バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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力を持つ者

前回の『バディファイトLoveLive! サンシャイン‼︎』

 

 

千歌、曜、梨子は突然現れて襲いかかって来た謎のモンスターとファイトし、3人とも無事に勝利した。

 

ーーー

ーーー

 

静岡私立第5学院高校 放課後………

 

 

流は帰り支度を済ませて、いつも通りに天音に声をかける。

 

 

流「天音、帰ろうか。」

 

 

が、ピロリンと音がなる。どうやら流が声をかけると同時にスマホに通知が来たようだ。

 

 

天音「あ、ごめんね。マネージャーからLINEが来て………今から打ち合わせがあるみたいだから………」

 

流「………長くなりそうか?」

 

天音「う〜ん、分かんない。」

 

流「そうか、なら待つよ。」

 

天音「え?悪いよ、長くなるかもしれないし………」

 

流「天音を待つくらい余裕だよ。」

 

 

流の何気ない言葉と優しさに、嬉しさで天音の頰は薄く紅潮する。

 

 

天音「ありがとう。」

 

流「行こう。」

 

ーーー

ーーー

 

学校から50分くらい歩いた辺りで、高級そうな赤い車が駐車されている。側には、黒髪でうなじまでのミニポニーテールで、メガネをかけた黒いスーツのスラッとした高身長の女性が立っていた。

 

 

「あ、天音ちゃん!」

 

天音「朝三原さん!」

 

 

彼女は朝三原 夏利(あさみはら なつり) 天音のマネージャーを務めている女性だ。体型はすらっとバランスが良く、彼女もモデルではないかと思うほど、綺麗な人だ。

 

通り過ぎていく男性達もチラチラ彼女を見ながら通り過ぎて行くほどだ。はっきり言って、隣にいる現アイドルの天音より目立っている。

 

 

夏利「あら、星野君も一緒に来たの? でもごめんなさい、関係者以外ミーティングには参加できないの。しばらく待っててくれる?」

 

流「分かってます、僕は大人しく天音を待つだけですから。」

 

天音「流くん、待ちくたびれたら別に先に帰ってもいいんだからね?」

 

夏利「ふふふ、このちょっと近くにコンビニとか公園があるからそこで時間を潰すと良いわ。大丈夫、なるべく時間が長引かないようにするからね。」

 

 

夏利は優しい笑みを向ける。

この人が天音のマネージャーで良かったと流はつくづく思う。

 

 

流「天音をよろしくお願いします。」

 

夏利「はい。お願いされました。」

 

 

その2人に天音は少し頰を膨らませる。

 

 

天音「もう。早く行きましょう、朝三原さん!」

 

夏利「ふふふ、あらあら。」

 

 

天音は朝三原夏利の腕を引っ張るように建物に向かって行く。

 

 

流「ミーティング しっかりな、天音。」

 

天音「うん!」

 

 

夏利と天音が建物の中に入って行くのを見送って、流は建物の前にある地図を見る。

 

夏利が言ったように、近くにはコンビニと公園がある。だが、この建物からコンビニまでは徒歩で10分ぐらい、そしてコンビニから公園までは20分くらいかかる。確かに、適当に時間を潰すにはいい距離感ではある。

 

 

流「先ずはコンビニにでも行こうかな。」

 

 

流は10分くらいの距離にあるコンビニで少し立ち読みし、その後、菓子パンや惣菜パン、ジュースなどを買って公園に向かう。

 

 

「さっさと公園から出て行け!化け物!」

 

「ぐっ………」

 

流「うん?」

 

 

流が公園に着くと、怒声が聞こえてくる。

 

 

「気持ち悪りーんだよ!」

 

「どっか行っちまえ!」

 

「公園に居られたら迷惑なんだよ!出てけ化け物!!」

 

 

何やら、3人くらいの少年達が、1人の少年に石やら缶を投げつけて公園から追い出そうとしているようだ。

 

 

「うっ………ぐっ………」

 

 

1人の少年はうずくまり我慢するだけだ。

すると石を投げていた少年の1人が、自分の手よりも大きい石を拾い上げて、その石を少年めがけて思いっきり投げつける。

 

 

「………っ⁉︎」

 

 

だが、当たる寸前でその石を謎の手がキャッチする。

その手の正体は、星野 流だった。

 

 

「え………?」

 

流「彼を追い出すにしても、こんな大きい石をぶつける必要はないだろ!」

 

「あ? 何だよお前!」

 

