バディファイトLoveLive!サンシャイン!! 作:ヤギリ
前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』
母親と雪穂、海未とことりの期待を他所に、迷いを抱えていた穂乃果は内浦へと足を運んだ。
そして千歌の誘いもあり、気分転換の為にもファイトをするが、穂乃果の内に秘める迷い、不安、自信喪失から来る感情が溢れ出す。
だが、千歌の"大丈夫"の一言に安心と勇気をもらった穂乃果は、「ツバサ杯」への参加を決め、そして必ずチャンピオンになってみせると誓うのだった。
◆
ツバサ杯カップ………
バディファイトの新たな日本チャンピオンになった綺羅ツバサが開催する公式大会。 だが参加できるのはツバサによって選ばれた腕利きの強豪ファイターのみ。と言うハイレベルの大会である。
だがこの大会の実態は、綺羅ツバサが全国ネットにも関わらず指名してファイトを挑んだ相手、高坂穂乃果とチャンピオンの座を掛けてファイトする為だけの大会でもあるのだ。
◆
12月20日:ツバサ杯 当日
静岡県 沼津………
サツキと絵里は話しをしながら沼津駅までの道を歩いていた。
絵里「いよいよ今日ね。」
サツキ「うん。まさか穂乃果ちゃんがチャンピオンとファイトする日が来るなんてね。」
絵里「そうね。 ちょっと感慨深いけど、穂乃果ならなれるわよね。チャンピオン」
サツキ「うん。そうだと良いね。」
2人が話しをしながら歩いていると、駅前に到着する。そこには何人かの少女達が集まっていた。バディチームAqoursの子達だ。
サツキ「やあ皆んな、待たせたね。」
ダイヤ「絵里さん、サツキさん、おはようございます。」
先に挨拶をしたダイヤに続いて他の子達も挨拶をする。
絵里「ふふふ、皆んなおはよう。」
今回みんなが沼津駅前に集まったのは、ツバサ杯に参加する穂乃果を応援する為だ。ツバサ杯はテレビ中継もされるが、それでもAqours、サツキ、絵里は会場に出向いて応援する事を選んだ。その方が穂乃果の士気向上にも繋がるだろうから。 そもそも絵里は「μ's」のメンバーだった経歴を持つ。リーダーである穂乃果を直接応援しに行くのは当然のことだ。
ルビィ「穂乃果さん、チャンピオンになれるかな?」
花丸「あのツバサさんって人、かなり強かったずら………」
善子「安心なさいリトルデーモン達、このヨハネの闇の力を込めた超波動で………」
鞠莉「NO Problem! 私達の応援があれば大丈夫よ!」
善子「ちょっと!私の話しを遮らないでよ!」
果南「あ、そろそろ始発が来るね。」
千歌「よし!じゃあみんな行こう!!」
千歌達は新幹線に乗り込み、東京にあるツバサ杯の会場へ向かった。
◆
ツバサ杯の会場………
新日本バディチャンピオンの綺羅ツバサは、専用の控え室にいた。
英玲奈「ついに始まるな。高坂穂乃果は参加するだろうか?」
ツバサ「参加するわ。必ず」
英玲奈「………なぜ言い切れる?」
ツバサ「信じているもの。穂乃果さんなら必ずこのツバサ杯に参加してくれるってね。」
英玲奈「そうか。」
ツバサと英玲奈が話しをしてしていると、控え室のドアが開き、優木あんじゅが入ってくる。
あんじゅ「参加者リストを持って来たわよ。はい」
ツバサ「ありがとう。」
ツバサと英玲奈はあんじゅが持って来た参加者リストを確認する。 それを見たツバサは目を見開き、瞳に更なる光りを宿す。そのリストには「高坂穂乃果」の名前が記名されていたからだ。
ツバサ「ほら言ったじゃない。穂乃果さんは必ず参加する。ってね。ふふふふふふ、これでこの大会を開催した意味が出て来たわ。」
いつも以上に嬉しそうなツバサに、英玲奈とあんじゅは顔を見合わせる。 まるで子供のように嬉々として無邪気に目を輝かせているツバサに呆れの色を見せながら。
英玲奈「はしゃいでいる暇は無いぞ。そろそろ開会式の準備をしておけ」
