ひなこのーと だいありー   作:naogran

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いよいよ入学式の日が来た。その日の朝、晴人はヘルメットを被って愛車のビッグスクーターに乗る。

晴人「今日も洋画吹き替えの収録か。」

エンジンを噴かして仕事へ向かった。






その頃ひな子達は通学路を歩いてた。

ひな子「はぁ・・・いよいよ学校かぁ・・・」

くいな「初登校わくわくしますね!」

ひな子「わくわくかぁ・・・」

真雪「ひなちゃんはどちらかと言うとドキドキって感じね。」

ひな子「うん・・・友達出来るかな・・・とか。クラスの皆と上手くやって行けるかな・・・とか。色々考えると緊張しちゃって・・・」

真雪「確かに、不安よね。」

千秋「ひなちゃんはこれから演劇で舞台に立つ訳だし、これも一つの訓練だと思えば。」

ひな子「そうですね・・・まずは人前ですぐ固まっちゃうのを何とか出来れば・・・」

真雪「大丈夫!ほら!今こうして私達と楽しくお喋り出来てるじゃない?」

ひな子「うん・・・そうですね!私!何か頑張れそうな気がして来ました!」






そして入学式を終えて、教室に入って自己紹介を始める。しかしひな子は。

ひな子「さ・・・さ・・・さ・・・桜木・・・ひ・・・ひな子・・・い・・・田舎の方から・・・」

緊張のあまりかかしになってしまった。

くいな(ひなちゃん!頑張って下さい!)

ひな子「ひな子です!」


3話「ともだちかんちがい」

その後休憩時間になって、ひな子が机の上に頭を乗せた。

 

ひな子「はぁ・・・駄目だった・・・」

 

くいな「いや~・・・中々個性的な自己紹介でしたよ。」

 

ひな子「個性的って・・・うう・・・」

 

するとそこに2人の生徒がひな子に話し掛けた。

 

生徒A「ひな子ちゃん・・・で良いんだよね?」

 

生徒B「田舎に住んでたんだって?」

 

ひな子「え、え・・・えっと・・・」

 

また緊張してしまい、かかしになってしまうと思ったが、くいなが両腕を掴んでひな子の腕を動かした。

 

くいな「そうだよ!山の中に住んでてかかしのお仕事してたんだ!」

 

腹話術をしてやってしまったと思ったくいなだったが、2人の生徒が笑った。

 

生徒A「腹話術?」

 

生徒B「変わったコミュニケーションね。」

 

くいな「ウケた。」

 

生徒A「かかしの仕事ってどんな事するの?」

 

生徒B「あ~!それ気になる~!」

 

くいな「それはですね〜。」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃千秋は教室に居た。するとそこに朗報が訪れた。

 

生徒C「千秋ちゃん!これ見て!」

 

横から同級生の生徒が千秋に1枚のチラシを渡した。それは演劇同好会の部員募集のチラシだった。

 

千秋「どうしたの?これ。」

 

生徒C「はい!何と!演劇部のエースである千秋ちゃんのファン一同で春休み中に作っちゃいました~!」

 

千秋「え?」

 

生徒C「ほら!部活が休部になって、舞台に立つ千秋ちゃん見れなくなっちゃったでしょ?」

 

千秋「うん・・・」

 

生徒C「そう言うの、ファンとしては凄く寂しいの。それに、千秋ちゃん部活休部になっちゃって凄く残念そうだったし、同好会作れば演劇活動出来るかなって!あ、あれ?千秋ちゃん?」

 

既に千秋の姿が無かった。

 

 

 

 

 

 

その頃晴人は、収録の休憩に入っていた。

 

晴人「ふぅ・・・やっぱ洋画の吹き替えってチョイとムズイな・・・」

 

???「あ!晴人君。お疲れ様。」

 

晴人「あ!能登さん。お疲れ様です。」

 

そこに1人の女性声優が話掛けて来た。人気声優の能登麻美子だった。

 

能登麻美子「どう?吹き替えは慣れた?」

 

