フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!!16話投稿であります!!


今回で悪魔の島篇終了です!!
最後までお付き合い、お願いします!


16話 島の真実

 

デリオラが崩壊し、シクルたちは遺跡から出てくる。

遺跡の外ではルーシィやエルザが待っていた。

 

 

 

「みんな!無事だったのね!」

別れた時よりボロボロのグレイの姿などあるがそれでも歩いて出てきたシクルたちを見て、ぱぁっと笑みをこぼすルーシィ。

 

「ルーシィ!エル!ハッピー!そっちも無事だったんだね!」

 

「あぁ」

 

「みんなー!おかえりー!!」

 

 

やっと合流を果たしたシクルたち。

 

「いあー!!終わった終わったー!!」

合流し、立ち話をしているとナツが両手を空に掲げ、満面の笑みで叫ぶ。

 

 

「これで俺達もS級クエスト達成だー!!」

 

「だー!!」

 

ナツの叫ぶ姿を真似て、ハッピーも飛び上がり、一緒に喜ぶ。

 

「もしかしてあたし達2階に行けちゃうのかな!?」

ルーシィもルーシィでクエスト達成に喜びの声を上げているが………

 

 

「ちょいちょい…んな訳ないでしょ?

てか、みんな後ろに鬼がいるの気づいてね?」

 

呆れた様子のシクルが差す先には…背後に修羅を背負った緋色の女、エルザがナツたちを睨んでいた。

 

それはもう…恐ろしい程に………

「ひぃ!?」

 

「そ、そうだぁ…お仕置きが待ってたんだ…」

 

「………その前に、やるべき事があるだろう?」

エルザはナツたちを叱ることはなく、まだクエストは達成していないことを言ってきた。

 

「…え?」

「今回の依頼は…“悪魔にされた村人を救うこと”…それが内容でしょ?」

 

「で、でも…デリオラは死んじゃったし…村の呪いもこれで………」

 

「いや、あの呪いとか言う現象はデリオラの影響ではない…

 

月の雫の膨大な魔力が人々に害を及ぼしたのだ…つまり、デリオラが崩壊したからと言って事態は改善しない」

 

ルーシィの疑問にエルザが答える。

エルザの答えに、「そんなぁ…」と肩を落とすルーシィ。

 

ふと、月の雫の儀式をしていた張本人、リオンならば何か知っているのでは?と考え、グレイがふっとリオンを見やるが…

 

リオンは目を細め、グレイから顔を背けると

「俺は知らんぞ」

と、言いきった。

 

「なんだとぉ!?」

 

何も知らないと言ったリオンを睨みつけるナツ。

リオンはナツに視線をやり、ため息をつくと話し出す。

 

「…3年前………この島に俺達が来た時、俺達は村が存在するのは知っていたが…村の人たちには干渉しなかった…

 

彼らから逆に会いに来ることもなかったしな」

 

リオンの言葉にシクルがピクッと眉を寄せる。

 

「…3年間、1度も?」

シクルの問いかけに一瞬シクルに視線をやり、目をそらすリオン。

 

 

「…この3年間、ずっとこの島にいたのよね?」

 

「…何が言いたい?」

 

「…シクル?」

 

「…そうか………」

シクルの言葉にはっとなにかに気づくエルザ。

 

「貴様ら…何故、3年間、あの光を浴びながら…悪魔の姿になっていないんだ…?」

 

 

「「「「っ!?」」」」

「…なにが?」

 

エルザの言葉にナツ以外のメンバーが気づいた様子を見せ、リオンを見張る。

 

 

「………気をつけろ、奴らは何かを隠している」

 

 

リオンはいくつかグレイと会話をすると仲間と共に去っていった。

 

そして、シクルたちが村に戻ると………

 

 

「…直ってる?」

 

リオンたちにより消された村が元通りに戻っていた。

 

 

「ど、どーなってんだ…?」

 

ナツたちはその光景に目を見張り、驚愕する。

そんな中、シクルの脳裏には髪の長い女が過ぎる。

 

………まさか?

