フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい! では前回の予告通り今回でこの日常篇、完結致したいと思います!!


結構ナツとの絡みが多めです!……私の中では

では、60話、最後までお付き合い、お願いします!


60話 俺が……守るからっ!!

 

 

花見の席を飛び出し、シクルの家へと向かったナツ……

 

「ねぇ、ナツー?」

 

「あ?」

 

ナツを掴むハッピーが飛びながらナツに声をかける。

 

「シクルの家に行って何をするの……? この時期のシクルは人と会うのも拒むんだよ……会ってくれるか……」

 

分からないよ? とハッピーが言おうとした時……

 

「ぜってぇ会ってくれんよ……シクルだからな!」

と、ナツが遮った。

 

「ナツ……」

 

「シクルは仲間思いだから……仲間を追い出したりなんかしねぇよ! な?」

 

シクルに拒絶されることを1ミリも疑っていないナツのその表情に……ハッピーも、にっと笑い、「あい!」と返事をした。

 

 

そして、シクルの家が目視できるところまでに近づくと……

 

「そーだ、ハッピーはルージュのところに行ってくれねぇか?」

 

「え? どーして?」

ハッピーが首を傾げ、ナツに問う。

 

「……シクルと2人で……話がしてぇんだ」

真剣な表情でそう告げ、「頼む……」と、言うナツを見下ろし……

 

「ナツ……分かった!」

と、答えたハッピー。ナツはニカッ! と笑みを浮かべ、「サンキュー!」と言った。

 

 

 

ナツとハッピーがシクルの家に着く少し前……

 

 

眠れずにただぼぅっと椅子に座り、自分の手を見下ろすシクル。

 

その瞳に光は差しておらず……

 

 

 

……私…………何の為に、生きて……いるの?

 

 

私……私は……

 

 

キュッと目を閉じるシクル……その時

 

コンコンッ

 

「っ……あ」

 

窓を叩く音が聞こえ……外を見ると……

 

「……ナツ」

 

にっこりと微笑むナツの姿があった。

そして、シクルと目が合うとちょいちょいと窓の鍵のところを指差す。

 

少しの間、ナツと鍵のところを交互に見やい……そして、はぁとため息をつくと……

 

立ち上がり窓に近寄る。

 

ガチャっと鍵を開け、窓を開ける。

 

「……なに? ナツ」

素っ気なく聞いてくるシクルに嫌な表情もせず、にっと微笑むナツ。

 

「シクルに会いに来た!!」

 

「……花見は? 丁度今虹の桜が……「それよりシクルに会いたかったから! だから来た!!」……ナツ」

 

虹の桜が見ごろ、と言葉を告げようとするとその言葉を遮り、ナツが言った。

 

「花見も楽しいけどよ……シクルがいなきゃなんか……楽しくねぇんだよ」

 

だから、会いに来たと告げたナツを見て、ふっと小さく笑うシクル。

 

「楽しいけど楽しくないって……矛盾してるよ? ナツ」

 

変なの、と笑うシクルにナツは少し目を見開き……そして、スッと頬を赤らめ恥ずかしがり、「うっせぇよ」と言う。

 

頬を赤らめるナツを見て、ふぅと一息つくとシクルは簡易的なキッチンに立ち、2つのカップにココアを注ぎ、テーブルに置く。

 

「……座って、ナツ」

 

「お? おう……」

 

シクルに声を掛けられ、テーブルを挟み、シクルの前に座るナツ。

 

目の前に置かれたカップを持ち、ゆっくりと口に運ぶナツ。チラッと目の前のシクルを見やうナツ。

 

シクルもゆっくりとカップに注がれたココアを飲んでいた。

 

 

その場に静かな時が流れ……時間が経つにつれ、少しずつソワソワし出すナツ……

 

キョロキョロとあっちを向いたりこっちを見たりと……視線が落ち着かないナツをふっと盗み見るシクル。

 

 

「……フフ」

 

「んぁ?」

シクルの小さな笑い声が聞こえたナツ。

不思議そうにシクルを見つめると……

 

