Re:ブラッキーが呼び出されしは本物の異世界!?   作:煌めきの風

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ふはははは!!!

読者諸君よ!!私は前にゴールデンウィーク中に投稿するといったな。どうだぁ!投稿してやったぞ!!絶対にできないと思ってただろ?フラグだと思ったろ?残念だったなぁ(ドヤア
そんな旗っきれ、へし折ってやったわぁ!!



……………ごめんなさい、調子乗りました。正直呼んでくれるだけでうれしいです。あ!ヤメテ!ここでブラウザバックしないで!お願いだから読んでください(^∧^)、オ、ネ、ガ、イ。


第3話「ギフトゲーム」

 

 黒ウサギの説明が終わり、空から落ちてくる時に微かに見えた天幕のある場所へと向かうべく黒ウサギを先頭にして歩いていた。

 先頭である黒ウサギは鼻歌混じりで軽くスキップしながら歩いていた。その後ろを俺達は歩いており、春日部さんと久遠さんは歩きながら何かの話題について話している。

 

「ちょっくら世界の果てに行くけど、桐ヶ谷も来るか?」

「……いや、いいよ」

「そうかよ。じゃあ、黒ウサギには言うなよ」

「分かったわ。行ってらっしゃい」

 

 突然、十六夜は世界の果てに行ってくると言い出して、俺を誘ってきたが断った。

 十六夜は黒ウサギに言わないように言って走り出していった。普通の人が現実の世界で出せることが出来ないスピードで。

 

「はやっ」

 

 俺達が歩いている道は、緑豊かで穏やかな森の中にある。その穏やかさを象徴するかのように鳥のさえずりや動物の鳴き声、葉擦れの音が聞こえてくる。

 木の種類とかは違うと思うけど、雰囲気は浮遊城アインクラッド第22層の森に似ている。22層はモンスターが出ない珍しい階層で攻略が早かった。その安全性故にそこを拠点にするプレイヤーも多く、戦闘を苦手とするプレイヤーも沢山いた。アスナと前線を離れた時もこの穏やかさに荒んだ心が癒された気がする。

 

「……ちょっと散歩してくる」

「そう」

「後で合流するから。じゃ、行ってくる」

 

 春日部さんにそう言うと、小走りで脇道へ入っていく。そこにもどこかで見たことがあるような無いような草木が生い茂っている。森林のいい匂いも漂ってくる。

 

 この光景を見ていると、今いる世界が現実ではなく作られた世界、つまり仮想世界なのではないかと考えてしまう。それほどまでに信じ難い光景なのだ。実は知らないうちに菊岡さんに実験中のVRMMORPGにダイブさせられている状況で、どこかにあるシステムコンソールにアクセスしてログアウトする。そして、目を覚ますと助手の比嘉さんが『お疲れ様っす、桐ヶ谷君』という快調な声をかけてくれるのではないか。

 だとしたら、黒ウサギや十六夜、久遠さんや春日部さんは?十六夜達は俺と同じプレイヤーと言われても納得はできる。しかし、黒ウサギは?この世界を説明するNPCの割には受け答えが滑らかすぎる。ユイみたいな特別なNPCでない限りあんな風にはならない。

 さっきの湖だってそうだ。あの水の感触は物質をポリゴンで生成している仮想世界ではありえない。

 とすると黒ウサギが言っていたとおり、この箱庭という世界は本物の異世界であり、俺がいた世界とは全くの別物なのだろう。

 

「本当の、異世界……か」

 

 空に浮かぶ鉄の城の空想に取り憑かれた茅場は、あの世界が崩壊する時に言っていた。『私はね、キリト君。まだ、信じているのだよーーーーどこか別の世界には、本当にあの城が存在するのだと』と。そう、どこか遠いものを見る目をしながらそう語っていた。

 

「案外、茅場もこの世界にいたりしてな……」

 

 そう呟いておきながら、首を左右に振って心の中で否定する。あの男は死んだはずだ。電子世界にコピーされたアイツがそう言っていたのだから。

 

「冷たっ!」

 

 気がつくと、小川に右足を突っ込んでいた。夏の井戸水ほどに冷えた水は透きとおっていて川底が見える。そして、時折川の中を魚が元気に泳いでいる。

 もし、メインメニュー・ウインドウが存在していたら、途中まで上げていた釣りスキルで魚を釣り上げる。そして、アスナに調理してもらった夕食をアスナとユイと俺の三人で楽しく食べるのだろうか。

