ほんと感想書き続けてくださっている方に感謝です。
もしなかったらと思うとモチベーションが保てないでしょうし。
「おぉー、やっと着いたな」
「ここが泊まるところか?」
「海斗、何か気になることでも?」
「いや、九鬼のことだからもっとデカいホテルに泊まるもんだとばっかり」
連れてこられたのは山奥の宿だ。
明らかに高級そうな装いではない。
「九鬼邸で寝泊まりしていれば、毎日が高級ホテルで寝泊まりしているようなものですか
ら。普段の業務から離れた慰安旅行であればこういう落ち着いた雰囲気の宿がうってつけ
なんです」
「そう言われると一理あるな」
「ファック、海斗さっきから李ばっかとしゃべってんじゃねーぞ」
「別にそういうわけじゃ……って、うわ!」
またもやステイシーに腕で頭を抱え込まれる。
ヘッドロックに近い形ではあるのだが、腕による拘束よりも胸の重さによる圧迫感のほう
が強い。
というか、下乳に制圧されている今の状況はなんなんだ。
「ステイシー、それは何“絞め”なんですか」
「ん?いじめか?」
「いえ、そういうことではなくてですね…………はっ、もしや今のはギャグに使えるので
は!真面目ないじめ、ふふっ」
「アー、藪蛇だった」
「いじめはいつも羽交い絞め、くくくっ」
――
「到着したことだし、さっさと各自荷物を自分の部屋に運ぶんだ」
早速あずみが場を仕切っている。
流石若い世代たちのリーダーなだけはある。
「あ、そうだ。海斗」
あずみにちょいちょいと手招きされて呼ばれる。
「お前の部屋の問題が残ってた」
「部屋?」
どうもあずみが言うには用意された部屋の数はちょうどぴったりしかないらしい。
貸し切り状態ではあるが、九鬼のメイドは膨大な人数だ。
何部隊かに分けたところで宿ひとつ程度埋め尽くしてしまうのは当然だった。
そんなところにステイシーと李がいきなり提案したイレギュラーの海斗が入ってきたとい
う話の流れだ。
「海斗は私の部屋に来ればいいだろ、なっ!」
ガッとステイシーに肩を組まれる。
その力は相変わらず加減というものを知らないが、慣れたものだ。
「ステイシーは李と一緒の部屋だろ。部屋は二人用で、ベッドも二つだ」
「別に構わないぜ、海斗は私のベッドで一緒に寝るもんな」
「私も海斗が部屋に来るのは構いませんよ。ただ異論があるとすれば、海斗は私のベッド
で眠ります」
「くだらない争いをしてんじゃない。どのみち海斗にはその部屋には行かせない。確か余
って一人だった部屋があったはずだ」
「別にそこまで手間かけなくても俺なら部屋なしでもどこでも寝れるぞ」
「なんだと?」
あずみにものすごい形相で睨まれる海斗。
「いや、だから心配しなくても……」
「誰がお前なんかの心配してんだ!バスの中での惨状を忘れたのか。仮にお前が廊下で寝
てみろ。他のメイドたちがこぞって狙いに行くのが目に見えてるだろうが。そんな分かり
きってる厄介事の種を放っておけるか。分かったら、さっさと一人部屋のメイドと交渉し
てこいや!」
「分かった、分かったって」
あずみにケツを蹴飛ばされ、急いでその部屋へと向かった。
「相変わらず海斗には厳しいですね、あずみは」
「そうか?特に意識してねーんだが……」
「そりゃあ、あずみはツンデレってやつだからな」
「勝手に人のキャラづけしてんじゃねー!」
調子に乗ったステイシーにあずみの容赦ない鉄槌がくだるのだった。
――
「この部屋だな」
あずみに渡された紙と扉の上にかかった札に書かれた部屋番号を照らし合わせる。
二度ほど確認した後、ドアをノックした。
「はーい」
部屋の住人は李やステイシー、あずみといった知り合いではないということになる。
そんな相手と上手くやっていけるのか、はなはだ不安ではある。
「はいっ、お待たせしちゃいました。シェイラちゃんに何かご用です?」
ドアを開けたそこにはピンク髪の美少女が立っていた。
はい、また好きなキャラ出てきちゃいました。
どうしてこうもメイドは可愛い人が多いのか。
おまけ的とはいえちゃんとルートがあったのも嬉しかったです。