今日は珍しく来客が多い日ね。
そんなことを思う純狐であった。
「あら、いらっしゃい」
「んん、今度は誰わよん?」
「わよんって」
入ってきたのは青髪と茶髪の月兎であった。
「こんにちわー。」
「お邪魔しまーす」モグモグ
「あら青蘭と鈴瑚じゃないの。あなた達は地上の担当だったはずよ?どうしてここにいるのかしら。サボり?」
「え?なんで、え?サ、サグメ様いるんですか?てか、私たち今の立場やばくない?って鈴瑚ー!私を置いて逃げるなー!」
「逃げるが勝ちってね」モグモグ
鈴瑚は逃げ出した。
「逃がさないわ、敵地の本拠地に無断できた罰としてここで餅をついてもらうわ。」
しかし、回り込まれてしまった。
「餅をつくですか?なんで?」
「青蘭たのんだ!」モグモグ
「ええー、確かに私の方が餅をつくのうまいですけれど。てか鈴瑚!あんたはいつまでだんご食ってんのよ!」
「死ぬまで」
「よし、この杵で一発なぐるわね?」
「冗談冗談、そんなので殴られたらいくら月兎でも気絶はするからね?」ゴクン
月兎は杵で殴られても気絶ですむようだ。
「話を戻すけどただ単に食後のデザートが食べたいからよ。あなた達もこの程度の罰ですんでよかったわね。私の機嫌が悪かったら、どうなっていたでしょうね」
「はい!サグメ様!すぐに作りますので少々お待ちください」
「青蘭はしっかりついてね。トッピングはまかされた!」
「はいよ!鈴瑚に任せれば味は保証できますね」
「じゃあ後は任せたわ。出来たら言ってちょうだい」
「「わかりました!」」
(ふふふ、これで今日のただ飯にはデザートまでついてくるのね。最高だわ!ナイスタイミングね、月兎たち)
ここでヘカーティアは1つ疑問に思うことがあった。
「今ごろだけどあんたの能力って、あんまりしゃべらない方がよかったんじゃないの?」
「なにいってんのよ。オンオフできるわ」
「マジですか。その能力使い勝手良さそうねー。3つの身体を持つ程度の能力とか、正直強いんだけど、使い勝手がよくなくてねー」
「なるほど。私の能力も最初は口に出したこと全てが逆転したわ。でも、最近になってようやくコツをつかんで、オンオフ切り替えができるようになつたのよ」
「ほー、すごいわね自分の能力を極めたなんて。ピースも見習わないとね?」
「そうですね、ご主人様も能力じゃなくて、ファッションセンスをもうちょっと鍛えてって、イタタタタ!?
頭グリグリするのやめてー!」
「んもうピースったら、そんなに私のこと怒らせたいの?まさかドM?私の教育のせいなのかなあ」
「違いますよ!私はドSです!」フンス
「いや、そんな自慢げに言われても。まあかわいいから許すわ」
「やたー」
「親バカね」
「親バカで結構よん」
「できましたよーサグメ様ー!」
「ふふ、できたようね。ではいただきましょう」
「あ、皆さんのもついでに作りましたのでどうぞ!」
「あら気が利くわね」
「わーい」
「美味しそうね。今度わたしも作ってみようか知らん」
「正邪早く食べよう!」
「そんな急がなくたって団子は逃げねーよ。うまいな」モグモグ
「そういえば、サグメ様はどうしてここにいるのですか?」
「ぐっ、そ、それはあれよ「ただ飯食いに来たらしいわよ」」
純狐は口を滑らした。サグメは純狐のことを、今世紀最大の悪い目付きで睨んでいる。口元が笑っているのが逆に怖い。
「「え?」」
「さっさと食べたら帰るわよ仕事がまだまだ貯まっているしね。青蘭、鈴瑚わかったわね?」
「あ、はい!(サグメ様のほうこそサボってたんじゃ)
「余計なこと考えてないでしょうね?」いえ全く!(鋭い!)」
「じゃあ私たちはこれで。オムライス美味しかったわ。正邪達も帰るわよ」
「はーい」
「わかったよ」
「また遊びに来てもいいのよん?」
「またねー」
「さようなら」
こうしてヘカーティア家への謎の訪問ラッシュは終わりを迎えたのであった。