「化け物の肩を持つのか?」

 

流「化け物………?」

 

「ああ、そいつは化け物なんだよ、だから公園から………いや、町から追い出すんだよ!」

 

流「ふざけるな!そんなの君達の自分勝手だ!」

 

「なんだと⁉︎」

 

「やっちまうぞ!」

 

「やめろ! なんか萎えたわ、帰ろうぜ。」

 

「チッ、明日は公園来んなよ!」

 

 

そう言って、3人の少年達は公園を出て行った。

それを見送って流はうずくまる少年に声をかける。

 

 

流「君、大丈夫?」

 

「ああ、うん………」

 

流「立てる?ベンチに座ろうか。」

 

「大丈夫………自分で、立てる」

 

 

流は少年を立たせてベンチに座らせる。

 

 

流「災難だったね。」

 

「………いつもの事だよ。」

 

流「………………あ、パン食べる?ジュースもあるよ。」

 

「え?」

 

流「少し買いすぎたんだ。」

 

 

流の少しズレた言葉に少年は少し驚くが、素直にそれを受け入れる。

 

 

流「………………」

 

「………………」

 

 

2人はしばらく無言でパンを食べる。

少年も少しは落ち着いたようだ。

 

 

「ありがとう………助けてくれて。あとパンとジュースも。」

 

流「いいんだよ。僕は星野 流、君は?」

 

「俺は、紫ノ咲 俠兵(しのざき きょうへい)。よろしく、流君」

 

流「別に呼び捨てでいいよ。」

 

俠兵「なら俺も、呼び捨てでいい………流」

 

流「うん、俠兵」

 

流「あいつら、俠兵の事を"化け物"って呼んでたけど、どういう事なんだ?」

 

俠兵「………………」

 

流「あ、ごめん………答えたくなかったらいいんだ。」

 

俠兵「ごめん………流」

 

 

俠兵の様子を見て、流は自分の事を思い出していた。

かつて流も"化け物"と呼ばれた事があった。だが、天音やAqoursのみんなは、自分の事を優しく受け入れてくれた。

 

流は今、自分が化け物のような姿だった時と俠兵を重ねていた。

 

 

「お〜い!流君〜〜!」

 

 

すると、遠くから流を呼ぶ声が聞こえる。

見ると、公園の入り口前に天音がいた。どうやら予定より早くミーティングが終わったようだ。天音は手を振りながら公園へ駆け出す。

 

だが天音が駆け出した時、大きな轟音を立てながら、大型トラックが猛スピードで走って来る。

 

 

流「っ⁉︎ 来るな天音!!」

 

天音「え………?」

 

 

流の声に驚いた天音は立ち止まるが、タイミングが悪く道の真ん中で立ち止まってしまう。大型トラックは構わず天音に一直線に向かって来る………

 

 

流「天音ーーー!!」

 

 

流は天音の元に全力で走り出し、天音の頭と肩を抱えて庇う。

だが大型トラックの方がわずかに速い!

 

 

俠兵「あ、危ない!!」

 

 

大型トラックが流と天音に迫る………!

 

 

流「くっ………!!」

 

天音「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

ドガッシャァァン………!!

壮大に大きな騒音が立ち、辺りはしばらく沈黙し、そして騒然となる………

 

 

流「天音!大丈夫か⁉︎」

 

天音「え?あ、うん………、でも、アレ………」

 

流「え?」

 

 

流と天音は無事だった。

あんな大型トラックが猛スピードで向かって来たにも関わらず、いったいなぜ2人は無事だったのか………その答えは、天音が指差した先にあった。

 

流と天音にぶつかる直前で、大型トラックは横転していた。

しかも大型トラックのコンテナがまるで巨体な鉄球にでも弾かれたかのように、大きく深く凹んでいる。

 

 

流「なんだ、これ………? 俠兵がやったのか………?」

 

 

俠兵は腰を抜かして、尻餅をついている。

そして手を倒れているトラックに向けていて、手の平からは薄煙が出ている。

 

 

俠兵「あ、ああ……ああ………うああああああ!!」

 

 

自分の力を流に知られた俠兵はその場から逃げるように走り出して行ってしまった………

 

 

流「俠兵!………天音、立てる?」

 

天音「うん、大丈夫………ちょっと腰が抜けちゃって………でも立てるよ。」

 

流「そうか、ごめん天音、ちょっと追いかけて来る!」

 

天音「え?ちょ………っ 流君! 待ってよ〜〜!」

 