「何か話があってきたんじゃないの?」

と、言われ、ナツは少しオドオドとしだす。

そして、シクルを見つめたと思ったら目を離し……再びシクルを見つめ、また目を逸らしと繰り返し……

 

「っーーー! はぁ……なぁ、シクル……」

意を決したナツ……「ん?」と、首を傾げるシクルを前に……ナツは真剣な表情を浮かべ口を開いた。

 

 

「シクル……この時期、昔……何があったんだ?」

 

「っ!!」

 

「俺もハッピーも……グレイやエルザ……ギルドのヤツら全員……この時期になるとシクルが決まって何かに怯えてること……知ってる」

 

ナツのその言葉にシクルはふっと目を伏せ……「そっか……」と呟く。

 

「……なぁ、シクル……」

ナツの呼びかけにふっと視線を向けるシクル……

 

「なぁ……まだ、話す気になれねぇか?」

 

じっと見つめる、真剣な眼差しのナツ……そんな彼を見つめ、シクルは……

 

「……ごめん」

と呟く。

 

「っ!」

 

「ナツ……いつか、いつか話すから……今は、まだ……ごめん」

再び顔を伏せ、告げるシクルを見つめ……ナツも悲しげに表情を歪める。

 

 

 

「シクル……なぁ、シクル……俺はシクルの……力に……なれねぇか?」

 

「ナツ……」

ナツはほんの少し、悲しそうに、そして辛そうに苦笑を浮かべ話し出す。

 

「俺……俺、もう……シクルの苦しむ姿見たくねぇんだよ……」

 

 

「……ナツは、充分私の力になってるよ……いつも、ナツに助けてもらってる……でも」

シクルはそこで一度口を閉ざすと……ぎゅっと手を握りしめ、黙り込んでしまう……

 

 

「……なぁ、シクル? シクルを苦しめてるものは俺が……俺が全部ぶっ壊して……「だめっ!!」っ!?」

 

ぶっ壊す、そう言おうとしたナツの言葉を遮り、突然シクルがガタッ! と立ち上がり声を荒らげる。

 

「だめ……だめだよ……あいつは……あいつに手を出したら……ナツが消されちゃうよ……!!」

 

「な……なんだよ、それ? やってみなきゃわかんねぇーだろ!? 消されるって……消されねぇかもしれねぇだろ!!」

ナツも立ち上がり、少し大きな声を上げる。

 

「分かるよ……だって、消されたんだ……あいつに、逆らおうとした人……皆、私の……目の、前……で」

 

シクルの声は次第に震え始め、そして、涙が溢れ、ポロポロと流れる。

 

 

「っ……シクル」

 

 

「嫌だよ……私の、せいで……ナツが、皆が……消されたら……そう、考えたら……怖くて……苦しくて、ねぇ……ナツ、私……」

 

 

 

いない方が……いいのかなぁ……

 

 

「シクル!!!!」

 

「っ……」

 

 

悲しげに笑みを浮かべ、涙を流しいなくなった方がいいか? とシクルがそう、言おうとした時……その言葉を発する前に、ナツが声を荒らげ、そして……

 

震えるシクルの身体をぎゅっと抱きしめた。

 

 

 

「シクル……そんな事、言うな……」

 

「ナ、ツ……でも……でもっ」

 

 

「俺は……シクルがいなきゃいいなんて……思ってねぇ、ぜってぇ……思わねぇ……言ったろ? シクルがいなきゃ楽しくねぇって……他の奴らも、皆……そう、思ってる……俺達にはシクルが必要なんだよ……だから……」

 

 

ナツはソッと頬を流れる涙を指で拭い……ニカッと笑みを浮かべると

 

「ここにいろよ、シクル……誰がなんと言おうと、お前は妖精の尻尾の仲間だ……家族だ……ぜってぇ、守るから……ギルドが……仲間が……俺が……守るからっ!!」

 

「っ、ナツ……ナツっ」

 

 

「ここにいろよ……シクル、んでいつか……シクルの苦しみ、抱えてるもん……話してくれねぇか?」

 

首を傾げ、そう聞いてくるナツに、顔を伏せ……コクコクと頷くシクル。

 

 

 

「うん……うん……ありがとう……ナツ……ありがとうっ……!」

 

