ひなこのーと だいありー   作:naogran

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ある日の藤宮高校。今日も演劇同好会の練習は欠かせなかった。今日はステップの練習。

千秋「ワン、ツー、スリー、フォー。ワン、ツー、スリー、フォー。」

しかしひな子が、かかしになりながらくるくる混乱し始めた。高速回転して倒れそうな所をくいなが受け止めた。

ひな子「はっ!ごめんねくーちゃん・・・」

くいな「ううん。大丈夫ですか?ひなちゃん。」

ひな子「何かステップ踏んでる内に目が回っちゃって・・・」

ゆあ(何であの子がヒロイン?ゆあの方が演技も上手くて顔も可愛いのに。)

その中で、ゆあはまだひな子の事を認めてなかった。


5話「やさしくないやさしいこ」

その後も練習は続いた。

 

ルリ子「はい。じゃあそこまで。少し休憩しましょう。」

 

部員達「はい!」

 

ひな子「はぁ~・・・練習してたら暑くなって来ちゃった。」

 

ジャージとズボンを脱いだ。

 

ゆあ(のわあ!?)

 

それを見たゆあは固まった。何故ならひな子は、かなりナイスバディな体をしていたからだった。ジャージの下は練習着を着ていた。

 

くいな「ひなちゃん!その練習着着てたんですね?」

 

千秋「本当だ。私が貸した奴よね?」

 

ひな子「はい!これとても着心地が良いです!通気性も良くて。ありがとうございます!」

 

この練習着は千秋からの借り物だった。

 

千秋「ううん。良かった。」

 

ルリ子「それにしても、やはり素晴らしいですねそのプロポーション。ヒロインをお願いして良かった。」

 

ひな子「が・・・頑張ります!」

 

ゆあ「これ以上頑張ってどうすんのよ!ゆあだって・・・その内・・・」

 

千秋「それじゃ今度は2番のステップの練習を。」

 

 

 

 

 

 

休憩が終わって練習再開。次は2番のステップの練習をする。しかしひな子はまた混乱してしまった。

 

ゆあ(何よ!これも出来てないじゃない!こんな基本も出来ないのにヒロインなんか務まる訳が・・・)

 

千秋「ひなちゃんそこはこう・・・」

 

ゆあ「・・・・・・」

 

しかしゆあが固まってしまった。千秋が混乱してるひな子にステップを教えているからだった。

 

千秋「ワン、ツー、スリー、フォー。ワン、ツー、スリー、フォー。」

 

ひな子「あ!出来ました!」

 

千秋「落ち着いてやれば大丈夫だから。」

 

ひな子「はい!ありがとうございます!」

 

くいな「やりましたね!ひなちゃん!」

 

ひな子「うん!」

 

ゆあ(もう・・・千秋先輩ってばあの子の事ばっかり見ちゃって・・・どうしてなの?ゆあの方が千秋先輩の事いっぱい尊敬してるのに・・・)

 

練習を再開したと同時にゆあがジャンプした。しかしジャンプして着地した瞬間に足がぐねって倒れてしまった。

 

ひな子「ゆあちゃん!」

 

ぐねってしまったゆあを心配する。

 

ひな子「ゆ・・・ゆあちゃん・・・」

 

ゆあ「平気よこれくらい・・・大した事無いわ。ちょっと滑っただけよ。」

 

すると千秋がゆあの方へ歩み寄った。

 

千秋「大丈夫?ゆあちゃん。」

 

ゆあ(ち、千秋先輩が、ゆあの事見てる・・・)

 

千秋「念の為保健室行く?」

 

しかしゆあは言葉すら出なかった。

 

ゆあ(ど・・・どうしよう・・・返事しないと・・・でも胸が詰まって息が~・・・)

 

緊張し過ぎてゆあが気絶してしまった。

 

ひな子「ゆあちゃん!?しっかりして!私達友達になったばかりでしょ!?やだよ~!ゆあちゃ~ん!」

 

気絶したゆあを激しく揺らす。するとゆあが目を覚ました。

 

ゆあ「もう!そんなに揺らさないでよ!死んじゃうじゃない!!」

 

ひな子「はぁ、良かった・・・」

 

千秋「今日はもう早退する?」

 

ゆあ「い、いえ!練習出来ます!」

 

千秋「そう。でも、あんまり無理しないでね?」

 

ゆあ「はい!」

 

 

 

 

その後もステップの練習が続く。

 