 

 アスナに数時間会えないだけで、心が辛い。大学の講義とかなら大丈夫だった。空き時間に電話したりして声を聞くことが出来たから。でも、ここは異世界で当然繋がらない。どうやってもアスナに会うことが出来ない。

 

「アスナ…………」

 

 水面に移った顔は情けないものだった。仮想世界では英雄と謳われ、不屈の精神で強敵に立ち向かった屈強な剣士でも、現実世界ではただの大学生。弱々しい表情が心を締め付ける。

 だけど、いつまでもここで自分の顔を見ていてもアスナとは会えない。

 

「……春日部さん達と合流するか」

 

 さっきの黒ウサギが先頭で歩いていた道に戻ろうと後ろを振り向くと、目の前をポニーテールの女の子が俺の目の前を走り抜けようとしていた。彼女の腰には一降りの抜き身の刀が吊されていた。

 

「………こ、来ないでっ!!」

「……チィッ、逃げんじゃねえ!!」

 

 女の子が通り過ぎたと思ったら、今度はゴブリン的ななにかが横切って行った。

 

「?どうしたんだ?」

 

 気になって女の子らの後を追ってみる。

 どうやら、女の子は後ろのゴブリン的ななにかーーーーゴブリンでいいかーーーーから逃げている感じだった。

 

「きゃ……!」

 

 女の子は走ることに夢中で足元の木の根に気づかずに、転んでしまった。そこにも間髪入れず襲いかかる数匹のゴブリン。

 

「鬼ごっこも終わりだ。観念しなぁ」

「い、痛っ…………い、いや!こ、来ないで!」

 

 女の子は足首をくじいたらしく、立とうとするが再び転ぶ。それでも必死に逃げようと衣服を汚しながら地面を這いつくばって逃げようとしている。

 倒木によって塞がれた道に辿り着くと、倒木に背中を預け腰に吊り下げていた一振りの刀を振り回し始めた。ゴブリン達はそんなことに構いもせずにジリジリと距離を詰めていく。

 このままじゃやばい。目の前で彼女がいたぶられるのは見たくない。

 

「頭領、早くヤっちまいましょう!」

「こんな若い女は久しぶりですぜ。しかもシルフ(風妖精)っていうレア物ですし」

「まあ、そう焦るな。まずはその可愛らしい悲鳴を聞きながら徐々に身ぐるみを剥いでからだ。グヘヘヘヘヘ………ガッ」

 

 このまま走ってたら間に合わないので、近くにあった木の枝をぶん投げた。投げた木の枝はゴブリン的ななにかの中のボスにヒットした。

 

「その人数で女の子を襲うのは、どうかと思うな」

「ああぁん?なんだオメェは?」

「ただの通りすがりの人間、だよっと!」

 

 再び木の枝を投げる。しかし、先ほどは不意打ちだから成功した。だから、今回は敵が持っている粗悪な斧で弾かれる。そして、ボスに付きまとっていた数体がこっちに向かって近づいてきた。

 

「男には興味ねえんだよ、すっこんでろ!」

「頭領!アイツムカつくんで殺っちゃっていいですか!?」

「…………少し落ち着け。不意打ちとはいえ、このウガチ様に攻撃してきたんだ。ここは少しばかりチャンスをやろうじゃないか」

 

 こっちに近づいてきた数体をボスらしきゴブリンは制した。その代わりにボス自らがやって来て、俺の目の前に立って俺を見下ろした。

 俺の頭が敵の胸あたりにあるほどの身長に、やや猫背気味の体躯はがっしりと横幅がある。何よりも異様なのは長い腕とその先の鋭い爪がついた逞しい腕。胴体には革製の鎧を身につけ、腰周りには何かを入れていると思われる小袋。何よりもーーーー粗悪だが確かな威力を発揮しそうな片手斧。

 目の前にいるのは本物だ。仮想世界にいるモンスターじゃない。圧倒的な存在感と威圧感。背中を冷や汗が流れ落ちて心臓の拍動が速くなる。敵に悟られてはいけない。

 

「……チャンス?」

「そうだ。俺とお前でギフトゲームをする、それだけだ。そして、勝者は敗者に命令できることとする」

 

 敵ーーーー確かウガチって言ってたか?ウガチは片手斧を地面に刺した。

 

