バディファイトLoveLive!サンシャイン!! 作:ヤギリ
前回の『バディファイト LoveLive!サンシャイン‼︎』
魔星軍との戦争を終わらせる為に、千歌とアルナは最後のファイトを始める。 最初から全力、新たに完全成長を遂げた「真ドラゴンフォース"紅天超太陽の型"」を解放してアルナを追い詰める。
アルナもまた「魔星龍神 ドラグズァード・ディルジット・ガノン」に降臨し、脅威の【12回攻撃】で千歌を翻弄する。
ライフも体力もギリギリの千歌は、諦めず、怒涛の反撃の末、必殺モンスター「バルソレイユ"バルソーラーレイ・ギガブラスト‼︎"」によって、ついにディルジットガノンとアルナのライフを0に降した。
◆◆◆
沼津 第13地区………
炎斬「こいつでとどめだ! クリムゾンブルグで攻撃!」
ブルグ『俺の炎を食いやがれ!!』
魔星モンスター『ギャァァァ!!』
真柴「ヴァイオレットグリスで、魔星モンスターを攻撃!」
グリス『はぁぁ!!』
魔星モンスター『グァァァァ!!』
敗北した2体の魔星モンスターは魔星龍域に吸い込まれと消滅した。
炎斬「今の奴らで最後か?」
真柴「みたいだね。」
炎斬と真柴はAqoursの手が届かない範囲の魔星モンスターと戦い、片っ端から片付けていた。 今倒した2体を含めて、炎斬と真柴の2人だけで魔星モンスターを合計20体は倒しただろう。
炎斬と真柴がひと息ついていた時、突然、爆発音と共に、太くて強い光りの柱が立ち昇った。
炎斬「なんだ?ありゃ。」
真柴「分からない。でも、あの光りの感じは………」
炎斬「ああ。 もしかしなくても千歌だな。」
突然立ち昇った光りの柱に2人は驚愕するが、その柱から発せられる光りは優しい温かさを感じる。 そして、その光りの源が千歌であることに2人はすぐに気がつく。 彼女と何度かファイトし、共に戦った2人だからこそ分かるのだ。
真柴「行こう炎斬。 千歌とAqoursのところに」
炎斬「おう!」
炎斬と真柴はグリムとグリスに乗り、光りの柱の発生源の元に向かった。
◆
千歌「バルソーラーレイ・ギガブラストォォォォォォーーー‼︎」
千歌の拳がディルジットガノンを貫き、紅いエネルギーがディルジットガノンとアルナは包み込んで、大きな爆発を起こす。
ディルジットガノン『グアァァァァァァァァァァ!!』
アルナ「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」LP5→0
その大爆発は天を穿つが如く強い光りの柱と消えた。
立ち昇る光りの柱が消えた時、最後までその場に立っていたのは千歌だった。
千歌「はぁ………はぁ………はぁ………」
アルナ「………………」
◆
梨子「勝ったの………?」
曜「うん。千歌ちゃんが勝ったんだ!」
善子/花丸/ルビィ「やったーーーーーーーーー!!」
果南「まったく、ヒヤヒヤするファイトだったね。」
ダイヤ「ですが千歌さんでなければ、勝てなかったかも知れませんわね。」
鞠莉「アメイジングでミラクルなファイトだったわね!」
天音「さすが千歌ちゃんだね。」
流「うん。本当に凄い子だよ。」
俠兵「ああ………。」
◆
千歌との最後のファイトに敗北したアルナは大の字に倒れて、空を仰いでいた。
アルナ「………また、負けちゃったね。」
千歌「アルナちゃん………」
アルナ「やっぱり千歌ちゃんは強いね。完敗だよ。」
アルナは必殺モンスターの攻撃によるダメージで、大の字に寝たまま動く気力はもう無かった。 そしてアルナは千歌の強さを改めて認めていた。
アルナ「ねぇ、千歌ちゃんは自分の家族は好き?」
千歌「え? うん、好きだけど………」
アルナ「アルナも好きだったんだ。お母さんのことも、お父さんのことも………。」
千歌「…………………」
アルナ「でも、お父さんは事故で死んじゃって、お母さんも今は警察に逮捕されちゃってるんだ。」
千歌「そう………なんだ。」
