ひなこのーと だいありー   作:naogran

7 / 15
ある朝のひととせ荘。ひな子が起きた。そしてひな子の部屋には、演劇に使うドレスがあった。

ひな子『明日とうとう文化祭が始まります。』

深呼吸して台詞を喋る。

ひな子「私には守るべき大事な人がおりました・・・」

文化祭まで後1日。


6話「めいどとおばけとゆめのぶたい」

くいな「明日は文化祭本番ですからね。何処も追い込みです。私達みたいに部活の出し物優先の生徒も居ますが逆にクラスの出し物メインにしてる人も居ますしね。」

 

藤宮高校は今日も文化祭の準備をするのに大忙し。

 

ひな子「あれ?そう言えばうちのクラスって、何するんだっけ・・・?」

 

ゆあ「HRで決めたでしょ?覚えてないの?」

 

後ろからゆあが話し掛けた。

 

ひな子「お芝居の事で頭一杯だったので・・・」

 

くいな「ひなちゃんこの所寝ても覚めても必死でしたからね~。」

 

ゆあ「まぁ確かに集中力だけは大したものね。これに気付かないなんて。」

 

後ろを見ると、包丁が刺さってる顔が現れた。

 

ひな子「わーーー!!!!」

 

びっくりしたひな子が後ろに下がった。後ろに居たくいなにぶつかって転んでしまった。

 

女子生徒2人「あら・・・」

 

ひな子「お化け屋敷かぁ・・・」

 

くいな「ひなちゃんやってみたかったんじゃないですか?」

 

ひな子「え?別にそんな・・・」

 

ゆあ「舞台役者目指すなら何でも演じられないと駄目よ?」

 

ひな子「でもこれは無理です・・・お客さんの前で固まってかかしになっちゃいますから・・・」

 

するとくいなとゆあが、かかしのお化けを想像した。

 

くいな「ありかも知れませんね。」

 

ゆあ「ええ。ありね。」

 

 

 

 

 

 

その後3人は、真雪のクラスに向かった。

 

真雪「そっかぁ。ひなちゃん達のクラスはお化け屋敷だったんだ。」

 

ひな子「まゆちゃんのクラスは何をするんですか?」

 

真雪「見てわからない?」

 

メイド服を着ている。

 

ひな子「メイド服・・・」

 

くいな「ですね。」

 

ひな子「と言う事は・・・」

 

真雪「と言う事は?」

 

ひな子「まゆちゃん普段通り・・・って事は帰宅部ですか!?」

 

くいな「文化祭中もひととせ荘で喫茶店やってるんですか?」

 

真雪「違~う!メイド服着てるんだからメイドなの〜〜!」

 

ひな子「可愛いな〜。」

 

くいな「まゆちゃんは通常営業ですね。」

 

ゆあ「でもメイド喫茶は本当みたいね。」

 

女子生徒達「いらっしゃいませーー!!」

 

真雪のクラスの出し物はメイド喫茶。

 

くいな「おーー!!」

 

ひな子「まゆちゃんが沢山増えたみたいですね~!」

 

真雪「うふ。皆の衣装は私のを参考にして作ったのよ?」

 

ゆあ「あ!私達も急がないと!」

 

 

 

 

 

 

急いで部室へ向かった。部室でひな子が衣装を着ようとするが。

 

ひな子「苦しい~・・・」

 

コルセットがきつくて着れない状態だった。

 

真雪「もうちょっと・・・!!あきちゃん手伝って!!」

 

千秋「分かった。」

 

2人で紐を強く引っ張った。

 

真雪「よし!完成!」

 

そしてようやくドレスが着れた。

 

部員達「おおおーーー!!」

 

くいな「ひなちゃん素敵です!」

 

千秋「うん。」

 

真雪「良い感じよね!」

 

ゆあ「悪くないわね。」

 

ひな子「まゆちゃん着替え手伝わせてごめんね。クラスの出し物もあって忙しいのに・・・」

 

真雪「お安い御用だよ!それに演劇部の衣装も私が協力してるからね。せめてひなちゃんの着付けぐらいは手伝いたいの!」

 

ひな子「ありがとう!」

 

すると拍手の音が聞こえた。ルリ子が来た。

 

ルリ子「本当にありがとうございます。ヒロインの衣装合わせお疲れ様です。では他の皆さんも着替えましょう。」

 