「ルールは?」

「まあ待て。ギフトゲームをやる以上契約書類(ギアスロール)は必要だ」

 

 ウガチがそう言うと俺とウガチの間に光り輝く何かが空中に現れた。それは羊皮紙だった。

 

「これが契約書類……」

「これは個人と個人の間で使われるやつだな」

 

 羊皮紙の文面を互いに確認する。

 

 

 

『ギフトゲーム名:“人間と小鬼”

 

・ルール説明 参加者がもう一人の参加者を降参させるか死亡させるかの二通り

・勝者は敗者に命令権を行使することができる

 

 宣誓 上記のルールに則り“桐ヶ谷和人”“ウガチ”の両名はギフトゲームを行います』

 

 

 

 文面に書かれていたのはこれだけだった。ルールは定められているが、禁止事項もない。これではゲームというにはあまりにも緩すぎる。

 

「……スタートの合図はどうする?」

「…………任せる」

「じゃあ、コイントスで」

 

 ポケットの中に小銭が入っているのを確認している。この近い距離でコイントスしても武器を持ってない俺が負ける線が濃厚だ。だから、距離をとるためにウガチに背を向けた。それが悪手だと気づかずに。

 

 ある程度間ができたので、ウガチの方を向きなおそうとした時、()()()()()()。次に襲ってきたのは左腕から感じる()()()()()。そして、体が木にぶつけられる感覚。

 

「ガハッ…………!!!」

「ヒャハ、ヒャハハハハッ!馬鹿かオマエは!!何でわざわざルールに書いてないコイントスを待たなきゃならないんだよ!ギフトゲームはなあ、ルールに抵触しなければ何をしてもいいんだよッ!」

 

 普段の生活では絶対に慣れない痛みに頭が真っ白になり、肺の中の酸素が一気に放出される。その原因はーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーー()()だ。

 

 

「ーーーーーー」

 

 あまりの痛さに声が出ない。俺の体を襲う痛さにその場でうずくまる。

 

 思えば俺はリアルな痛みに慣れていない。物心ついた時からは大怪我しなかったし、祖父に無理矢理やらされた剣道も途中で放り出した。リハビリは最先端の機械が助けてくれたのでさして問題はなかった。

 三年以上もどっぷり浸かっている仮想世界は、ナーヴギアやアミュスフィアのペインアブソーバ機能によって過保護なまでに痛みというものが除去されていた。俺にとってデスゲームでの痛みは単なるHPの増減でしかなくなった。だからこそ、あの世界で俺は自分よりも大きい凶悪なモンスター達と戦うことが出来た。

 そう、痛みの無い世界(仮想世界)で俺は戦ってきたのだ。

 

「おらおらァ!!さっきまでの威勢はどうしたんだァ!せめてこのウガチ様を満足させてくれよぉ!!」

「がッ、ぐはっ……」

 

 うずくまっているのを良しとしないウガチは次から次へと殴って蹴るを繰り返す。

 現実世界で俺は無力だ。どこにでもいるようなゲーム好きのただの男子大学生でしかない。

 ここが現実である以上、HPゲージはない。だから何が原因で死ぬかわからない。

このままうずくまってても状況は変わらない。ウガチが持っている片手斧を振り下ろされればなす術なく俺は死ぬ。

 

 ーーーー死ぬ?

 

 ーーーー俺が?

 

 ーーーーアスナと会えずに?

 

 ーーーーそれだけはダメだ!

 

 ーーーーならば抗え!

 

 ーーーーこの状況を変えるには、どうしたらいい!!

 

 ーーーーせめて、せめて武器が、剣があればっ!!

 

 ウガチはうずくまっている俺の首をつかみ持ち上げる。

 

「おいおい、このウガチ様に攻撃を仕掛けてきたからギフトゲームをしてやったのにこのざまかよ?興ざめだなあ。もっと俺を、楽しませろっ!」

「ぐはっ……!」

 

 そのまま反対側の大木に投げつけられた。

 投げつけられている時に、追いかけられていた彼女が視界に入った。涙目で震えながらこっちを見ていた。()()()()()()()()

 刀。つまりは武器。俺がよく仮想世界で使う両刃の剣ではないが、紛れもない武器だ。

 

 ーーーー武器があった。

 

「ぐっ、ゴホッ、ゴホッ」

「ほぉ、まだ立てるのか。まだまだ楽しめそうだなぁ!」

 

 体が痛い。全身が悲鳴をあげている。だが、それでもゆっくりと立ち上がる。こんな痛み、目の前でアスナを汚されそうになった時に味わった痛みに比べれば、軽い!