ルリ子「全体練習はここまで。各自自主練をして下さい。」

 

部員達「はい!」

 

ゆあ(もっと頑張って千秋先輩に認められないと・・・)

 

ひな子「ねぇゆあちゃん。私達と練習しない?」

 

ゆあ「何で?」

 

ひな子「一緒に練習した方が楽しいと思って。」

 

ゆあ「な・・・何であんたなんかと・・・」

 

ひな子「えっと・・・私とくーちゃんと、後・・・大家さんと。」

 

ゆあ「え!?・・・し・・・仕方無いわね。今日だけ特別よ・・・」

 

ひな子「やったー!」

 

 

 

 

その後4人で練習をする。

 

千秋「ワン、ツー、スリー、フォー。ワン、ツー、スリー、フォー。」

 

ひな子「こうして・・・こうして・・・次のステップで、こうで・・・」

 

ゆあ(ふぅ〜ん。こうやって近くで見ると、意外と勉強熱心なのね。拙いけどやる気だけはあるみたい・・・)

 

ひな子「次は・・・!」

 

今度は高速回転した。

 

ゆあ「え!?」

 

高速回転してゆあの方に迫った。ひな子がゆあにぶつかった。ぶつかったゆあは床に俯せで倒れた。

 

ひな子「ご・・・ごめん。ゆあちゃん大丈夫?」

 

ゆあ「へ・・・平気よこれくらい・・・」

 

 

 

 

その後もステップの練習は続くが、ひな子がゆあにぶつかるばかりだった。

 

ひな子「ごめんゆあちゃん・・・」

 

ゆあ「もう!何するのよ・・・」

 

ひな子に文句を言い付けようと後ろを振り向いた。しかし目に入ったのは、ゆあを心配してる千秋だった。

 

千秋「大丈夫?」

 

ゆあ「ぜ、全然大丈夫です・・・」

 

千秋「良かった。」

 

ひな子「本当にごめんね・・・」

 

ゆあ(もう・・・やる気だけあっても駄目なんだから・・・)

 

 

 

 

その後もまだまだステップの練習が続き、夕方になった。

 

ルリ子「それじゃあ、今日はここまで。」

 

部員達「お疲れ様でした!」

 

ゆあ「はぁ・・・今日の練習は散々だったわ・・・」

 

制服に着替えたゆあが1人で帰ろうとすると。

 

ひな子「ゆあちゃん待って~!」

 

後ろからひな子が追い掛けて来た。

 

ゆあ「何よ?」

 

ひな子「今日は楽しかったね!」

 

ゆあ「あんたはそうでしょうね!あんたとはもう2度と練習しないわ。」

 

ひな子「え?どうして?」

 

ゆあ「どうしてじゃないわよ!何回も転ばされてこっちはぼろぼろよ!」

 

ひな子「うう・・・本当にごめんね・・・」

 

ゆあ「でもまあ、やる気だけは認めて・・・」

 

ひな子「大家さん!今日は練習着貸してくれてありがとうございました。汗掻いちゃったんで洗って返しますね。」

 

千秋「ううん。大丈夫。もし良かったらお古だけど貰ってくれると嬉しい。」

 

ひな子「え?良いんですか?ありがとうございます!」

 

ゆあ「やっぱりあんたなんか!認めないんだから~!」

 

嫉妬したゆあが全速力で帰って行った。

 

ひな子「え?ゆあちゃん?」

 

走った先には1台のビッグスクーターに乗ってる晴人が走ってた。

 

晴人「ん?わわわわわわ!?」

 

ゆあが通り過ぎた瞬間の風が起こった。バランスがよろけたが数回ブレーキを握って無事に停車した。

 

晴人「な、何だ今のは?」

 

 

 

 

 

 

後日の休日。ひな子がエプロンと三角巾を着た。

 

くいな「それではお店のお掃除宜しくお願いします。」

 

ひな子「宜しくお願いします。」

 

くいな「それでは晴人さん。ひなちゃんにの指導をお願いします。」

 

晴人「OK。じゃあひな子ちゃん、始めようか。」

 

ひな子「はい!」

 

脚立の上に乗って、はたきで本棚の埃を綺麗にする。

 

晴人「そうそうその調子。無理せずにね。」

 

ひな子「はい。ん?」

 

するとひな子がある本を発見した。背伸びしてその本を取る。

 

晴人「ひな子ちゃんどうしたの?」

 

ひな子「この本を見付けたんです。」

 

