最終確認してる間に色々思いついちゃってそれを加えてたら4時間以上かかっちゃったよww
それでは、前話に比べてちょっと短いですが第十話をどうぞ♪(といっても半分は説明会だけど)
9月2日
気がつけば私は綺麗な湖畔にいた。
あれ?デジャヴュ?
こんな超展開前にもあったよね?
「久しぶりだな。樹」
声がした方を見てみると、そこには案の定私を転生させた白スーツ姿の金髪碧眼の神、トールが湖面に立っていた。
「やっぱりここに呼んだのはトールだったんだね」
「ああ、そろそろ転生時に掛けたリミッターを外そうと思ってな」
「な〜んか思ったように力が出ないと思ったらそんなことしてたんだね。
でもどうしてリミッターなんて掛けたの?」
「お前の力は強過ぎたからな。
そのままの状態では俺が使った湖型の転生門では安全に転生させることができなかったんだ」
「湖型のってことは、転生門って幾つかの種類があるの?」
「ああ。湖型と門型の二つがあって、門型は主神クラスのみが使える特別製で、どんなに力が大きくても制限しないで転生させることができて、湖型は主神クラス以下が使うモノでその性能上あまりにも強大な力を持つ者をそのまま転生させると転生門に異常が現れて転生中の者の魂が破壊されたり記憶がなくなったり、世界にも歪みを生じさせてしまうんだ。
所謂キャパシティオーバーってやつだな。
だから一時的にお前の力を封じさせてもらったんだ」
「なるほど。
ならこれからはフルパワーを出せるようになるってこと?」
「いや、それは無理だ。
いきなりそうしてしまうとお前の身体が崩壊してしまうからな。だからリミッターを外す時間に制限を設けさせてもらった。
こうして少しずつ身体を慣らしていって、最終的には常にフルパワーを出せる状態にするって寸法だ」
「そっか…。
それじゃ、時間制限ってだいたいどれくらいなの?」
「今の所一日30分ってとこだな。
だけど、時が経って身体が慣れればもっと長い時間リミッターを外すことができるようになる。
ちなみに制限時間になると自動的に制限がかかるようになってるから」
「30分か…。今は短いけどそのうち長くなっていくんだし問題無いか…。
ところでそのリミッターってどうすれば外せるの?
制限時間付きってことは手動でしょ?」
「ああ。
リミッターはこの装置を使って解除することができる」
そう言ってトールはズボンのポケットから腕時計のような物を取り出して私に投げ渡した。
それをキャッチしてよく見てみると、基本の形状は腕時計まんまで、本来時計盤がある場所にはデジタル式タイマーが組み込まれていた。
「それは
腕時計のタイマーの側面を見てみるとそこには確かに小さなスイッチが一つあった。
「それを押せばタイマーが起動、つまり制限解除状態になる。
途中で止めたければもう一度スイッチを押せば止まる。
起動時は盤面が赤に、停止時は緑に発光してるから分かりやすくていいだろう?
ちなみにもし発光を止めたかったらスイッチをカチカチっと二連続で押せば発光しなくなってもう一度二連続で押せばまた発光するようになる」
「う〜ん、確かに便利だけど腕時計型だと戦闘中にすぐ壊れちゃうんじゃない?」
「その心配はない。
なぜならその装置には神々の護りがかかっているからな。護りを掛けた本人である俺達神々の全力の総攻撃でもなければ傷一つ付かず、威力ではなく性質、例えば、球磨川禊の
「エゲツないね」
呆れて苦笑いしかできないよ…。
「でも、それなら心配はいらなさそうだね。
ありがとう。こんな良いものをくれて」
「礼を言われるようなことはしてないよ。
樹の力を勝手に抑えたのは俺達なんだからこれぐらいして当然だ」
本当、いい人達…いや、いい神達だよ。
ん?なんだろ?だんだん周りの景色が霞んできた?