アルナ「………お母さんは、アルナの事を蹴ったり殴ったり、悪口を言って………苦しくて悲しかったけど、それがアルナへの愛情だと思ってた。 でも違うんだよね。アルナがそう思い込んでるだけで、お母さんには愛情なんて無かった………。お母さんも、私も、もう壊れてるんだ。」
千歌「壊れてるなんてそんな………」
アルナ「壊れた人形に誰も愛情なんて持たない。 ただ捨てられて終わり………。 だから私は決めたの。 今度はアルナがこの世界を壊すんだ。愛の無い世界に私の居場所は無い。 全てを破壊して、私の世界を創り直す。ってね………」
アルナは悲しげに、空を仰ぎながら自分の身の上を語る。 その声は悲しげに震えていた。 アルナが異常なまでの明るいテンションで振るまっていたのは、今のこの世界に押し潰されない為の抵抗だったのかもしれない。
それを思うと千歌の目にも涙が浮かんでくる………。
アルナ「千歌ちゃん………、同情して泣いてくれてるの? アルナ嬉しいなぁ〜………」
千歌「うん。 同情してはいるよ………。 でも、アルナちゃんがしようとした事は間違ってる。」
アルナの思いを聞き、千歌は涙を流しながらもアルナのした事に対して"間違った事"だと強く言い放った。
ディルジットガノン『負けた………我が、2度までも………? グウゥオオオオオオオオオ!!!!』
ディルジットガノンは自身の敗北が信じられないとばかりに雄叫びを上げて悔しさと怒りをあらわにする。 だが、ディルジットガノンとアルナの身体は光りとなり、徐々に薄くなっていく。
千歌「アルナちゃん………?」
アルナ「これは契約。 アルナとディルジットガノンはバディを組んだ時から一心同体………。消える時も一緒なんだよ。」
千歌「そんな………⁉︎」
ディルジットガノン『ふふふふふふ………、貴様らの中にも感づいている者も居るであろう。 空に見えるあの彗星こそが、我が創りし世界「魔星龍域」そのものだ。』
ディルジットガノンは空に見える禍々しい黄黒いオーラを放つ彗星を指差し、皆に注目を集める。 その間にも、ディルジットガノンとアルナの姿はゆっくりと薄れていく。
ディルジットガノン『我が消滅した時、あの「魔星龍域」も消滅して消え去る運命よ………。』
ガノンの言った通り、空に見える黄黒い彗星はヒビ割れていき、少しずつその形を崩していく。
魔星龍域はガノンが生み出した世界であり、ガノンは魔星龍域の心臓でもある。ガノンの消滅は魔星龍域の消滅を意味するのだが、ガノンはなぜか含みを持たせるように言葉を続ける。
ガノン『だがまだだ………。貴様らに教えてやろう。魔星龍域の真の正体は、"魔星に葬られたモンスター達の怨念の集合体" そのものだ!』
形が崩れ、砕け散った無数の魔星の破片が様々なモンスターの形をした黄黒い発光体となり、空を覆う。 その数はさっきまで侵攻して来た魔星モンスターの数の比ではなかった。
ガノン「ふははははは………! ファイトに負けても、戦争には勝った! あと4時間もあれば、この地球は数万、数十万、数百枚を超える魔星龍共の怨念によって浸蝕され、新たな魔星龍域へと生まれ変わるのだ!! ふはははははははは………!!!」
ディルジットガノンは勝ち誇ったようにそう言い残して消滅した。
そしてアルナも、ガノンに続くように光りとなって消えた。
天音「そんな………」
俠兵「今度こそ終わるのか………、俺達は、負けるのか………!」
ダイヤ「さすがに、私達だけであの数を相手にするのは無謀ですわ………」
花丸「万事休す………ずら?」
空を覆い隠すほどの魔星龍の怨念の数に、皆が絶望し、立ち尽くすだけだった。 そして無数の魔星龍の怨念が地球を浸蝕しようと迫って来る。
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」
だがその時、大きな怒声と共に複数の赤い炎が数体の怨念を焼き尽くし、紫の影が怨念達を斬り刻んだ。
その怒声の元にみんなが注目する。 そこには見覚えのある赤い髪の少年と紫の髪の少年がいた。
千歌「炎斬君! 真柴君!」