部員達「はーい!」

 

その後部員達がそれぞれの衣装に着替えた。そしてひな子達が人前で自己紹介をする。

 

ひな子「ヒ・・・ヒロイン役の桜木ひな子・・・です。」

 

ゆあ「探偵として事件を解決する令嬢役・中島ゆあです。」

 

くいな「お屋敷の管理人役・夏川くいなです。そしてこちらがお屋敷のメイドさん・柊真雪さんです。」

 

真雪「初めまして。」

 

部員達「おおおーー!!」

 

ちゃっかり真雪まで自己紹介してしまった。部員達が拍手する。

 

真雪「え?あれ!?ちょっと~!私は出ないから!」

 

くいな「出演者に混ざっても全然違和感無かったんですが。」

 

ひな子「うん!まゆちゃんも出ようよ。」

 

真雪「だ・・・だから私は裏方だから~!」

 

恥ずかしくなって壁に張り付いた。

 

ひな子「(可愛いなぁ。皆衣装を身に付けるとそれらしい雰囲気になってるなぁ・・・ゆあちゃんは確かにお嬢様探偵っぽいイメージだし、くーちゃんもお屋敷の管理人さんの役になってる気がする。そして、大家さんはジャージ。)え?え、ええ!?ジャージ!?」

 

ルリ子「どうかしました?」

 

ひな子「あの・・・大家さんが・・・」

 

ルリ子「大家さん?」

 

ひな子「あ!いえ・・・えと・・・千秋先輩がジャージ姿のままだからちょっと驚いて・・・」

 

ルリ子「はい?」

 

千秋「私は今回裏方だから出演しないよ。」

 

ひな子「そ、そうなんですか?」

 

くいな「ひなちゃん、今まで知らなかったんですか?」

 

ひな子「う、うん・・・だって先輩は、今までもずっと演劇部で活躍してたんですよね?」

 

千秋「うん。でも今回は新入生の子中心にやって行こうって先生とも話し合って決めたんだよ。」

 

ルリ子「その通りです。今回の私の脚本はフレッシュな人材が似合ってるものですから。」

 

ひな子「は、はぁ。」

 

ゆあ「あんた今まで台本覚えてたんでしょ?何で他の出演者に気付いてないのよ?」

 

ひな子「わ、私自分の出番と台詞覚えるので精いっぱいだったし・・・昨日やっと全部の台詞を覚えたばっかりだから・・・」

 

くいな「ヒロインだったから、台詞多かったですしね。」

 

ゆあ「そ、それは分かるけど・・・だからって、他の人のパートを読んでないなんてありえないわよ。」

 

ルリ子「確かに珍しいパターンですが演技のスタイルは人によって違って良いのです・・・」

 

するとルリ子がステージに立つ。

 

ルリ子「脚本を読み込んで、その中で自分の芝居を計算してやるタイプもあれば、自分の役だけをしっかりと極めるのもありなのです。ひな子さん。犯人はあなたしかいないわ!」

 

突然ひな子に指指した。そしてルリ子の両目が鋭くなってる。

 

ひな子「いいえ!私は犯人じゃありません!その時間には私はこの大広間に居ませんでした!(あれ?自然に反応しちゃった・・・)」

 

ルリ子「続けて下さい。」

 

 

 

 

その後もひな子は自分の台詞を言い続ける。

 

ルリ子(流石ですねひな子さん。とっさに自分の台詞が出てくるとは。役になり切ってる証拠。ヒロインとして抜擢した私の目は間違っていませんでしたわ!)

 

ゆあ「や・・・やるわね・・・」

 

ひな子「今朝はこのお屋敷を去ろうと真剣に悩みました・・・」

 

鳥太郎「ぴぃぴぃ。」

 

しかしひな子の髪の毛に鳥太郎が隠れている。鳥太郎が台詞を教えてる。

 

千秋「・・・」

 

真雪「あきちゃん。言っちゃダメよ?」

 

くいな(舞台でもやるんでしょうか?)

