真剣で私たちに恋しなさい!S   作:黒亜

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いよいよ本編スタートです!
続き物なので、前作を読んでない方は私の作者ページから
“真剣で私たちに恋しなさい!”、“難攻不落・みやこおとし”を
ご覧になってから、お読みください


東西交流戦

川神学園、武士の血をつぐものをはじめとして多くの猛者が集う一風変わった

学園である。

そして、西にも同じように血気盛んな者が集まる学び舎があった。

名を天神館、両方とも学生間で決闘を行うようないかにもな学園である。

 

―東の川神学園、西の天神館

その2つが今まさにぶつかり合っていた。

天神館が修学旅行で川神を訪れるというので、持ちかけられた学園と学園同士

の決闘。

世間では東の方が強いなどと言われているのが気に食わなかったのだろう。

 

これまで三年生の部で勝利、一年生の部で敗北の引き分け状態。

次の二年生の部の結果次第でこの大勝負の本当の勝敗が決まる。

 

武道の道を進むもの、プライドも競争意識も並々ならない。

一度戦いを始めれば、互いに譲れないものがある。

かくいう川神学園も今はFとSの垣根を取り払い、力を合わせて強力な相手に

立ち向かっていた。

 

 

「戦況はこちらがやや不利ってところか。」

 

「そうだね、例の西方十勇士っていうのにおされてるみたい。」

 

 

戦場を高所から見下ろしているのは大和とモロ。

二人は指揮の役割を担っていた。

モロが横のパソコンで全体の状況を把握しつつも生の目でも確かめる。

それらの情報を大和がすぐさま処理して、指示や作戦などがあればモロが通信

を使って連絡するという布陣だ。

 

 

「ははは、葵冬馬とかがいればもっと楽だったんだろうけどね。」

 

「いや、助かってるさ。ありがとな、モロ。」

 

「まあ、戦えないかわりに僕はこのくらいしか出来ないからさ。」

 

「一人じゃ大変だったから、感謝してるよ。九鬼は大将だし、委員長も頭はい

いけど人の裏をかくとかいうタイプでもないしな。」

 

「確かにそれは分かるよ。」

 

 

また下では轟音が鳴り響く。

最後の勝負ともあって戦いも一層激しさを増しているようだ。

 

 

「それにしてもここは観察するのには絶好の場所だな。」

 

「その分敵の視界にも簡単に入っちゃいそうだけどね。」

 

「大丈夫だろ、もし見つかっても……」

 

「見つけたぞ!敵軍の軍師といったところか、大人しくしてもらおう!」

 

 

そんなことを言ってるうちに早くも敵に発見される。

武装した5人組に囲まれ逃げ場などない。

 

 

「不運だったな、観念しろ!」

 

「不運なのはそちらだと理解しなさい。」

 

「は、なに……!?」

 

「Hasen Jagd!」

 

 

赤い旋風が猛者どもを蹴散らす。

その彼女はトンファーを器用にまわして、懐におさめた。

 

 

「ほら、敵が来ても何も心配ないだろ?」

 

「このマルギッテ・エーベルバッハがいるかぎり、何人(なんぴと)も突破できるとは思わ

ないことです。」

 

「頼もしすぎる気さえするけどね。」

 

「こんな強力な護衛なんて、戦力が充実してるからこそ……ていうか、あいつ

が攻撃に出ているからこそ使えるんだよな。」

 

「敵にとっては想定外だろうね。」

 

「しかし、意外だよな。血気盛んな軍人さんが大人しく守りにいてくれるなん

てさ……。」

 

「ほんと強い人とか来たら、どっか行っちゃいそうで怖いね。」

 

「安心しなさい。任務は(まっと)うするのが軍人です。あなたたちは何も考えずそこ

で守られていればいいと理解しなさい。」

 

「いや、一応作戦とか考えてるんですけど……。」

 

(この任務をクリアすれば、海斗が褒めてくれる……。)

 

「なんか聞こえてないみたいだけど……。

 

 

元々、この護衛も海斗から頼まれたこと。

“マルギッテなら守りきれるって信じて、俺はお前に頼みたい。”

好きな男にあんな風に頼まれて断れるはずがなかった。

思い出しただけでも恥ずかしくて幸せな気分になってしまう。

大和の反論など戦いの後のことを考える乙女の耳に届きはしなかった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

戦場のとある場所。

敵の大将である石田三郎、そして同じ西方十勇士の島右近がいた。

 

 

「御大将、現在完全にこちらの軍が圧倒している。西方十勇士を中心に各所で

多くの敵を撃破。質においても、数においてもこちらが大きく上回っていると

いう現状ですな。」

 

「所詮東など俺たちの敵ではなかったということか。」

 