ツバサ「ええ。 楽しみだわ穂乃果さん。」
◆
ツバサ杯の会場に来て、参加手続きをした穂乃果は、参加者用の控え室でデッキの調整をしていた。 すると、ドアをノックする音が聞こえた。「はい。」とそのノックに応える。
にこ「穂乃果。」
花窯「穂乃果ちゃん。」
凛「久しぶりにゃ〜〜!」
穂乃果「にこちゃん! 花陽ちゃんと凛ちゃんも!久しぶりだね〜〜!」
にこ「デッキの調整中だったの?」
花陽「邪魔しちゃったかな?」
穂乃果「ううん、そんな事ないよ。 それよりみんな、応援に来てくれたの?」
凛「うん、そうだよ!」
穂乃果「ありがとう。」
にこ「まあ、応援の前に余興のライブの為にも来たんだけどね。」
穂乃果「ライブ?」
花陽「うん。実はツバサさんから私達に"余興のライブをしてほしい"って頼まれちゃってね。」
にこ「余興ってところは引っかかるけど、私達に頼むって目の付け所は良かったからね。ライブを引き受けたのよ。」
1ヶ月前、ツバサは穂乃果の実家を出た後に、にこりんぱなの所属する事務所に行き、にこ達に余興のライブを依頼したのだ。
凛「ツバサさんが帰った後、にこちゃんと花陽ちゃんは大喜びだったにゃ。 1ヶ月間、ずっと浮かれて練習してたよ!」
にこと花陽は女性としてもバディファイターとしても、ツバサのファンである。 自分達の憧れの存在であるツバサに頼み事をされたら喜ぶのは当たり前、しかも余興のライブに自分達を選んでくれた事が一番嬉しかったのだ。
にこ「ちょっと凛!余計なこと言わないの!」
花陽「凛ちゃん、ちょっと恥ずかしいから………」
にこは笑いながら話す凛にツッコミを入れて、花陽はとなりで恥ずかしそうにモジモジしている。 その様子に穂乃果はくすりと声を漏らして笑う。
花陽「あ、ごめんね。うるさくしちゃって」
穂乃果「ううん、むしろ緊張がほぐれた気がするよ。ありがとう。」
凛「それなら良かったにゃ!」
にこ「まあ、2人から聞いてたより元気で良かったわ。」
と、にこ達が安堵したところで、にこりんぱなのマネージャーが呼びに来る。
マネージャー「にこりんぱなさん、そろそろ準備をお願いします。」
にこ「はーい! じゃあ穂乃果、私達はもう行くわね。」
凛「良かっら穂乃果ちゃんも凛達のライブを見るにゃ!」
花陽「ツバサさんとのファイト、応援してるからね!」
穂乃果「うん。ほんとにありがとう。」
◆
一方、海未とことりは、沼津からやって来たAqoursや絵里とサツキと合流していた。
海未「あ、絵里!サツキ!皆さんこっちです!」
絵里「久しぶりね、海未、ことり!」
サツキ「久しぶり。」
ことり「うん。久しぶり2人とも。 Aqoursちゃん達もこんにちは♪」
Aqours「こんにちは〜〜!!」
海未達とAqours達が合流し、あいさつを交わす。すると絵里の背後から1人の女性がこっそり駆け寄り、元気よく声を上げる。
希「ヤッホー! 絵里ち!!」
絵里「ひゃぁぁ⁉︎ の、希⁉︎」
希「ふふふ、驚いた?」
希はイタズラな笑顔で絵里が驚く様子を笑っている。
絵里「"驚いた?"じゃないわよ! もう、2ヶ月も連絡もよこさないで………、心配したのよ!」
希「あはは………、ごめんな〜〜、ウチも最近忙しかったんよ。」
絵里「まったく………、まあ許すわ。」
希「ありがとう。絵里ち!」
希は絵里に思いっきり抱きついて、絵里はバランスを崩しそうになるがなんとか受け止めた。
ことり「絵里ちゃんと希ちゃん、ほんと仲良いね〜〜」
千歌「あの、穂乃果さんは?」
ことり「穂乃果ちゃんなら控え室にいるよ。 案内しよっか?」
千歌「いえ、穂乃果さんは集中してるだろうし、やめておきます。」
ことり「そっか。」
海未「後は、真姫だけですか。」
「私ならいるわよ。」
海未が真姫を探していると、後ろから応答があった。振り向くと、穂乃果の母親の診察担当をしている赤髪の女性医師の西木野 真姫が立っていた。