晴人「もうちょっとですね。ちょっとムズイ所もありますし。」

 

能登麻美子「そんなに緊張しなくて良いのよ?頑張れば大丈夫よ。」

 

晴人「ありがとうございます。(能登さん本当に声が綺麗だな・・・)」

 

 

 

 

 

 

場所が変わって藤宮高校。ひな子がまた机の上に頭を乗せた。

 

ひな子「はぁ・・・」

 

くいな「思いの外腹話術トークが盛り上がりましたね。」

 

ひな子「うん。私は一言も喋れなかったけどね・・・」

 

千秋「ひなちゃん!くーちゃん!」

 

そこに千秋がひな子とくいなを見付けた。

 

ひな子「大家さん!」

 

くいな「どうしたんですか?」

 

千秋「うん。ちょっと知らせた事があって。これ。」

 

先程渡されたチラシを2人に見せた。

 

ひな子「演劇同好会・・・部員募集?」

 

すると誰かがひな子達を覗いてた。

 

ひな子「大家さん。同好会って?」

 

千秋「うん。友達が作ってくれた。休部中の演劇部の代わりに。」

 

くいな「つまり、この学校で演劇が出来るって事ですか?」

 

千秋「そう言う事。」

 

ひな子「!!」

 

千秋「それで何だけど・・・2人はどうする?」

 

ひな子「勿論入ります!」

 

くいな「ひなちゃんに同じです!」

 

すると誰かが3人に嫉妬した。

 

千秋「じゃあ後で、演劇部の部室に来てくれる?同好会だけど、一応入部届けは。」

 

ひな子・くいな「分かりました!」

 

千秋は手を振って自分の教室に戻って行く。

 

くいな「良かったですね!ひなちゃん!」

 

ひな子「うん!」

 

???「ちょっとそこのあんた!」

 

すると後ろからロングヘアーの生徒が話掛けて来た。

 

???「あんた千秋先輩と仲良いの!?」

 

ひな子「え?」

 

???「仲良さそうに話してたでしょ!?何で!?どう言う関係!?」

 

くいな「えと・・・失礼ですがどちら様?」

 

???「さっき自己紹介したでしょ!クラスメイトの中島ゆあ!女優志望で千秋先輩の演技に憧れてこの高校に入ったの!」

 

生徒の名前は「中島ゆあ」。千秋のファンらしい。

 

くいな「あ、どうでしたか。」

 

ゆあ「そうよ!で!あんたみたいなちんちくりんが千秋先輩と仲良しってどう言う事なの!?」

 

怒られたひな子が泣いてしまった。

 

ゆあ「ご・・・ごめん!ちょっと言い過ぎたかも・・・」

 

泣かせてしまったと思ってすぐに謝った。

 

くいな(根は良い人なんですかね?)

 

ゆあ「でもやっぱりどう言う事なの!?ムキーー!!」

 

くいな「でも良く分からない人です。あの中島さん。」

 

ゆあ「何よ!」

 

くいな「ひなちゃんと私はこれから行く所がありますのでこれで失礼します。」

 

泣いてるひな子を連れて演劇部の部室へ向かう。

 

ゆあ「え!?ちょっと!!」

 

 

 

 

 

 

2人は演劇部の部室に来た。ドアを開けると千秋の姿があった。

 

千秋「あ。2人共いらっしゃい。」

 

ひな子「お、大家さ~ん・・・」

 

また泣いて千秋に抱き付いた。

 

千秋「どうしたの?」

 

くいな「パワフルな人が居たもので。」

 

千秋「そうなんだ。よしよし。」

 

優しく撫でてるとまた誰かが入って来た。ゆあだった。

 

ゆあ「ちょっとお話が!」

 

 

 

 

ひな子を発見すると、すぐに廊下へ連れて行った。

 

ゆあ「で!あんた本気で入部するつもりなの!?」

 

ひな子「え?あ、あの・・・は、はい・・・」

 

ゆあ「あんたの入部なんて絶対認めないわ!」

 