「大友も変わらず国崩しで多くの兵を沈めているようだし、先ほど長宗我部も

出払った。風は今我々に吹いていますぞ。」

 

「ああ……しかし、なんだ。ここまで東が阿呆どもの集まりだったとはな。期

待した俺が馬鹿だった。」

 

「確かに静かすぎる気もしますな。」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

戦況は圧倒的な西の有利。

確かに西方十勇士はほとんど欠けていない、東の生徒たちは次々と脱落。

これらの事象を見れば、当然の結論だ。

しかし、知らなかったのだ。

 

 

「くそ……私の自慢の尼子部隊が……こんなにあっさり……。」

 

「悪いけど、女の子を殴る趣味はないからな。ギブアップしてくれると俺とし

ては助かるんだが。」

 

「わ、私は男だ!」

 

「いや、そんな分かりやすい嘘をつかれても……。」

 

「え、ええい!馬鹿にするな!!」

 

 

バキン

 

 

「悪いけど、爪がなけりゃ大人しくなるだろ。」

 

「な……!?」

 

「ちょっとの間、眠っててくれな。」

 

 

何も知らなかった。

西に西方十勇士がいるように、東にも切り札があることを。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「またもや、制圧。本当に順調ですな。」

 

「このままなら敵の大将の首をとるのもすぐだな。」

 

「しかし、先ほどから尼子と連絡がつかない……。」

 

「まわりの兵は手練れとはいえ、奴自身が弱虫だからな。もしかしたら敵にや

られているかもしれんな。鉢屋にでも調べさせろ。」

 

「は!…………む?」

 

「どうした、島。」

 

「そういえば、鉢屋がここまでほとんど連絡してきていないですな。」

 

「確かに奴にしては、珍しいな。」

 

「……つながらない。」

 

「おかしいな、何か起きてると見るのが普通だろう。それを調べるのもいいが

長宗我部に大将を討つのを急がせろ。」

 

「はい、ただちに……。おい、長宗我部。」

 

 

島がすぐに通信をつなぐ。

 

 

『なんだ、緊急の連絡か?』

 

「相手側に不審な動きがある。さっさと大将首をあげ、終わらせてほしい。」

 

『ああ、了解し……うぉっ!』

 

「どうした!?」

 

『すまん、すぐには無理みたいだ。』

 

「おい、島!こちらの兵の数が減っていってる。」

 

「なんですと、一体何が起こっておるのだ。」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

大将の元へ向かっていた長宗我部。

しかし、現在長宗我部の前には敵が立ちはだかっていた。

 

 

「みっつけったよーん♪」

 

「西方十勇士のメンバーね!ここで倒れてもらうわ。」

 

「その蹴りの威力……俺も本気で相手をしないとな。」

 

 

榊原小雪と川神一子は戦場を駆け回り、遊撃をしていた。

登場で大きく抉られた地面を見て、長宗我部も気合を入れた。

 

 

 

 

ほぼ削られることなく進んでいた西の軍。

その圧倒的な数の暴力も簡単にねじ伏せられていた。

 

 

「クリスティアーネ・フリードリヒ推参!我が軍がお前たちを掃討する!」

 

「くっ、こいつら動きが半端ね……ぐぁああ!」

 

「こぼれた奴らも一人たりとも逃がすな!」

 

 

クリスが統率したまとまりのある部隊が一気に多くの敵を潰していく。

その動揺した相手に源忠勝の部隊が追い討ちを入れていった。

 

 

 

 

炎と轟音に包まれる戦場。

多くの兵が大友の砲術の餌食となっていたが……。

そこに一人の男がやってくる。

 

 

「む……また新たな敵か!」

 

「派手に暴れてくれてんなぁ。ま、それも終了だ。」

 

「言ってくれるな、坂東武者よ。この大友が完膚なきまでに叩きのめしてやる

わ、たわけ!」

 

 

その刹那、男の死角から三本の弓が飛んでくる。

放たれたのは近くのビルの屋上。

そこに西方十勇士の弓使い、毛利元親がいた。

 

 

「ふっ、話に夢中になっているところにこの美の化身、毛利の三連矢は避けら

れまい。」

 

 

しかし、それらは反対のビルから飛んできた弓に綺麗に撃ち落とされる。

そこには同じく東の弓使い、椎名京が髪を風に揺らして立っていた。

 

 

「私の海斗を不意打ちしようなんて……。海斗のハートを射るのは私だけ。」

 

 

海斗は撃ち落された弓を見て、目の前の敵に宣言する。

 

 

「さて、こっから逆転だ。」




さて、こんな感じの低クオリティ小説ですが
それでもお付き合いくださるという方はよろしくお願いします。

ちなみに感想をくださると、作者が喜びます。
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