Re:ブラッキーが呼び出されしは本物の異世界!? 作:煌めきの風
3月は色々と忙しくて書く時間の確保が少々難しかったです(^_^;)ですが、無事にリメイク第1話が投稿できました!
まずは、お待ちかね?の本編です!
『
外では葉っぱが落ちた木が時々風で揺れている。
講義をしていた先生が手元のマイクを通して講義の終了を告げる。すると、ほぼ同時にほとんどの生徒が各々の行動を開始した。机に突っ伏す生徒や背もたれに寄りかかり天井を見上げる生徒、ノート類をカバンにしまって急いで教室を出ていく生徒や友達と話し始める生徒。
「
「
隣の生徒が話しているように、今講義が終わった時間は予定よりも5分経過してから終わった。だけど、いつもは20〜30分過ぎるのだ。
あの先生はいつも時間が過ぎることで有名だ。そんな授業に出ようとする俺たちも物好きだとは思うが。
「……さて、俺も急がないとな」
「
俺の名前を読んで話しかけてきたのは、ケヴィン。この大学に来てからよく遊ぶようになった友達だ。金獅子を思い出させるような彼の金髪は短く整えられ、透き通るような碧眼を持つ彼の顔は文句無しのイケメンだ。
ケヴィンは俺に近寄ってきた。早く明日奈の所に行かなきゃならないのに。
「
「
「
用事の内容を伝えるとケヴィンはその場に崩れ落ちた。『
ケヴィンが言っているとおり、何故かケヴィンには彼女がいない。だが、ラブレターとかも貰っているし告白されたりする。しかし、その大半がタイプでなかったり、こちらから告白しても相手が彼氏持ちの場合が多いらしいのだ。
まだ告白されるだけどっかの赤髪の侍よりはマシだとは思うけど。
「
ケヴィンがああなることは毎回なので放っておいていて、教室を出る。鞄を背負い直しながら、腕時計で時間を確認すると約束の時間から20分が経過していた。
やばいな、明日奈に怒られる……。
とりあえず、鞄からスマホを出して、電話番号を打つ。電話をかけて出たのは、
『はい、もしもし』
「あ、明日奈か?ごめん、講義が長引いっちゃって……今から行くから」
『………』
「あの、明日奈さん?怒っていらっしゃいますか?」
『べっつに〜。ただ和人君は私よりも大学の講義の方が大事なんだな〜って』
「そ、そんな訳ないだろ。明日奈より大事なのは無いって」
『そうやっていつも誤魔化そうとするんだから。本当はまた女の子と遊んでいたんじゃないの〜?和人君モテるから〜』
「だから、大学の講義が……」
『………じゃあ、勝負しようよ和人君』
「勝負?」
『電話を切ってから和人君が待ち合わせ場所まで20分で着いたら許してあげる。間に合わなかったら、1日私の言うことを聞いてね。じゃ、頑張って』
「あっ、おいっ!明日奈!?………切られた」
スマホの画面見ると通話が切られていた。そのままマップを開く。
「20分って、間に合わねえじゃん……」
この場所から30分はかかる場所が待ち合わせ場所だ。勝てない勝負を挑まれたことに半分呆れを覚えた。
「勝っても負けても嬉しい事だけど……勝負で負けるわけにはいかないからな」
俺って負けず嫌いってよく言われるけどその通りだと自分でも思う。勝負という言葉がつくことには昔から負けたくないんだよな。
だから、勝負に負けないために走り出した。
俺たち二人にとって今日ーーーー10月23日はとても重要な日なのだから。
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少し昔話をしよう。
2022年11月6日。この日、世界を震撼させた大事件が発生した。
『SAO事件』
人類が仮想世界への完全フルダイブを実現したこの時代。茅場晶彦という一人の天才によって作られた一つのゲームハードとソフトが大ブームを呼んだ。
完全フルダイブ型VRMMORPGーーーー《ソードアート・オンライン》通称、SAO。
そして、民生VRマシン、《ナーヴギア》
これらはあっという間に完売し、約一万人がこれからのゲームを楽しみに正式サービスと同時にログインした。
しかし、製作者茅場晶彦によってただのゲームが、HPゲージの消失と共に現実の体も死亡するデスゲームへと変化した。
このゲームをクリアするためには全100層からなるSAOの舞台である《浮遊城アインクラッド》の完全制覇のみであった。