 

ひな子「まさか、こんな事件が起きてしまうなんて!」

 

ゆあ「犯人はこの中に居ます!そしてこのハンカチが何よりの証拠です!」

 

くいな「ふっふっふっふっふ。」

 

ひな子「そんな・・・そんな・・・」

 

ゆあ「まさかあなたが!?」

 

ひな子「そうですね・・・私には守るべき大事な人が居たんですね。」

 

ルリ子「良く出来ましたわ!」

 

素晴らしい演技を見て全員が拍手した。

 

ひな子「は・・・初めて最後まで間違えずに台詞を言えました!」

 

ゆあ「そうね。途中何度か危なかったけど。」

 

くいな「凄かったですひなちゃん!」

 

真雪「本当。明日が楽しみね。」

 

千秋「うん。」

 

ひな子「ありがとう!ありがとう皆!これも全部皆のお陰です!ここまでやってこられたのも・・・皆・・・」

 

くいな「お疲れ様でした!ひなちゃん!」

 

ゆあ「あのね・・・まだ本番終わってないわよ!」

 

ひな子「あ!」

 

くいな「そうでした!」

 

ゆあ「あのね・・・」

 

ルリ子「ではもう一度練習をします。明日は本番。遊んでる暇はありませんよ皆さん!」

 

部員達「はい!!」

 

 

 

 

 

 

今回のアイキャッチ「無し」。

 

 

 

 

 

 

そして翌日。遂に文化祭が開催した。多くのお客や他校の生徒などが来ている。

 

ひな子「こ・・・これが文化祭なんですね~!」

 

ゆあ「感動し過ぎよ・・・」

 

くいな「おーーい!!」

 

そこにくいなが戻って来た。

 

くいな「まゆちゃんと大家さんと晴人さんは?」

 

ひな子「まゆちゃんはクラスのメイド喫茶が始まるみたい。晴人さんは後で来るって。」

 

ゆあ「千秋先輩はこれからルリ子先生と打ち合わせだって。」

 

くいな「それは残念です。これ一緒に食べたかったんですが・・・」

 

両手に多くの食べ物を持ってた。

 

ひな子「そんなに!?」

 

ゆあ「手あたり次第に買って来たの?」

 

くいな「違います!これは私が厳選した文化祭グルメですよ!見て下さいこの串焼きを!これはご近所の農家から提供して貰って地鶏を使っていて歯応え・肉の旨みが抜群!しかも仕上げの味はたまり醤油が効いていて絶品です」

 

ひな子「お・・・美味しそう!」

 

くいな「この焼きそば!これはB級グルメで有名になった街から直送した一品です。しゃきしゃきしたもやしとのバランスも最高ですよ!」

 

ひな子「うわあああ!!!」

 

くいな「見て下さいこのたこ焼き!本場関西からの転校生が焼いた外はふわふわ、中はとろっとろの傑作!食べると口の中に見事なハーモニーが広がります!」

 

ひな子「うわあーー!!!」

 

ゆあ「さっきから味の話してるけどもう食べたの?」

 

くいな「勿論です!全ての屋台は今朝から全部制覇してありますから!」

 

歯に青のりが付いてる。

 

ひな子「え!?ぜ、全部・・・!?」

 

ゆあ「どんな胃袋してるのよ・・・」

 

 

 

 

 

 

???「あ!そこのお嬢さん達!」

 

3人「え?」

 

 

 

 

 

 

声がした方へ振り向くとそこに立っていたのは、青いワンピースを着ている女性が立っていた。

 

女性「あなた達ね。ひととせ荘の可愛い住人さんは。」

 

ひな子「えっと・・・どちら様ですか?」

 

ゆあ「な、なな・・・南条尋華さん!?」

 

くいな「え?知ってるんですか?」

 

ゆあ「あの有名な女優よ!多くのドラマや映画や舞台などで活躍してるのよ!」

 

尋華「あら?あなたは確か、あの時の握手会に来てくれたゆあちゃん?」

 

ゆあ「は、はい!」

 

尋華「うふ。また会えて嬉しいわ。」

 

ゆあ「わ、私も会えて嬉しいです・・・」

 

尋華「そうだわ。ねえ、私あの子を探してるんだけど。」

 

ひな子「あの子?」

 

くいな「誰ですか?」

 

???「おーーーい!!」

 

するとそこに晴人が走って来た。

 

ひな子「晴人さん!」

 

晴人「ごめんごめん。遅くなっちゃって。」

 

くいな「晴人さん、この方が誰かを探しているんですが。」

 

晴人「この方って?・・・って、姉ちゃん!?」

 

ひな子・くいな・ゆあ「え?」

 

