「俺が提督に?何の冗談ですか?」
「冗談なものかこれは上から正式に命令されたことだ」
俺の直属の上司にあたる源中将がそう答える
確かに渡された書類を見る限りは本当のことらしい
「なるほど命令があったのは理解しました、どういうことか説明してもらえますね?」
「いやもうそれほど時間がないんだ必要なことはその書類にすべて書いてある、
迎えの車が来ているからその中で確認してくれたまえ」
「相変わらずハードなスケジュールですね…」
上からの命令では俺にはどうすることも出来ない、従うほかあるまい
「また厳しい任務でしょうが、せいぜい死なないように努力しますよそれでは」
「人類の未来を頼んだぞ新田君」
立ち去ろうとする俺に対して、源中将が重すぎる言葉を投げかけてくる
まったく、どんなろくでもない任務なんだか…
移動しながら書類に目を通したはいいが、これを俺に解決しろというのか、無茶ぶりもいいところだが
せいぜいあがいて見せようじゃないか。
俺の理想のためにもやらなければならない
さて、ここが今日から俺が働く呉鎮守府か見た目はなんてことない普通の鎮守府だが
中身はそうじゃない、前任の提督がやりたい放題していたらしく、ブラック鎮守府だと言われることの大半をやってしまっている。
そんな鎮守府で提督が行方不明になったのだから、まあ大変それで俺が調査及び解決のために派遣された訳だがどうしたものかね、
正直に考えれば虐げられてきた艦娘が、犯人なのだろうが、それは最初の調査でさんざん調べられた結果、白だったらしい。
そんな単純な事件なら俺が派遣される意味も分からないしな
とにかく今分かってるのは、誰も信頼できないということだけだ。
「あのー貴方が新しく来た提督様ですか?」
鎮守府を観察していた所に眼鏡をかけた艦娘と思われる女性が話しかけてくる
「ああ、新しく提督に任命された新田英司だよろしく頼む。」
「はい、私は大淀です前任の提督様の秘書官でもありました。今提督代理をしているのも私です、よろしくお願いしますね、新田様」
ナチュラルに様付けなのか、思っていたより酷い状況かもしれないな
「早速で悪いんだが、大淀提督室まで案内を頼んでもいいか?」
「はい、分かりました、新田様お荷物をお預かりしますね」
至れり尽くせりだな大淀の後ろをついていくが、その間会話が一切ないこちらから話しかければ返事はしてくれるが、事務的な会話だ。
それに好奇や恐怖の視線を感じる、鎮守府にいる艦娘たちも新しく就任した提督が気になるのだろう。
「こちらが提督室になります」
最上階にある提督室に入ろうとすると、大淀は扉を開けただけで中に入ろうとしない
「どうした大淀?中に入らないのか?」
「いえ、あの、まだお昼ですけども、入ってもよろしいのでしょうか?」
なんだか怯えているように見える、本当にここの提督はいったい何をしていたんだ
「いやここまででいいか…確認したいこともあるしな、また何か用事が出来たら呼ぶことにするよ」
「はい隣の部屋が秘書艦の部屋になりますのでいつでもどうぞ」
ほっとした様子で隣の部屋に入る大淀を見届けた後提督室に入る
「何だこの部屋は…」