 

流は俠兵を追いかけて行ってしまった。

天音も流を追いかけて走る。

 

ーーー

ーーー

 

公園から離れた場所

 

 

俠兵(はぁ、はぁ、はぁ、………知られた、俺の力を………)

 

 

俠兵には生まれ持った異質な力がある。

それは、念動力にも近い力………、念を送る事で物を動かしたり、持ち上げたり、衝撃を与えたりと、人道を超えた力があるのだ。

 

だが、俠兵自身この力を自由に制御できるわけではない。たまに無意識に念動力が発動する時もあれ、感情が昂ぶった時に暴走する時もある。 ゆえに俠兵はクラスメイトや、力の事を知っている人達から"化け物"と呼ばれるようになった。

 

俠兵はこの力のせいで何度も不幸を味わって来た。

 

俠兵が中学の時、母親は力を持って産まれた俠兵の事を悔やんで自殺し、父親は別の女を作って家を出て行った。親戚の人間はみんな俠兵を気味悪がり、引き取り手は皆無………若干14歳で天涯孤独の身となってしまった。

 

学校でも、俠兵の力を見た生徒や先生は俠兵を"化け物"だと嫌い、蔑み、虐げてきた。学校でも家でも俠兵は孤独だ………、それでもやっぱり1人は寂しかった。だから学校に通い続けた。自分の力を知ってる人間のいない場所まで散歩もする。

 

缶や石を投げられても我慢する。感情が昂ぶっらないように、力が暴走しないように我慢し続けて来た。

 

だが今さっき、自分はまた力を使ってしまった。

 

 

俠兵(流と、あの女の子に"化け物"だと思われたかな………また、繋がりを無くしてしまった………)

 

「俠兵!!」

 

俠兵「流………」

 

流「はぁ、はぁ………、やっと追いついた」

 

俠兵「な、なんで追って来たんだ。」

 

流「それを聞くなら、なんで逃げるんだよ。」

 

俠兵「なんで……? 見ただろ、あのトラックを………俺の力は、ああいうものなんだよ………!」

 

流「俠兵、自分の力が恐いんだね………?」

 

俠兵「………………」

 

流「………………」

 

 

天音「おーーーい!」

 

 

2人が沈黙していると、天音が流達に追いついて来た。

 

 

流「天音!」

 

俠兵「あの子………!」

 

 

俠兵は天音を見て後ずさりし逃げようとするが、流が腕を掴んで静止した。

 

 

流「逃げなくていいよ。天音なら大丈夫だから」

 

俠兵「でも………」

 

天音「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ………や、やっと追いついた〜〜!」

 

流「お疲れ。」

 

天音「お疲れじゃないよ〜〜! あ、君さっきいた………」

 

俠兵「………………」

 

天音「さっきのトラック、君がやったんだよね?」

 

俠兵「ああ………」

 

天音「さっきはありがとう。助けてくれて、命拾いしちゃった。」

 

俠兵「え………? なんで、俺が気味悪くないの………?」

 

天音「え? なんで助けてくれた人を気味悪がるの? 助けてくれたんだもん、お礼くらい言うでしょ。」

 

俠兵「………………」

 

流「な、天音なら大丈夫だって言ったろ。」

 

 

俠兵にとって初めてだった。誰かからお礼を言われたのは………

気がつくと、俠兵は涙が溢れていた。

 

 

天音「あ、あれ? な、なんで泣くの⁉︎」

 

俠兵「ご、ごめん………初めてだったから、こんな化け物みたいな力を使って………お礼を言われたのが………嬉しくてさ、こんな力でも、守れるものがあるんだってさ………」

 

流「僕からもお礼を言うよ、天音を助けてくれてありがとう。俠兵君。」

 

俠兵「お、俺はただ夢中だった………2人が危ないって、助けなきゃって………思ってたから、力が無意識に発動して………」

 

流「いや、無意識なんかじゃないよ。正直、君の力はまだよく分かんないけど、さっき助けなきゃって思って力を使ったんだろ?ならそれは、君の思いが強かったから使えたんじゃないかな?」

 

俠兵「思いが強かった………?」

 

流「うん。今までだってそうだったんじゃない?」

 

俠兵「………………よく分かんないよ、でも、やっぱりこれは"化け物"の力だ………。」

 

流「それは使い方の問題だよ。少なくとも、僕と天音にとっては、僕達を助けてくれた、救いの力だと思っているよ。」

 