「そろそろお目覚めの時間みたいだな。
最後に伝えておく。
以前
正確には
「でも以前
「ああ、俺もそう思っていたがどうやらこの世界は俺が思ったよりも強かったみたいだ。
俺が手を加えたってのもあるだろうが…。
まぁそんな訳で不正ルートを使った転生による世界の歪みはなくなったからそれについての心配はいらねぇ。
真に警戒すべきは
もし奴等の思惑通りに事が運べば原作は間違いなく崩壊し、世界は高い確率で破滅する」
「そっか。分かった。
それじゃ私はAOを潰せばいいんだね?」
「ああ。だが幾らお前でも一人で潰すのは不可能だ。
だから、焦らずに慎重に行けよ。
お前が無茶すると心配する奴がいるってことを忘れるな」
そうだね。ていとくんはああ見えてすっごく心配性で淋しがり屋だから私がいてあげないとね。
「うん、分かった。
じゃあまたね。トール」
「ああ、またな」
気が付くとベッドに寝かされた状態で真っ白な天井を見上げていた。
「知らない天井だ」
一度は言ってみたかったんだよね。このセリフ。
「起きて早々ネタに走ってんじゃねぇよ」
彼の声がして寝ころんだまま顔を右に向けて見てみるとそこには全身包帯だらけのていとくんがいた。
「ちょっ!ていとくん!?大丈夫なのその傷!?」
私は慌ててベッドから降りてていとくんに駆け寄った。
「たいしたことねぇよ」
「たいしたことなくないよ!
…ん?魔力の残痕…?
ねぇ、ていとくん。魔術使ったでしょ?」
ていとくんの身体に僅かに残っていた魔力の残痕を見つけた私は威圧感を出すために殺気を出しながら満面の笑みで尋ねた。
もちろん目は全く笑っていない。
「い…いや…、……はい、使いました」
「はぁ、あれほど注意したのに。
まぁ、いいよ。許してあげる。
でも、これからは極力使わないようにね。
あれは諸刃の剣なんだから」
「分かったよ。副作用への対抗策を思いつくまでは極力控える」
「え、魔術使用の副作用への対抗策なんてできるの?」
「できないことはねぇだろうな。
クソムカつく木原によれば俺の未元物質には無限の可能性があるらしいからな」
「改めて未元物質のドチート加減を思い知ったよ」
「分かったらお前もとっとと寝ろ。
一応お前も怪我人だろうが」
「うん。そうする。
心配してくれてありがとね」
私が笑顔でそう言うとていとくんは頬を赤く染めて照れながら
「心配なんざしてねぇ」
といって布団に包まって眠った。
まったく、可愛いなぁていとくんは。
私はほっこりとした気持ちでベッドに戻り、再び眠りについた。
9月8日
私達は無事退院し、日常へと戻っていた。
朝起きて歯を磨き、準備を整えたら学校へ行って授業を受けたり友達と遊んだりして過ごし、学校が終わって帰るとそこには本来いるはずのないていとくんがお出迎え……うん、不法侵入だね☆
「よう、お帰り」
「うん!ただいま!…じゃなぁぁぁい!!
どうやって入ったとか今更聞かないよ。どうせそのチート能力を使って入ったんだろうし。
でもね、不法侵入っていうのは犯罪なんだよ?犯・罪。分かってる!?
ていうか犯罪以前に女の子の部屋に無断で侵入するってのは常識的にどうよ」
「まぁそう怒るなって。
次からは気をつけるからよ」
「はぁ、しょうがないなぁ。もう。
で、何の用なの?」
「俺に魔法と魔術について教えてくれねぇか?それとお前や転生者についても」
げっ、私や転生者について隠し事があることバレてるし!
