Re:ブラッキーが呼び出されしは本物の異世界!? 作:煌めきの風
暑い日が続いてぐったりしてました。先週の土曜日は熱中症になりかけました。皆さん、暑い日は水分と塩分をしっかりととってくださいね。それでも直らなかった作者は、バニラアイスで直りました笑
大学も本格的始まり忙しくて大変です。でも楽しいから許しちゃう♪
……こんな気持ち悪い作者は放っておいて本編読んでください。あ、やっぱり構って(^∧^)、オ、ネ、ガ、イ。
刀と片手斧が甲高い音を立てながら交錯した数秒後、片手斧の刀身がバラバラに砕け落ちた。
ウガチの取り巻きは信じられないような表情をしている。俺とウガチは背中を向けあっているため、ウガチの表情は分からない。
「う、うそだろ……」
「マジかよ、あの斧が折れるなんて……」
「うそ……」
ウガチの方を向くと、ウガチは固まったまま動かない。だけど、よく見ると少しだけ体が震えている。
「………」
ウガチは最初に俺を蹴り飛ばした時、ゲームルールに抵触しなければ何をしてもいい、と言っていた。逆に言えば、書いてあることは絶対に守らなければならないということだ。
このギフトゲームの勝利条件は『相手を降参させるか死亡させるか』だった。
例えこんな奴でも俺は、殺したくない。
「……降参してくれ。アンタみたいなやつでも俺は殺したくない」
「……………ふ、ふざけるなああぁぁぁ!!!!」
突如として、ウガチの叫び声が森林に響いた。あまりの声の大きさに空気が震えていると感じるほどだ。
ウガチは俺に近づいてくるなり、鋭い爪で俺を攻撃するかのように腕を振るってきた。さっきとは違い、スピードが数段速くなっていた。
「っ!!」
慌ててしゃがんで避ける。ギリギリで回避したが、髪が爪によって斬られたのかパラパラと落ちていった。
その後も武器を失ったウガチは自身の両腕を武器としてがむしゃらに振るってきた。体格に比べ幾分か長い両腕はギリギリ視認できる速さで俺を襲う。
「殺したくない、だと?このウガチ様が人間如きに殺されるわけ無いだろうがッ!!」
「くっ……」
上下左右全方向から迫ってくる腕に対処しきれずに、鋭い爪による切り傷がどんどん増えてくる。衣類を切り裂いて切り傷ができるほどにウガチの爪は鋭い。
「人間風情が、調子に乗るなあああぁぁッッ!!」
ウガチの両手を握り合わせるという数秒にも満たない隙をついて、左側にローリングで回避する。
回避して体制を整える前に先程いた場所から轟音が轟いた。両手を握り合わせた拳で俺のいた場所の後ろにあった木を殴り倒した音だった。
木を殴り倒した後にすぐに俺のことを捉えたウガチは、右腕をできる限り引き絞る。そして、その体勢を維持したまま走り込んで急接近してきた。
「オラアアアアァァァッッッ!!!」
放たれた右拳を右側へ体をひねって躱す。そこに間髪入れずに放たれた左拳をしゃがんで躱す。
そして、しゃがんだ体勢からウガチの左脇腹目掛けて一閃。
「はっ!!」
そして、その場には止まらずに刀を振るった勢いをそのままにしてフロントステップをする。
ウガチの方へ視線を向けると、ウガチは左脇腹を抑えていた。その指の間から赤い液体が少しずつ滴る。その液体である血は止まるどころか、次第に流れ出る量を増やしていく。
先程放った一閃は思いのほか深手を与える結果となったようだ。
「ゴフッ……!」
「このままじゃ出血多量で死ぬ。そうなる前に、頼むから降参してくれ」
「ふざ、けるなっ……!!このウガチ様が……人間如きに……負けるなんぞ、あってはならないっ!!」
ウガチは血を流しながらも立った。怪我も相まってか表情が険しい。
流れ続ける血を気にせず、ウガチは再び急接近してきた。
「……っ頼む、降参してくれ!」
「ふざけるなっ!そんな手に引っかかるか!!」
先ほどと同じ両手の鋭い爪での連続攻撃。しかし、怪我のせいもあり、そのスピードはさっきまでと比べて格段に遅い。
躱し続ける間にも血は流れ続けて、地面を赤く染める。それに比例してウガチの動きも鈍くなってくる。
「グフッ……」
ウガチの攻撃を避け続けると、ウガチが吐血した。そして、そのままその場に崩れ落ちた。