ひな子「え?ど、どうして・・・?」

 

ゆあ「どうして!?あんたみたいなちんちくりん・・・あ~言い難いわね。そう!だめちくりんな子!千秋先輩のいるこの演劇部に相応しくないからよ!て言うか!千秋先輩に相応しくないわ!そもそもあんた!舞台に立つ度胸なんてあるの!?」

 

すると千秋とくいなが廊下に出て来た。

 

千秋「えっと、何か取り込み中?」

 

ゆあ「あの・・・その・・・何でもありません。」

 

どうやら千秋の前だと緊張する性格らしい。

 

千秋「そう。えと・・・入部希望の子?」

 

ゆあ「はい!」

 

千秋「名前は?」

 

ゆあ「中島ゆあです・・・」

 

千秋「ゆあちゃん・・・良い名前だね。これから宜しく。」

 

ゆあ「は、はい・・・よ・・・よ・・・宜しくお願いします!それでは失礼します!」

 

ガチガチになりながら去って行った。

 

千秋「あれ?私何かしたかな?」

 

くいな「とりあえずひなちゃんを救いました。」

 

下を見ると、ひな子が腰を抜いて泣いてしまってる。

 

 

 

 

 

 

その後帰って、喫茶店で紅茶を飲む。晴人はまだ仕事中。

 

ひな子「まゆちゃんの淹れる紅茶は美味しいな~。」

 

真雪「ありがとう。そう言えばひなちゃんとくーちゃん演劇部に入ったんだって?」

 

ひな子・くいな「はい!」

 

千秋「同好会だけどね。」

 

真雪「でも演劇部主体でやる事にしたんでしょ?」

 

千秋「うん。部員の皆も入ってくれるようになったから。」

 

くいな「何はともあれ、藤宮高校で演劇をやりたいって言うひなちゃんの目標が達成されました!」

 

ひな子「うん!あれ?でも・・・劇団立ち上げたのに・・・演劇部に入って良かったんでしょうか?」

 

千秋「両立すれば良いんじゃない?」

 

ひな子「両立ですか?」

 

真雪「何か大変そうね・・・」

 

くいな「確かに。ひなちゃんはそれより先に乗り超えなきゃいけないハードルがありますからね。」

 

ひな子「ハードル?」

 

くいな「ずばり人前に慣れる事です!」

 

ひな子「ひ・・・人前・・・」

 

真雪「あ!なら喫茶店でバイトするって言うのはどうかしら?」

 

千秋「良いんじゃないかな。接客業だし。」

 

真雪「うん!決まり!ひなちゃん。早速次のお休みの日にバイトしてみましょう。

 

ひな子「あ、あの・・・」

 

真雪「大丈夫!私に任せて!」

 

ひな子「あの・・・うん・・・」

 

するとそこに晴人が仕事から帰って来た。

 

晴人「ただいま。」

 

真雪「あ!おかえり晴人さん。」

 

晴人「ひな子ちゃん。千秋ちゃんからメールが来たよ。演劇同好会に入るんだって?」

 

ひな子「は、はい。」

 

晴人「いやぁ良かった。これで新たな一歩進めるね。」

 

 

 

 

 

 

その後ひな子は部屋のベッドの上で仰向けになった。

 

ひな子「まゆちゃんに押し切られてうんとか言っちゃったけど・・・劇団・・・演劇部・・・接客のバイト・・・何かどうしょ〜!でも緊張しなければ色々上手くいくんだし・・・やっぱり頑張るしかないよね。」

 

 

 

 

 

 

今回のアイキャッチ「キャッツ」。

 

 

 

 

 

 

翌日の藤宮高校。ひな子達が国語の授業を受けてる。

 

花園先生「間違っているかも知れないけど、私はそう思うのだ。とにかくなめとこ山の熊の岩名高いになっている・・・はい。じゃあ続きを・・・桜木さん。」

 

ひな子「は、はい!は・・・はらの・・・いたた・・・」

 

指名されたが、また緊張してしまった。

 