涙を流しながらも、頷くシクルを見下ろし、再びぎゅっと抱きしめるナツ……

 

 

 

「……約束な」

 

「うん……うん! 約束……」

そう、呟くとふっと笑みを浮かべるシクル。そんなシクルの手に、シャラッと何かを持たせるナツ。

 

渡された手元をシクルが見るとそれは、先ほどのビンゴ大会でナツが当てたペンダントの青い宝石が埋め込まれた方だった。

 

「ナツ……これは?」

 

「ビンゴ大会で当たったんだ! ミラが言うには想いのペンダントっつって、大切なやつを想う気持ちのペンダントなんだとよ」

 

ナツのその言葉にシクルはほんの少し目を見開く。

 

「大切な……?」

首を傾げ、ナツに問いかけるシクルを見下ろし、「おう!」と頷くナツ。

 

「ついでにそれ、2つあったから1つは俺んな!」

 

変わらない笑みを浮かべ、既に首にかけられた赤い宝石の埋め込まれたペンダントを持ち、そう告げるナツ。

 

そんなナツを見つめ、ふっと笑みを浮かべるとシクルは

 

「ありがとう……ナツ」

と、呟く。

 

「お、おう……それ、つけてやんよ、後ろ向いてくんねぇか?」

 

「うん」

ナツの言葉に従い、ナツに背を向けるシクル。そして、ナツの手により、ペンダントがシクルの首にかけられる。

 

「わぁ……綺麗」

首にかけられたそれを手に持ち、改めて眺めるシクル。

 

そんなシクルを見つめ……愛おしく感じたナツ……。

 

不意に、シクルを再び振り返らせ、くいっと両の頬を両の手で包み、そしてシクルの顔をあげさせ、目を合わせる。

 

 

「……あ…」

 

目が合うシクルの瞳は涙のあとで未だ少し濡れ、赤くなっているがいつもの光が戻っており……そして、シクルの瞳に映るナツは……

 

とても、真剣な眼差しで……そして……

 

 

 

「シクル……やっぱり俺……お前が好きだ」

 

 

 

「ナツ……わた、し……(私……は……)」

 

 

トクンッと、高鳴るシクルの心臓……

 

自分を見つめるナツの表情が、瞳が……ナツがその全身で今、自分を好きだと、訴えかけていた……。

 

 

 

乱雑に結っていたリボンが解け、下ろされる髪……それは、少し開けていた窓から入る風でフワッと揺れる。

 

 

見つめ合うシクルとナツ……そして……

 

 

 

 

言葉を発さず、どちらとも無く……ゆっくりと、顔が近づく……

 

 

いつの間にか片方の頬から離れていたナツの手が、シクルの手をぎゅっと優しく握る……

 

 

 

 

「……シクル」

 

「……ナ、ツ」

 

 

目を瞑り、あと数センチ……その僅かな距離がゆっくりと縮まる……そして……重なり合う……その時

 

 

 

 

 

バタンッ!!!

 

大きな音を立て、シクルの部屋の扉が……開く。

 

「「っ!?」」

驚き、そちらへ顔を向けると……

 

 

「な……なっ」

 

「お、お前ら……ンで、ここにっ!?」

 

 

扉の外から崩れるように、倒れ込み入ってきたのは……最強チームの面々と、ウェンディ、シャルルそして何故か……ガジル、レビィ他にカナやミラもいた。

 

 

「あらあら、だから押さないでって言ったのに……」

苦笑を浮かべ、告げるミラ。その手にはしっかりと撮影用の魔水晶が握られており……

 

「誰だよ、後ろから押したやつ」

グレイのはぁ、というため息が響く。

 

「俺じゃねぇよ、お前じゃねぇのか?」

 

「わ、私じゃないよ!?」

ガジルがレビィを指し、言うその言葉に首を振り、否定するレビィ。

 

「あわわわわ……ご、ごめんなさい!」

 

「全く……、これだからデリカシーのない奴らは嫌いなのよ」

 

オロオロとするウェンディと辛口でフンッと言い放つシャルル。

 

「いいじゃないかぁ……青春青春……もっとやれぇ〜」

完全に酔っ払いながらもそういい、更に酒を飲むカナ。

 