周りを見るとウガチの傷口から流れ出た血の跡で埋め尽くされていた。所々変色して黒くなっている。
数拍の感覚を置いて吐血するウガチに近づく。
「お願いだ、降参してくれ……!!このままでは本当に死んでしまう……」
「……ハッ、ここで、死ぬよう…なら……ゴフッ!……俺も、ここまで……ってことだろうな。しかも………来たばっかの人間なんかに、な」
ウガチはゴロン、と体勢を仰向けに変える。その間も血は止まること無く流れ続けている。
ギフトゲームの中で初めて弱気を見せたウガチは、俺よりも大きな体躯のはずなのにその存在感はどこか小さく感じた。
「頭領、死なないでください!」
「俺たちを残していかないでください!」
ギフトゲームが始まってから側で静観していたウガチの部下だと思われるゴブリンが、仰向けに横たわっているウガチの側に駆け寄ってきた。
「そいつらの言うとおりだ。だから、降参してくれ」
「…………」
ウガチは答えない。顔には葛藤の色が出ていた。部下に死んでほしくないと懇願されているが、このギフトゲームは降参するか死なないと終わらない。生きるためには降参するしか無いが、部下の目の前でたかが人間相手に降参したくない。そういった葛藤だろう。
「頭領!」
「……」
「ボス!!」
「………」
「「お願いします!降参してください!」
部下達が降参を促すもウガチの口は動かない。
そして、数十秒後。ついに口が動いた。
「…………チッ。おまえらにここまで、慕われていた…なんてな……オメエの、言うことを聞くのは癪だが…………降参だ」
すると、二人の間に一枚の羊皮紙眩い光と共に現れた。
『プレイヤ-“ウガチ”の降参を確認。以降、この契約書類はプレイヤ-“桐ヶ谷和人”の命令権となります』
契約書類を手に取ると、文面にはそう書いてあった。
命令権。これがあれば本人の意思と関係なく、その対象を思うがままに扱うことができる。
内容を考えている時に、ふとウガチ達の顔が目に入った。彼らの目はこの命令権による命令に対して怯えているような目をしていた。
数秒考えた後、彼らに命令する内容を心の中で決めた。
「………命令権を行使する」
その言葉を合図としたのか、契約書類は白く発光して空中に浮いた。
「た、頼む!俺はどうなってもいい!!だから、頭領だけは助けてくれ!!」
「俺もだ!頭領が助かるなら何でも言うことを聞く!だから、頭領だけは……!!」
ウガチの部下達がそう懇願してくる。だが、それでも命令の内容は揺るがない。
「命令は———————————今すぐここから去ってウガチを治療しろ。そして、もうこういうことをするな」
「「………………え?」」
ゴブリンは目を丸くして素っ頓狂な声を上げた。
そんな彼らに構う暇が無いまま、手に持ってた羊皮紙は再び空中に浮いて輝き始めた。
『命令を確認。実行します』
その文章が羊皮紙に刻まれた後、無数の光となってウガチ達の頭上で綺麗に散った。
その後、効力が現れてきたのか部下達はテキパキと動き始め、ウガチを担いで森の奥へ消えて行ってしまった。その時の彼らの表情は驚愕に満ちていた。
「ふう、やっと終わt………」
無事にギフトゲームが終わったことで緊張の糸が切れた。そのせいか今まで分泌されていたアドレナリンが切れ、体を襲う痛みで意識を手放した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「………………ん」
「あ、気がつきましたか?」
目を開けると目の前に顔があった。金色の髪と黄緑色の瞳が凄く印象的だった。どうやら俺の顔をのぞき込んでいたようだ。
体を起こそうとすると、彼女が身を引く。
「俺は、確か……」
「あの後、急に倒れたんですよ」
ああ、そうだ。ギフトゲームに勝ってウガチ達に命令権を行使して、この場から去ってウガチの治療をするように命じたんだった。
ギフトゲームで攻撃された時の痛みを一時的に感じない位に集中していたが、張り詰めていた緊張が解けてそのまま気を失った…はず。
恐らく数日は痛みでまともに動けないって、あれ?