ゆあ「先生!ゆあが代わりに読みます!」

 

花園先生「あ、えっと・・・じ、じゃあお願いしようかしら。桜木さん座って?」

 

ひな子「は、はい・・・(あの子、確か怖い子・・・)」

 

 

 

 

 

 

その後先生が荷物を持って行こうとすると。

 

花園先生「あ、いけない。桜木さん。そこにあるプリント運ぶの手伝って貰っても良いかな?」

 

ひな子「あ・・・あ・・・あの・・・」

 

ゆあ「ゆあが持ちます!」

 

そこにゆあが名乗り出た。ひな子に向かってドヤ顔してプリントを持って行った。

 

 

 

 

 

 

その後も先生や生徒達に呼ばれたが、全てゆあに持ってかれてしまった。

 

 

 

 

 

 

そして時間が過ぎて放課後になった。

 

くいな「ひなちゃん!」

 

ひな子「は、はい!」

 

くいな「帰りましょう?」

 

ひな子「う、うん・・・」

 

くいな「今日は何食べて帰りますかね~?」

 

ひな子「すぐ晩御飯だよ?」

 

くいな「本だけで食いつなぐのはちょっと・・・」

 

するとゆあがある行動を行った。

 

くいな「彼処のお菓子は絶品なんですよ?」

 

ひな子「へぇ〜。」

 

くいな「えっと・・・あ!ちょっと待ってて下さい。」

 

するとくいなが店を発見した。

 

くいな「すみませーん!これとこれを1つずつ下さい!」

 

するとそこに1台のビッグスクーターがひな子の横に停まった。

 

晴人「ひな子ちゃん。今帰り?」

 

ひな子「あ、晴人さん。」

 

すると後ろから1人のおばさんが声を掛けた。

 

おばさん「あの~。すいません。駅にはどっちに行ったら良いんでしょうか?」

 

ひな子「あ、あのえっと・・・」

 

晴人「駅ですか?ひな子ちゃん、俺が代わりに行くよ。」

 

ひな子「あ、ありがとうございます・・・」

 

晴人「駅までの道のりを案内しましょうか。」

 

緊張してるひな子の代わりに、晴人がヘルメットを外して案内しようとしたその時。

 

ゆあ「ゆあが案内します!どうぞこちらへ!」

 

晴人「へ?」

 

おばさん「あ。恐れ入ります。」

 

そこにゆあが何処からか現れて、おばさんに駅までのルートを教える。

 

ゆあ「駅への行き方ですよね?彼処に見える信号を左に曲がって、後は真っ直ぐ行けばすぐ分かりますから。」

 

おばさん「どうもありがとう。助かります。」

 

お礼を言って駅へ向かう。

 

晴人(何だあの子?あれ?何処かで見た顔だ・・・)

 

ゆあ(これがダメダメなあの子と違ってゆあはできる子アピール!どう?あんたのだめちくりんっぷりを思い知ったかしら?千秋先輩に相応しいのはこの中島ゆ・・・げ!)

 

しかしひな子はゆあを見て泣いてしまってる。

 

晴人「ひな子ちゃん大丈夫!?泣かされた!?」

 

ゆあ(ちょっとやり過ぎたかしら・・・ううん!駄目よゆあ!ここは心を鬼にしなくては!前だけを見つめるのよ!)

 

ひな子(何て良い子・・・ダメダメな私をずっとフォローしてくれて・・・友達になれるかも!)