尋華「あら晴人!久し振りね!」

 

晴人「何処にも居ないかと思ったら、もうここに来てたのかよ・・・」

 

ゆあ「えっと、晴人さん、尋華さんの事を姉ちゃんって言ってた気が・・・」

 

晴人「ああそうそう。南条尋華。俺の姉ちゃんだよ。」

 

ひな子「そ、そうだったんですか!?」

 

くいな「あ!確か南条って言ってましたね!」

 

晴人「気付くの遅。」

 

尋華「ありがとね。お陰で探してる人を見付けれたわ。」

 

ゆあ「いえ、見付かって良かったですね!」

 

晴人「おい俺は彼氏か?」

 

尋華「晴人、この2人のお嬢さんは?」

 

晴人「ああ、紹介するよ。ひととせ荘の住人で、藤宮高校1年生の、桜木ひな子ちゃんと夏川くいなちゃん。」

 

ひな子「は、初めまして・・・」

 

くいな「初めまして。」

 

尋華「この子達がそうだったのね。改めまして、私は女優の南条尋華です。晴人の姉でもあります。そしてこの藤宮高校の卒業生です。」

 

ひな子「え!?そうだったんですか!?」

 

尋華「うん。宜しくね。」

 

くいな「では、晴人さんと尋華さんも一緒に食べます?」

 

晴人「くいなちゃんこれ全部まさか・・・」

 

くいな「はい!全ての屋台から厳選して買って来た物ばかりです!」

 

晴人「どんだけぇ・・・」

 

尋華「良いわね〜!早く食べたいわ〜!」

 

 

 

 

くいなが買って来たたこ焼きを食べる。

 

ひな子「美味しい~!」

 

くいな「でしょ?」

 

ゆあ「うん!これいけるね!」

 

晴人「美味過ぎる。」

 

尋華「凄く美味しい〜!」

 

くいな「喜んで貰えて嬉しいです。やっぱり文化祭と言えば屋台グルメですからね。」

 

ゆあ「ここまで極めてる子はあんま居ないと思うけど・・・」

 

晴人「全くだよ。」

 

くいな「屋台以外で注目なのはクラスで出してる喫茶店なんかのお店です。」

 

ひな子「あ!まゆちゃんのメイド喫茶!」

 

くいな「はい!」

 

尋華「まゆちゃん?」

 

晴人「まゆちゃんこと柊真雪ちゃん。ひととせ荘の住人で何時もメイド服を着てる2年生。」

 

くいな「そこも既にチェック済みですから」

 

他の喫茶店もチェック済みだった。

 

ひな子「凄い!パンケーキとオムライスのセットがある!」

 

晴人「贅沢にも程があるセットだな・・・」

 

くいな「それは最重要メニューですね。この後食べに行きましょう!」

 

ひな子「うわぁ〜!楽しみ〜!」

 

ゆあ「ってまだ食べるのあんた達!?」

 

尋華「ゆあちゃんも一緒に食べよ?」

 

ゆあ「は、はい喜んで・・・」

 

晴人「やっぱゆあちゃん、姉ちゃんの前でも緊張するんだな。」

 

 

 

 

次はクレープ。

 

ひな子「美味しい~!」

 

ゆあ「た・・・確かにこれもいけるわ。」

 

尋華「クレープ美味しい〜!」

 

晴人「凄え甘いな。」

 

ひな子「でもこんなことばっかりしてて良いんでしょうか・・・?」

 

晴人「そうか!ひな子ちゃんの舞台は何時から?」

 

くいな「私達の舞台は夕方からですからまだまだ先ですよ。」

 

ゆあ「そうそう。それに昨日は遅くまで練習したじゃない。」

 

尋華「確かひな子ちゃんがヒロインだったっけ?」

 

晴人「そうそう。」

 

ひな子「だけどちょっと不安な気持ちになって・・・」

 

晴人「分かる分かるその気持ち。」

 

くいな「ひなちゃん心配性ですね~。昨日は台詞完璧だったじゃないですか。」

 

ひな子「うん・・・」

 

くいな「仕方ありませんね。それじゃ最初の台詞だけでも合わせますか!いらっしゃいませ皆様!お屋敷へようこそ!」

 

ゆあ「お邪魔しますわ。」

 

くいな「こちらのお嬢様は?」

 