炎斬「よう。千歌」
ブルグとグリスと共に、炎斬と真柴がその場に到着する。
真柴「みんな無事みたいだな。」
曜「2人こそ、無事で良かったわ。」
炎斬「しっかしこりゃあ、とんでもねー事になってんな。」
真柴「魔星龍のボスは倒したんだろ?」
千歌「うん。 でも………」
真柴「一難去ってまた一難か………。」
ガノンを倒してなお、悪化した今のこの状況に、さすがの2人も苦笑いを隠せていない。
『みなさん。ここまで良く頑張ってくれましたね。』
だがその時、さらに聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
聞こえた声の正体は、千歌の姉、志満のバディであり、ドラゴンワールドの"帝"エンデュミアスだった。
千歌「志満ねぇ………、エンデュミアスさん!」
エンデュミアス『良くぞ魔星龍達を退け、ガノンを倒しましたね。後は私達に任せてください。』
千歌「え?」
エンデュミアスは千歌達に
そして………
シャルディー『これはまた、とんでもないお祭り騒ぎですね。』
花丸「シャルディーさん!」
ターミネイトラー『良いじゃねぇか、祭りは暴れて騒いでなんぼだろ!』
善子「ターミネイトラー⁉︎」
イグラス『やはり脳みそまで武器倉庫だな。 まぁ、暴れがいがあるって事には賛同するが。』
ルビィ「イグラスさん!」
蓮月『拙者ら帝、助太刀に参って候。』
ダイヤ「蓮月さん!」
リディナ『待たせたようで悪かったな。』
鞠莉「リディナさん!」
ガァンズァス『こんな老年になっても尚、戦争に出ることになろうとは………。』
果南「ガァンズァスさん!」
ガイナ『我々が来たからにはもう安心だ!』
流「ガイナ!」
ダルガード『人間なんぞ知らんが………、魔星龍共は気に入らん!』
曜「ダルガードさん!」
ディスター『ガノンを倒した功績を素直に称えよう。』
梨子「ディスターさん!」
エンデュミアスに続くように他のワールドの"帝"達も、人間界に現れる。 人間の世界に全てのワールドの帝が集まるのはこれが初めての事。それだけにかなり壮観な光景だ。
真柴「これが、千歌達が言ってた"帝"か………」
炎斬「こいつらも中々の化けもん揃いだな………」
真柴と炎斬は初めて目にする帝達の雰囲気と重圧をひしひしと感じとる。
エンデュミアス『ここは私達に任せて、みなさんは少し休んでいてください。』
「任せて休め」と言われても、魔星龍の怨念の数は数百万を軽く超えるだけの数がある。 さすがの帝といえども、たった10人程度であの数を相手にするのは無謀に思えた。 だが、エンデュミアスは持っていた錫杖を掲げる。すると空や地上に巨大なゲートが幾つも空き、そこから全ワールドの無数のモンスター達が現れる。
ルビィ「す、凄い………」
果南「こんな数のモンスターは初めて見たよ!」
エンデュミアス『こんな事もあろうかと、魔星龍殲滅の為の仲間を集めていました。』
シャルディー『なかなか骨が折れましたがね。』
ターミネイトラー『そうか? 力を見せつけたら簡単に従ってくれたぜ?』
イグラス『それはデンジャーワールドに限っての話しだろ。』
リディナ『集まってくれた同志達には感謝だな。』
魔星龍の怨念の数にはまだ及ばないが、それでもかなりの数のモンスター達が臨戦態勢に入り、帝達の指示を待っている。
エンデュミアス『行きますよ皆さん! 我々のワールドは彼女ら人間のおかげで魔星龍から救われました。 その恩を今ここで返すのです。
今度は私達がこの人間界を救う時………。 皆一斉に、迎え撃てぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』
モンスター達『うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!!!』
エンデュミアスの指示に全てのモンスターが一斉に怨念達に攻撃を仕掛ける。それを皮切りに他の帝達も一斉に怨念達へと向かって行く。