この事実がプレイヤーに告げられて以降、五つのグループに分かれた。
1、ゲームクリアを目指し、最前線で浮遊城を攻略し続ける『攻略組』
2、最前線へは進まずモンスターのレベルが低い低層から中層にかけて安全に生活する『中層プレイヤー』
3、攻略へ向かわず、第1層の始まりの街でひたすら外部からの救出を待ち続けるプレイヤー。
4、生きることを諦め、自殺するプレイヤー。
5、わざと犯罪行為に手を染めて楽しむ『オレンジプレイヤー』
そして、恐ろしいデスゲームから約二年が経過した時、攻略組のある一人のプレイヤーの英雄的活躍によってゲームクリアとなり、現実世界へと帰還することとなった。
SAO
《神聖剣》
《閃光》
《黒の剣士》ソロプレイヤー・キリト
必ず名前が出るのがこの三人だろう。
それに加え、ゲームクリアされる手前に判明した事実として、《神聖剣》ヒースクリフがSAOを作り出した張本人である茅場晶彦だったのだ。
それを見破ったのは《黒の剣士》キリトである。そして、キリトがヒースクリフに与えられたユニークスキル《神聖剣》と同じユニークスキルである《二刀流》を使いこの浮遊城の第100層ボスヒースクリフを75層で倒した。
お気づきだと思うが、今アメリカの歩道を走っているこの青年こそが《黒の剣士》キリトーーーー本名、桐々谷和人。
そして、和人が電話をして怒っていた女性こそが《閃光》アスナーーー本名、結城明日奈である。
そして、キリトこと桐々谷和人は今アメリカのサンタクララにある大学に次世代のフルダイブ技術を学ぶために留学していた。
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「くそっ、やけに信号に引っかかるなあ」
走り始めて横断歩道を渡ろうとしたら、信号が赤信号で全然進まなかった。というか、全部の信号で止まっていた。
赤信号の点灯し続ける赤色のライトを見て、ふと思った。紅の鎧に身を包んだボスであるヒースクリフ、茅場晶彦は今どうしているのだろうと。
あの時、75層でヒースクリフは俺との決闘に敗れ死んだはずだ。茅場もナーヴギアを装着してログインしていたことが、茅場に脅されて協力していたという神代凛子博士ーーーー実際には茅場晶彦が神代博士が罪に被らないための工作だったらしいーーーーの証言で分かっている。
彼が使用していたナーヴギアも一般なものと同じくHPゲージ全損と同時に高出力マイクロウェーブによって脳が焼かれる設定だった。しかし、茅場のものは脳に大出力のスキャンをかけることで自身の記憶・人格をデジタルな信号としてネットワーク内に遺す試みが追加されていた。脳がその不可に耐えられず焼ききれて死んだらしい。神代博士の証言を元に警察が発見した長野の山奥の山荘では確かに人が生活した跡があり、ナーヴギアもあった。しかし、
だけど、俺は一回仮想世界で茅場に会っている。その茅場の思考模倣プログラムが言うには本体は死んだ、との事。だが、現実の世界では茅場の遺体は
突然、ドンッという衝撃が思考の海に浸かっていた俺を現実の世界へと引き戻した。
その正体は反対側の歩道から歩いてきた人だった。歩きスマホをしていたのからか、前が見えなかったみたいだ。ぶつかってきた中年のおっさんはこちらを一瞥した後、視線を再びスマホに戻した。
信号に視線を戻すと赤ではなく緑であり、渡れるようになっていた。
「あ、やべっ。渡んなきゃ」
ギリギリ渡りきったところで、信号が赤に変わった。
時間を確認すると残り15分を切っていた。ここから奇跡的に信号が全部緑だったとしても、最低でも20分はかかる。
「どっかに近道は………っと、あそこか」
地図で近道を探すと、一箇所だけ時間内にたどり着く所があった。
移動してみて確認すると、そこは普段なら絶対に近づきなくない路地裏だ。あ、今ネズミが横切った。
浮遊城アインクラッドの第50層の主街区《アルゲード》に雰囲気が似ている。
「行くたくないけど…行くか」
覚悟を決めて走り出そうとした瞬間、顔になにかぶつかった。そして、視界は白一色だった。
「いっつ…………なんだこれ?手紙か?」
