にまだ蔓延っていた魔王軍を片っ端から『サン・バースト』を撃って全滅させたって感じだ。それ以降は今の通り。
戦果を挙げたことについて喜ぶべきなのだろうが、多勢の人と話すのが好きでない自分にしたら今の状況は苦痛でしかない。
周りの対応をしていると、白スーツをきた女性の騎士がこちらに来た。
「私はベルセルグ王国王女アイリス様のお付きのクレアと申します。
リーク殿。この度の貴公の活躍に感謝と賛辞を送り、報奨金2000万エリスを贈ります。」
大量のお金が入った袋を渡された。
パチパチパチ、周りからは拍手が送られる。は、恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます…。」
「つきましては、貴公を今宵この城へ招待しようと思うのですが…」
「結構です!人を待たせているので!」
そう言うと、クレアさんは少し残念そうにする。
「貴公がそう言われるのでしたら仕方ありませんね。代わりにまた王都にいらっしゃる時には何かできることがあればさせてください。」
「はい、また来た時は頼りにさせていただきます。」
頭を下げると、クレアさんも頭を下げ返して、奥へ去っていった。
「おめでとうございます!続けてパーティを楽しみましょう!」
女性の冒険者が寄って来て、話し掛けて来た。
「いえ、もうお暇させてもらおうと思ってるので。」
「そんな、釣れないことを言わずに!もっと楽しくいきましょう!」
はぁ、振り切ってウィズさんの所に行くには時間がかかりそうだな。