海未「真姫、いつから後ろへ?」
真姫「今来たところよ。 大人数で一ヶ所に纏まってるから、すぐに見つけられたわ。 あと、絵里がなんかはしゃいでたしね。」
絵里「別にはしゃいでないわよ!」
海未「ふふふ……… では皆さん、会場へ入りましょう。」
真姫「あれ?にこちゃん達は?」
ことり「にこちゃんと花陽ちゃんと凛ちゃんは先に会場に入ってるよ。」
真姫「そう。」
海未達とAqours達は会場の中に入っていく。 そして海未とことりに案内されて着いた所は、ファイトステージ全体が見渡せるほど、高過ぎず、低過ぎずの位置にあり、他の客席とは違って役30席ほどしか無い個室のような席だった。 しかも位置的にもファイトが見やすい特等席と言うものだ。
ルビィ「うわぁ〜〜!」
花丸「なんか凄い豪華そうな席ずら〜〜」
鞠莉「これは………革ソファー? 結構高そうな素材みたいね。」
善子「ふふふっ、この座り心地、まさにヨハネの為の席と言っても過言ではないわ。」
梨子「私達も同じ椅子なんだけどね。」
果南「ん、ふわふわしすぎず、かと言ってパイプ椅子のような固さも無い、うん、ちょっと座りやすいかも」
他の客席の椅子も皮の椅子ではあるが、この個室の椅子は使ってる皮の素材からして別物らしい。
千歌「見てみて曜ちゃん、自動販売機がたくさんあるよーー!」
曜「うん!凄いね〜〜!」
周りには6台ものジュースやお菓子、カップ麺、イーストフードなどといった食べ物の自動販売機まで設置されている。
サツキ「まさにVIP席って感じだね。」
絵里「こんな素敵な特等席、いったいどうしたの?」
海未「はい、実はですね………」
1ヶ月前、穂乃果がツバサから受け取った招待状の封筒の中に、このVIP席を自由に利用できるチケットが入っていたのだ。
真姫「ツバサさんも粋な事するわね………。」
しばらくすると、会場全体の照明が全て消えて真っ暗になる。 そして赤、白、青、紫、ピンク、様々ないろのレーザーライトがランダムに会場を照らし、そして全てのレーザーライトがファイトステージの中心を照らす。 そして軽快なミュージックが流れ、フリフリの衣装を着た3人の女性が現れて、そのまま歌う。 その瞬間、会場から一気に歓声が沸き上がる。
『"花が咲き誇るように美しい日々"』
『"りんりんと優しく奏でる鈴"』
『"にっこり微笑みながら私達"』
『"世界を照らす光となる"』
ルビィ「あれ、にこりんぱなだ〜〜!」
真姫「なるほどね。ゲストで呼ばれてたのね。あの3人。」
絵里「思わぬサプライズね。」
今、ファイトステージの中央で歌っている3人は伝説の元スクールバディチーム 「μ's」のメンバーである。
一曲目の歌が終わり、白いライトだけが3人を照らす。そして彼女達は元気よく自分達を紹介する。
にこ『皆さん改めまして!私達〜〜!』
『"にこりんぱな"です!』
花陽『皆さん、今日は私達のライブに来てくれてありがとうございます。 って言っても私達はメインではありませんが。』
凛『凛達もこのツバサ杯の開催を楽しみにしてたにゃ〜〜!』
にこ『にこ達のライブはツバサ杯の前座みたいなものだけど、余興だからって手は抜かないわ!全力で最後まで、最高のライブを披露するわよ!』
花陽/凛『うん!』
にこ『じゃあ聴いてください。』
『笑顔の絆』
曲名を宣言した後、優しいピアノの旋律、それに被せてバイオリンのメロディが加わり、そして3人の落ち着いた綺麗な歌声が響く。 その歌は少し切なく、それでいて力強く人の心を鼓舞するような………アイドルには珍しいバラードロック調のメロディーが会場に響き渡る。
その曲、歌が終わった時、拍手や歓声が会場を包み込んだ。
千歌「凄く良い曲だったね。」
梨子「うん、ほんとに………私、この曲好きかも。」
曜「あれ?梨子ちゃん泣いてる?」
梨子「べ、別に泣いてないよ〜〜!」