ターミネイトラー『行くぞお前ら! 1匹残らず、ぶっ倒せーーーー!!』
ターミネイトラーは幾つもの武器を持ち替えながら怨念達を倒して行く。
シャルディー『有り余った魔力を発揮するには丁度良いですね。』
シャルディーは他のマジックワールドのモンスターと共に魔法による援護で他のモンスター達を手助けする。
イグラス『さぁ、勇者と魔族、一丸となった力を見せてやろう!』
イグラスは勇者の剣と、魔族の魔力の2つを駆使して怨念達を撃破して行く。
蓮月『行くぞ!蓮月流:百人分身!』
蓮月は百人に分身してカタナワールドの仲間と共に短刀や手裏剣で怨念達を攻撃する。
リディナ『剣を抜け同志達よ! 他のワールドの雄共に遅れをとるな!』
リディナは複数の剣を装備し、さらにレジェンドワールドの騎士達と共に魔星龍の怨念に次々と斬りかかる。
ガイナ『悪しき魔星龍の怨念共よ! 我らの正義の力で消し去ってやろう!!』
ガイナは仲間のヒーロー達やブレイブマシンと共に、レーザーソードで薙ぎ払い、レーザーガンで魔星龍の怨念達を撃破していく。
ガンズァス『若者ばかりに任せっきりではいかんのう。 この老年も少しは本気を出すかのう。』
ガンズァスは両翼を広げて、光のエネルギーを口に集約させて放つ。 放たれた光のエネルギー弾は一体の魔星龍の怨念に当たり、大規模な爆発を起こして広範囲にいる魔星龍の怨念を巻き込む。多分、この一撃だけで200を超える怨念が消滅しただろう。
ダルガード『ガンズァスのじじい、めちゃくちゃやりやがる………。だが、俺の力もじじいに引けを取らねーって事を見せつけてやる!』
ダルガードは両手に力を込めて、黒い魔力の双爪を創り出す。そして魔星龍の怨念達を薙ぎ払う。さらに双爪は斬撃となって飛んで行き、さらに複数の怨念達を巻き込んで薙ぎ払った。
ディスター『魔星龍、そしてガノンの件、全て人間に任せっきりだった………。最後の後始末くらいは我々の手でつける!』
メテオディスターは飛び上がり、複数の竜装機を装備して、広範囲の魔星龍の怨念を一斉掃射で蹴散らす。
◆
千歌「す、凄い………!」
梨子「あれだけの数の怨念達が、次々と消えていく!」
ダイヤ「これが帝達の実力なんですね。」
鞠莉「アメイジング………」
流「これならいける………!」
全ワールドのモンスター達や、帝達の無双っぷりに、Aqoursや流、天音、俠兵、炎斬、真柴、その場にいたみんなが驚愕した。
そして魔星龍の怨念達はほとんど一掃され、その数はついに300体程度にまで減っていた。 だが怨念達は突然一箇所に集まり、そして、たった一体の存在に収束した。 その怨念は黄黒いオーラを纏い、しっかりした実態で人龍の姿体を得ていた。
怨念『グオォォォォォォォォオオ!!』
ターミネイトラー『何だ? 合体でもしたのか?』
シャルディー『と言うよりは、同化か融合かは分かりませんが、一つの個体に集束したって感じですね。』
リディナ『つまり奴は、残りの怨念全ての力が集まった、言わば怨念の集合体か。』
イグラス『だが、一つに纏まってくれたのは助かる。 奴を消せばそこで全てが終わるわけだ。』
エンデュミアス『だとしても、油断してかかってはいけませんよ。 一つに纏まったと言う事は、それなりに手強い相手に進化したはずですから。』
エンデュミアスの見立て通り、一つに纏まった怨念からは強いプレッシャーを感じる。 怨念の集合体の咆哮にほとんどのモンスター達は怯み、体が硬直して動けなくなる。
怨念(光りだ………。光りが見える。 眼が霞むほど眩く、目障りな光りだ………。)
怨念には白い光りが見えていた。その光りは周りを照らし、そして眼を焼くほど明るい。 怨念は辺りを見渡してその光源を探す。 そして見つけた。その光源は地上に立つ1人の少女から発せられている。 そう、怨念が見つけた光源は千歌だった。
怨念は千歌に狙いを定め、勢いをつけて空を蹴り、千歌を目掛けて猛スピードで移動する。
怨念(目障りな光りの源を消す!)
