今回は頑張って早めの更新です。
少ない時間でやるならやっぱ短いほうがやりやすいですね
「侵入者です!!」
「くそ侵入者だと!」
「パーティで盛り上がっているこのタイミングを狙いますか」
そう、気を抜いているタイミング、パーティなんかは襲撃にもってこいだ。
しかしここは九鬼の会場、強力な従者たちが集結している場所でもあるのだ。
いやだからこそこれ以上なく不意をつかれたのか。
誰も自分から銃弾の雨に飛び込んでくる者がいるとは予測できないだろう。
大馬鹿者か、それとも腕っぷしに相当な自信を持った者でなければ。
「海斗は私が守ります」
「完治してない体で戦わせるわけにはいかねーしな」
ステイシーと李が前に出る。
「俺は別に十分戦える……」
突然会場の照明が落とされた。
周りは闇に包まれる。
「ファック、用意周到なこった」
「海斗、私の背中から離れないでください。少し待てば闇にも目が慣れます」
一体何が目的でこんなことをするのか。
金品の強奪?誰かの誘拐、暗殺か。
狙われるとするなら紋白くらいだが、もちろん紋白には強固な警護がついている。
やはり何か違和感を感じる。
「……つーかまーえたっ♪」
突如後ろからの声がした。
「後ろですか!?」
ステイシーも李も予想外の方向だった。
九鬼の要人ではなく海斗を狙ってくるとは、どうしても対応が遅れる。
しかし海斗は落ち着き払って、二人を手で制した。
「外で出くわしたとき以来だな」
「迎えにきたよん、海斗クン」
「ただ侵入者とは少し大仰すぎるんじゃないか、燕」
会場に明かりが戻る。
見えてきたのは海斗の背中から肩に腕を回している燕の姿だった。
「どうせならサプライズをしようと思ってね。腕試しついでに警備突破してきちゃった」
「そこまでして駆けつけなくてもいいだろ」
「いいのいいの、私が会いたかっただけだし。それに……」
すっと燕が口元を耳に寄せてくると、
「……私をかばってくれたんだしね」
海斗にだけ聞こえるような声量で呟くと笑いながら顔を離した。
「皆さんお騒がせしました、松永納豆お届けにあがりましたー!毎度!」
周りの注目を集め、そんなアピールを叫ぶ燕。
それを見て従者たちは落ち着きを取り戻していった。
今までの一連をパフォーマンスか何かだと認識したのだろう。
「ふふ、上手くいったよん」
「悪い顔してるぞ」
「そんなことないよ、気のせい気のせい。納豆小町の粋なサプライズってね」
「別にこの会場に押しかけなくても九鬼から出たら会いに行くつもりだったぞ」
「まあさっきの理由の他に執事服の海斗クンを見ておきたかったっていうのもあるし、会
いにきちゃ迷惑だった?」
「そんなわけないだろ、嬉しいよ」
「やっぱり海斗クンはずるいな、乙女心を分かってる。執事服もすっごく似合ってるし。
こんなことなら一緒に働いちゃえばよかったかな」
「それは……」
燕は海斗が命令して動いたことになっているので何の罪も問われていない。
だから働くことは逆に不自然なのだ。
「分かってるよん。海斗クンが私のためにしてくれた意味がなくなっちゃうもんね。それ
に…………メイド服は海斗クンの前でだけ着たいかな」
男なら誰でもドキッとするような声でささやいた。
「フフ、海斗クンでも動揺してくれるんだ」
「いや燕ほどの可愛い娘に密着されながら言われたらこうなるだろ」
腕をからめて胸をわざと押し当てるようにしている燕。
ここまで彼女を積極的にさせているのはやはり気持ちを打ち明けたという事実だろうか。
「みんなのアイドル納豆小町を専属メイドにしちゃうなんて海斗クンいーけないんだ」
「俺が言いだしたことじゃないだろ……」
「私を独占してくれないの?」
「そうじゃなくて……」
「だぁーーーっ!何イチャイチャしてやがんだ!!」
ステイシーが上目づかいを決めている燕を海斗から引きはがす。
燕はすごく不満そうな顔をする。
「私の至福の時間を邪魔しないでほしいなー」
「うるせー、目の前で暑苦しいんだよ」
「とか言いながらただの嫉妬ですよね。ステイシーはそろそろ自分の気持ちを知っといて
ください」
「李、呑気にギャグかましてんじゃねー、ってなにどさくさに紛れて腕組んでんだよ!」
「海斗を抗争から守るためですよ」
「何をやっておるのだ、我もまぜろー」
ステイシーと燕が対峙し、李がちゃっかり海斗の隣に陣取り、そこに紋白までやってきた。
海斗のまわりは戦いが途絶えることがないのだった。
燕の狙ったあざとさって最強じゃないですか?
というわけで可愛さ爆発の燕でした。
ライバルが多い状態から一歩リードしようとする燕は強いです。