天音「うん!じゃなきゃ私達は今頃大変な事になっていたかも。」

 

流「俠兵、自分の力に自信を待つんだ。」

 

俠兵「自分の力に、自信を………?」

 

 

俠兵は自分の力についてずっと考えていた。

俠兵自身にとっては、この力はマイナスでしかない、文字通り"化け物の力"としか思っていなかった。

 

だが、時と場合によっては、誰かを助けられる力にもなれるんだと気づく。いや気付かされた。

 

 

俠兵「ありがとう。流、それと………」

 

天音「あ、私は響 天音!よろしくね。」

 

俠兵「よろしく、天音」

 

天音「うん!」

 

俠兵「今日はもう帰るよ。それじゃあ」

 

流「うん、またね。」

 

天音「ばいぱい、俠兵君!」

 

 

俠兵は出会った時よりは少し背伸びをして去って行った。

それを見送ってから流と天音も家に帰ろうとしたのだが………

 

 

流「ヤバい………、道、分かんねー………」

 

天音「えー………」

 

 

どうやら俠兵を追いかけるのに夢中で元の道来た道を忘れてしまったらしい………、すると2人の耳にクラクションが聞こえる。

 

振り向くと、高級そうな赤い車が走って来る、天音のマネージャーの朝三原 夏利の車だった。

 

 

夏利「2人とも〜〜!」

 

天音「朝三原さん!」

 

流「良かった………」

 

ーーー

ーーー

 

天音と流は、天音のマネージャー、朝三原夏利の車で家まで送ってもらう事にした。

 

朝三原 夏利の車中………

 

 

夏利「2人、ほんとに無事で良かったわ〜〜。 "公園の前で事故があった"って聞いて驚いたわよ〜〜。」

 

夏利「しかも、天音ちゃんがちょうど公園に着くか着かないかって時間によ。嫌な予感がして現場に行ったら大型トラックが派手に横転してて、公園に2人とも居ないし、ほんとに焦ったんだから!」

 

流「じっとしてなくて、すみません」

 

天音「ごめんなさい………」

 

夏利「別に怒ってないよ。むしろ現場に居なくて安心半分したかな。」

 

 

それからしばらく経って、流と天音は無事に家に送り届けられた。

 

ーーー

ーーー

 

翌日、とある高校………

 

 

紫ノ咲 俠兵は、公園で石を投げてきた3人に校舎裏に呼び出されていた。

 

 

少年1「よお化け物、お前よく毎日のこのこ学校に来れるよな?」

 

少年2「二度と外に出るなって言ったよな〜〜!!」

 

俠兵「俺は化け物じゃない、紫ノ咲 俠兵って名前がある!」

 

少年3「口答えしてんじゃねー!」

 

 

俠兵は少年3に殴られる

 

 

少年1「昨日の公園前で起こったトラック事故、あれお前がやったんだろ?」

 

俠兵「………………」

 

少年1「俺の母ちゃんが働いてる病院に事故ったトラックの運転手が運ばれて来てよ、その運転手………全治5ヶ月の大怪我らしいぜ。」

 

俠兵「え………?」

 

少年1「下手したら死んでたってよ。お前、ついに人を()っちまうところだったわけだな〜〜」

 

 

俠兵は酷くショックを受けた。確かに"化け物の力"を使って大型トラックを横転させたのは自分だ………だけどそれは、轢かれそうになった流と天音を助ける為だった。

 

けど確かに、俠兵は流と天音を助けられた事に満足し、運転手の事なんか微塵も考えていなかった………

 

 

俠兵「まさか、そんな大怪我を………」

 

少年1「やっぱりお前は、最低最悪の"化け物"だ。」

 

少年2「もうこの街から出てけとは言わねぇ………

 

 

「この世から出てけ!」

 

 

3人の少年は寄ってたかって俠兵を殴る蹴るを繰り返した。

俠兵はまたうずくまって我慢するのみ………

 

 

ーーー

ーーー

 

俠兵は暴力に我慢する中で、ただ自分の力に後悔する。

 

 

俠兵(ごめん流、天音………やっぱり、俺は"化け物"だ……… やっぱり俺の力は、救いの力なんかじゃない! なんで、なんで俺にこんな力が………!)

 

(知りたいか? 己の力の意味を………)

 

 

自分の力に後悔する中で俠兵の中に突然謎の声が響く………

 

 

俠兵(だ、誰だ………?)

