真剣で私たちに恋しなさい!S   作:黒亜

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口調が難しいキャラっていますよね。
口調を使い分けてたりすると、出しどころが迷います。

あと風邪で更新遅くなってごめんなさい。


主導権は私のモノ

「恋愛において主導権って大事だと思うんだよねん」

 

 

個室の喫茶店の一角でそう話を切り出したのは燕だった。

 

 

「主導権?」

 

 

聞き返したのは百代である。

 

 

「そう、主導権だよん。私たち、いわゆる先輩キャラとしてはさ」

 

「それは付き合う対象が年下であると仮定しているで候?」

 

「まあ学園内では最高学年なわけだし」

 

「レンアイモ、ショウブモ、シュドウケンハジューヨー!」

 

 

他にも弓子と虎子もその場に座っていた。

どうやら三年生組が集まっての女子会が開かれているようだ。

 

 

「で、ここになんで俺が混ぜられてるんだ」

 

「それはもちろん男子のサンプルこそが重要だからだよ、海斗クン」

 

 

そう、海斗も女子たちに挟まれるように参加させられていた。

呼ばれたとはいえ、明らかに女子ばかりの集まりの中に男が一人加わるというのは場違い

感が半端なかった。

 

 

「せっかく海斗クンが来てくれたんだから、じっくり恋バナするべきだと思うんだよね」

 

「いや来てくれたというか、連れてこられたんだが……」

 

「というか、主導権を握る必要があるで候?」

 

 

全く海斗の反論は無視して進められる。

 

 

「やっぱり年上の威厳としては男の子をリードしたくなるよねん」

 

「まあ確かにこちらが優位に立つというのは私も賛成だな」

 

「HAHA、ワタシセイトカイチョー!」

 

「いや全く答えになってないから」

 

「じゃあ分かりやすいように私を例にとって、仮にこの場ではみんなの好きな相手が海斗

クンだったとして、どんなデートをしたいかを考えるっていうのは?」

 

「「「…………」」」

 

「ん、あれ?なんで今一瞬変な空気になったのかな」

 

 

燕は何故か目を合わせてくれない女子三人に不審を覚えるが、気にしていられないと話を

進めた。

 

 

「私はやっぱり海斗クンと京都を散策して、ぶらりと入った甘味処でお団子をあ~ん、と

かしてみたいかな。ね、海斗クン♪」

 

「いや、いきなり俺に振られてもな」

 

「……海斗クン、もしかして私にあ~んされるのいやかな?」

 

「燕みたいな可愛い娘にされるのが嫌なわけないだろ」

 

「ふふっ、ありがと。じゃ海斗クン、予行演習ってことで。あ~ん」

 

 

燕は自分が頼んだあんみつをスプーンで一口すくって海斗の前に差し出すと、笑顔で首を

かしげた。

前にもこうしてあーんをされたことがあるが、毎回この笑顔で断れるわけがない。

海斗が期待に応えるようにそれを口に入れると、その顔をさらに綻ばせてくれた。

 

 

「ん、甘くて美味いな」

 

「私の愛がつまってるからねん」

 

「おい、いつまで二人だけの世界を楽しんでいるんだ」

 

「あらら、怒られちゃった。もうちょっと海斗クンとイチャイチャしてたかったけど、残

念。じゃあ次はモモちゃんね」

 

「私か?私は、そうだなぁ……テーマパークとかのアトラクションを海斗を連れまわして

制覇したいな。もちろん全て海斗のおごりだ」

 

「おぉ、財布扱いとはなかなかの鬼畜っぷりだね」

 

「百代は金銭面で困っているだけで候」

 

「そんなことはないぞ。おごってもらう分、彼氏にサービスはしっかりするからな。こん

な風に腕を組みながら胸の感触を堪能してもらうからな」

 

 

百代がぎゅっと海斗の左腕に抱きついてくる。

もちろん、そんな距離では百代の強さよりも迫力があるのではないかという胸が惜しげも

なく押しつけられる。

 

 

「ちょ、ちょっとモモちゃん、大胆すぎない!?」

 

 

燕は当然驚く。

何故なら百代の海斗への気持ちが確かになったことを知らないからだ。

今までのスキンシップの範囲からは逸脱した行為に面食らっていた。

 

 

「もう次いっちゃおう、次!」

 

「私も言うで候?」

 

「ほら、流れだし」

 

(うわー、これって私言わなきゃいけない流れ?海斗君かっこいいし、ここで本気のプラ

ン話して本気で拒否されたりしたら正直立ち直れないし……)

 

「コホン、私は一緒に弓道の練習をするで候」

 

「え、それだけ?」

 

「……お弁当も作っていくで候」

 

「弓子の料理は美味いからそれは俺も嬉しいな」

 

「あ、え、そう?海斗君にそう言ってもらえると……」

 

「ユミ、思わず口調が戻ってるぞ」

 

「あっ、コホン!今のはあくまで一例をあげただけで候」

 

「別に俺の前で取り繕う必要はないぞ。弓子が自分の立場を考えて口調を意識してるのは

分かるけど、俺はできれば素の弓子と接したい」

 

「うぁ、分かった、分かったから」

 

(こんな顔近づけられてそんなセリフ言われたら……私顔真っ赤になってないかな)

 

「ユミコダイジョーブ!バッチリマッカ!」

 

「心の声を読まないでっ!」

 

「なんか海斗クン、思ったよりも攻略進めすぎなんだけど……」

 

「攻略ってなんだよ」

 

「まぁいいけどねん、じゃあ最後は生徒会長で」

 

 

そう言う燕は頬をぷぅっと膨らませており、どう見てもまぁいいけどの顔ではない。

 

 

「ワタシハヘヤデイッショニスゴスヨ」

 

「あらら、珍しい」

 

「私ももっとアウトドアを想像してたな」

 

「カイトノタメニオマモリツクル!」

 

 

虎子が海斗にニコッと笑いかけてくる。

それに応えるように海斗は自分の腕につけている虎子の手作りブレスレットを示した。

 

 

「ちょっと待って、海斗クン。その意味ありげなブレスレットは何!?」

 

「同じ羽根がついてるわね」

 

「海斗ー、お姉さんにじっくり説明してくれ」

 

 

海斗が身につけてくれていることを知って、一層ニコニコしている虎子。

それとは対照的に怖い顔で詰め寄ってくる他の者たち。

 

 

「海斗クンの場合、主導権の前に本人のゲットが難しそうだねん……」

 

 

まわりの誰しもから好かれる海斗を見て、燕はそんなことを呟いた。




前半のほうでも先輩組の話がありましたが、
もう今回はほぼ攻略済みですね。
弓子の口調は使い分けが難しいです。
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