 

 

ふと、シクルの嗅覚にあの香水の香りが香る。

「っ!………エル、ちょっとここを離れるね」

「ん?あ、あぁ…すぐ戻るんだぞ?」

 

エルザのその言葉に「はーい!」と答え、シクルは香水の匂いを辿る。

 

 

 

そして………

 

 

 

 

「どーいう心境の変化なのかしら?

 

 

 

 

 

 

………ウルティア」

 

 

 

森の奥深くで誰か…おそらくあの男と通信をしていた仮面の老人を見つける。

 

「ほっほっほっ…よくここがお分かりに…」

 

「下手な芝居はやめなさい…竜の五感を舐めない事ね…匂いで丸分かり…それに、魔力の質でもあなただということが分かったわ…」

 

シクルがそう言うと、一層仮面の老人は笑い、次第に姿が歪む…

 

そして、歪みが消えると現れたのは仮面の老人ではなく髪の長い女…評議会に席を入れている“ウルティア”だった。

 

 

「へぇ…さすが、妖精の尻尾最強女魔導士…月の歌姫ってところかしら?

 

で?私に何の用?」

 

ウルティアの言葉を聞き、十六夜刀を召喚し、刃先を向け睨むシクル。

 

 

 

「言いなさい………今回の件、何が目的でリオンと手を組んだの?」

 

「ふふ…そうね、強いていえばちょっとした暇つぶしと評議会としての調査………」

ウルティアがシクルの質問にそう答えると…

 

 

ドォッ!!!

 

 

言葉の途中でシクルは刀を地面に突き刺し、剣気でウルティアの真横を切り裂く。

 

「…それで?………騙せると思う?私を…」

 

「…ふっ やぁね、短気な子は………モテないわよ?」

「御生憎様…私は別に誰かにモテたいとか…そう言う思考は持ってないのよ」

 

 

殺気が飛び交う両者…

 

不意に、ウルティアが殺気を弱め、肩を竦めると口を開きだす。

 

 

「そうね…強いて言えば、あの方のため…」

 

「………あの方?」

 

 

「えぇ?そうよ…デリオラを支配下に置き、操りその力を使おうとしたんだけど………見事にあいつの氷の中でその命を無くしちゃったからね………」

 

嘲笑うように言うウルティア。

 

その瞳を見てシクルはほんの少し悲しそうな表情になり…

 

 

「ウルティア………ウルの涙………あの人は…」

 

と呟く。

 

その瞬間…

 

ゴォ!!!!

と言う、殺気と共にシクルへと水晶が超速度で飛んでくる。

 

ドッ!ゴッ!

「っ!!ぐっ!!うぁ!」

飛んできた水晶に1度は反応し、避けるもその後に続いた攻撃に身体が動かず、当たってしまい膝をつくシクル。

 

 

「黙りなさい…私の前で………あの女の名を出すな………」

 

膝をつくシクルを見下ろし、睨むウルティアにシクルはふっと笑みを見せると………

 

 

 

「………悲しい人ね…あなたはほんと…」

と、ウルティアを見上げ、言った。

 

 

「…!!お前………!!」

 

シクルの言葉にカッとなり、手を振り上げるウルティア。

だが………

 

 

 

「おーーーい!!シクルー!どこだァ!?」

 

遠くから、シクルを探すナツの声が響く…

シクルの嗅覚は確実にナツが近づいてくることを感じ取っている。

 

 

「………どうする?このまま私をやってもいいけど………そうしたら、彼が…彼らが、黙ってはいないわよ?」

 

 

例え、評議員だとしてもね…

 

そう、シクルが言うとウルティアは少し忌々しい表情を浮かべ、手を下ろし、シクルに背を向ける。

 

 

 

「ふ…まぁいいわ………次…次会った時、覚悟しておきなさい………」

 

そう言い残し、足を進めるウルティア。

 

ふいに…足を止め、シクルを振り返り………

 

「次やる時は………お互い、万全の状態でやりましょう…」

 

