バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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冥府龍 急襲!

前回の『バディファイトLoveLiv!サンシャイン‼︎』

 

 

グリスからギラの目的を聞いたAqours、サツキ、真柴、炎斬。

みんなはその話しを聞いた後、改めて『冥府龍』達と戦う決心をした。

 

ーーー

ーーー

 

千歌が倒れてから約2日が経った。フォースの力を持つ梨子、曜、真柴、炎斬は、2時間おきに交代しながら千歌にフォースの力を送り込んで千歌の命を維持して繋ぎ止めていた。

 

だが千歌は未だに目を覚まさない………

 

 

梨子「曜ちゃん、そろそろ交代しよ?」

 

曜「ま、まだ大丈夫だよ………」

 

梨子「大丈夫じゃないでしょ。凄い汗だよ?私と交代して休んで。」

 

曜「………ごめん、ありがとう。」

 

 

曜は梨子と交代して休む。千歌の命を維持する為に千歌にフォースの力を送り込む必要があるが、ドラゴンフォースの長時間の解放は、使用者の負担が結構大きいのだ。

 

曜は、すぐさま横になって寝むってしまった。

 

 

千歌「………………………」

 

ーーー

ーーー

 

黒い空間………

 

 

千歌「う………う〜ん………あ、あれ?」

 

 

千歌は眼を覚ました。

何故か、謎の黒い空間の中に居る。

 

 

千歌「ここは………?確か私、みんなの所に帰って来て………それで………、思い出せない。」

 

 

千歌は起き上がる。と、千歌が向いている先にかなり小さい白い点が見えた。そして、どこからか女の子の声が聞こえてきた。

 

 

『眼が覚めたんだね。千歌ちゃん!』

 

千歌「………誰?」

 

『う〜ん………何て返せば良いかな?まぁ、天の声とだけ教えておくね。それより、奥に白い点が見えるよね?その白い点に向かってまっすぐに歩いて。』

 

千歌「え?」

 

『この空間では私に従ってほしいな。』

 

千歌「うん、分かった………」

 

 

千歌は天の声を名乗る少女の声に従って白い点を目指して歩き出す。

 

 

千歌「ねえ天の声さん、ここは、いったいどこなの?」

 

『う〜ん、この質問もどう返せばいいんだろう。まぁ「死と生の狭間」って場所かな。』

 

千歌「「死と生の狭間」………って、私死んじゃったの⁉︎」

 

『ううん、完全には死んでないよ?まぁ、でも現実の世界では半分死んでる状態じゃないかな?仮死状態ってやつ。』

 

千歌「半分………死んでる………。」

 

『ああ!落ち込まないで?千歌ちゃんが今「死と生の狭間」に居るって事は、まだ生き還れる可能性があるって事だよ。』

 

千歌「ほんとに⁉︎」

 

『うん!だからまずは、あの白い点を目指してレッツゴーだよ!』

 

 

しばらくして………

 

数分ぐらいが経っただろう。どれだけ歩いても白い点に近づいている気がしない。

 

 

千歌「ちょっと………ってゆーか、かなり遠くない?」

 

『大丈夫、絶対に辿り着けるよ。あ、そうだ千歌ちゃん!今、いくら歩いても疲れてないでしょ?』

 

千歌「え? うん。確かに、全然疲れてないかも………半分死んでるからかな?」

 

『というか、この空間に「疲れる」なんて概念は無いよ。だからいくらでも何時間でも走ってられるよ。』

 

千歌「ほんとに?もう、早く言ってよ〜〜、じゃあ走るよ!」

 

 

千歌は走ることにした。

 

それから………どれだけ走ったのだろう。白い点は少し大きくなって来たが、まだまだ先だ。

 

 

千歌「凄い!どれだけ走っても全然疲れないよーー!」

 

『でしょ!さぁ、先を目指してどんどん進もう!』

 

 

近づいていく毎に先の白い点はの正体が光だと分かった。

黒い空間に一点だけある白い光………千歌はそれをどんどん目指して走る。

 

 

千歌「あれって………光?」

 

『そうだよ!』

 

千歌「あ………もしかして、あの光に辿り着くと生き還れるとか?」

 

『さぁ、どうだろう。でも、あの光を目指して進まないと、ほんとに死んじゃうからね。今は生きる為にあの光を目指そう。』

 

 

ーーー

ーーー

 

冥府の巣窟………

 

 

ギラはドラゴンフォースの力を抑え込もうとしていた。その影響で、ギラはまるで、炭のように真っ黒に染まり、固まってしまっていた。

 

それからしばらく経って………

 

 

ギラ『………………』ピシッ……ピシッ……ピシッ……!