そして、何度か短いMCを挟みながら3曲くらい曲が終わり、5曲目に差し掛かる。
花陽『残念ですが、次で最後の曲になります。』
「ええ〜〜〜!」
凛『え〜〜、凛もまだまだ歌っていたいにゃ〜〜!』
にこ『もう、凛ったら文句言わないの〜〜!にこにーだってすっごく寂しいけど〜〜、でも、ファンの皆んなにはまた必ず会えるにこ! それにこの後にはツバサ杯のメインが控えてるし、今日はこれでお開きにこ。 だからファンの皆んなに感謝と次回の再開を願って最後の曲いくにこ〜〜!』
花陽『じゃあ最後の曲、聴いてください。』
『ハッピーストーム』
軽快でポップな音楽が流れ、元気で明るいメロディーが会場を流れる。 ファンも歓声とコール&レスポンスで一緒に盛り上がった。
そして最後の曲が終わると、にこ達は歓声を送るファン達に手を振って応える。
花陽『ありがとうございました〜〜!』
凛『皆んなありがとにゃ〜〜!』
にこ『にっこにっこにー! 皆んなありがとにこ〜〜!』
ファン達にお礼を言ってにこりんぱなの3人は会場を後にする。それと入れ違いに、綺羅ツバサが会場の中央に立つ。
ツバサ「にこりんぱなの皆さん、素敵なライブをありがとうございました。 皆さん楽しんでいただけましたか?」
『うぉぉぉぉーーーーーー!!』
ツバサのライブへの問いかけに会場が大きな歓声をあげる。 ツバサの狙いどおりライブで会場全体の熱はかなり上がったようだ。
ツバサ「では改めて………。 レディース&ジェントルマン! 私は、新日本バディファイトチャンピオン。綺羅ツバサと申します。」
綺羅ツバサの自己紹介に会場にいるファイターや、ツバサファンが一斉に歓声を上げる。
ツバサ「にこりんぱなさんのライブをOPに選んで本当に正解でした。 ですが皆さん、この後が本番です。彼女達が素敵なライブで盛り上げてくれたこのボルテージが冷める前に………、この私、綺羅ツバサが主催します。 ツバサ
ツバサの勢いある開催宣言と、待ちわびていたとばかりに興奮する会場に集まった人々の熱気溢れる歓声が響き渡り、すでに会場全体が震えている。
ツバサ杯カップ 堂々開催である。
◆
穂乃果は会場の様子を控え室のテレビモニターで見ていた。
穂乃果「ついに始まる、ツバサ杯………。 うん、少しワクワクしてきた。」
穂乃果はテーブルに広げていたカードを纏めてデッキを作り、そしてデッキケースへとしまう。 そのタイミングで控え室のドアがノックされて開く。
英玲奈「失礼する。」
あんじゅ「やっほ〜〜穂乃果ちゃん。」
穂乃果「英玲奈さん、あんじゅさん!」
英玲奈「そろそろ時間だ。会場まで案内する。」
穂乃果「はい。」
穂乃果は英玲奈とあんじゅに連れられて控え室を出る。
あんじゅ「穂乃果ちゃん、少し緊張してる?」
穂乃果「まぁちょっとは、でもそれ以上にワクワクしてます。」
英玲奈「そうか。 ツバサの言った通りだったな。」
穂乃果「え?」
英玲奈「先月の君の様子を見て、私は、君はツバサ杯には参加しないものだと思っていた。だがツバサはずっと信じていた。君がこのツバサ杯に必ず参加する。とな」
穂乃果「ツバサさんが………?」
あんじゅ「ツバサったらすっかり穂乃果ちゃんにご執心だもの、少し妬けちゃうわ。」
英玲奈「だが、真にツバサの期待に応えるのはこれからだ。」
穂乃果「え?」
英玲奈「ツバサがこの大会を開催したのは、君とチャンピオンの座をかけてファイトする為だ。 そして今回ツバサが招待したファイター達は、君の今の実力を見極める為に呼んだ者達にすぎない。」
あんじゅ「つまりツバサの目には最初から穂乃果ちゃんしか写ってないのよ。」
英玲奈「そうだ。だから君にはツバサの期待に応える義務がある。 これから立ちはだかる参加者を全て倒して、ツバサの前に立つ義務があるんだ。」
あんじゅ「こーらっ!英玲奈、穂乃果ちゃんのプレッシャーになるような言い方しないの。」
