この素晴らしい算術士に祝福を!   作:鰯の頭

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交渉

ゴブリンを倒してから2週間、【一撃熊】や【ブルータルアリゲーター】、【安楽少女】など、自分にとって狩りやすく、経験値が高めのモンスターを討伐していった。

 

お陰で今のレベルは11になった。スキルポイントも増えたので、補助魔法『ウォール』を覚えた。

『ウォール』は、対象者の周りに物理攻撃、魔法を防ぐ光壁を張る上級魔法。

そのため、稼いだスキルポイント5ポイントのうち4ポイントも使った。

多くのスキルポイントを消費したが、それに見合うだけの強力な魔法だ。

どれくらいの耐久度かと【一撃熊】で試して見たところ、ビクともしなかった。それどころか、逆に反作用でダメージを与えていた。

これで、安心してソロでやっていけるな。

 

…そう思ったが新たに発生した問題がある。

 

装備、についてだ。今の自分の装備は初めに買った、安い木の杖とジャージだ。

今まで、お金をケチるためにそのままでいたが、お金に結構余裕ができるようになったので今一度考えている。

どうせなら武器も防具も良いものを買いたいと思い街中を探したが、駆け出しの街なのであまり良いものが見つからなかった。

どうしたものかと酒場で悩んでいたところ、

 

「おまえさん、最近ここで活躍しているリークだろ。どうしたんだい浮かねぇ顔をして。何かあったのか?」

 

見知らぬオッチャンが声をかけてきた。

 

「あ、はいそうですね。装備について悩んでいまして。」

 

誤魔化してもしょうがないので素直にそう答えると、

 

「おっ!それならうちはどうだい?俺は鍛治職人だ。そして家内が機織り職人なんだ。

素材を持って来れば、おまえさんの思う装備が作れるぜ。」

 

何っ⁉︎それはマジか。渡りに舟とはこの事だな。

 

「本当ですか⁉︎それなら是非お願いしたいんですが、素材といっても何が良いのかとか全然分からないんですが。」

 

そう言うと、オッチャンがケラケラ笑って、

 

「その心配なら無用だ。おまえさん、見たところ杖とローブが欲しいんだろ?

最近、ちょうどマナタイトっていう魔力を凝縮した結晶を身体中に付けている蟹【クリスタルクラブ】がこの近くの岩山地帯に湧いているらしいんだ。

それも上質なマナタイトを身に纏っているみたいだ。さらにそいつの身は軽くて丈夫で魔法の威力を高める繊維になるんだ。

それを捕まえてきてみたらどうだい?製作費用は俺用に蟹を多く捕まえてくるって事で。」

 

なるほど。理にかなっている。お互いにwin-winになれるってわけだ。

だけど、自ら取りに行かず人に頼むってことはそれなりに危険が伴うってわけだな。

 

「その、岩山地帯って結構危険なんですか?強いモンスターが出たりするんですか。」

 

「まぁ、そうだな。モンスターも駆け出しが相手にするには厳しいのもいるが、それより、クリスタルクラブの捕獲が難しいんだ。 そいつは敵が近づいた瞬間に凄まじいスピードで逃げていくんだ。

おまけに、防御力も高いから攻撃が通じないときた。お陰で誰も捕まえられない幻の蟹と化しているんだ。

そこで、最近、このアクセルで話題沸騰中のおまえさんに頼みたいんだ。」

 

何だよ、その蟹は。捕まえるなんて無理ゲーじゃね?と一瞬思ったが…

 

…待てよ。遠距離からウォールを使って蟹を閉じ込めれば、捕獲できる可能性が高いな。

ヘイストをかければ素早く行動もできるし。これは棚からぼたもちだな!

 

「はい!こちらこそ、是非ともお願いします!」

 

これで、交渉が成立した。

 

 




オリジナルモンスターを入れました
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