晴人「演劇入門?ああ演劇に関する本だね。」

 

見付けた本は、演劇の本だった。脚立に座って本を読む。晴人も本を見る。

 

ひな子「色んな練習方法があるんだね~。」

 

晴人「演劇の練習は様々あるからね。」

 

ひな子「そうなんですか。あ、動物になり切る練習もあるんだ・・・」

 

晴人「ライオンとかゴリラになりきる練習法か。」

 

ひな子「動物か〜。よいしょ。」

 

そして脚立から降りる

 

ひな子「鳥だったらこんな感じ?それともこんな感じ?」

 

両手を広げて鳥になりきる。

 

晴人「俺もちょっとやってみようかな?不死鳥だとこんな感じ。」

 

不死鳥のポーズを取る。

 

くいな「ひなちゃん。晴人さん。掃除の調子はどう・・・」

 

ひな子・晴人「はっ!」

 

ポーズしてる最中にくいなに見られてしまった。

 

くいな「拳法ですか?」

 

ひな子「いや・・・鳥の物真似を・・・見えない?」

 

くいな「全然。」

 

全然と言われたひな子がガッカリしてしまった。

 

くいな「晴人さんも何してるんですか?」

 

晴人「え?いや、ちょっと不死鳥のポーズをしてるんだ。ひな子ちゃんが鳥の真似をしてるから釣られてやったんだ。」

 

くいな「て言うか何で鳥の物真似を?」

 

ひな子「私動きが硬いからすぐ人にぶつかっちゃうしどうにかしたいな~と思って・・・」

 

くいな「成る程。鳥はもっとこうじゃないですか?」

 

ひな子「あ・・・こ・・・こう?」

 

くいな「う~ん・・・あ!」

 

するとくいなが脚立に乗った。

 

くいな「実際に飛ぶ勢いで!」

 

脚立から飛んで着地する。

 

ひな子「こう!?」

 

今度はひな子が飛ぶ。

 

晴人「ちょっと何してんの?」

 

すると2階から千秋と真雪が降りて来た。古本屋に埃が蔓延していた。

 

千秋「埃が・・・」

 

3人「はっ!」

 

真雪「掃除中じゃなかったっけ・・・?」

 

晴人「大丈夫。蔓延してる埃全部吸うから。」

 

 

 

 

掃除機を持って来て、蔓延してる埃を全部吸った。

 

真雪「成る程。動物の物真似ね。」

 

千秋「演劇部でもそう言う練習する事あるよ。表現の幅が広がるから。」

 

くいな「あ!じゃあ大家さん。お手本見せて貰えませんか?」

 

ひな子「あ!私も見たいです!」

 

真雪「私も!」

 

晴人「俺も見せてくれないかな?千秋ちゃんのお手本。」

 

千秋「じ、じゃあ。」

 

階段を使って猫の物真似をする。

 

千秋「例えば・・・猫ならこんな感じ。」

 

3人「お〜。」

 

晴人(何だろう・・・見ちゃいけない物を見てる気が・・・)

 

今度は仰向けにして犬の物真似をする。

 

千秋「犬ならこう・・・仕草を真似ると言うか特徴を捉えると言うか。」

 

ひな子「そこはかとなく色気を感じるのは何でだろう・・・」

 

くいな「何ででしょう・・・」

 

晴人(これはアカン・・・)

 

千秋「ひなちゃんも何かやってみせてくれる?」

 

くいな「ひなちゃんのうさぎの物真似見てみたいです!絶対可愛い!」

 

ひな子「うさぎか〜・・・うん!やってみる!」

 

早速うさぎの物真似を始める。

 

ひな子「ぶっぶっぶー。」

 

くいな「何ですかそれ?」

 

真雪「クイズでもしてたかしら?」

 

ひな子「いやいやいや!うさぎの実際の鳴き声ってこんな感じなんだよ?」

 

くいな「そうなんですか?」

 

千秋「知らない。」

 

晴人「うさぎは普通鳴かないよ?」

 

真雪「うさぎって、そんななんだ・・・」

 

ひな子「はい!こんな声をしながら襲ってくるんです!」

 

くいな「怖!」

 

晴人「モンスターかよ!」

 

くいな「でも確かに実際の動物って可愛い顔して凶暴だったりしますよね。」

 

ひな子「そう言えば昔飼ってた番犬顔は可愛いのに吠える声は怖かったなぁ。」

 

くいな「あ!それちょっとやってみて下さい!」

 