 

「ーー俺は、負け、るわけには、いかない!」

 

 立ち上がると、ウガチが遂に持っていた片手斧で攻撃を始めてきた。力いっぱいに振り上げた片手斧を振り下ろす。

 大きな隙ができるのを待っていた俺は、シルフの彼女がいる右手方向に避ける。そして、そのまま彼女の元へ駆ける。目的はーーーー

 

「ちょっと、借りるぜ」

「え?」

 

 彼女が持っていた刀。

 SAOでクラインが使っていた様な鍔付きの緩やかに湾曲した刀身を持つ刀ではない。木製の柄に鍔がない真っ直ぐな刀身を持つ刀。

 

「たかが刀一本でどうにかなると、思ってんのかッ!!」

「っ!」

 

 今度は横薙ぎに一閃。それをしゃがんで躱す。

 

 思い出せ。あの頃を。常に死と隣合わせだったあのデスゲームを。

 感覚を研ぎ澄ませろ。

 怯まずに前を向け。

現実世界の俺(桐ヶ谷和人)は無力だ。それは間違いない。だけど、仮想世界にいた俺(黒の剣士キリト)(桐ヶ谷和人)だ。そこに違いなんてないし、両方ともが俺という人間を形作っているんだ。

 

「このっ!」

 

 ウガチが連続で斬りかかってくる。

 あの感覚を思い出せ。本能のままに片手斧を振るうこいつは、あの世界(SAO)で経験したどのデュエルよりも動きが単純だ。

 

「ちょこまかとおッ!!」

「はあッ!」

 

 ウガチが片手斧を高々と振るいあげた瞬間、ウガチの腹に蹴りを入れてバックステップで距離を置く。

 

「ぐぼっ……!」

 

 ーーーーもっとだ!あの時の俺を、黒の剣士キリトをイメージしろ!

 

 右足を半歩下げて左半身の構えをとり、右手に握った刀は緩めに下げる。SAOの戦闘での構えだ。

 蹴られたことによるノックバックから回復したウガチは、走り込んで上段から斬り掛かろうとする。

 

「このおぉぉぉ!!!」

 

 それに対して、俺がとった行動は下がるでも避けるでもない。走り込んでくるウガチに対しての接近だ。

 狙いはウガチ本人ではなく、ウガチが今まさに振り下ろそうとしている片手斧だ。この片手斧はよく見ると、所々に傷が付いており刃こぼれもしている。

 

 ーーーーあの世界の技を思い出せ!

 

 イメージするのは魔法という概念が排除されたSAOの世界で唯一許された必殺技である、ソードスキル。数ある中で俺が主として使っていた片手剣スキルのなかで凡庸性に長けた技。

 

  『片手剣スキル突進技・ソニックリープ』

 

 仮想世界では刀身にライトエフェクトが発生し、システムアシストで体運びを助けてくれる。しかし、現実ではそうもいかない。それでも、二年以上も使っている。だから、システムアシストが無くても何百回、何千回と繰り返したソードスキルは体に染み込んでいる。

 

「うおおおおぉぉぉ!!!!」

 

 体が重くて動きにくい。そんなことは現実世界だから当たり前だ。ステータスによって支えられて戦うVR戦闘ではなく、数年前の現実世界で行ったAR戦闘を意識しろ。

 そして、あの世界の俺をイメージしろ!黒い服を身に纏い、黒の片手剣で数々の敵を葬ってきた黒の剣士を!

 

 ウガチの片手斧が俺めがけて迫ってくる。

 

 ーーーー怯むなっ!集中するんだ!

 

 スローモーションに映った世界で、片手斧と刀は交錯する軌道となる。

 ガキィンッ!、という甲高い音を立てて片手斧と刀が互いに相手の武器を弾く。

 数秒の間を置いて、片手斧が中心から割れて、破片が地面に崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時、刀の刀身が少しだけ黄緑色に煌めいていることに気づかなかった。

 

 

 




前書きではお見苦しいところをお見せしました(_ _)

リメイクでの戦闘シーンでしたが、一人称の戦闘シーンって難しいですね。

感想くれたらうれしいです!ぜひ書いて!さあ!さあ!さあさあ!!

では、また次の話でノシ
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