大陸から少し東へ行った島国。日本。
比較的平和で科学の進歩した国だ。
しかし、そんな日本にも裏社会はある。存在しないはずと人々の間で囁かれ誰もが都市伝説として認識している奇妙な噂。「妖(あやかし)を使って軍隊を作った人間がいる。」
いつの間にか日本全国に知れ渡り
妖の目撃例も絶えず報告されているという。これは日本政府の人間でも極一部の者にしか知らされていない重要なこと。「あれは都市伝説などではない。我々日本政府でさえ、抑えきれないほど、とてつもない力をもった実在する軍隊だ」
総統の名前は口にしてはいけない。その者の存在は跡形もなく消え去るだろう。
妖は存在する。全てを支配する総統のもとに集う。これは禁忌だ。絶対に触れてはならない。
一方、ヨーロッパに位置する国ドイツ。軍が圧倒的な力を持つその国は
軍の実験で禁忌を犯してしまっていた。その実験は危険すぎた...。
なにせ毒を投与し続け人間が到達できない力を手にするという実験だ。
被験者もただでは済まない。
そんな中唯一名乗り出た一人の男がいた。男とはいえ、彼はまだ子供だった。
「強くなりたい。幸せな奴に地獄を見せたい」そんな歪んだ願いから死をも恐れず実験に参加した。結果から述べれば実験は失敗した。被験者の子供は一生毒を吸い続け無ければ生きていけない体になってしまった。ただ誰も太刀打ち出来ないほどの強大な力を手に入れることはできた。毒を操る力。彼はその力でドイツの軍隊の指揮官になり得ることが出来たのである。
妖は色々な姿をしているが最も多い者が「目玉」の顔を持った妖だ。
ある目玉の妖は軍の本部で呟いた。
「全く総統って奴もふざけてるよな?
俺等下っ端には顔すら見せねえでふんぞり返りやがってよ...なぁ?」
隣にいたもう一体の妖は答える
「そうですね。実は総統は弱かったりするかもしれませんね」
好き勝手な推論を並べながら2体の妖は軍の本部を歩く。
と、不意に前方の扉が開き、そこから出てきた者とぶつかった。
「痛ってえな...!邪魔なんだよ!」
と妖の1体はいきなり出てきた者に毒づいた。しかし、顔を上げた2体の妖は顔を見る見るうちに青く染めた。
「我を愚弄したのは貴様らか」
彼はそう妖達に問う。
妖達は恐怖に震え声すら出せない。
「そうか。答える気はないか。ならば今ここで死ね」
一瞬で床に転がった2体を、踏みつけながら男は呟いた。
「我に歯向かうなど愚かしい。あの約束のために...。邪魔する者は全て排除する」
そう彼こそ。日本政府すら支配できない妖の軍隊の総統。
桜華忠臣、その人だった。
軍隊指揮官グスタフ・ハイドリヒ。幼いころ実験によって、毒を操る力を得た男だ。ドイツの主要戦力として活動しており、その圧倒的な力で次々と戦果を挙げている。
戦場では毒を撒き散らす。その毒で敵だけでなく、味方すらも葬る。そんな指揮官として有るまじき戦い方からついた異名は「狂犬」。ドイツのトップすら恐れるほどの力をもったグスタフは軍隊の中でも一際異彩を放っていた。
グスタフは戦場を駆けていた。
敵を発見したグスタフは毒で強化されたその足を使い一気に距離を詰めた。グスタフに狙われた1人の兵士は恐怖に顔が歪む。
「誰か...たすけ...」
グスタフは躊躇無く兵士の首を掴み握り潰した。
「ガッ.....!」
やがて動かなくなった兵士を見下ろしたグスタフはまた駆け出した。新たな獲物を見つけるそのために。
拙い文章ですみません。読んでくださりありがとうございます!前書きでも書きましたが、駄目なとこ指摘してください!