ひな子「う〜ん・・・上手く表現出来るかな?」

 

今度は昔飼ってた番犬の真似をする。

 

ひな子「う~ばうばう!ばうばうばう!う〜!」

 

4人「可愛い・・・」

 

真雪「あれ?でも怖いって・・・」

 

くいな「うんうん。」

 

晴人「でもそんなに怖いイメージは・・・」

 

千秋「今のはどう言う物真似だったの?」

 

ひな子「はい!不審者に向かって「嚙み殺すぞ」って!」

 

くいな「やっぱ怖!」

 

晴人「田舎恐るべし・・・」

 

ひな子「お店では動物飼わないんですか?看板ペットとか人気ですし。」

 

晴人「看板ペットか〜。考えた事無かったな。」

 

真雪「地元ではどんな動物が周りに居たの?」

 

ひな子「そうですね・・・犬、うさぎ、猿に狸・・・」

 

鳥太郎「ぴぃぴぃ!」

 

ひな子「鹿、後鷲とか。熊とか猪も居れば完璧だったんですけどね〜。」

 

千秋「それはお店が困るかな・・・凶暴そうだし。」

 

晴人「それ以前に熊と猪は危ないよ・・・」

 

ひな子「いや。彼らは鍋にして食べたら結構美味しいんですよ?」

 

千秋「え!?食べるの前提で飼うの・・・?」

 

晴人「それってただの家畜じゃん・・・」

 

くいな「そ、それはちょっと・・・美味しそうな。」

 

晴人「おいこらそこ!」

 

千秋「ひなちゃんはリアルな動物をいっぱい見て来てるんだよね?」

 

ひな子「はい。」

 

千秋「だったらそれを思い出しながら練習してみたら?」

 

晴人「あ。それ良いかも。」

 

ひな子「田舎の動物を?」

 

千秋「そう。」

 

ひな子「田舎の動物・・・」

 

思い付いたのは、飛んでる鷲だった。鷲になりきってポーズを取る。

 

ひな子「あの、今のはどうでしたか?」

 

千秋「良い感じ。鳥みたいに飛んでるようだった。」

 

ひな子「本当ですか!?」

 

4人「うん!」

 

ひな子「やった!これでスズランにも立てますかね!?」

 

千秋「それは飛び過ぎ・・・」

 

晴人「目標が一気に飛んだね・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃外では、ゆあが散歩していた。その途中でひととせ荘を見付けた。

 

ゆあ「古本屋ひととせ・・・?そう言えばあの子の家古本屋だって聞いたけど・・・もしかしてここかしら?え?」

 

古本屋の中を覗くとそこには。

 

ひな子「今度はペンギンさん!」

 

くいな「そっくりです!」

 

晴人「ひな子ちゃん、掃除の続きは?」

 

ゆあ「何?これ・・・」

 

 

 

 

 

 

今回のアイキャッチ「仮面舞踏会」。

 

 

 

 

 

 

千秋(文化祭まで後1週間。衣装も小道具も揃って来たし唯一不安な事と言えば・・・)

 

今日もひな子は部員達にぶつかってばかりだった。

 

ゆあ「もう!ちゃんと前見て練習しなさいよ!そんなんじゃ!あんたがヒロインだなんてゆあは認めないんだからね!」

 

ひな子「ご、ごめんなさい・・・」

 

千秋(ひなちゃんの動き・・・相変わらず硬いなぁ。)

 

 

 

 

 

 

そして放課後になって練習が終わった。ひな子はくいなと帰宅中。

 

ひな子「今日もちゃんと演技出来なかったよ~。いい加減ゆあちゃんに嫌われちゃったかも~・・・」

 

くいな「どうすればぶつからなくなるんでしょうね・・・ちゃんと周りを見るとか?」

 

ひな子「私演技に集中すると周りが見えなくなっちゃうみたい・・・でも周りを意識すると緊張してかかしになっちゃうし・・・」

 

くいな「適度に周りが見えるように薄目で演技するのはどうでしょう?」

 

ひな子「それじゃあ両手が塞がっちゃうよ。」

 

くいな「じゃあ可愛い仮面を付けてみるとか!」

 

ひな子「顔が見えなくなっちゃうよ・・・」

 

くいな「ひなちゃん。私もお付き合いしますから頑張りましょう!」

 

ひな子「うん!」

 

 

 

 

 

 

その後のひととせ荘。真雪と千秋が帰って来た。

 