ひな子「・・・・・」

 

くいな「ひなちゃん?」

 

ゆあ「ひな子?」

 

ひな子「え?私の番?」

 

晴人「ひな子ちゃん、もしかして・・・」

 

そしてまたアクシデントが起こった。

 

くいな「何で忘れちゃってるんですか!」

 

ゆあ「何度も練習したじゃない!!」

 

急いで部室へ急行した。

 

尋華「ここの部屋も殆ど変わってないな〜。」

 

晴人「姉ちゃん今感心してる場合!?」

 

ひな子「あ!」

 

ゆあ「どうかしたの?」

 

ひな子「そう言えば昨日練習が終わった後・・・他の人の出番も確認しようとして・・・」

 

くいな「それを読んだせいで自分の台詞を忘れてしまったとか・・・?」

 

ひな子「かも・・・」

 

くいな・ゆあ・晴人「え~!?」

 

巨大なアクシデント発生。何とひな子が自分の台詞を全部度忘れしてしまったのだった。

 

ゆあ「新しい所読んだら前の忘れるとか心太なのあんたの頭は!?」

 

ひな子の頭の中は既に『他人の台詞』と言う思考でいっぱいだった。

 

晴人「ひな子ちゃんの集中力半端無いな・・・」

 

ひな子「ご、ごめんなさい・・・!!!」

 

くいな「そう言えば屋台に心太の美味しいお店が・・・」

 

晴人「おいくいなちゃん!今食い物の事を考えてる場合!?」

 

尋華「だったら今から練習しましょう!」

 

4人「え?」

 

尋華「今から練習すれば間に合うはずだよ!」

 

晴人「姉ちゃん本気なのか?」

 

尋華「勿論本気よ!大丈夫!女優の私も指導してあげるから!」

 

ひな子「わ、私頑張ります!!」

 

 

 

 

 

 

そして時間が過ぎて夕方になった。演劇同好会が公演の準備を進めてる。舞台裏では、ひな子とくいなとゆあが走って来た。

 

千秋「来た来た。」

 

ルリ子「これで全員揃いましたね。」

 

全員が衣装に着替え終えた。ひな子が舞台幕を少し開けて客席を見る。満員状態だった。

 

ひな子「き・・・緊張しちゃうよ・・・」

 

ゆあ「大丈夫よ。さっきも一緒に練習したでしょ。舞台でもこのゆあ様がちゃんとフォローしてあげるからあんたは自信持って演技してれば良いの!」

 

ひな子「ゆあちゃん・・・」

 

くいな「私も出来るだけサポートします!」

 

ひな子「くーちゃん!」

 

鳥太郎「ぴー!ぴ!」

 

そして鳥太郎も出て来た。

 

 

 

 

 

 

その頃客席では。

 

晴人「ひな子ちゃん達大丈夫かな?舞台は失敗したらその場で終わり。」

 

尋華「大丈夫よ晴人。私の指導の成果が何とかなるよ。」

 

晴人「逆に不安しか無いんだが・・・」

 

 

 

 

そして遂に、舞台の幕が開いた。

 

くいな「いらっしゃいませ皆様。お屋敷にようこそ!」

 

ゆあ「お邪魔しますわ。」

 

くいな「こちらのお嬢様は?」

 

ひな子「初めまして!宜しくお願いします!」

 

 

 

 

観客達が拍手した。

 

晴人(良いぞ良いぞその調子。)

 

 

 

 

ゆあ(全く・・・手のかかる子供を持った気分だわ。)

 

 

 

 

 

 

公演が続き、そして物語はクライマックスを迎えた。

 

尋華(遂にクライマックスに差し掛かったわね。)

 

晴人(皆最後まで行けるか?)

 

 

 

 

ひな子「まさか・・・こんな事件が起きてしまうなんて!」

 

ゆあ「(ひな子も良い演技をするようになったわね。)犯人はこの中に居ます!そしてこのハンカチが何よりの証拠!」

 

ハンカチを取り出そうとしたが。

 

ゆあ(しまった!ひな子に気を取られて持って出るの忘れてた!)

 

何とハンカチを持って出るのを忘れてしまったのだった。

 

ひな子(ハンカチ!)