 

しかし泣かされたのではなく、ゆあに感動してるだけだった。

 

晴人「君、ひな子ちゃんを泣かせちゃダメだよ?」

 

ゆあ「ご、ごめんなさい・・・(って、何でゆあが謝らないといけないのよ!)」

 

晴人「(この子何処かで・・・)ちょ!?くいなちゃん!?」

 

くいな「あ、晴人さん。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜の晴人の部屋。

 

晴人「確かこの前姉ちゃんから写メが来たな・・・」

 

スマホのギャラリーを見てると。

 

晴人「やっぱり。」

 

1枚の画像を発見した。それはゆあと1人の女性が写っている画像があった。

 

晴人「あの子、俺の姉ちゃんの握手会に参加した子だ。名前は中島ゆあって姉ちゃん言ってたな。」

 

 

 

 

 

 

そして後日の休日。真雪がひな子にメイド服を見せた。

 

真雪「はいこれ!」

 

ひな子「えっと・・・この衣装着るとなると恥ずかしいかも・・・」

 

真雪「度胸も大切よ。」

 

ひな子「度胸って・・・あ・・・古本屋でバイトじゃ駄目かな・・・」

 

千秋「古本屋は今日休業日。」

 

ひな子「そっか・・・だから朝からうとうとしてたんだ。」

 

古本屋のレジを見ると、くいなが気持ち良さそうに寝ていた。

 

くいな「いちごパフェ・・・」

 

晴人「くいなちゃんまた寝てるな・・・さてと、掃除やりますか!」

 

掃除用具を取りに言った。真雪が更衣室のカーテンを開いた。しかしひな子はまだ緊張してる。

 

真雪「大丈夫!私が全力でサポートするから!」

 

ひな子「う、うん・・・じ、じゃあ!宜しくお願いします・・・」

 

真雪「任せて!」

 

カーテンを閉めた。閉める直前に真雪が不敵な笑みを浮かべた。

 

千秋「頑張ってね。色々と。」

 

ひな子「?」

 

 

 

 

 

 

その頃晴人は高圧洗浄機で壁を綺麗してる。

 

晴人「これ買っておいて正解だったな。苔がみるみる落ちる。流石ケルヒャーだ。」

 

 

 

 

 

 

その頃古本屋では、ひな子がメイド服に着替え終えてた。

 

真雪「ひなちゃん凄く可愛い!」

 

ひな子「そ、そうかな?」

 

真雪「似合ってる!似合ってるわ!じゃあ、次はこれね!」

 

ひな子「つ、次?」

 

次は何故か猫にコスプレさせられた。

 

真雪「これも良いわー!」

 

ひな子「ま、まゆちゃん・・・これ本当に制服なの・・・?」

 

真雪「そうだにゃん!」

 

ひな子「にゃん?」

 

真雪「ひなちゃんもやってみて?にゃんにゃん!」

 

ひな子「にゃ・・・にゃんにゃん・・・」

 

真雪「きゃ〜!可愛いわー!」

 

千秋「着せ替え人形・・・」

 

 

 

 

一方くいなが目を覚ました。

 

くいな「はっ!ついうとうとしちゃいました・・・ん?」

 

上を見ると、チャイナ姿のひな子が立っていた。

 

ひな子「あ!くーちゃん!目覚めた?」

 

くいな「まだ夢の中でしょうか・・・?」

 

 

 

 

 

 

その後メイド服に着替えて喫茶店に移動した。

 

真雪「やっぱり正統派が一番ね。」

 

ひな子「あはは・・・」

 

真雪「それじゃ早速始めましょうか。」

 

ひな子「かかし以外のお仕事なんて初めてだよ~・・・接客のコツとかある?」

 

真雪「そうね・・・ちゃんと挨拶する事と、大きな声で話す事と・・・後は大体笑顔で解決出来るわ!」

 

ひな子(可愛いな〜。)

 

笑顔を見たひな子がほっこりした。

 

真雪「そもそもお客さん滅多に来ないし・・・」

 

ひな子「え?」

 

 

 

 

 

 

その後ひな子は、喫茶店の入り口前で箒掃除を始めた。

 

ひな子「まゆちゃんはああ言ったけどお客さん来たらどうしよう・・・接客業なんて想像しただけで緊張するよ~・・・」

 

鳥太郎「ピィ!ピィ!」

 

すると上から鳥太郎が降りて来てひな子と会話する。

 

ひな子「そうだよね。弱気になってたら駄目だよね。」

 

鳥太郎「ピィ!」

 

ひな子「ありがとう。心配掛けてごめんね。もう大丈夫だよ。」

 

