この素晴らしい算術士に祝福を! 作:鰯の頭
晴天の下、俺は冒険者ギルドを出て自宅に向かっている。勿論、2人を連れて。
冒険者登録に関しては、2人がぎゃあぎゃあ騒いで終わったので割愛する。
まあ、簡単に説明するとカズマは能力値が幸運値を除いてどれも普通なので最弱職の冒険者になり、アクアはほとんどのステータスが平均を大きく超えていたので、万能職のアークプリーストになった。
カズマはご愁傷様だが、アクアはやっぱり女神なだけにスゴいな。中身はダメだが…。
「なあリーク、そういえばお前特典に何を貰ったんだ?」
急にカズマが尋ねてくる。
「俺の事については家で話してやるよ。ほら、家に着いたぞ。」
塀に囲まれ、ヨーロッパの城を模した我が家に着く。
「なんじゃこりゃあー!城じゃねえか!スゲェーー!」
「うんうん、女神である私が泊まるのに相応しい所ね!」
2人が思い思いの感想を述べている。
「ようこそ我が家へ。歓迎するよ。」
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「美味い!この唐揚げ美味いな!コリコリした歯ごたえが良い。」
「うん、この野菜炒めもなかなかイケるわね。カズマー、その唐揚げ私にも寄越しなさいよ。」
長いテーブルのある食堂で2人が昼食を食べている。食事はメイドゴーレムに作らせている。
2人とも最初は家にゴーレムがいる事に驚いていたが、すぐに慣れたみたいだ。
「異世界に来て始めての食事がお城での美味い飯なんて恵まれてるわー!これも幸運度の差というやつか。」
「何言ってんのよ。私が女神であるおかげに決まってるでしょ。」
また、しょうもない事で揉めてる。相性が良いのか悪いのか。
そういえば、カズマは俺の事を聞きたいと言っていたが、すでに食事に夢中でそれどころじゃない様子だ。
食欲旺盛で元気が良いといえば聞こえは良いが…こいつら、礼儀や遠慮というものを知らないのかよ…
「ふう、腹一杯だ。ごちそうさま。ありがとなリーク、こんなに美味い飯を出してくれて。」
「私ももういいわ。はあー、食べたわー。ねえ、食後のデザートはないの?」
こいつ!!!いや、落ち着け。ここで怒ってもしょうがない。
「デザートより、まず俺は話をしたいんだが。」
カズマがハッとした顔になり、
「そうだった、飯が美味くてすっかり忘れてたよ。リーク、お前は特典で何を貰ったんだ?」
「俺は《超知力》を貰った。そのお陰で今は【テクノカンパニー】っていう企業を設立して、その社長をやっている。今は休暇中だがな。」
そう言うとカズマが驚いた表情になる。
「マジで⁉︎社長なのか!だからこんな城に住んでいるのか?」
「まあ、そうだな。冒険者稼業だけじゃここまでの家は建てれなかった。」
今思えば、本当に会社が大きくなったもんだと感慨深い。
「ところで、お前らは今後どうするんだ?3日は衣食住の面倒を見てやるが、それ以上は見ないぞ。」
「ええー、そこはなんとかしてくれよ。俺達、装備も無いし金もないんだぞ。」
「そうよ!この美しい女神様を捨てるの?そんな事したら罰が当たるわよ!」
必死に説得してくるが、こいつら他力本願すぎるだろ。
「お前ら、甘すぎるだろ!自分たちで頑張れよ。」
「冷たいなー、そんな事言わずに頼むよー。」
「そうよ!お願い!このヒキニートと2人じゃ私、生きていける気がしないの。」
はあ、どうしたもんか。確かに、このまま見放すのは、かなり酷いかもしれない。
だが、甘やかせばこいつらはヒモになりかねない。
…しかない。条件を付けて面倒見てやるか。
「分かったよ。お前らの生活が安定するまでは面倒見てやるよ。ただし、クエストに行くなり、バイトするなりして金は稼げよ。あと、代価として家事を頼むぞ。それでいいか?」
そう言うと、2人は顔が明るくなり、
「やったわー!これでヒキニートとの2人きり生活が免れたわ!ありがとうね。」
「おい、ヒキニート、ヒキニートうるさいぞ!それより、ありがとなリーク。本当に感謝してるよ。」
2人が礼を言ってくる。まあ、ヒモになろうとしたら即刻追い出すがな。
「それよりお前ら、はやく金を稼げる何かを見つけてこいよ。ヒモになろうものならすぐに叩き出すからな。」
そう告げると、2人は真っ青な顏でエントランスに走って行った。
あまり話が進みませんでした。次はあの捕食者との戦いになります。