真剣で私たちに恋しなさい!S   作:黒亜

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虎子可愛いんですよ。
いや、本当は9月1日に合わせて虎子の誕生日話でも投稿したかったんですが、
ちょうど忙しいときと重なってしまったので断念しました。
それでも虎子を愛してる


恋敵ファミリー

昨日の夜、海斗お帰り会と称して島津寮でパーティが開かれた。

風間ファミリーのみんなが全員集合し、そこにゲストも何人か加わって、終始盛り上がっ

た様子でパーティは幕を閉じたのだった。

そんな翌日のお話、風間ファミリー女子組の5人が秘密基地に集まっていた。

 

 

「ここに集まった者全員、今日の議題はお分かりかと思います」

 

 

京が刑事のような口調で語り始めた。

その言葉に他の四人……いや三人が当然という風にうなずいた。

百代は一人首を傾げている。

 

 

「私は追いつけていないぞ」

 

「アンタのことだぁ!モモ先輩!」

 

 

もはや京は何キャラなのかも分からないが、ビシッと百代を指さした。

それに対してまた3人がうなずく。

 

 

「自分も昨日から気になっていて仕方なかったんだ」

 

「でも聞いてはいけないというか、聞かない方がいいのかもという気がしたので……あう

あう」

 

「アタシは正直、知ってたんだけど……」

 

「モモ先輩、いつから海斗に惚れたの?」

 

 

京は普段の口調へと戻り、いきなり核心をついた。

そう昨日の海斗お帰り会、食事をしてゲームをしてと大騒ぎだったのだが、その中で百代

は明らかにいつもより海斗への接触が多かった。

食事の席だっていつもの定位置はお構いなしに海斗の隣を陣取っていたし、次は何が食べ

たいと海斗の口が休まるたびにしきりに聞いていた様子が見られた。

これをやっているのが京あたりならごく自然な日常の風景として受け入れられるのだが、

戦闘かお姉ちゃん遊びのイメージしかなかった百代が行っているその光景はまわりの目を

惹きつけてやまなかった。

 

 

「おかげで私なんて海斗のおかずに一味トッピングするくらいしか出来なかった」

 

「いや京、それは海斗のことを考えてどうかなと思うわよ」

 

「いいもーん、海斗は美味しく食べてくれるから」

 

「そうだ、自分も昨日は海斗の隣に座って、海斗がいない間に見た時代劇の話に花を咲か

せようと思っていたというのに!」

 

「私は手料理を食べてもらいましたけど、逆にそれだけで終わってしまったような……」

 

「まゆっちー、まだまだ勝負はこれからだZE!」

 

「お、久しぶりの松風」

 

「それより自分はモモ先輩にきちんと説明してもらいたいぞ!犬はどうやら知っていたみ

たいだしな」

 

「あはは、ついこないだの話なんだけどね……。お姉さまと海斗が戦ってね」

 

「私が負けたのさ」

 

「「「…………」」」

 

「ん?やけに淡白な反応だな。世界がひっくり返るほどの武神の敗報だぞ」

 

「いや、だって海斗ですし」

「海斗だしな」

「海斗さんですから」

 

「あー……」

 

「アタシもこれには何も言えないわ、お姉さま」

 

「なんだなんだ、私の味方はナシか」

 

 

百代が不満げにメンバーを見回しても苦笑いが返ってくるだけだった。

 

 

「まあ、こんな風に周りから信頼される男だからこそ好きになったんだけどな」

 

「そうよ、お姉さまもアタシたちと同じ立場になったってことよ」

 

「これでファミリー全員が恋敵になってしまったということですね」

 

「まあライバルであると同時に同じ人を好きになった同志でもあるし」

 

「ともかくこれからは遠慮なく海斗の良い男自慢ができるな!」

 

「このお嬢様は何を言ってるんだ。今まで散々まだ蚊帳の外だった私にのろけ話をしつこ

く聞かせていたくせに」

 

「べ、別に自分はそんなに言っていないぞ!」

 

「いや言っていた。こっちが毎回うんざりするほどな。ていうかお前ら四人ともめちゃく

ちゃのろけてきたからな」

 

「海斗への愛が深いもので、ぽっ」

 

「あー全然反省する気ないよ……。今思うと、そういう海斗のいいとこ自慢が積もり積も

って私を洗脳したんじゃないか?」

 

 

もちろんそれだけでないことは百代本人が一番分かっているが、大きな理由の一端を担っ

ていることは否定できないところだった。

 

 

「それにしても昨日のモモ先輩は分かりやすすぎました」

 

「そそ、男性陣も完璧に気づいてたしね」

 

「モロなんてツッコミも忘れてポカンとしてたし……」

 

「ガクトにいたってはまた海斗に恨みの視線を向けていたな。別に自分がモテないのは海

斗のせいではないだろうに」

 

「いやクリス、それは事実だけど事実なだけにガクトが可哀想すぎるから」

 

「大和さんは、やれやれまたか、って顔しながらあまり驚いていないようでしたね」

 

「大和のことだから後々こうなるって予想済みだったのかもしれないわね」

 

「そんなに分かりやすかったか?」

 

「そりゃあもう」

 

「お姉さまが思ってる以上に、表に出てるわ」

 

「なんだったら今から電話でここに呼ぼっか、海斗」

 

 

京の言葉に全員の視線が集まる。

同時に百代以外は昨日不完全燃焼だったことを思い出した。

 

 

「いざ、ラブコール!」




女子ファミリーがこうして集まるのも久しぶりな気がします。
晴れて全員ライバルとは大丈夫なのか、このファミリー。
そして大丈夫なのか、海斗。
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