 

 

アルカー『⁉︎ おい見ろよ!ギラ様の身体が………!!』

 

ファーズ『!!』

 

ジルバ『どうしたんすか⁉︎』

 

 

ギラの全身を覆っていた真っ黒な炭のような表面が次第にヒビ割れ、崩れていく。そこからは肉肉しい身体が現れ、そして、全身を覆っていた炭のような表面が全て崩れ去り、ギラが目を覚ました。

 

その様子を見ていた冥府四天龍達………

 

 

ギラ『………………』

 

ヴレン『ギラ様!お目覚めになられたのですね⁉︎』

 

ギラ『お前達………我は、どうなっていた?確か我は………高海千歌を降し………ドラゴンフォースの力を奪った、そして我は、体内で暴走するドラゴンフォースの力を抑え込もうと足掻いといた………その後は覚えておらぬ………』

 

ヴレン『ギラ様は今まで、ずっと眠りについておられました。』

 

ギラ『そうか………』

 

 

ギラは自分の身体に流れる別の力を感じとる。

 

 

ギラ『ふむ………、ドラゴンフォースの力が、我の中に流れているのを感じる………どうやら寝ている間に身体が順応したようだな。』

 

ファーズ『ではギラ様、さらに強くなられたのですね。』

 

アルカー『聞かなくても分かるだろ………すげぇ闘気が溢れてやがる!』

 

ジルバ『さすがです。ギラ様………』

 

ギラ『ふん………、我の全身に流れる膨大な力の一部を、お前達に分けてやろう………。』

 

 

そう言うとギラは、四天龍達に手をかざす。すると手から赤黒いオーラが四天龍達を包み込む。

 

そして、四天龍達の胸部に禍々しい1つ眼のマークが現れ、四天龍達に溢れんばかりの力を与える。

 

 

ジルバ『お、おお………!』

 

ファーズ『この力の高まりは………!』

 

アルカー『ははははは!凄え!力が溢れ出すようだーー!!』

 

ヴレン『私の中に………ギラ様の力が、流れ込んで来る………ありがたき幸せ……』

 

 

ギラ『お前達はもはや〈冥府四天龍〉ではない………、これよりお前達に〈冥府四神官〉の称号をやろう。我と共に戦え!』

 

 

冥府四神官『全ては冥府の世界の為に!』

 

 

ーーー

ーーー

 

黒い空間………

 

 

千歌は先にある白い光を目指してずっと走っていた。

 

いくら走っても疲れない状態に少し変な気分を感じるが、全く疲れないに越したことはないのでどんどん走り続ける。

 

 

千歌「光が少し大きくなってきた………少しでも近づいてるんだ!」

 

『頑張って千歌ちゃん!』

 

 

 

さらに、さらに、しばらく走り続けて………遂に、千歌は白い光の前まで辿り着いた。

 

 

千歌「やっと着いた……!」

 

『やったね、千歌ちゃん』

 

 

千歌が光の中に入ろうとした時、天の声が一旦止める。

 

 

『待って千歌ちゃん。』

 

千歌「どうしたの?」

 

『この光の先に行けば、確かに千歌ちゃんは生き還れる。でも、この空間よりももっと長い道のりが待ってる。それでも行く?』

 

千歌「……………もし、ここに残ったら、どうなるの?」

 

『そうだね。黄泉からお迎えが来るかな。』

 

千歌「そっか………じゃあ行く!」

 

『ほんとに良いの?この空間に時間の概念は無いから、もしかしたらあっちの世界に戻る時には何時間も、何日も経ってるかもしれない。それでも行く?』

 

千歌「うん、行くよ。」

 

『そっか、分かった。』

 

 

そして千歌は、躊躇うこともなく光の中に入った。

 

光の中には、青空のような明るい空間になっていた。そして千歌の前には、巨大な門があった。

 

 

千歌「凄い………」

 

『ここから先、私はもう千歌ちゃんに語りかける事は無いから、ほんとに1人だけの道のりになる。めげずに進んでね!』

 

千歌「うん!」

 

『あ!後1つルール。この門の先の道で、絶対に振り返っちゃダメだよ。もし振り返ったら、またあの黒い空間に戻されちゃうからね!』

 

千歌「うん、分かった!」

 

『じゃあ、諦めないでね………待ってるよ。』

 