 

ハンカチが無いと理解したひな子がある行動を取った。

 

ひな子「あらハンカチは?誰かハンカチをお持ちの方はいらっしゃいませんか?ご婦人が落としてしまったようで。」

 

 

 

 

尋華(アドリブ!?台本を見たけどあの台詞が無かったわ。)

 

晴人(でもこの中にハンカチを持って人は出て来るのか?)

 

真雪「お・・・お嬢様!ハンカチならこちらです!」

 

晴人(真雪ちゃん!?)

 

 

 

 

ハンカチを持ってる真雪が舞台に上がって、ひな子に渡す。

 

真雪「どうぞ。」

 

ひな子「まぁ。ありがとうメイドさん。」

 

真雪「どういたしまして。」

 

すると真雪が反応した。無意識に人前で演技をやってしまった事で恥ずかしくなってしまった。

 

ひな子「お芝居終わったら返すね。」

 

小声で真雪にそう伝える。真雪はギクシャクしながら舞台裏へ行った。

 

ひな子「あなたが落としたのはこのハンカチかしら?」

 

ゆあ「・・・そうですわ!」

 

ハンカチを受け取る。

 

ゆあ「そう!このハンカチが何よりの証拠!」

 

 

 

 

舞台裏では。

 

千秋「良かった。何とか軌道修正出来たみたい。いざとなったら私がアドリブで出て届けようかと思ったんだけど。」

 

くいな「いやいや世界観変わりますよ・・・」

 

 

 

 

 

 

その後も舞台が続く。

 

ひな子「(舞台の上で演じると皆が別人みたいに見えてくる。色取り取りのスポットライトに豪華な衣装。いつもと違う言葉遣い。どの人も楽しそうでキラキラしてる。こんなに沢山の人の前で喋ってるなんて・・・私も別人みたい!)この島に来て僅かの間に沢山の方が亡くなってしまいました!けれど、今でも本当に大変なちゃんと守りたい人は残ってるいるのです!ええ!私の心の中に!」

 

こうして舞台が幕を閉じて、拍手喝采が巻き起こった。

 

晴人(良かったぁ。無事に出来て。)

 

尋華(私感動しちゃったよぉ・・・)

 

 

 

 

 

 

その後晴人と尋華が外に出ると。

 

ルリ子「晴人さん、尋華さん。」

 

後ろからルリ子が2人を呼んだ。

 

ルリ子「お久し振りです。」

 

晴人「ルリ子ちゃん久し振りだね。」

 

尋華「久し振り〜ルリちゃ〜ん!」

 

抱き付こうとしたが、ルリ子が避けた。尋華はそのまま地面を滑った。

 

晴人「全く姉ちゃんは・・・」

 

ルリ子「晴人さん、尋華さん、この後の後夜祭も一緒にどうですか?」

 

晴人「え?いや俺達、お客さんだし。」

 

ルリ子「大丈夫です。先生方にも許可を頂いてるので。」

 

晴人「そ、そうか・・・」

 

尋華「はいはーい!私参加しまーす!」

 

晴人「姉ちゃんポジティブ過ぎ・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃誰も居ない講堂に、ひな子が居た。

 

ひな子(何だかさっきまでの事が夢みたい・・・)

 

ゆあ「ひな子・・・」

 

するとそこに、ゆあが来た。

 

ひな子「ゆあちゃん?」

 

ゆあ「その・・・さっきはごめん。あんたに偉そうな事言っておきながらミスっちゃって・・・」

 

ひな子「気にしないで!終わり良ければ全て良しだよ!ね。一緒に後夜祭行こうよ!」

 

ゆあ「・・・ひな子・・・ありがとう!」

 

2人は握手した。

 

ひな子「それにしても素直なゆあちゃんって可愛いね。」

 

ゆあ「な・・・何よ!ゆあは何時でも可愛いわよ!」

 

ルリ子「ひな子さん。ゆあさん。とても素晴らしい演技でしたわ。」

 

晴人「良い演技だったよ。」

 

尋華「私感動しちゃった!」

 

そこにルリ子と晴人と尋華が来た。

 

ひな子「ルリちゃん!あれ?晴人さんと尋華さん?」

 

晴人「ルリちゃんから後夜祭誘われて・・・」

 

ひな子「そうなんですか?」

 

ゆあ「すみません!私のせいで脚本が台無しに・・・」

 

尋華「ゆあちゃん気にしないで?失敗も経験の1つだから。」

 