すると突然ひな子が固まった。横に1人の女の子が居たからだった。

 

女の子「お姉ちゃん鳥さんとお話し出来るの?その鳥さん喋るの?」

 

ひな子「いえ・・・その・・・(期待されてる・・・)」

 

女の子の目がキラキラしてる事は確かだった。するとひな子は鳥太郎を女の子に近付けて腹話術を始めた。

 

鳥太郎「こんにちは!鳥太郎だぴよ!」

 

女の子「うわぁー!」

 

鳥太郎「1人でどうしたの?散歩中?」

 

女の子「ううん。道が分からなくなってお家に帰れないの。」

 

どうやらこの子は迷子になったらしい。

 

鳥太郎「大変だ!えっとえっと・・・お家の電話番号分かる?」

 

女の子「うん!」

 

鳥太郎「じゃあこれで連絡してごらん?きっと迎えに来てくれるぴよ。」

 

スマホを女の子に貸した。女の子は電話番号を打って通話する。

 

ひな子(何かちょっと罪悪感が・・・)

 

女の子「あ!もしもしママ!今ね・・・」

 

鳥太郎「喫茶ひととせ。」

 

女の子「喫茶ひととせってお店の前に居るんだけど・・・うん!凄い派手な服のお姉さんと居るの!」

 

母親が来るまでに女の子を喫茶店に入れた。

 

真雪「あ!いらっしゃ、あれ?」

 

ひな子「あの、迷子みたいで。」

 

真雪「あらあら。」

 

ひな子「あ、でももうお母さんと連絡着いて。迎えに来てくれるって。」

 

真雪「そう。なら良かった。ゆっくりしていってね?」

 

女の子「うん!」

 

真雪「ひなちゃん偉いわ。ちゃんとあの子とお話し出来たんでしょ?」

 

ひな子「私は何も・・・全部鳥太郎のお陰で・・・」

 

真雪「鳥太郎・・・ってどちら様?」

 

鳥太郎「ピー!」

 

 

 

 

その後母親が迎えに来た。

 

女の子「鳥太郎とお姉さん!ありがとう!またねー!」

 

お母さん「本当にありがとうございました。」

 

ひな子「ど・・・ど・・・どういひゃし・・・!」

 

お母さん「では、失礼します。」

 

女の子「じゃあねー!」

 

親子はお礼を言って帰って行った。その直後にひな子が恥ずかしがるように崩れた。真雪が優しく慰める。

 

真雪「よしよし。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。ひな子が風呂に入った。

 

ひな子「今日は疲れたな~・・・結局お客さんには一度もまともに喋れなかったし・・・これじゃ劇団も演劇部もダメダメだよ~・・・本当だめちくりんだ~・・・あ!」

 

するとひな子はゆあの事を思い出した。

 

ひな子「そうだ!あの子に頑張って声掛けてみよう!ダメダメ言ってるだけじゃ前に進めないもん。やれる事から頑張らなくちゃ!よ~し!一歩前進!」

 

 

 

 

 

 

そして翌朝の藤宮高校。ゆあがひな子を待ち構えていた。

 

くいな「じゃあ、ちょっと先に行ってて下さい。」

 

ひな子「は〜い。」

 

するとひな子の声を聞いて壁から覗く。するとひな子が後ろから声を掛けた。

 

ひな子「中島さん・・・?」

 

ゆあ「あ!何時の間に!?」

 

ひな子「あ、あの・・・えっと・・・」

 

ゆあ「よ・・・良く来たわね。千秋先輩に相応しいのはゆあだと分かってボロ泣きしてたからもう学校来ないかと思ったわ・・・て言うか来なかったらどうしようかと思ったわ・・・」

 

どうやら内心は心配してる模様だった。

 

ゆあ「なかなか根性あるのね!」

 

ひな子「え?大家さん・・・?何の事?」

 

ゆあ「何の事って!自分のだめちくりん振りを思い知ったんでしょ!?ゆあにいっぱいフォローされて!」

 

