境界線を越えた先にあるもの   作:✟クロス✟

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第二話 勇者、電撃姫と模擬戦する

八月十四日

 

 

 

うぅ〜ん。ここどこ?

どうやら何処かの部屋にいるみたいだけど。

ん?何か翼を象った装飾が施された大きな箱と手紙がある。

まずは手紙から読むかな。

なになに〜?

 

『これを読んでいるということは無事に転生出来たみたいだな。

早速だが、説明に入ろう。

その部屋はとある高校の学生寮で、上条当麻の隣の部屋だ。

角部屋から順に如月、上条当麻、土御門元春というふうな部屋順となっている。

お前の転生特典である『知識』によって既知ではあると思うが一応説明しておくと、上条当麻とは『とある魔術の禁書目録』の主人公である【幻想殺し】を宿したツンツン頭の少年で、土御門元春はその友人として登場する『陰陽博士』とも呼ばれた元天才陰陽師だ。

今は学園都市への潜入捜査の為に能力開発を受けてその莫大な力は失ったも同然だが、彼は【肉体再生】のLEVEL0だから一度や二度程度なら無理をすれば使えないことはない。

 

さて、話を戻そうか。

如月っていうのはこの世界でのお前の名だ。

この世界ではお前の名は発音も文字化もできないからな。

ちなみにフルネームは如月 (イツキ)だ。

必要な物はこの手紙と一緒に置いておいた箱の中にあるから使ってくれ。

学校には夏休みが終わった9月1日から転入することになってるから、その間に家具などを買い揃えておくといい。

あと、能力名は幻想具現(イマジンドラッグ)のLEVEL4ってことにしておいた。

能力詳細は想像した物体、現象を現実に引きずり出すって感じだ』

 

まさか主人公の隣の部屋とは…。

こりゃ十中八九巻き込まれるな。

まぁ、不純物(イレギュラー)による原作の崩壊を阻止する為にも好都合っちゃ好都合だけどね。

 

取り敢えずちゃんと引き継げてるか確めに鏡見にいこっと。

私は服を全部脱いで風呂場へ向かい、そこにある全身を映せる程の大きさの鏡を見る。

そこには、しみ一つないスラッとした白く綺麗な長い足、くびれた腰、そこそこ大きな形の良い胸、アホ毛が跳ねている赤い長髪、炎のように赤い眼、整い過ぎた顔の絶世の美少女がいた。

いや〜、我ながら素ん晴らしい容姿だね。私が男だったら絶対惚れてるわ〜って危ない危ない。

もう少しで自分に惚れるところだった。

ついでにシャワーでも浴びようかな。

 

 

 

ふぅ、サッパリした!

さて、そろそろ家具買いに出掛けようかな。

私は箱の中に入っていた(箱の中には制服と通帳とその暗証番号が書かれた紙とブラックカードが入っていた)とある高校の制服を着て、ポケットに財布を入れて出かけた。

 

 

 

私は銀行にお金を引き出しに来ていた。

取り敢えず10万程引き出したら十分かな?と思いATMで引き出していると、突然3人組の男がトラックで銀行に突っ込んで来た。

そのせいで何人かが轢き殺されそうになっていたから私は時空魔法でその人達を安全な場所へと転移させた。

 

「急げ半蔵!さっさとATMかっぱらって逃げるぞ!」

 

「分かってる!」

 

半蔵と呼ばれた男と金髪のチンピラが手作り感満載の工具でATMを取り外してトラックに運びこんだ。

って私の通帳入ったままなんですけど!?

急いで取り返さないと!!

私は走り去って行くトラックを追走した。

 

SIDE 浜面

 

「これでしばらくは大丈夫だな!」

 

俺はトラックを運転しながら二人に話しかける。

だけど、二人からは反応が返ってこなかった。

どうしたんだと二人を見てみると助手席にいるバンダナをした半蔵は空いた窓から頭を出して後ろを向き、ゴリラのような大男の駒場はルームミラーで車の後ろを見ていた。

どうしたんだ二人とも?と思い俺もサイドミラーで後ろを見てみるとそこにはトラックを追走してくる赤髪の美少女がいた。

ってハァ!?なんで走って車に追いつけるんだよ!?