「身体中が痛…………くない?」
「打撲などの怪我は私の魔法で治療しときました」
「魔法って……ああ、そう言えばウガチの部下が
よく彼女の顔を見ると、殆どが人間と同じだが、耳だけが少し尖っている。ALOの風妖精と似たような感じだ。
「治してくれてありがとう、えぇと……」
「レイナです。レイナ=ヴィエーチル」
「ありがとう、レイナ」
「いいえ、お礼を言うのはこちらの方です。ゴブリンから助けていただいて、本当にありがとうございました」
レイナはこっちを向いて頭を下げた。その際にポニーテールも揺れて背中が見えた。
「いいよ、別に礼なんて。目の前で女の子が乱暴にされるのが嫌だっただけなんだから。それよりもシルフって言ってたけど、翅ってあるのか?」
「はい。今は見えませんが、出そうと思えば………ほらこの通り」
そう言うと彼女は背中をこちらに向けると、その背中にはクリアグリーンに透き通る流線型の四枚の翅があった。まさしくそれは妖精の翅であり、ALOでのシルフの翅に限りなく酷似してた。
「へえ、綺麗なもんだなあ。でも、だったら逃げるときも走らないでその翅で飛んで逃げればよかったんじゃ無いのか?」
「ええと……その、実はあんまり飛ぶのが上手じゃ無くて…………10メートルも飛べないんです」
レイナが俯くときに見えた彼女の表情からは悔しさが感じ取れた。妖精であり翅があるが、飛ぶことができない。そのことが、彼女を苦しめているんだ。
仮想世界で飛ぶ感覚がわかっても、彼女に飛ぶコツを教えることは俺にはできない。俺たちが翅を使って飛ぶことができるのは、フライトエンジンというマシンがALOに搭載されているからであり、現実の翅を持ってない俺たちには現実で実際に飛ぶということが分からない。
「…………」
「……………」
「…………あ、あの」
「ん?」
沈黙が漂い始め空気が気まずくなりかけたときに、レイナが言葉を発しようとしたことで気まずくなることは無かった。
「あ、あの……この後はどうするんですか?」
「そうだな………とりあえず箱庭の中に入らないとな。そろそろ黒ウサギ達と合流しないとまずいし」
「そうですか…………もしよかったら、私も箱庭の中に連れてってくれませんか?」
「それは別にいいけど、いったん家に帰った方がいいんじゃ無いのか?連絡もしないで箱庭の中に行ったらお母さんとかお父さんが心配すると思うけど」
レイナは一瞬だけ悲しげな表情を見せて顔を伏せたが、すぐに笑顔になって顔を上げた。一輪の花が咲いたようなその笑顔の中には、少しばかりの悲哀の感情が交ざっていた。
「……私は以前箱庭の中でコミュニティの一員として活動していました。ですが、ある事情で箱庭の外へ逃亡してきました。そこで、祖父母といえる人に助けてもらえました。ですが、祖父母はかなり高齢だったのもあってついこの前に亡くなってしまいました」
「……辛いことを思い出させてゴメン。何も知らずに踏み込んで……」
「いえ、大丈夫です。もう心に区切りがついてるので………それに私にはやらなければいけないことがあるので、どうしても箱庭の中に行かなきゃならないんです!」
さっきまでの悲しそうな表情は消えて、力のこもった表情に変わっておりその瞳には決意が感じられた。
「…分かった。一緒に箱庭の中に行こうか」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ」
しびれかかった足を動かしてなんとか立ってズボンについた砂を手で払い、レイナに手を伸ばす。
レイナは手を掴んで少しふらつきながらも立った。しかし、すぐに足を押さえてしゃがんでしまった。
「いっつぅ……」
「だ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫……ではないです。結構痛いです」
レイナが押さえている右足首を見てみると、足首が腫れている上に内出血していて紫色に変色していた。
ゴブリンから逃げているときに転んだ拍子にけがをしたようだった。
「俺に使った魔法は使えないのか?」
「魔力が切れてしまって……」
「そうか…じゃあ、早く黒ウサギ達と合流しないとな。ほら、おんぶしていくから背中に乗って」
歩くこともできない。治療することもできない。だったら選択肢は一つしかない。
背中をレイナの方へ向けて、おぶられるように促す。
レイナは数秒考えた後、ゆっくりと背中に近づいて俺に体重を預けてきた。そして、両腕を首の周りで固定させたことを確認すると立ち上がる。
「乗り心地は大丈夫か?」
「………少し冷たいです」
「うっ………それはやむを得ない事情があったので大目に見てもらえるとありがたいです、ハイ」
レイナが少し不満げにそう口にする。が、湖に入ったことに関しては好きでやったわけではないので、少しばかり我慢して欲しい。
「……………………でも、少しだけあったかいです」
「ん?なんか言ったか?」
「いえ、何でもないです。…………ふふっ」
「?じゃあ、行こうか」
箱庭の中に行こうと快調に足を進めていく。が、その速度は次第に落ちていきついには足を止めた。
別に俺が非力で腕が限界を迎えたわけでもなく、足を止めたのには理由がある。
「………」
「……?どうしたんですか?」
「………なあ、レイナ。箱庭の中ってどうやって行くんだ?」
単純に箱庭の中に入る方法が分からないだけなのだ。
レイナをおぶっているので顔を見ることはできないが、おそらく呆れられているだろう。
「……道が分からないのに私を助けたんですか?」
「いや、最初は帰り道が分かっていたんだけど、レイナを助けることに夢中で………」
「意外と抜けているんですね………とりあえずこのまままっすぐ進んでください」
「ん。分かった」
半分呆れられながら道案内してくれるレイナを頼りに歩き始めた。
キリト(!?こ、この背中の柔らかい感触は!?も、もしかしてリーファやアスナよりも大きいんじゃ………………って何を考えているんだ、俺は!?)
レイナ ギュッ
キリト「ふぁっ!?」ムニュ
レイナ「どうしたんですか?」
キリト「な、何でもない……(早く箱庭の中につかないと……!!)」
そういえばおとといはSAOのユウキの誕生日でしたね。皆さんしっかりとお祝いしまいしたか?ユウキは二番目に好きなキャラなのでうれしかったです。え?一番?そんなのシノンに決まってんだろッ!!!!
感想待ってるよーーーノシ