「っ!!」

そう言い、含み笑いを見せ消えたウルティアをじっと見つめ、シクルは長いため息をつく、

 

「はぁああ………(バレてた…か)

つっ………!あー…もぉ………傷開いちゃった」

 

そう愚痴り、腰を下ろすと服を捲り腹部に出来た傷を見る。

 

これは、以前の依頼の時闇ギルドマスター、“ディア”につけられたものだ。

 

評議会にてあらかた治してもらっていたが、今のウルティアからの攻撃をくらい、傷が少し開いてしまった。

 

 

「あー…戻るのめんどくさいなぁ…」

そうぼやき、空に浮かぶ紫の月を見上げる。

 

「んー?月の雫………そっか…村の人がおかしくなったのって………もしかして………」

 

 

ずっと脳裏で引っかかっていたこと………

 

それが何となく、解けた気がする………。

 

 

「…さて………どうやって戻ろう?」

 

歩いて戻るのは流石に疲れたしなぁ…と再びため息をつきそうになった時………

 

 

ガサッーーー!

「シクル!!!見つけたっ!!!」

桜色の男、ナツが現れた。

 

 

「ナツ!!いーとこに来たァ!!!

お願い!!!私をおぶって?」

 

バッ!と茂みから現れたナツを見て両手をめいっぱい広げ、笑顔でおんぶの催促をするシクル。

 

「は、ハァ!?ンでだよ?」

「だってー…疲れたし、歩いて戻るのめんどくさいし………何より、身体痛いし!!ね?お願い!」

 

いーでしょ?と尚催促してくるシクルにはぁとため息をつき、困ったような表情を見せたナツ。

 

すると、ふいに鼻をかすめる鉄臭い匂いに顔を顰める。

 

「っ!!おいシクル…お前どっか怪我してんのか?」

 

「ふぇ?あぁ………ちょっと前の依頼で出来た傷が開いちゃったくらいだよ?」

 

他は何ともないよーと二ヘラと答えるシクルにナツは呆れた様子でため息をつくと………

 

「そーいう事は早く………言えっての!」

 

ひょい!

 

「え!?ひゃ!?ちょ!おぶってとは言ったけどこれは…!!」

 

ナツはシクルの肩と膝裏を抱え、抱いている…横抱き、“お姫様抱っこ”だ。

 

 

「うっせ!黙ってこうされてろ…この方が、お前の顔、よく見えるから………頼む」

 

そう言ったナツはどこか、真剣な表情を浮かべ、シクルはそれ以上反論出来ず、ナツに身を委ねることにした。

 

 

しばらく、村への道をナツは無言で歩く…すると、

 

 

「………怪我、大丈夫か?」

シクルに聞いてくる。

 

シクルは初め、きょとん?と首を傾げ…

「ん?…あぁ、うん…大丈夫だよ?」

と、答える。

 

「…悪ぃ………勝手に俺がS級クエストになんか来ちまったから…シクルが連れ戻しに来たんだよな…怪我、してんのに…」

 

「うん…まぁ………(てか、エルも連れ戻しに来たんだけど…というか、私よりやる気だったし…)」

 

ナツは歩く足を止め、立ち止まる。

 

「…ナツ?」

 

 

「………ごめん…俺………早く…認められたくて………シクルに…俺が強いんだって…認められたくて………一緒に行っても、足でまといにならないって!………シクルに…分かって、欲しかったんだ………」

 

 

ナツの表情は苦しげに歪み、悲しみと悔しさが滲み出ていた。

 

 

「…ナツ………」

 

「ただ………シクルに認めて欲しかった…

俺は強いって…信じて欲しかった…

 

それだけなんだ………なのにシクルに無理させて…

 

さいてぇだな…俺………ごめん…」

 

ナツの泣きそうな顔を見て悲しげな表情をするシクル。

そして、フッと小さく微笑みを見せるとナツの額に自分の額を寄せコツン…とぶつける。

 

 

「バカね………ナツが強いってことくらい…ちゃんと分かってるよ………

 

信じてる…ちゃんと………だからこそ、私のいない間………ルージュを…ギルドを…皆を…家族を…あなたに任せて行ける………

 

 

ナツ………もう、こんな事しないでね…?