エンデュミアス(? なぜ猛スピードで下降を………?)
エンデュミアスは怨念の集合体が突然猛スピードで下降した事に疑問を覚える。 そして、怨念の集合体が向かう先を見て即座に察する。
エンデュミアス『まさか人間達を狙っている………⁉︎ 皆さん! 奴を止めてください! 奴の狙いは人間達です!!』
エンデュミアスの必死の指示に帝達が即座に反応し、そして怨念の集合体の進行を遮るように立ちはだかり攻撃を仕掛ける。 だが怨念の集合体は、ディスターやシャルディーの遠距離攻撃をを軽々と躱し、近距離で迎え撃とうとするリディナ、蓮月、ガイナ、ターミネイトラーを蹴散らす。 誰もその進行を止められない。
ダルガード『野郎………!』
ダルガードはエネルギー弾を創り出し、怨念の集合体に投げつけようとする。
エンデュミアス『いけませんダルガード! それは人間達も巻き込んでしまいます!』
ダルガード『チッ………!』
エンデュミアスの静止でダルガードは攻撃を止める。 だがその間に、怨念の集合体は勢いよく地上に着地する。
その着地の衝撃と風圧で、千歌以外の全員が吹き飛ばされた。
千歌「みんな! そうか、あいつの狙いは私なんだ………!」
怨念(消す………、光りを、目障りなあの光りを………!)
怨念の集合体は改めて千歌に狙いを定めて攻撃態勢に入る。
千歌「真・ドラゴンフォース………解放!」
千歌は真ドラゴンフォースを解放して拳を構える。 そして怨念の集合体は千歌を目掛けて突撃する。 千歌もそれに合わせて迎え撃つように怨念の集合体に突撃した。
千歌「ハアァァァァァァアア!!」
怨念『キエロォォォォォォォォォォォォオオ!!』
一騎討ち。 千歌の一撃と怨念の集合体の一撃がぶつかった瞬間、強い衝撃が走り、辺りが一瞬だけ沈黙する。
梨子「いったい、どうなったの?」
曜「千歌ちゃんは⁉︎」
みんなの視線が千歌と怨念の集合体に集まる。
怨念の集合体の一撃は千歌をギリギリで翳めており、千歌の拳は怨念の集合体の腹部を直撃していた。
怨念『ググッ………ガァァ………!』
千歌の一撃を受けた怨念の集合体は崩れるように砕け、灰になるように散って、消滅した。
千歌「はぁ、はぁ、はぁ………」
流「終わったのか………?」
エンデュミアス『ディスターさん。』
ディスター『ああ………、周辺に外敵反応は感じられない。 どうやら全ての敵は排除できたようだ。』
リディナ『やっと終わったか。』
千歌が怨念の集合体を倒した事によって、全ての怨念が排除されたようだ。 それは同時に激しかった魔星龍との戦争がついに終わった事を意味する。もちろん、全ワールドのモンスター達と、人類の勝利によって。
果南「やっと全部終わったんだね。」
ダイヤ「ええ、今回は特別厳しい戦いでしたわね。」
善子「さすがに疲れたわね。」
花丸「まるもお腹空いたずら。」
ルビィ「私も。」
鞠莉「なら近い内に、家で祝勝パーティーでもしましょう!」
戦いが終わり、全てのワールドのモンスター達は自分達のワールドに帰り、エンデュミアス以外の帝達も自身のワールドへと帰った。
エンデュミアス『千歌ちゃん。』
千歌「エンデュミアスさん。ありがとうございます。 この街を守ってくれて。」
エンデュミアス『いいえ、私達は当然の事をしたまでですよ。 それに、あなた方も私達の帝都を守っていただきましたからね。』
千歌「それでもエンデュミアスさんの何倍も、ありがとうございます。」
エンデュミアス『ふふふふ………。では、どういたしまして。と受け取らせていただきます。』
