この素晴らしい算術士に祝福を! 作:鰯の頭
無機質な灰色が凸凹を伴い辺り一帯を染めている岩山地帯。
そして、俺はそんな岩山地帯の1つの小さな岩山の頂上にいた。
その眼下には集団で密集している【クリスタルクラブ】達。
…俺の存在には気づいていないようだな。
『ヘイスト』をかけて素早く移動したのが功を奏したな。あとは、『ウォール』であいつらを囲めば完了だが…。
ここで少し困ったことが。ウォールを使う際には、算術化してないので魔力溜めて詠唱する必要がある。
詠唱すれば、声で気付かれる可能性が高い。
さて、どうしたものか。せめて蟹達をどこか行き止まりへ追い込めればいけるのだが。
辺りを見渡しみるが、そんな都合のいい場所はなさそうだ。
…はぁ、これは手詰まりな感じだな。今から何か光魔法で足止めできるものが無いかな?。
そんな都合のいいのある訳ないと、思いつつ冒険者カードを見てみる。
ーーん?0ポイントで覚えれるスキルが出てる。この前までそんなのあったっけ?…フラッシュ。目眩しの初級魔法…。これだ!
蟹はかなり目がいい。トンボと同じで1つの目に見えて、実は多くの目の集合体である複眼を持っている。
その数は確か数千個にも及ぶはずだ。そんな奴に閃光を放てば確実に目が眩んで足止めができる!
……よし!『フラッシュ』っと。…これで完了!
冒険者カードを操作しフラッシュを覚えた。
さあ、一発眩しいのを食らわしてやるか!
自分も目が眩まないように閉じて、右手を挙げ人差し指を立てる。
(…『フラッシュ』ッ!)
人差し指から放たれた閃光が辺り一帯を覆う。
…よし!蟹達の動きが止まってる!
これなら、いける!
「大地に眠る古の力、その力を、地上にもたらせ。『ウォール』!」
密集した蟹達の周りを半透明の光輝く光壁が取り囲んでいく。
「おっしゃぁぁ!捕獲成功!あとは、加減したホーリーで弱らせて、袋に詰めて持って帰るだけだな!」
これで街に帰ったら、上質な自分専用のオリジナルの杖とローブを作って貰えると思うと笑いが止まらなかった。
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【クリスタルクラブ】を狩り、鍛治職人のオッチャンに杖とローブを作って貰うようにオーダーしてから約一週間が経った。
その一週間は、生活用品を買いに行ったり女神から貰ったマニュアルを読んでたり、ちょこっとジャイアントトードを倒したり、究極魔法を覚えたりと、のんびりした生活を送った。
そして、オッチャンから完成したと連絡があったので、オッチャンの工房に来た。
「こんにちは。約束の物、完成しましたか?」
工房に入り、オッチャンに声をかける。
「よっ!リーク!お望みの杖とローブが出来上がったぜぃ?」
オッチャンが上機嫌で答える。
「それにしても、えらく短い杖を作らせたもんだ。お前さんの故郷ではステッキって言うんだっけか?」
オッチャンが杖もといステッキを持ち、物不思議に見ている。
「まぁ、上質なマナタイトを使わせて貰って、いい仕事させて貰ったよ。ローブも女房に頼んでサイズに合うように作って貰ったよ。ほれ、受けとりな」
そう言われ、マナタイトが混ぜられたステッキと白いローブを受け取った。
「ありがとうございます!これで、冒険者らしい身なりになりました。良い物を作って頂いたこと感謝します。」
オッチャンがカラカラ笑いながら、
「いいでいそんなこと。むしろ、こっちの方が礼を言わなきゃあな!あんなに多くのクリスタルクラブを貰ったんだ。おまえさんさんと交渉して良かったよ。」
と言ってくれた。あんまり、こんな真っ直ぐに感謝された事なんてなかったから照れ臭い。
「そう言ってもらえて、嬉しいです。このステッキとローブは大切に使わせて頂きます。
どうも、ありがとうございました!」
笑顔で別れを告げた。
「おう!また機会があればうちへ来な!また作ってやるよ!」
そう言われながら、店を後にした。
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武器も防具も作って貰ったことで、この後どうしますかね?また、レベル上げをしようかな?それとも、ちょっと遠出をしてみようかな?
街を歩きながら今後について考えていると、何やら人気の少ない所に来てしまった。
訪れた事のない所だったので、何かあるかなと見渡してみると、何やら怪しげな店があった。
(あんな店があったのか。それにしても人気の少ない所に店を出すなんて、商人センスが無さすぎだろ。店長は一体どんな奴だ?)
そんな事を思いながらも、面白いそうなので寄ってみる事にした。
近づいて見えた店の看板の名前にはこう書かれてあった。
【ウィズ魔道具店】
申し訳ありません。フラッシュはすでにウェブ版で中級魔法として出ていますが、都合により技の仕様や級を変えてしまいました。ご容赦下さい。