するといきなり少女の姿が消えた。

 

「通帳返せ。この三下ァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「「「ギャァァァァァァァ!!!」」」

 

怪物少女はトラックを飛び越えて前にまわってトラックをアッパーで殴り飛ばした。

トラックは縦に回転しながら地面に激突した。

ヤバイヤバイヤバイ!!早く逃げねぇと何されるかわかったもんじゃねぇ!

俺たちは引っ繰り返ったトラックから這い出て逃げようとする。

 

「逃がさないぞぉ〜、この悪ガキ共〜」

 

怪物少女はいったいどんな力を使ったのか一瞬でトラックを消し去って笑顔でこちらに向かって歩み寄ってきた。

まさかこいつテレポーターか!?

いや、だとしたらあの化物じみた速さや力の説明が出来ねぇ。

それにこの威圧感。逃げれる気がしねぇ。

ちくせう、汗で前が霞んでボヤけやがるぜ。

 

「さて、お仕置きタイムだ」

 

 

 

SIDE  如月

 

「ジャッジメントですの!

貴方を能力無断使用及び傷害罪で拘束しますの」

 

私が悪ガキ共をとっちめてATMから通帳を奪い返したところで常盤台中学の制服を着た中学生が決めセリフを言った。

この子は確かLEVEL4の空間移動能力者の白井黒子だっけ?

じゃ、パンダちゃんでいいや。

ていうかいきなり風紀委員(ジャッジメント)に遭遇するとか私運ないなぁ。ハァ。

 

「まぁまぁ、その人は強盗を捕まえた良い人ってことでいいじゃない」

 

左側にあった公園からパンダちゃんと同じ制服を着た短髪ーー御坂美琴ことみこっちゃんが二人の少女と共に現れた。

片方の少女はセーラー服を着た梅の髪飾りが特徴の佐天涙子、もう片方は頭に花畑を作った少女ーー初春飾利だ。

あ、みこっちゃんがビリビリしながらこっち来た。

 

「それよりもあんた強そうね。私と勝負しなさい!」

 

お前は戦闘民族か!

みこっちゃんが喧嘩売るのってヒーローだけじゃなかったのか。

まぁ、売られた喧嘩は買うけどね。

 

「良いよ。受けて立とうじゃない」

 

「ちょっと待ってくださいまし!

能力の無断使用はダメですの!」

 

「ならパンダちゃんが審判役としてついてきたらいいんじゃない?」

 

「誰がパンダちゃんですの!「じゃいくよー『ゲート』」無視しないで欲しいですの!」

 

私は『ゲート』で空間移動用のワームホールを作ってその中に私とみこっちゃんとパンダちゃん(無理矢理引きずり込んだ)が飛び込んだ。

 

 

「河川敷か。ベストチョイスね」

 

私達は第七学区某所の河川敷に来ていた。

この河川敷はみこっちゃんとヒーローが近い未来戦う(イチャつく)場所でもある。

知識掘り起こすだけでも砂糖吐きそう。

 

「それじゃ早速始めましょうか。

審判役お願いねパンダちゃん」

 

「もう好きにしろですの」

 

パンダちゃんは肩を落としながらも腕を上げた。

 

「……始めですの」

 

パンダちゃんが気の抜けた声と共に腕を振り下ろした瞬間、みこっちゃんが電撃の槍を放った。

 

「この程度じゃ私には傷一つつかないよ」

 

私は大気魔法で周囲を真空にして電撃の槍を横に逸らす。

 

「なッ!電撃が横に逸れた!?」

 

電流は大気中より真空中の方が通り易いからね。

 

「じゃ、次はこっちからいかせてもらうよ」

 

私が地面を思いっきり踏むと地面が大きく砕けてその内小さい破片がみこっちゃんを襲った。

私の攻撃はそこで終わらず、『アンチ・グラビテーション』であたりを無重力状態にしてみこっちゃんと地面の大きな破片を浮かす。

そして『グラビティ・コア』でみこっちゃんを中心に莫大な重力をはたらかせてそれに引き寄せられた地面の破片で直径10m程の塊を形成し、川へと叩きつけた。

 

ドッボォォォォォォンッ!!!