 

そして、天の声はぱったりと聞こえなくなった。

 

 

千歌「よし!」

 

『待たれよ。』

 

 

千歌が歩き出そうとした時、どこからか、今度は男の声が聞こえた。

そして、扉の中から、全身が金色の人型と、銀色の人型が現れた。

 

 

『私は金閣』

 

『俺は銀閣』

 

金閣/銀閣『我ら、『蛇道(じゃどう)の門番』なり。この門より先、何人も通す事叶わず。』

 

 

千歌「え、え………?」

 

金閣『娘よ、名は?』

 

千歌「高海千歌です。」

 

銀閣『では千歌、お前はこの門の先に行きたいのだろう?』

 

千歌「あ、はい!」

 

金閣『ならば我らと勝負せよ。』

 

千歌「勝負………ですか?」

 

 

金閣と銀閣はデッキを取り出した。

 

 

金閣『そうだ。この「相棒闘技」の紙束で……』

 

銀閣『俺らに勝利してみせよ!』

 

 

ーーー

ーーー

 

十千万 前の砂浜………

 

 

サツキは上空の黒い穴を見ていた。何か異常は起こらないか、と監視しているのだ。

 

 

サツキ「………………」

 

果南「サツキさん?」

 

サツキ「果南ちゃん……、みんなも………」

 

ダイヤ「何をしておられるのです?」

 

サツキ「いや、大した事じゃないよ。それよりみんな、何か用かい?」

 

鞠莉「実は………見えるの。私達にも。」

 

サツキ「見える?」

 

花丸「正確には、見えるようになっていた。ずら」

 

ルビィ「千歌ちゃん達が言ってた黒い穴が………私達にも見えるようになっていたんです。」

 

善子「今朝起きてからずっとね。」

 

サツキ「ほ、ほんとかい⁉︎」

 

ダイヤ「ええ。」

 

 

その時、サツキのスマホに電話がかかってきた。

 

 

サツキ「あ、みんなごめん………もしもし?」

 

局長『サツキ君!』

 

サツキ「局長?どうしたんです?」

 

局長『サツキ君、近くにテレビはあるかい?』

 

サツキ「テレビ………ですか?」

 

局長『ああ、あったら至急確認してもらいたい。』

 

 

局長の様子から何かを察したのか、サツキはみんなに目配せをする。

 

 

鞠莉「私、ワンセグのアプリがあるわ!」

 

 

サツキ達は鞠莉のスマホのワンセグを確認する。すると、とんでもないニュースをやっていた。

 

 

『突然、上空に現れた黒い穴のようなモノに、住民はパニック状態になっています。なお………』

 

ーーー

 

『みなさん、落ち着いてください。冷静に判断しましょう。』

 

ーーー

 

『これは、どう考えても説明できない現象です。周りからは「世界が滅ぶ前兆」だと言う声も………』

 

ーーー

 

『昨日まで何も無かった空に大きな黒い穴のようなモノが現ると言う現象に街の人達はパニックに………』

 

ーーー

 

サツキ「これは………⁉︎」

 

ダイヤ「もしやとは思いましたが、他の方々にも見えるようになっていましたか………!」

 

鞠莉「全国の人々にも見えてるのね。」

 

果南「いったい、どうなってるんだろう………」

 

 

その時、善子が何かに気づく。

 

 

善子「みんな!あれ見て!」

 

花丸「どうしたの?善子ちゃん?」

 

善子「ヨハネ!って場合じゃないわ、黒い穴が……広がってるのよ!」

 

サツキ「え?」

 

 

上空を見上げると、善子の言う通り黒い穴が少しずつ広がって大きくなっている。

 

 

サツキ「いったい何が起こってるんだ……?」

 

 

すると、拡大した黒い穴の中から、〈元 冥府四天龍〉のアルカー、ファーズ、ヴレン、ジルバが現れ、そして………冥府龍王 ギラ が翼を広げて黒い穴により少し高い位置まで羽ばたく。

 

 

ギラ『生きとし生ける全ての者達よ、聴け………我が名は「冥府龍王 ギラ」………。お前達の魂を解放し「死」の概念から救う王だ。』

 

 

 

ザワザワザワザワ

 

「何、あれ?」

 

「バディファイトのイベントか何かかな?」

 

「あの黒い穴から出て来たんだからヤバいって!」

 

 

 

