鎮守府改革物語   作:携帯電

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第2話

部屋の中央には4、5人は余裕で寝られそうな大きなベッドがあり、部屋の隅のほうに机がある、

とてもじゃないがまともな提督室ではないな。

 

とりあえず机の上にある書類を確かめるために椅子に座る

埃がたまっているな誰も部屋に入っていないんだろうな、これは大掃除しなければ寝られそうにない…

書類を確認するとこの鎮守府の実態が分かってくる、渡された書類よりも悲惨な状況のようだな。

 

出撃回数制限違法、強姦、横領等々特に隠蔽もせずに記されている。

もちろんこんなに違法なことを隠さずにやっているのにも理由がある、それはこの鎮守府が莫大な戦果をあげているからだ、でなければ大本営にすぐに処分を受けている。

 

それに艦娘には人権がない故に、どんな扱いを受けようが構わないというわけだ

全くもって胸糞悪い話だ艦娘には人の、いや人以上に心があるというのに

正直この鎮守府を正常な形に戻して、皆の心のケアをしっかりすればめでたくハッピーエンドになるのだ。

 

俺だって出来ることならそうしたい、だが大本営の今後を担う任務を受けてしまっている。

そもそも艦娘というのは謎の存在すぎる、突如として現れた深海棲艦に大打撃をうけた人類に、これまた突如として現れ人類を助けてくれた存在

本人たちもどうやって生まれたかも分からず、ただ人類のために戦うことだけが分かるらしい

 

最初こそ敬遠されたが本当に人類を助けてくれたことで、英雄視され軍に入ることを望み、人の管理下におかれることになる

そして様々な実験がなされたその中には非人道的なものも多くあったらしい

何故人外の力を持つ艦娘にそのようなことが出来たか、それは軍に入った初期に発覚した事だ。

 

艦娘は自発的に人を傷つけることが出来ない

この事実に軍は大喜びし、艦娘をどう扱ってもいいような風潮が出来てしまった。

今は大分ましになっているがこの鎮守府のようなところはまだ存在する。

 

まあなんとも自分勝手な話だ

だがここにきて日ごろから、艦娘の恨みを買っている提督が行方不明になる事件が発生した

この事件を受けて艦娘の反乱を恐れた連中が大勢いた。

 

それで俺に調査及び解決を命じたわけだ、艦娘と戦うことになるなら俺以上に適性な人物はいないだろうしな

それに個人的にもどんな方法を使って提督を行方不明にしたのか気になる

 

 

 

考えはまとまった、地道に釣りをしていくしかなさそうだな

そろそろ着任の挨拶をしないといけないな大淀を呼びに行くとするか

 

部屋を出て隣の部屋をノックする

 

「大淀いるか?」

 

「はい、何でしょう新田様」

 

やはりおびえた様子で答える大淀、そっとしておいてやりたいがそうもいかない

 

「着任の挨拶をしたいと思ってな、全員を集めて欲しい」

 

「…分かりましたすぐに放送で呼びかけますね」

 

そんなに嫌そうな声で対応されるのは辛いものがあるな、まあ仕方ないことだこれからもっと嫌われるだろうし慣れるしかない

 

全体放送が流れる、全員が集まれるような場所は食堂位しかないらしい

大淀に案内されて食堂へと足を踏み入れる、そして様々な視線が俺を捉えた。

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