「ご、ごめーん、シクル! やっぱ少し気になって……」

苦笑を浮かべ、てへっとやってしまったと言った雰囲気を持つルーシィ。

 

「す、すまん……じ、邪魔をする気は無かったのだが……つ、つい」

自分の事ではないのに頬を赤らめ、何故か照れているエルザ……

 

「ごめーん、ナツ……止められなかった」

 

「あたしもぉ……ごめんねぇ、シクル」

 

倒れ込むルーシィたちの後ろで、翼で飛びながら、頭を掻き、てへっと笑うハッピーとルージュ。

 

 

 

固まり、ルーシィたちを見つめるシクルとナツ。

ふと、我に返るシクルが……そっと目の前のナツを見やうと……

 

 

ナツとのその距離に今更ながら、自覚し……そして、先程まで何をしようとしていたか整理と理解が追いつくと……

 

「あ、う……き、きゃぁあああああ///!!」

 

「ぐもぉおっ!!??」

 

ナツを殴り飛ばした……。

 

 

吹っ飛ばされたナツは壁にぶつかり、きゅう……と気絶……はぁはぁと息を荒らげ、顔を真っ赤にするシクル。

 

「あらあら、もっとくっついていて良かったのに……」

頬に手を添え、もったいない……と、呟くミラ。そしてその言葉にコクコクと頷くルーシィたち。

 

「だ、誰が……くっついてなんか……てか、いつから!?」

 

どこから見てたの!? と声を荒らげるシクル。

 

「あ? 火竜が告った辺りじゃねぇか?」

 

「そこから!? そこから聞いてたの!?」

 

嘘でしょ……と、更に顔を赤くするシクル。

 

 

「ほれほれ、あたしたちなんか気にせずさぁ……ちゅーしちゃえよ、ちゅーって……」

 

「しないわよっ!!」

 

カナの言葉を全力で否定するシクル……その言葉を聞き、ルーシィたちは……

 

 

「「「「「えぇえええええっ!!」」」」」

 

不満な声を上げた。

 

「好きならやればいいだろー」

 

「というか2人って付き合ったの?」

 

「ん? 付き合っているだろう?」

 

「そ、そうなんですか!? やっぱり……」

 

わぁわぁとシクルとナツをほっぽり話が膨らむルーシィたちを前に……フルフルと身体の震えが強くなるシクル。

 

「「でぇきてるぅぅぅ!!」」

 

 

「う……うるさぁああああああいっ!!!」

 

 

その夜、シクルの絶叫が辺りに響き渡った……。

 

 

 

日常篇 完結〜

 

 

next.story エドラス篇 開幕

 

 

 

~予告〜

 

 

 

もっと強くなりなさい!青少年!!そしたら、考えてあげなくもないわよー

 

 

 

 

 

何これ……ギルドが……街がっ、皆は!?

 

 

 

 

 

 

ここが……エドラス……ミストガンの、ルージュの……故郷

 

 

 

 

 

 

なにィ!? こっちの俺は……付き合って、んのか!?

 

 

 

 

 

 

 

貴女も……私?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シクルになんかしてみろ……俺が、ただじゃ置かねぇぞ!!このやろおっ!!

 

 

 

 

 

 

 

嘘だ!! あたしたちに……ううん、ハッピーたちにそんな任務、あたえてなんかいないでしょぉ!? ほんとは……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

助けて……怖い……助けて……ナツっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

カエ、せ……

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつは私達に任せて……皆は先に行って!!

 

 

 

 

 

 

 

 

2人でなら……きっと、ううん……絶対出来る! だって私達は……同じ力を持った人間なんだから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

……自分の気持ちに、素直になってくださいね? 後悔する前に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイバイ……エドラス……もう1人の私……またね、ミストガン

 

 

 




はい!! では、次回よりエドラス篇……行きたいと思います!!



んんん……エドラス篇、もしかしましたら色々と飛ばしてしまったりするかもしれません!
ここ見たかった、など多々あるかもしれませんがご了承ください!

では、60話、最後までお付き合い、ありがとうございます!!

次回からも、よろしくお願いします!!
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