ルリ子「尋華さんの言う通りです。アクシデントも時に必要なスパイスですわ。舞台ならではの素敵なアドリブ、先生感動しました。」

 

ひな子「ありがとう!」

 

ルリ子「実は私。この公演が成功すれば正式に演劇部を再開するつもりでいました。」

 

ひな子「え!?それじゃあ・・・」

 

ルリ子「明日からは演劇部の再スタートですわ。」

 

ひな子「わぁーー!!」

 

ルリ子「と言う訳でひな子さん。芸能界デビューしません?」

 

ひな子・ゆあ「え~!!??」

 

ルリ子「テレビで共演しましょう!」

 

晴人「まさかのスカウトですかい!!」

 

尋華「高校時代にスカウトされた時を思い出すわ〜。」

 

ひな子「アグレッシブ過ぎるよ!」

 

くいな「ダメですよ先生!」

 

ひな子「くーちゃん!?」

 

晴人「おお、くいなちゃん。」

 

くいな「ひなちゃんはこれからひととせで活躍するんですから!」

 

ルリ子「ひととせ?」

 

ひな子「アパートの皆で作った小劇団で・・・座長は私でまだ公演を打った事も無いんだけど・・・」

 

ルリ子「ふむふむ。何かお手伝いしましょうか?」

 

ひな子「良いの!?」

 

ルリ子「部員の活動を後押しするのも顧問の務めですし。」

 

ゆあ「ゆ・・・ゆあも手伝うわ!ひな子が座長なんて不安だもの・・・」

 

ひな子「心配してくれてありがとう~!」

 

ゆあ「べ・・・別に心配なんてしてないんだからね!」

 

尋華「私も手伝いまーす!」

 

晴人「え?姉ちゃんも?」

 

尋華「うん!実はひととせ荘に引っ越す事になったの。勿論千秋ちゃんと話し合ったからね。」

 

晴人「そ、そうか。千秋ちゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

外に出ると、真雪が手を振ってる。

 

真雪「皆~!後夜祭始まるわよ〜!」

 

ひな子「は〜い!」

 

ルリ子「さぁ、行きましょうか。」

 

くいな「団員も増えた事ですし、スズラン目指して頑張りましょうね!」

 

ひな子「うん!」

 

晴人「おう!」

 

尋華「ええ!」

 

ひな子(上京した時は不安でいっぱいだったけど、少しだけ理想の自分に近付けたのかな?)

 

ゆあ「ほら、行くわよ?」

 

くいな「ひなちゃん、行きましょ?」

 

ひな子「は〜い!」

 

こうしてひな子の初舞台は無事成功を収め、後夜祭は大盛り上がりしたのだった。

 

「END」




         キャスト

     桜木ひな子:M・A・O
     夏川くいな:富田美憂
       柊真雪:小倉唯
      萩野千秋:東城日沙子
      中島ゆあ:高野麻里佳
     黒柳ルリ子:吉田有里

      南条晴人:内山昂輝
      南条尋華:楠田亜衣奈

     鳥太郎`S:高橋伸也
      女子生徒:日岡なつみ
           戸田めぐみ

ルリ子「ひな子さんをヒロインに選んだ私の目に狂いはありませんでしたわ。次の公演、季節は夏、舞台は海、水着の少女達。っで、いかがでしょう?」

次回「まよえるみずぎ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オリキャラ紹介。

南条尋華(なんじょうひろか)

職業・女優、モデル

誕生日・5月2日
星座・牡牛座
年齢・23歳
血液型・O型
身長・182Cm
体重・64kg
性格・能天気、活発

モデル・小池里奈

特技・アドリブ
趣味・スイーツ巡り
好きな食べ物・スイーツ全般
嫌いな食べ物・ごぼう

髪型・赤髪でロングヘアー

服装・青いワンピース、茶色のブーツ

年収・6000万円

ひととせ荘の住人で人気声優の南条晴人の姉。
そして藤宮高校の卒業生。
高校の時にスカウトを受けたが、保留にして貰って、高卒と同時に女優デビューを果たす。
現在は数多くのドラマや映画やバラエティーや舞台などで活躍中。
藤宮高校の文化祭が終わったと同時にひととせ荘に引っ越した。
ルリ子を見ると抱き付こうとするが、何時も避けられるばかり。

イメージキャスト・楠田亜衣奈
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。