ギラ『我ら冥府龍はこれより、お前達の魂を肉体という器から解放し、「死」が存在しない冥府の世界へと転生させる。大人しくしていれば危害は無い。だが、抵抗するようならば、バディファイトによる粛清もいとわぬ。』

 

ヴレン『お前達人間に選択肢などない。』

 

 

ギラは腕を振り上げる………

 

 

 

ーーー

ーーー

 

 

ザワザワザワザワ

 

「え?どういうこと?」

 

「つまり、俺達は死なない世界に行けるって事か?」

 

「馬鹿、死んだ人達とも会えるって事は、結局は死後の世界って事だろ!」

 

「じゃあ私達、実質殺されるって事じゃない!」

 

「マジかよ〜!」

 

「お、おい………何かヤバいって!逃げるぞーー!」

 

 

人々は一斉に逃げ出す………!

 

 

ーーー

ーーー

 

十千万 千歌の部屋

 

 

グリス『ギラ………!』

 

真柴「アイツら、動き出したのか⁉︎」

 

曜「そんな⁉︎」

 

梨子「まだ、千歌ちゃんが目を覚ましてないのに………!」

 

炎斬「くそ!」

 

曜「………真柴君、行って!」

 

真柴「曜?けど、俺が行ったら千歌は………」

 

炎斬「大丈夫だ。お前1人居なくても俺達で千歌を助ける。」

 

梨子「うん、だから先に行って。真柴君、グリス!」

 

ギラ『お前達………ありがとう。』

 

真柴「………行くぞ、ギラ!」

 

 

ーーー

ーーー

 

サツキ「くっ………!」

 

果南「行こう、サツキさん!」

 

ダイヤ「私達は戦う事を選びました。千歌さん達が戦えないのならば………」

 

鞠莉「私達が全力で戦うわ〜!」

 

ダイヤ「鞠莉さん!私の台詞を取らないでください!」

 

花丸「覚悟は決まってるずら!」

 

ルビィ「うん!」

 

善子「私のリトルデーモン達に危険が迫っている………今こそ、ヨハネの出番よ!」

 

サツキ「みんな………」

 

 

グリス『ギラーーー!』

 

真柴「ギラ!」

 

サツキ「真柴君!グリス!」

 

ダイヤ「真柴さん!どうして⁉︎」

 

真柴「千歌はみんなに任せて来た。俺とグリスもアイツらと戦う!」

 

果南「曜と梨子なら「先に行け」って言いそうだね。」

 

 

グリス『ギラ!貴様ら本気か⁉︎本気で人間達を………虐殺するつもりか⁉︎』

 

ギラ『グリス………、思い違いをするな。我らが成すは魂の解放だ。』

 

グリス『(てい)のいい言葉を選んで言っても、やろうとしている事は虐殺と同じだ!』

 

ギラ『……言葉を交わすだけ無駄か………、良かろう。ならば少しルールを変えよう………。10分だ。』

 

グリス/真柴『?』

 

Aqours/グリス「?」

 

 

ギラ『10分経つ毎に、人間達の魂を冥府へと導く。』

 

グリス『何………?』

 

ギラ『多くの人間達を救いたければ、より早く我らを倒さねばならぬ。それができるならば、我らに挑むが良い。』

 

 

すると、上空の黒い穴から沼津市方面へと建造物の巨大な塔が現れる。

 

 

ギラ『では、待っているぞ。』

 

 

ギラはと冥府四神官は、建造物に向かって飛んで行く。

 

 

果南「なんて奴………」

 

真柴「全ての人を救うには、10分以内にギラの元に辿り着いいて倒すしかないって事か………」

 

善子「10分でケリつけるなんて絶対無理じゃない!」

 

花丸「確かにそうずら………」

 

ルビィ「うゅ………」

 

ダイヤ「それでも、戦うしかないですわ。」

 

サツキ「ああ、そうだね。確かに、10分でケリをつけるのは無理だ。だからと言って、奴らに挑まない訳にもいかない。」

 

鞠莉「そうね。10分おきに犠牲が出るなら、それこそ放っておいたらもっと多くの犠牲が出るわ!」

 

サツキ「その通り。今こうして手をこまねいていても、時間を浪費するだけだ。より多くの人を守る為に、奴らと戦おう!」

 

 

全員、覚悟を決めて頷く。

 

 

真柴「よし、行くぞ!」

 

 

ついに、冥府龍達との決戦が始まる!

 




今回も感想を是非‼︎


今回も若干の無理やり急展開になりました。
決戦までの段階を踏むのって本当に難しい。

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