この素晴らしい算術士に祝福を!   作:鰯の頭

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ギルドで冒険者登録

目の前が開けるとそこには中世ヨーロッパの様な石造りの街が広がっていた。

 

「綺麗な街並みだな。本当に異世界に来たんだ。」

 

見渡して見ると、レンガ作りの家や馬車が走っている様子が見える。

…立ち止まっているのもなんなので、とりあえず、街の中を散策してみる。

16年間生きた中で日本以外の土地を知らない俺は景色に感動しながら歩いていると、

 

「おいおい兄ちゃん。見かけねぇ姿と格好だな。今日、この街に来たのか。」

 

道の端でリンゴらしき物を売っているオッチャンに声をかけられた。

 

「あ、ハイそうです。たった今遠い田舎の村から来ました。」

 

「そうかいそうかい。それは大変だったろう。そんな兄ちゃん、リンゴを一ついかがかな?」

 

なるほど。物珍しさではなく、商売目的で声をかけたのか。

まぁ、お金の単位を知るのには丁度いいか。 お金はどこにあるかな?と探していると、ポケットの中から金貨が数十枚出て来たので一つ取って、

 

「じゃあ、一つもらいます。おいくらですか?」

 

「300エリスだ」

 

そう言われ、金貨1枚をオッチャンに渡すと、

 

「えらくでかい金で渡すんだな。はい、お釣りの9700エリスだ。まいどありー。」

 

そう言って、銀貨9枚と銅貨7枚を渡してきた。

なるほど、エリスという通貨なのか。そして、金貨1枚10000エリス銀貨1枚1000エリス銅貨1枚100エリス、ってことか。

リンゴの値段から、日本の金銭感覚とそう変わらないな。

それより、今思ったが『持ち物』を確認するのを忘れてた。ちょっと人通りの少ないところに行って確かめよう。

 

 

###

 

 

人通りの少ない路地に着いた。さぁ持ち物チェックするとするか。

階段に腰掛けて、まず制鞄を開けた。

体操服、ジャージ、教科書2冊、筆記用具、日本円の入った財布、あと見覚えのない辞典の様な物が入っている。

 

「なんだこれ?」

 

開いてみると、中から1枚のメモ用紙が落ちて来た。書かれた内容を見ると、

 

「美しくも、麗しい女神アクア様からの大サービス!

あなたに算術のマニュアルブックを与えるわ。誉めて奉りなさい!

ちなみにそれには魔法についても載ってるわ。感謝を覚えたなら、私を崇拝するアクシズ教に入信しなさい!」

 

と書かれてあった。

…前後の文はさておき、マニュアルブックは助かる。これで算術や魔法について知識を得れるな。ありがたや。

他に何かないか探したが、制服のポケットに入ってる金貨以外は無かった。

これで、持ち物を確認できたので今から宿屋探しと、あとギルド的な所に登録手続きをしに行こうか。

 

 

 

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冒険者ギルドに着いた。かなり大きい建物だ。中から食べ物の匂いも漂ってくる。酒場も兼ね備えているのだろう。

なんか絡まれそうな気がするが、覚悟を決めて中に入ると、

 

「あ、いらっしゃいませー。お食事なら空いてる席へどうぞ。お仕事案内なら奥のカウンターへ。」

 

短髪赤毛のウェイトレスのお姉さんに愛想よく出迎えられた。

 

どこか薄暗い店内には酒場が併設され、鎧を着た人達がたむろしている。

 

制服を着ているせいか少し視線を感じながらも、絡んでくる様子はなさそうだ。

それでは早速、奥のカウンターへ向かう。

 

4つの受付が並び、その中で人が良さそうな金髪のお姉さんの所に行く。

 

「はい、今日はどうされましたか?」

 

さっき使った田舎の人設定で話すか。

 

「あの、田舎から来て冒険者になりたいんですが」

 

「そうですか。では登録手数料1000エリスが掛かります。」

 

ポケットから銀貨1枚を渡す。

 

「はい、確かに頂戴しました。では、冒険者について簡単な説明を。まず、冒険者とは街の外に生息するモンスターを討伐する者のことです。そして、冒険者には各職業というものがございます。そして、これが登録カードです。」

 

そう言って、免許証ぐらいのカードを見せてきた。

「このカードには、冒険者の職業やレベル、スキルまた、どれだけモンスターを討伐したかなどが記録されます。モンスターを討伐しレベルが上がるとスキルを習得するためのポイントが与えられますので頑張ってくださいね。」

 

おぉ!ゲーム感が溢れるシステムだな。

 

お姉さんが書類を差し出して、

 

「まずはこちらの書類に身長、体重、年齢、身体的特徴を記入してください。」

 

身長172センチ、体重57キロ。年は16、黒髪黒目、と書いていく。

 

「はい、結構です。それではこちらのカードに触れてください。それでステータスやなれる職業も分かりますので。職業は選んだものによって様々な専用スキルがあるのでその辺りも踏まえてください。」

 

さっそく、触れた。

 

「...はい、ありがとうございます。リークさん、ですね。筋力、生命力、敏捷性、などは普通ですね

おぉっ!魔力と器用度はかなり高いですよ!平均値を大きく上回ってます。

あとは…はっ⁉︎はああああっ⁉︎なんですか‼︎この知力は‼︎平均値を超えるどころか、ほぼ限界値ではないですか!

あなたは何者なんですか⁉︎」

 

そんなに興奮されると少し恥ずかしい。

照れ隠しに頭を掻いていると、お姉さんが冷静さを取り戻し、

 

「では、職業は何になさいますか?このステータスなら、前衛職は無理ですが後衛職ならほとんどなれますよ。特にこのステータスなら魔法使いの上級職《アークウィザード》がおすすめですね。

あとは…あら?珍しい。《算術士》に適正がありますね。この職業は強いですがその分色々と大変なのですが…。どうなさいますか?」

 

それは勿論、

 

「《算術士》でお願いします。」

 

「分かりました。《算術士》ですね。それでは、リークさん。ギルド一同、あなたの活躍を期待しています。」

 

これでチュートリアルが終わり、今から俺の冒険者生活が始まるんだ!

 

 

 

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ギルドを出て、今は安宿に泊まりマニュアルブックを読んでいる。

 

算術士について学んでいるところだが、読んでいくと様々な事実が分かり内心焦っている。

算術士について要点をまとめると、

 

・魔法の種類別の算術化スキルを習得し、算術化した魔法の理論を理解すれば、魔力やチャージが不要である

 

・ただし、算術化できる魔法は習得しているものに限る

 

・回復、攻撃、補助、状態異常など様々な魔法を習得できるスキルを持つ。

 

・レベルが非常に上がりにくい。

 

…という事が分かった。算術と魔法、両方のエキスパートである職業のようだ。

メリットは確かに大きい。もはや、チートと言っても過言ではない。でもそれ以上にデメリットが駆け出しにとって厳しい。

算術と魔法の両方にスキルポイントをつぎ込まないといけないし、そのスキルを得るためのレベル上げがしにくいときた。

 

はぁ、これじゃあ、最初は魔法使いと同じだな。まぁ仕方ないか。

戦うためにも、まずは魔法の習得だな。

そして、今のスキルポイントと習得に掛かるスキルポイントを考慮しながら何の魔法を習得するかを考え始めた。

 

 

 

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