鎮守府改革物語   作:携帯電

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第3話

「今日から前任の提督に変わり、就任することになった新田英司だよろしく頼む」

 

簡単すぎる挨拶だが、大勢の怯えるような目線を前にこれ以上の挨拶をするのは俺の精神が持ちそうにない

 

「早速で悪いが任務のない者たちは挙手してくれ」

 

数秒の沈黙の後3人の手があがる

 

「よし、その3名は俺の部屋に来てくれ」

 

「あの、提督様どのようなご用件なのでしょうか?」

 

手をあげた艦娘のうちの一人、山城が聞いてくる

 

「提督の命令だ、それ以外に理由が必要か?」

 

そう言い放った瞬間、部屋の空気が凍ったように感じた

 

「いえ…何も提督様の命令であれば従うのが艦娘ですから」

 

能面のような表情で言われても何の説得力もないな

 

「ふむ…まあいいだろう着いてこい、他のものは任務に戻れ」

 

俯いたままの三人を連れて食堂を出る

 

「やっぱり…人間なんて皆変わらないのね…」

 

呟くような声が扉を閉めるときに聞こえてきた

 

「あの提督様命令は私が受けますので、どうかこの子たちは返して下さいお願いします」

 

部屋の中につくなり山城が土下座をしてくる

前の提督にされたことを思い返しているんだろう

 

「それは出来ない、そもそもどんな内容の命令かも言っていないじゃないか、

それにそっちの二人は納得しないんじゃないと思うが」

 

俯き佇む二人に視線を向ける

 

「この、クソ提督命令したいならすればいいじゃない!どんな命令だって受けてやるわよ!」

 

「曙、落ち着いて提督相手にそんなことを言ってはいけないわ」

 

怒りを露わにする曙とそれをなだめる初風、どうやら駆逐艦はこの異常な鎮守府に染まり切ってはいないらしい

 

「提督相手にその口調は頂けないな、曙には他の二人の倍頑張ってもらうことにしよう」

 

「提督様、どうか私にだけ命令を!」

 

「いいのよ山城…クソ提督に呼ばれた時点で覚悟は出来てるわ、山城にだけ背負わせたりなんかしないわよ」

 

「そうね…ここまで来たら諦めるしかないわ、今まで私たち駆逐艦を守ってきてくれただけでもありがたい事よ」

 

全員泣きそうな顔になっているのを見ると胸が痛くなるな、しかし意外だ初風の発言を聞くと、駆逐艦たちはそれほど被害を受けてはいないようだ。

やはり艦娘同市の絆は深く結ばれているということか

 

「覚悟は決まったのか?時間もそれほどないしな早く着替えて来るんだ」

 

「何に着替えろっていうのよ?」

 

曙が苛立った様子で答える

 

「支給されている運動着があるだろう、それに着替えてこの部屋に再集合だ」

 

「着替える意味を聞いているのよ!私達に気でも使ってるつもりなの?余計なお世話だわ!!」

 

更に苛立つ様子の曙を初風がなだめている、山城はまだ土下座のまま動かないようだ、もしかすると放心状態なのかもしれない。

 

「この部屋の大掃除をしてもらうんだ、汚れてもいい服装じゃないと駄目だろう」

 

言葉の意味を理解できず、一瞬呆けた顔になる曙

そして三人の声が重なる

 

 

「「「え?掃除?」」」

 

 

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