それから、サツキや美奈、他のバディポリスが到着して現場の被害状況の確認や、千歌達からの聴取を確認した。
サツキ「紫ノ咲 俠兵君だね。」
俠兵「はい。」
サツキ「君を重要参考人として連行する。」
流「俠兵!」
天音「俠兵君!」
俠兵「流、天音………、ガノンに支配されていたとは言え、これは当然の事だ。ごめん。」
流「謝らなくていいよ。 僕は君が戻って来る事を信じてる。」
天音「私もだよ。」
俠兵「ありがとう。」
魔星龍の王のバディだった俠兵は、魔星軍の中でも記憶がはっきり残っている事と、この戦争を起こした容疑者としてバディポリスに連行された。
千歌達は、魔星龍との戦争が終わった事をやっと実感したのだった。
◆
魔星龍との戦争が終わってから、8日が過ぎた。
千歌達Aqoursと流、天音、炎斬、真柴は昼頃から小原家が経営するホテル「淡島ホテルオハラ」に集まっていた。
鞠莉「ハァーイ! 皆集まったわね。では、これから魔星龍との戦争の終わりと人類の勝利を祝した、祝勝パーティーを開始シマース!! じゃあみんな、カンパーイ!!」
『乾杯!』
スメラギ『ワン!!』
鞠莉「さぁ、遠慮無しに食べて飲んで楽しんでちょーだい! スメラギちゃんにも超高級ドッグフードをご馳走しちゃうわ!」
流「そんな、悪いよ。」
鞠莉「ノープロブレム! スメラギちゃんだって今回一番頑張ったもの。 これぐらいの贅沢は当然の権利よ。」
流「ありがとう。鞠莉ちゃん。」
天音「良かったね、スメラギ。」
鞠莉は犬用の皿に見るからに高級そうなドッグフードを山盛りでよそう。 スメラギは遠慮なくそれにガッツいた。
鞠莉「ふふふ………美味しいでしょ。」
スメラギ『ワン!』
花丸はテーブルに並べられている名前も分からない高級料理を口いっぱいに頬張っていた。
花丸「う〜〜ん!どれもこれも美味しいずら〜〜!幸せずら〜〜」
善子「あんたもスメラギみたいにガッつかないの! もう少しゆっくり食べられないの?」
花丸「今のこの時の為に今日はのっぽパンを食べてないからお腹空いてるずら。それに遠慮無しで食べていいって鞠莉ちゃんが言ってたし。 う〜〜ん、このお魚も一段と美味しいずら〜〜」
ルビィ「あははは………」
果南「このお魚ってもしかして………」
鞠莉「ええ、さっき果南が持って来てくれたお魚よ。 シェフが腕によりをかけて捌いた新鮮なお刺身よ。 ドレッシングをかけてマリネにしても良いかも!」
ダイヤ「実に美味ですわ〜〜。」
千歌「サツキさんや美奈ちゃんも来れたら良かったのにね。」
梨子「仕方ないわよ。サツキさん達はバディポリスのお仕事があるんだもの。」
曜「そうだよ。 サツキさん達の分まで、私達が楽しもうよ!」
千歌「うん。そうだね!」
炎斬はなぜかソワソワして落ち着きなく立っていた。
炎斬「………………」
真柴「どうした?炎斬。」
炎斬「いや、こう騒いで飯を食うのは、こういうの慣れてなくてよ。」
真柴「俺だって、こういうパーティーは初めてだよ。 でもまぁ、自分なりに楽しめばいいんじゃない?」
炎斬「適当だな………。 自分なりに、か。よし! 千歌、俺とファイトだ!」
千歌「炎斬君、うん、そのファイト受けたよ!」
千歌と炎斬は適当なテーブルを見つけてテーブルファイトを始める。
梨子「もう、今だけファイトから離れたら?」
曜「まあまあ、良いんじゃない。 私は真柴君にリベンジするよ!」
真柴「望むところだ!」
それから皆もファイトに参加し、祝勝パーティーはいつしか、バディファイト大会に変わってしまっていた。