 

「お姉様!」

 

「安心しなよパンダちゃん。

貴女のお姉様はこの程度じゃ死なないからさ」

 

その瞬間、川が爆発してみこっちゃんが上がってきた。

 

「随分とやってくれたじゃない。

咄嗟に土中の砂鉄で膜を張らなきゃ死んでたわよ」

 

「あはは!ごめんごめんちょっとやり過ぎた?」

 

「笑い事じゃないわよ!まったく。

こうなったら私の必殺技ってのを見せてあげるわ」

 

そういってみこっちゃんはスカートのポケットからコインを取り出して構える。

みこっちゃんの二つ名でもある超電磁砲(レールガン)を撃つつもりかな?

ならこっちもそれなりのモノを用意しないとね。

 

「来い。ジュワユーズ」

 

私は虚空に右手を突っ込んでそこ(アイテムボックス)から魔王を共に倒した愛剣ーー聖剣ジュワユーズを引きずり出した。

みこっちゃんが指でコインを真上に弾いて、落ちてきたところで私の方に向けて射出した。

こちらへ向かい来る殆ど溶けて衝撃波となった超電磁砲に合わせて私は衝撃波の下から斜め上に向かってジュワユーズを振るった。

すると、ジュワユーズからでた金色の斬撃が溶けたコインと衝撃波を消し飛ばして、そのまま雲をも斬り裂いて夕焼けで紅くなった大空に消えていった。

 

「そこまでですの!」

 

私がコインを消し飛ばした直後に制止の声がかかる。

 

「…そうね。はっきり言ってあんたには勝てる気が全くしないわ。

私の超電磁砲(レールガン)を軽く防いだのはアンタ以外にも一人だけいるけど、そいつよりもぶっ飛んでるわねアンタの能力は」

 

そりゃ、これでも全世界線を破壊できる魔王をギリギリ相討った元勇者ですから。

まぁでも、

 

「みこっちゃんも強かったよ。

ただ、戦闘に関する応用力がまだまだかな?

今はまだそれでも良いかもしれないけど、それじゃこれから先、大切なモノを護りきることは難しいよ」

 

みこっちゃんは神がくれた原作知識によるとこれから先いろんな強敵と戦ったり、いろんな陰謀に巻き込まれるからね。

今からでも強くなるきっかけを作っとかないとね。

 

「ふん、言ってくれるじゃない。

…‥まぁでも、確かにあんたの言う通りね。

あぁぁあ!、私ももっともっと強くならなくちゃ!」

 

うんうん、みこっちゃんならこれからもっともっと強くなるだろうから楽しみにしてるよ。

あ!そうだ。

 

「ねぇ、みこっちゃん。

連絡先交換しようよ!」

 

「いいわよ」

 

よし!初連絡先ゲット!

 

「ねぇねぇパンダちゃんも交換しようよ!」

 

「パンダちゃんって呼ぶなですの!」

 

っと言いながらもなんだかんだで連絡先を交換したパンダちゃんであった。

 

「ところで、そろそろ帰らなくていいの?

常盤台って門限厳しくなかったっけ?」

 

「「あっ!」」

 

「「ああああああああああああああああああああああ(ですの)!!!!!!」」

 

二人とも完全に忘れてたみたいだね。

おっちょこちょいだなぁ〜(笑)

さて、私もそろそろ帰ろうかな。

私は『ゲート』で現在地と家を繋いで、ワームホールに飛び込んだ。

 

あっ、家具買い忘れた。

…………今から買いにいくかな。

 

 

 

 

 

「門限を無断で過ぎるとは良い度胸だな。

当然覚悟はできているんだろうな?」

 

その夜、第七学区某所にある常盤台寮からグキッ!という嫌な音とともに二人の少女の断末魔が響いたという。

 

 

 

 

 




2013/8/17/誤字脱字の修正及び美琴のセリフにちょっとだけ付け足し。
2015/3/17/指摘があった点を改変。序でに気になった点を修整。描写を詳しくした程度なので本筋に影響はないです
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