英玲奈「いや、すまない。 緊張させてしまったなら謝る。」
英玲奈の謝罪に穂乃果は「大丈夫です。」と答える。
穂乃果「私は必ずツバサさんの前に立ちます。そして絶対に勝ちます。」
穂乃果の目はギラギラと輝き、その目の輝きからは強い意志が宿っている。 穂乃果のその目に英玲奈とあんじゅは少し息を呑む。
あんじゅ「いい目になったわね。」
英玲奈「ああ。 私達も期待してはいるが、やはり私達は『A-RISE』だからな、当然リーダーのツバサを応援するが………。君がツバサの前に立つまでは私達も応援しよう。」
あんじゅ「頑張ってね。」
穂乃果「はい!」
英玲奈とあんじゅが立ち止まり、そして目の前にはファイトステージへの入り口がある。会場の熱気が入り口から溢れ出ている。
穂乃果が会場の入り口に辿り着くまでに、すでに5人の参加者の名が呼ばれていた。 そしてツバサの声が彼女の名を呼ぶ。
ツバサ『それでは最後の1人、私の最大のライバルにして、私が最強のファイターだと認知している、最高のバディファイター。皆さんも一度はその名を耳にした事もあるでしょう。 あの伝説のスクールバディチーム「μ's」の元リーダー 高坂 穂乃果さん!!』
ツバサに名を呼ばれて、穂乃果は入場する。すると穂乃果の姿が見えた瞬間に会場全体からおびただしいほどの歓声が穂乃果を迎えた。
穂乃果はそれに応えるように手を振る。
ここに総勢6人の選手が揃った。
千歌「穂乃果さんだーーー!」
梨子「凄い歓声………! 穂乃果さんってこんなに?」
ダイヤ「そうです。穂乃果さんは当時はもちろん、現在でもバディファイター達の憧れでもありますからね。」
ツバサは穂乃果とすれ違いざまに穂乃果に声を掛ける。
ツバサ「ツバサ杯に参加してくれてありがとう。嬉しいわ、穂乃果さん。」
穂乃果「いえ。 私もツバサさんとファイトしたいですから。」
ツバサ「そう。ふふふ………、待ってるわよ。」
ツバサは穂乃果の後ろについて歩いて来た英玲奈にマイクを渡し、「後の司会は任せるわね。」と言って会場を後にした。
英玲奈『皆さん、ここからはA-RISEの1人、私、統堂 英玲奈が司会を務めさせていただきます。 ではさっそく第一回戦をとり行います。 一戦目の対戦カードは………』
会場の巨大モニターがランダムに対戦カードを選出する。 そして2人のファイターの名前が表示される。
ツバサ杯 第一回戦
1戦目
高坂 穂乃果 vs
◆
千歌「いきなり穂乃果さんのファイト⁉︎」
サツキ「対する相手は、日本のプロランキングでも100本の指に入る強豪だね………」
◆
対戦カードによって選ばれた穂乃果と発花はファイトステージに上がる。
発花「あんたが高坂穂乃果ね。」
穂乃果「はい。」
発花はキリッとした目をさらに鋭くして穂乃果を睨む。
発花「たしかに名前だけは聞いた事があるよ、名前"だけ"はね………。 けど日本ランキングであんたの名前は見た事が無い。 なんで綺羅ツバサはあんたみたいな無名のファイターに大衆の面前でファイトを挑んだのか………全く訳分からない。 だからこのファイトであんたを見極めさせてもらうわ!」
穂乃果「………………」
英玲奈「両者、準備はいいか?」
穂乃果「はい!」
発花「いつでも!」
英玲奈「………では始めてくれ。」
穂乃果と発花はデッキケースを腕に当てる。するとデッキケースに収納されていたベルトが自動で巻かれる。
穂乃果「希望を紡げ五角の絆、そして繋げよ皆んなの夢! ルミナイズ!〈五角武竜伝"絆"〉」
発花「あたしは負けない、認めない、必ず勝つ!ルミナイズ!」
オープンTHEフラッグ
穂乃果「ドラゴンワールド」
◼️手札6/ゲージ2/LP10
発花「ダークネスドラゴンワールド」
◼️手札6/ゲージ2/LP10
今回も感想を是非!!
ずいぶん待たせた割に、かなり短い話しですみません。