とりあえず誤魔化さないと。
「魔法と魔術についてなら教えてあげるけど、私や転生者のことは既に教えたでしょ?」
「部分的に、だろ。
俺が教えてもらったのはこの世界にはあらゆる世界線のあらゆる時間軸からの転生者がいて、そいつらは皆途轍もない力や異世界の能力を持っていることと、そいつらの中でも
あぁ〜やっぱりていとくんに隠し事は無理か〜。
仕方ない。ていとくんなら大丈夫だろうしこの際全部教えるか。
私の部屋には
「分かったよ。全部教える」
そう言って私は全てをていとくんに教えた。
転生者のこと、
「………俄かに信じ難いが、お前がこんな真剣な場面で冗談を言うような奴じゃねぇってことぐらい知ってるからな、全て事実なんだろうな」
「ショック……だった?」
「いや、全く。
原作という定まった運命があるとはいえそれは主人公である上条当麻を中心にしたものだからはっきり言って俺にはあまり関係ねぇからな。
それにその原作ってのは幾つもある未来の内の本来辿るべき正しい未来ってだけで絶対的な運命って訳じゃぁねぇみたいだしな。
利用できそうではあるが、俺からしたらその程度の価値しかねぇ。
それよりも俺はその魔法ってのを知りたくなったな。
超能力と魔術と魔法、三つの異能の力を融合させたら更に凄いモノができそうだし魔法の理論は超能力にも応用できそうだからな」
「ショックを受けてないみたいで安心したよ。
魔法を教えるのはいいけどハッキリ言って魔法っていうものは超能力みたいに才能次第だから必ずしも使えるようになるとは限らないよ。
仮に使えたとしても微々たる力っていうのも私の世界では珍しくなかったし」
「ったく原作を知ってるならお前も知ってるだろ?」
「俺の未元物質に常識は通用しねぇ。
そして、その未元物質を発現させた俺の才能にも常識なんざ通用しねぇんだよ。
だから必ず使える。いや、使いこなしてやる」
その時、私は一瞬だけポカーンとしていたと思う。
だって前世でもいろんな人と出会ってきたけど、こんなにも才能と自信に溢れて輝いてる人は見たことなかったもん。
そうだね、ていとくんなら絶対に使える。使いこなせるよ。
「ふふ、分かったよ。
ビシバシいくから覚悟してね」
「ああ、魔法も魔術もすぐにものにしてやるよ」
魔法世界一の魔法使いにして最強の勇者が教えるんだから半端は許さないんだからね!
転生門について
転生門とはその名の通り転生する際にくぐる門のことで、そのタイプは湖型と門型の二種類が存在する。
正規ルートに使われる転生門は前者で、強大な力を持つ者を転生させる際は、門がその力に耐えられない場合があるので予め力に制限を掛け、転生後に少しずつ解除していくのが通例となっている。
湖型の転生門を使用するのは主に主神以下の神々のみ。
一方、もう一つの門型の転生門は特別製で、主神クラスの神(オーディンやゼウスなど)しか使用できない分、転生させる際に力を制限する必要がない。
原作について
簡単に言えば本来辿るべき正しい運命。
しかしそれは絶対的なモノではなく、本来死ぬべき人間を生かしたり、主要人物を殺すなどで改変することも可能。
原作が崩壊したからといって必ずしも世界が崩壊の運命を辿ることになるわけではないが、トールによれば、AOの考えている方法で原作を崩壊させれば高い確率で世界は崩壊の運命を辿ることになるらしい。
転生ルートについて
神々が死者の魂の中から善良な、もしくは無害な者を選択し、主神か高位の神に許可を貰ってから湖型もしくわ門型の転生門で転生させるのが正規ルートの転生。
今回の大量無差別転生事件で使用された不正ルートは転生門の機能を騙して主神か高位の神の許可なしには機能しないはずの転生門を起動し、転生させる方法と、世界と世界を隔てる境界線に無理矢理穴を開けてそこから転生者を送り込む方法の2パターンがあった。
後者の方法は世界境界線に穴を開けるため、本来なら世界に多大な影響が出る。
しかし、今回はトールが調整したのと、開けられた穴が少なく、小さなものだったのが幸いし、世界に影響は出なかった。