視界を埋め尽くした白いものの正体は、手紙だった。デジタルな時代で連絡はメールが主流となったこの時代に、アナログな手紙は珍しい。
さっきの風で飛ばされただけなのか、手紙には汚れ一つなく新品同様の白さだった。裏側を見てみると、そこには宛名が書かれており、その名前はーーーー
「宛先は………俺?」
もう一度宛名を見るが底にはやはり『桐々谷和人様』と書いてある。
宛先が俺ということを再び確認して、開封する。宛先が俺なのだから中身を見ても問題は無いだろう。封書の中には一枚の紙が入っていた。
そこにはーーーー
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むのなら、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て我ら箱庭に来られたし』
ーーーーそう書かれてあった。
そして、手紙の文の意味を考える暇もなく手紙が白く輝き始めた。
あまりの強さに思わず目を瞑る。そして、急に感じた浮遊感に心の中に不安が広がる。
そして、足が地面に着いている感覚が消える代わりに、自由落下しているかのような感覚。これと似たような体験をしたことがあるような…………?
気がつけば下から吹き上げる強い風が吹いていた。出来ればビルとビルの間であって欲しいという思いを胸に目を開けると、願いは裏切られて視線の先には青空があった。
ああ、これはあれか。
ALOに初めてログインした時も、それぞれの種族の主街区に転送されるはずが、バグのせいでその場からの落下となった。結局、どうすることも出来ずに頭から地面に追突したが、仮想世界なので痛みはなかった。
「嘘だろおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
今は仮想世界ではなく、現実。とても信じられない事だが、この事態が現実である。ともすれば、この速さで地面に衝突すれば死は免れない。
こうしている間にも地面にどんどん近づいている。
ーーーーごめん、アスナ。約束、守れそうに…………
そしてドボンッ、という大きな音を立てて、湖に大きな水柱が三つと小さい水柱ができた。
ーーーーピキッ
突然、左手首に付けていた腕時計にヒビが入った。去年の誕生日に和人からもらった大切なものだ。
今までヒビが入ることは無かったし、そうならないようにしてきた。それだけに心の中に不安が広がる。
「……………和人君?」
腕時計を握りしめながら、こっちに向かっているはずの最愛の人の名を呟いた。
ーーーー赤壁に囲まれた街
この街を一人、異様な姿で歩いていた。いや、以前の世界なら異様ではなかっただろう。白衣を来た成人男性は、赤壁を更に赤く照らしている夕日を浴びながらレンガで舗装された道を歩いている。
路地裏に入り、再び歩き続ける。足元を鼠が駆けているが気にした様子はない。そして、一つの扉がある家のところにたどり着いた。
しかし、すぐには入らず、家屋の間から見える空を見上げた。
「再び会えることを楽しみにしているよ、キリト君」
ーーーー水に囲まれた街
水が綺麗に吹き上げている噴水がある広場は様々な人種で賑やかになっている。そこに、とてもこの場所に合っているとは言いがたい人物が噴水近くのベンチに腰掛けていた。
その姿は、黒いポンチョに濃いグレーのパンツ、黒いブーツという怪しさ満点の服装だった。
その人物は、足を組み空を仰いだ。
「Wow. これはこれは。Big guestのご登場だぜ。なあ、黒の剣士様?」
ーーーー吹雪く雪原
五メートル先も見えないホワイトアウトの状態が続き、何メートルもの雪が積もっている。そんな雪原に一ヶ所だけ雪が積もってなく、岩肌が露になっている場所があった。そこには絶対に溶けることのない氷塊があった。
氷塊の傍に咲こうとしている一輪の花。
茎に棘をあり青い花弁ををもつ花ーーーーーーー青薔薇。
そして、青薔薇が寒さに負けず花開いた時、遠くから竜の鳴き声が轟いた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
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活動報告も書いたのでそちらもよければご覧ください