真雪「ただいまー!」

 

帰って来て唖然とした。古本屋が予想以上に散らかっていたからだった。晴人が古本屋を整理してる。

 

晴人「あ!真雪ちゃんに千秋ちゃん。おかえり。」

 

真雪「あの・・・もしかして演劇の練習・・・?」

 

晴人「うん、2人が帰って来たと同時にここで練習するって言ってやったらこの有様。」

 

真雪「公園で練習しよっか。」

 

ひな子「は、はい・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃ゆあは膨れっ面になりながらひととせ荘に向かっていた。

 

ゆあ(もう!こんな調子じゃヒロインなんて務まんないわよ!一言言ってやんなくちゃ・・・)

 

するとひととせ荘から出て、公園へ向かう5人を発見した。ゆあは5人を尾行する。

 

 

 

 

 

 

5人は公園に到着した。

 

ひな子「そっか!ここなら広いからぶつからずに練習出来ますね!」

 

千秋「ひなちゃん、さっきはダンスの練習してたの?」

 

ひな子「はい・・・」

 

千秋「ならやっぱりまゆちゃんから教わるのが良いかな。」

 

真雪「え!?」

 

千秋「何時か王子様とダンスする為に練習してるから。」

 

真雪「もう!恥ずかしいからバラさないでよ!」

 

晴人「真雪ちゃん、密かに練習してるんだ。」

 

ひな子「まゆちゃん小さくて可愛いしすぐお姫様役出来そう!」

 

真「そ・・・それを言うならひなちゃんだって可愛いし・・・」

 

ひな子「私は無理だよ・・・王子様の足踏みつけたり転けてタックルしそう・・・」

 

千秋「踊る方の舞踏会じゃなくて戦う方の武道会になるね・・・」

 

晴人「王子可哀想だな・・・」

 

ひな子「早くぶつからずに踊れるように頑張らないと・・・」

 

練習してる所をゆあが茂みの中からこっそり見てる。

 

 

 

 

ゆあ「こんな所で練習?」

 

 

 

 

晴人「だったら、軸の練習から始めた方が良いかもね。」

 

ひな子「え?軸?」

 

真雪「そう。軸。頭の上に物を乗せて、落とさないように歩く感じかな?晴人さん。」

 

晴人「OK。」

 

自販機でアクエリアスが入ったペットボトルを2本買った。1本をひな子に渡す。

 

晴人「じゃあ俺がお手本やるから見ててね。」

 

頭の上にアクエリアスを乗せてバランスを崩さないように歩く。

 

晴人「こんな感じ。ひな子ちゃんやってみて。」

 

頭の上にアクエリアスを乗せる。

 

ひな子「えっと、こう?」

 

バランスを崩さないように慎重に歩く。

 

くいな「凄い!」

 

晴人「良いよ良いよ!完璧だ!」

 

ひな子「えへへ!ありがとうございます〜!(はっ!この姿勢かかしをしてる時と同じだ!かかしの特技が役に立つ日が来るなんて~・・・)」

 

かかしが役に立ったと感動して泣いた。

 

真雪「褒められたのが、泣く程嬉しかったの?」

 

晴人「いや多分違うと思うぞ?」

 

真雪「ダンスは何とかなりそうね。あきちゃんからは何かないの?演技力アップのコツとか。」

 

千秋「そうね。えっと・・・慣れ?」

 

ひな子「慣れ?」

 

真雪「じゃ・・・じゃあ舞台に立つ時の心構えとか・・・」

 

千秋「えっと・・・相手の間に合わせて演技するとか。」

 

ひな子「間を見極めるにはどうしたら・・・」

 

千秋「直感?」

 

晴人「千秋ちゃん、もしかして天才肌?」

 

こう見えて千秋は天才肌。

 

真雪「ま・・・まず台詞をおさらいしておきましょうか!」

 

くいな「あ!それもそうですね!台詞を覚えてないとお芝居しようには出来ないし。」

 

ひな子「台詞は少し自信がありますよ!毎日鳥太郎と台本読んでたので。」

 

鳥太郎がひな子の頭に乗った。

 

晴人「お。鳥太郎。」

 

千秋「じゃあ1章頭のヒロインのシーンを演じてみてくれる?」

 

ひな子「はい。・・・私には守るべき大切な人・・・」

 

鳥太郎「ぴぃぴぃ。」

 

ひな子「え?違う?大事な人?あ!そうだった。私には守るべき大事な人が居りました!その人は私にとって命より大事な人・・・」

 