 

ルージュがS級クエストに行ったって聞いたのと同じくらい………ナツがS級クエストに行ってしまったと聞いて………怖かった………

 

 

ナツ………何もなくてよかった…」

 

 

シクルの言葉にほんのり、1粒の涙を流し、

「おう…ごめんな、ほんと…」とナツは言った。

 

そして、気持ちが落ち着いたのかナツは顔を上げると、「んじゃ行くか!」とシクルを見やい、ニカッ!と笑う。

 

シクルも「うん!!」とニコッ!と笑みを見せ頷く。

 

 

その後、2人で村に戻るとエルザからの「遅い!!」の声が響き、2人揃い、「ごめんなさい…」と謝る。

 

 

「はぁ…とにかく………ナツ、少し力を貸してくれないか?」

 

「んァ?なんで?」

 

ナツの疑問にエルザは1度深呼吸をすると…

 

 

「月を………破壊する」

と、答えた。

 

 

エルザの言葉に、ルーシィとグレイ、ハッピーとルージュは驚いていたがナツはやる気を出し、シクルも「おー頑張れー」とやる気のない声だが応援していた。

 

「て、シクル!?あなた、月を破壊出来ると思ってるの!?」

ルーシィの驚愕の声にコテリと首を傾げ、あははと笑い、シクルは…

 

「何言ってんのー?月を破壊なんて出来るわけないでしょ」

と、言った。

 

シクルの言葉にルーシィたちはほっと安堵するが………

 

 

エルザとナツは依然、やる気に満ちておりそして………

 

 

「今だ!ナツ!!!」

 

「うぉおおおっ!!!火竜の…鉄拳!!!!」

 

エルザの持つ武器の一つ、破邪の槍をエルザが投げるその瞬間、タイミングを合わせナツの拳が当たり、その槍は真っ直ぐ月へと飛び、そして………

 

ビシィッ!!!

 

 

「「うそぉおおおおお!?」」

 

月にヒビが入る…。

 

「「あいやぁー!?」」

 

が、結局エルザの槍が壊したのは島の上空を覆っていた月の雫の光によりできた呪いの膜だった。

 

それは、村人達の脳や記憶を狂わせてしまう効力があり、そのせいで村人達は長年苦しんでいたのだ。

 

 

それを見事解説したシクルやエルザたちは、その夜村での宴に参加した…。

 

 

そして、翌日………

 

 

「そんな…それではこの報酬は受け取れぬと………?」

村長が依頼の報酬をシクルに差し出すが…

 

 

「はい…今回のことに、私はあまり手を出していませんし…最初は不当により、受けてしまった依頼です………なので、報酬金は頂けません」

 

これは村の復興などに当ててください…

 

そう言い、報酬金の受け取りを断るシクル。

 

結局、最後まで諦めなかった村長の押しに負け、おまけの報酬、金の鍵のみ受け取ることにし、一行はエルザとシクルが行きに使った海賊船でマグノリアへと帰還するのであった………。

 

 

 

これにて………悪魔の島篇 終わり…

 

 

next.story 幽鬼の支配者篇 開幕

 

 

 

 

〜予告〜

 

 

 

 

 

皆は私が………守ってみせるっ!!!

 

 

 

 

いや………いや………来ないで………来ないで…………

 

 

 

 

 

来るなぁあああああっ!!!!

 

 

 

 

 

 

私はお前を………許さないっ!!!

 

 

 

 

 

 

お前はあたしを………怒らせたんだ………

 

 

 

 

 

 

 

未来はないと思え………

 

 




はい如何だったでしょうか………

今回は最後に次回の章、予告を入れてみました!!


今後も章が変わる事に予告を入れてもよろしいでしょうか…?
兎に角、16話
最後までお付き合い、ありがとうございます!!
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