 

(我の名はいずれ教えよう。 お前は考えた事があるか? なぜ己が異質なる力を持って産まれたかを………)

 

俠兵(………あるよ。いつも考えてた、なんで俺はこんな力を持っているのか………でも全然分からないんだ………!)

 

(ふむ………、だが人間とはなんと愚かで下等な存在か。)

 

俠兵(え?)

 

(お前には分かるか?なぜ彼らは、お前が異質なる力を持っていると知りながら、なぜ抗って来るのか。)

 

俠兵(な、何を?)

 

(彼らは恐れているからだ。お前を、異質なるお前の力を………)

 

俠兵(恐れてる? 俺の力を………)

 

(そうだ。恐怖ゆえに、彼らはお前を(しいた)げ、(さげす)み、拒絶する。いつかお前の力が自分達に牙を向く前に………、言葉と暴力で排除しようとする。実に愚かで脆弱なる本能だ。)

 

俠兵(俺は………どうすればいい………?)

 

(簡単な事………お前の力を振るえば良い。)

 

俠兵(………………)

 

(お前には力がある、その力を見せつけて認めさせればいいのだ。力を持つお前の方が優れていると。)

 

俠兵(俺の方が優れている………?)

 

(そうだ。その力はお前だけのもの………お前にのみ与えられた異質なる力………。全てを支配し、屈服させる力だ。)

 

俠兵(支配………屈服………)

 

(そうだ。お前はその力で、お前を拒絶する全てを屈服させる!この世の全てを支配し、己が望む世界の"王"として君臨するのだ。)

 

俠兵(俺が"王"に………)

 

(そうだ。己が力に自信を持て、そして誇るがよい。我もお前の力となろう………我と共にただの"化け物"ではない、全てを屈服させ支配する"王"となるのだ。)

 

俠兵(ただの"化け物"じゃない………全ての"王"になる………、俺が"王"になる……!)

 

(さぁ、お前を拒絶する者達に裁きを与えよ、そして屈服させるのだ。)

 

俠兵(ああ………!)

 

ーーー

ーーー

 

少年1は、思いっきり俠兵の頭を踏みつけようとしたが、寸でのところで俠兵は腕でその足を弾く、そして立ち上がる。

 

 

俠兵「………………」

 

少年1「なっ………?」

 

少年2「なんだ、やるのか⁉︎」

 

少年3「待て、なんか変わったか………?」

 

 

少年3人にも分かる………、俠兵の目つきが鋭くなっていて雰囲気も少しピリついて感じる。そして俠兵からは黄黒いオーラが溢れ出て見える。

 

そして俠兵は静かに少年達に近寄る。今までとは違う俠兵の雰囲気に少年達も思わず後ずさりしてしまう。

 

 

俠兵「君達、ほんとは俺を恐れているんだろ?」

 

少年1「は、はぁ?そ、そんなわけあるか………!」

 

俠兵「誤魔化す必要はないさ……… 大丈夫、その恐怖心はすぐに消えるよ。」

 

 

俠兵は少年達の前に手をかざす。すると俠兵の背後に謎のドラゴンの影が現れる。

 

 

俠兵「さぁ、恐怖を捨て俺に跪け。」

 

少年達「う、うぅ………うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

断末魔の後、3人の少年は地に伏していた。

 

 

俠兵「俺の名前は 紫ノ咲 俠兵だ。」

 

『我が名はガノン………、お前と共に"王"となる存在。これから我らはバディだ。』

 

俠兵「ああ、よろしく ガノン。」

 




今回も感想を是非‼︎


紫ノ咲 俠兵
高校2年/17歳/男子
使用フラッグ:???/バディ:ガノン
見た目:薄い銀髪のショートウルフカット、ガノンをバディにしてから髪が少し伸び、少し逆立ったウルフカットに変わった。
性格:温厚で大人しく優しい
概要:念動力(サイコキネシス)という異質な力を持つ少年。この力のせいで忌み嫌われ虐げられてきた。ガノンをバディにしてから、温厚な性格はそのままに、自分を恐れ虐げる者に少し気丈に振る舞うことがある。
イメージCV.中村悠一 か 宮野真守(←決められん)


次回で400話突破!
ヤベーモンスターが登場する予定!あくまで予定です。

ーーー次回予告ーーー

力とは何か。
得るものなのか、与えられるものなのか。
俠兵はそのどちらでもない、力を持って産まれた彼には資質がある。
全てを屈服させ、支配する"王"としての資質が………

次回『力に選ばれし者』

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