鳥太郎「ぴぃぴぃ。」

 

ひな子「あ、こっちは大切な人?その人は私にとっては大切な人で!」

 

 

 

 

ゆあ(な、何と言うチートスキル・・・)

 

 

 

 

 

 

その後も台詞の練習が続いた。時間が過ぎて夕方になった。

 

千秋「・・・・さてそろそろ帰ろっか。」

 

ひな子「いえ!後もう少し練習します!」

 

晴人「ひな子ちゃん?」

 

ひな子「私この舞台であがり症を克服したいんです!だめちくりんな自分を変えたいんです!」

 

千秋「・・・分かった。じゃあもう少しだけ頑張ろう。」

 

ひな子「・・・はい!ありがとうございます!」

 

それを聞いたゆあは、悲しそうな顔をした。

 

 

 

 

その後も台詞とステップの練習が続く。

 

ゆあ(なんだかんだ真面目だから憎めないのよね。)

 

 

 

 

ひな子「うん!ダンスも基本は抑えたしセリフも1章まで覚えたし!演技とか早替えとか声の張り方とか重要な事はこれからだけど前よりは上達してるし何とかなるかも!」

 

ゆあ「はぁ!?」

 

晴人「のわ!?」

 

ゆあ「あんたそんな調子で文化祭に間に合うと思ってんの!?ゆあが出る舞台で失敗なんて許さないんだからね!こうなったらゆあ直々に特訓してやるわ!絶対舞台を成功させるのよ!」

 

ひな子「て言うか何時からそこに・・・?」

 

ゆあ「そんな事は良いの!やるわよひな子!」

 

ひな子「は・・・はい!」

 

その後ゆあがひな子を厳しく練習させる。

 

 

 

 

練習が終わり、ひな子がベンチに座る。

 

ひな子(ゆあちゃんの練習厳しかったなぁ・・・全身が痛い・・・)

 

くいな「大丈夫?」

 

真雪「頑張れ!ひなちゃん。」

 

ひな子「うん!まだまだ行けるよ!」

 

ゆあ「当たり前でしょ!やる事はいっぱいあるんだからこんな所でへばられたら困るわ!」

 

ひな子「は・・・はい!ゆあちゃんと一緒に頑張ります!宜しくねゆあちゃん!」

 

ゆあ「も・・・勿論よ!」

 

ひな子「良かった・・・私ゆあちゃんに嫌われちゃったかと思ってたから。実はすっごく嬉しいんだ~!」

 

ゆあ「え?」

 

ひな子「ゆあちゃん優しいね!」

 

ゆあ「っ!・・・か・・・勘違いしないでよね!飽く迄も舞台の為よ!舞台の!言ったでしょ!?失敗何て許さないって!」

 

ひな子「うん!私これからも全力で頑張るね!」

 

ゆあ「ふん!そうしなさい!」

 

くいなと真雪と千秋と晴人は微笑み合った。

 

ひな子(よーし!これからも頑張るんだから!ゆあちゃんや皆と一緒に!)

 

こうしてひな子は、文化祭に向けて練習を始めるのだった。すると誰かのスマホの着信音が鳴った。

 

晴人「あ、ごめん。」

 

着信音が鳴ったのは晴人のスマホだった。

 

晴人「え?姉ちゃん?もしもし?・・・え?マジで!?こっちに来るの!?・・・うん分かった。じゃあ。」

 

通話終了。

 

くいな「どうかしたんですか?」

 

晴人「何か、姉ちゃんがこっちに来る予定って言ってた。」

 

真雪「晴人さんのお姉さん?」

 

晴人「うん。近日来るって言ってた。何時来るんだ?」

 

果たして晴人の姉は何時来るのか。

 

「END」




         キャスト

     桜木ひな子:M・A・O
     夏川くいな:富田美憂
       柊真雪:小倉唯
      萩野千秋:東城日沙子
      中島ゆあ:高野麻里佳
     黒柳ルリ子:吉田有里

      南条晴人:内山昂輝

       鳥太郎:高橋伸也
      女子部員:鬼頭明里
           小牧未侑
           今村彩夏

ゆあ「全く世話が焼けるったらありゃしない!でも真面目でやる気だけあるのよね。そこだけは認めてやらない事も無いわ。さぁひな子!私が教えた事を全て残らず出し切りなさい!」

次回「めいどとおばけとゆめのぶたい」
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