真剣で私たちに恋しなさい!S   作:黒亜

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ついにあの娘が本格参戦


納豆小町

海斗の案により終結した清楚の一件。

とはいえ、何かと尾を引くだろうとは思われていたのだが、この川神という街

は沢山の話題に満ちていて、目まぐるしく日々変わってゆくものらしい。

 

 

「転入生を紹介するよ。」

 

 

そう、今日の話題となるのは一人の人物。

こんな中途半端な時期に3−Fへやってきた……

 

 

「はじめましてーっ、松永燕です。よろしくっ!」

 

 

西の美少女武士娘だった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「おい!なんか窓の外で凄いことが起こってるぞ!」

 

「ほんと!お姉さまと戦ってる人がいるわ!」

 

 

窓の近くにいた生徒が声を上げ、皆が外を覗く。

HRの時間であるにもかかわらず2ーFの教室が盛り上がる。

 

燕の転入早々、百代が戦いをふっかけた。

決闘は断ったが稽古としてなら構わないと言った燕は早速グラウンドであの武

神と拳を交えているのだ。

その強さは相当なもので瞬殺されずに百代の攻撃の速さにもついていっている

戦いぶりに全校生徒の注目が集まっていた。

 

 

「モモ先輩と1秒以上わたりあえるなんて珍しいね。」

 

「というか、相手のほうも凄く速いぞ。動きにも無駄がない。相当な鍛錬が伺

える。」

 

 

クリスが感心したように呟く。

つられて海斗も外を見る。

 

 

「あれ、燕か。」

 

「え、海斗知り合いなの?」

 

「なんか昨日偶々会ったけど。松永燕って名前だった。」

 

「……もうそんな海斗に驚かなくなってきた自分がいる。」

 

 

京も毎回ツッコんでいるのではインターバルが短すぎる。

それほど、海斗は沢山の女子と関わっているのだ。

ただちっともめげていないのは京のタフさだろう。

 

 

「見て!松永先輩薙刀まで使いはじめたわ!」

 

「あそこに転がってる武器ほとんど使えそうだな。」

 

「技のバリエーションも凄いわよ。」

 

「へぇ、昨日も強そうだとは思ったけど上手いもんだな。」

 

「……今、たぶん皆同じこと思ってない?」

 

「……自分も言おうと思っていた。」

 

「アタシもなんとなく分かるわ……。」

 

 

京、クリス、一子の三人が顔を見合わせる。

 

 

「「「なんか海斗みたい。」」」

 

 

見事に三人の声がハモった。

やはり頭に浮かんだことは皆同じだったらしい。

 

 

「いや、あんなことできねぇし。俺とは全然違うだろ。」

 

「海斗、たまに川神院で薙刀のアドバイスくれるわよね。しかも的確な。」

 

「う…………。」

 

「自分との戦いではレイピアを使いこなしていたな。」

 

「く…………。」

 

「私の弓術はものの数秒でコピーされました。」

 

「ぐ…………。」

 

「そこにクッキーから聞いた刀の実力もいれるか?」

 

「待て、なんで大和がそれを知ってる。」

 

「かなり興奮してたみたいでな。若干喋っちゃってたぞ。」

 

「……厳重注意だ。」

 

 

はぁ、とため息をつくしかなかった。

それでも別にファミリーの皆に知られる分には構わないとも思い始めていた。

特に一子やクリスにはカーニバルの戦いでも見られている。

今更のことだ。

 

 

「でも相手がお姉さまじゃねぇ……」

 

「確かに沢山の武器を使える分1つ1つの能力を純粋に上げていく鍛錬はでき

ないだろうし。薙刀1つとってもワン子のほうが上手いと思うよ。」

 

(いや……なんていうか燕の戦い方は……)

 

 

そこでHR終了のチャイムが鳴った。

それにあわせて二人も戦いの手を止めた。

今はがっちりと固い握手を交わしている。

観戦していた生徒達から声援がおくられる。

結局、どの教室も今の戦いに釘付けだったらしい。

 

 

「あれ、なんかマイク持ち出したぞ。」

 

「アンサーでもするんじゃない?」

 

 

騒いでた生徒達も静まり、燕が話し始めるのを待つ。

 

 

「皆さん、応援ありがとうございますっ!西は京都から来た武士娘、松永燕で

すっ!」

 

 

わーわーと男子生徒たちが盛り上がる。

よく通る声に加え、振りまく笑顔も完璧だった。

 

 

「私が川神さん相手に粘れた理由はずばりコレ!じゃーん、松永納豆ですっ!

これを食べればいざというとき、ここぞというとき、納豆譲りのネバーギブア

ップ精神が出ます!私が持っているので試食したい人は声かけてくださいっ!

皆さんも一日一食、納豆、トウッ!!」

 

 

燕の宣伝演説が終わると拍手が巻き起こった。

可愛いー、納豆食べたーい等の叫びが聞こえてくる。

相当な商売上手だ。

 

 

「思い出した!西の納豆小町だよ!ほら、これポスターの画像。」

 

「うおっ可愛すぎだろ、この制服の写真もまた……」

 

 

モロがスマートフォンから引っ張り出してきた画像にガクトが歓喜する。

ふわりと揺れる制服から見える白い肌がたまらない。

確かにそのポスターの可愛さは見事な仕上がりとなっていた。

 

 

「よし決めた。俺様、この昨日からの傷を松永先輩に癒してもらう!流川、絶

対に仲良くなるんじゃねぇぞ!」

 

「…………」

 

 

まさかこんな空気で連絡先をもう知っているとは言わないほうがいいと判断し

た海斗だった。

意気込むガクトは不運としか言いようがなかった。




Sの代表ヒロインとも言うべき燕
彼女の参入でさらにややこしくなっていきそうです
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