ひな子「うん!いっぱい助けてくれてありがとう。凄く嬉しかった!」

 

ゆあ「へ?」

 

ひな子「それでね、実は中島さんに言いたい事があって・・・」

 

ゆあ「な、何よ!」

 

ひな子「私中島さんと・・・と・・・と・・・友達になれたらなって!」

 

ゆあ「と・・・友達!」

 

その瞬間、ゆあの顔が赤くなった。

 

ゆあ「な・・・何か勘違いしてない!?私は別にあんたを助けようなんて・・・」

 

花園先生「あ。桜木さんちょっとこれ。」

 

ゆあ「ゆあが持ちまーす!あ・・・」

 

ひな子「また助けてくれたね。」

 

ゆあ「ち・・・違うわよ!今のは条件反射って言うか何て言うか・・・」

 

ひな子「ありがとう。」

 

仕方無く2人一緒に運ぶ事になった。

 

ひな子「私達良い友達になれそうだね。」

 

ゆあ「ふん。さっさと行くわよ・・・」

 

ひな子「ねぇ中島さん。中島さんの事これからはゆあちゃんって呼んで良い?」

 

ゆあ「好きにすれば・・・」

 

ひな子「ありがとう。ゆあちゃん。」

 

ゆあ「ふん!そう言えば、この前一緒に居たあの男は誰なの?」

 

ひな子「う〜ん、私の知り合いかな?」

 

こうしてひな子はゆあと友達になれたのだった。そしてゆあは威張ってるけど、内心は嬉しいと思っている。

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、ゆあが下校していると。

 

ゆあ「ん?」

 

目の前に晴人と藤宮高校の女子生徒3人が居た。晴人は色紙にサインをしている。

 

ゆあ「あの人、この前の・・・」

 

晴人「はい書けたよ。」

 

女子生徒「わぁ!ありがとうございます!」

 

晴人「気を付けてね〜。」

 

女子生徒3人は晴人のサインを貰い、嬉しそうに帰って行った。

 

晴人「ふぅ〜。ん?」

 

すると横にゆあが立ってる事に気付いた。

 

晴人「あ、君はこの前の。」

 

ゆあ「え、あ、はい・・・」

 

晴人「あの、この前は怒ってごめんね。ちょっと言い過ぎちゃって。」

 

ゆあ「あ!い、いえ・・・此方こそごめんなさい・・・」

 

晴人「君は、ひな子ちゃんと同じ藤宮高校の生徒かな?」

 

ゆあ「はい。中島ゆあです。ひな子のライバルです!後千秋先輩のファンです。」

 

晴人「へぇ〜、千秋ちゃんのファンかぁ。ってかひな子ちゃんのライバルって・・・」

 

ゆあ「あの、あなたは?」

 

晴人「俺は南条晴人。声優をやってるんだ。」

 

ゆあ「せ、声優!?」

 

晴人「うん。さっきの女子生徒達、俺の声を聞いただけですぐに駆け寄って来てね。」

 

ゆあ「そうだったんですか。」

 

晴人「ゆあちゃん、学園生活頑張ってね。それと、ひな子ちゃんをあんまり責めちゃダメだよ?」

 

ゆあ「はい、ありがとうございます!」

 

「END」




         キャスト

     桜木ひな子:M・A・O
     夏川くいな:富田美憂
       柊真雪:小倉唯
      萩野千秋:東城日沙子
      中島ゆあ:高野麻里佳

      南条晴人:内山昂輝

      花園先生:佐倉綾音
       鳥太郎:高橋伸也
       女の子:内藤穂之香
    女の子の母親:中村桜
      女子生徒:山下まみ
     千秋の友達:植田ひかる
     おばあさん:沢田敏子
     能登麻美子:能登麻美子(本人)

真雪「ひなちゃんにお友達が出来たみたいで本当に良かった!演劇同好会の活動も始まった事だし、ひなちゃんも、毎日色んなお稽古もしてるみたい。」

次回「かかしひろいん」
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