◆
淡島ホテルのテラス
祝勝パーティーが始まってから数時間が経った。 流はテラスに出て夜風に当たっていた。
天音「流君。」
流「天音。」
天音「どうしたの? 少し疲れちゃった?」
流「ん? うーん。まぁ少しね。」
流はどこか上の空だ。
天音「俠兵君の事考えてるの?」
流「………ガノンのバディだった俠兵は、ガノンが生み出した裏の俠兵なんだ。そしてガノンを倒した事でその俠兵はもう居ない。 今の俠兵じゃないんだ。 だから、俠兵の罪は軽くなるのかな。って………。」
天音「うーん、どうなんだろう。」
流「僕の言ってる事はただの屁理屈だって事は分かってる。 それでも、俠兵の罪がちょっとは軽いものであって欲しいなって思ってるんだ。」
天音「そうだね。 私もそう思いたい。大丈夫だよ。サツキさん達にはちゃんと話したんでしょ? だったら信じなきゃ。」
流と天音は俠兵の友人として、バディポリスの事情聴取を受けていた。 流は担当していたサツキにガノンとバディを組んでいた俠兵の様子や、ガノンと組む前の俠兵の事を知る限りだけ説明した。 もちろん、ガノンとバディを組んでいた俠兵は、ガノンが生み出した裏の感情の俠兵である事も………。
流「信じるよ。」
天音「うん。」
流はふと夜空を見上げる。 空には、一面美しい星空が延々と広がっていた。
流「ここから見る星空も綺麗だな。」
天音「うん。ほんとだね〜〜。」
流と天音は綺麗な星空を眺め、星空の美しさに浸る。 そして天音は流に寄り添い、流は天音の肩を抱く。 両思いの2人には、もはや言葉は要らない。
2人はお互いの気持ちを分かり合った上で、徐々にお互いの顔を近づけていく。 そしてゆっくりと2人の唇が触れ合う。
その様子を鞠莉、ダイヤ、ルビィ、梨子がこっそり見ていた。
ルビィ「うわぁ〜〜……本物のキスしてるところをを見ちゃった〜〜」
ダイヤ「2人で、な、何をしてるかと思えば………、場所をわきまえて欲しいのですわ〜〜………」
鞠莉「何言ってるのダイヤ、星空の下でなんて、最高のシチュエーションじゃない。」
梨子「ま、まるでドラマみたいだね………。」
2人の唇が離れてしばらく見つめ合う。 すると部屋から何も知らない千歌が声をかけて来た。
千歌「おーーい!流君、天音ちゃん! 2人もこっちに来てファイトしようよーーー!」
2人の世界に浸っていた流と天音はビクッとなる。
流「パーティーに戻ろっか。」
天音「うん!」
流と天音はお互いに手を取り、一緒にパーティー会場に戻る。その手から伝わる熱は、普段よりも暑く感じる。
その晩、皆んなは朝までバディファイトで盛り上がった。
『魔星龍侵攻 編』 完
今回も感想を是非!!
約1年と半年を経て、やっと『魔星龍侵攻 編』完結しました。 いや〜〜、長かった………。 数えたら約57話という大ボリュームな章となってしまいました。 それもこれも皆さんからの感想や応援があったおかげです。
「今回まで頑張ったね〜〜」って思ったら感想お願いいたします。
『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』 はまだまだ終わりません。 そしてまだまだオリカやオリキャラの活動報告を受け付けています。
バディファイトも商品の販売も終わり、6年の歴史にピリオドを打ちました。 ですが、僕の中でバディファイトは永遠です!!
これからも応援お願いします。 とにかく今は『魔星龍侵攻 編』が終わった事を喜びます。