かんま!   作:Ashley@はぴりば!

18 / 23
こんばんは!Ashleyです。

今回はすごく長くなっております。時間のある時、例えば、延長してしまったメンテの合間などにお読みください。

今回はとてもスリリングな展開となっております。

それではじゃんじゃん行きましょう!


第十七話「鎮守府イベ前旅行 三日目」

第十七話「鎮守府イベ前旅行 三日目」

 

「提督!おっはよーでち!ってあれ!?てーとく!?てーとく!?」

 

今日も懲りずに早朝提督凸をしてきたのは朝っぱらから元気な伊58である。

 

しかしゴーヤが見たのはあまりにも殺風景な10人部屋。そこに提督の影はなかった。

 

「大変でち!提督がついに脱走したんでち!みんな、起きろでち!総員起こしでち!!」

 

ばたばたと自室に帰り、緊急の総員起こしをかける。いつもなら寝ている時間。朝の5時過ぎであった。

 

「ゴーヤちゃん、どういうことなの...?説明してくれると、、嬉しいのだけれど...」

 

まだ寝ぼけているのか口が回ってない。

 

「まー、そういうこともあるよねー。じゃあ、寝ていいかな。」

 

北上が不機嫌そうに布団に潜る。

 

「は、榛名は大丈夫です!」

 

まだ半分寝ている。大丈夫そうではない。

 

「もーみんなだめでち!もういいでち!ゴーヤがひとりで探すでち!」

 

そうしてゴーヤは部屋を出て、廊下の向こうへ消えていった。

 

-----

 

時は過ぎ、本来の総員起こしの時間。目覚めた艦娘たちは当然その異変に気づく。

 

「はわわわ、ゴーヤちゃんがいなくなったのです!」

 

「ひゃっ...ほんとです!」

 

五時の総員起こしに一ミリたりとも反応しなかった電と名取が慌てた様子で辺りを探し回る。

瑞鶴と翔鶴はまだ寝ている...いや、翔鶴は瑞鶴の寝顔を見て微笑んでいた。提督そっちのけかよ。

 

ゴーヤとついでに提督を探しに行くことになった一行はとりあえず提督の部屋を探す。

 

あまりに殺風景な部屋、人っ子一人いないように思われる部屋だが、何故か押し入れの引き戸が半開きになっているのに榛名が気づく。

 

「ご、ゴーヤちゃん...//////」

 

そこには押し入れの中で眠る提督とゴーヤの姿があった。

 

------------------------------

 

3日目。

 

「違うでち!ほんとに違うんでち!」

 

ゴーヤの必死の弁解により、未来からやってきた人型ロボットのアドミえもんを見つけてしまったゴーヤが、この世から抹殺されそうになったため、自分の命と引換にアドミえもんの体だけでもこの時代に残そうとしたところ、アドミえもんの出す催眠ガスによって両方眠ってしまったことになった。

 

ぼくアドミえもん。

 

「で、アドミえもん。今日はどこに行くのさ?」

 

「おい。」

 

「答えてよアドミえもん。」

 

北上がからかってくる。しばらくはネタにされそうだ。

 

「今日は千葉ネズミースィーに行くぞ!」

 

「はわわわ、とってもあぶないのです!」

 

「いいか電。例え危険牌を切る時でもまるで安牌を切るように切れば意外と相手が見落としてフリテンしちゃうことってあるだろ?」

 

「いや、ないですけど...司令官さんならするかもなのです...」

 

「だからふるまうんだ...当然のように!」

 

ええ、何にも危ないことはありません。(震え声)

 

「さらに今日はパイレッツオブトレビアーンという美味しいパイを作るために頑張る職人の話のイベントをしている。」

 

「は...榛名は大丈夫です...!」

 

めちゃくちゃ攻める提督に困惑を隠しきれない一同。しかし夢の国に入ってしまえばみんな楽しくなってしまった。夢の国に権利関係とかないよね(吐血)!

 

「提督提督~意見具申いいかな?」

 

「申してみよ。」

 

入ったとたん、北上が提督に意見具申を申し出る。聞けば、北上はここに来たことがあるようだ。

 

「まず、乗りたい人気のアトラクションのファストチケットをとった方が良いよー」

 

「む、なんだそれは」

 

ネズミースィーは大人気の遊園地であるため、人気のあるアトラクションでは1時間は当たり前、2時間、3時間と待たなければ乗ることができない。しかし、どうしても乗りたいアトラクションがある時は、このファストチケットを取得し、様々な制限下ではあるが並ばないで乗ることが可能になる。

どうしても待ち時間が長くなってしまうこの遊園地。効率をしっかり意識していかないと乗れるものにも乗れなくなってしまう。戦いはもう始まっているのだ。

 

「ねえ名取~何に乗りたい?」

 

北上が名取に尋ねると名取は恐る恐るといった感じであるアトラクションを指さした。

 

「テラーオブタワーか...」

 

テラーオブタワーは絶叫系アトラクション。呪われたエスカレーターに乗ってビルの最上階まで行き、そこから真っ逆さまに落下するというホラーあり絶叫ありの一番人気のアトラクションだ。名取め、絶叫系が好きなのか...?

 

テラーオブタワーのアトラクションの前まで行き、ファストチケットを発行してもらう。すると近くに、短い行列が出来ていた。

ここに詳しい北上がそこを指差して言う。

 

「ああ、あれはタートルチャットだよ~!ラッキー、空いてるじゃん!提督、行こうよー」

 

タートルチャットはカメと話せるというアトラクションだ。人間や艦娘たちよりも永く生きているカメに人生相談や漫談をすることが出来る。面白おかしく質問を返してくれるカメが大人気だ。

 

タートルチャットは30分位並んだだけで入ることが出来た。

 

「はーい、じゃあ次、質問ある人は手を挙げてー」

 

「はいでち!」

 

「おー、じゃあそこのピンクの甲羅のお嬢ちゃん。」

 

タートルさんは服のことを甲羅という。他にも、マフラーのことをワカメと言ったりメガネのことをゴーグルと言ったり、海のモノに例えてくるようだ。

 

「えっと...でち。タートルさんは彼女はいるでちか?」

 

「おぉ...そんなことを俺に聞いてどうしよってんだい笑」

 

会場に失笑が起きる。

 

「俺にはな...最高のパートナーがいてなぁ...ずっと彼女のことを愛しているよ。そうだ、君には大切な人がいるかい?」

 

「ゴーヤでちか?てーとくでち!」

 

「おぉおぉそうかい笑。じゃあ、頑張ってくれよな、お父さん!」

 

会場がどっと笑いに包まれる。

 

え、俺そんなおじさんに見える...?まあゴーヤは幼く見えるが...

 

会場を出て、一行はある種感動を覚えていた。

ネズミーリゾート初上陸の者が大半の中、その多くがネズミーリゾートなんて子供だましだと思っていた。しかし、実際体験してみるとただただ感動する。大人達が本気で子供だましをしているのだ。この感動は実際に行かないとわからなかった。

 

「すごいステマなのです!」

 

「しっ、余計なことを言うんじゃない!」

 

急に何かを言い出す電は置いといて、さて次はどこへ行こうかと地図を見渡した時、放送が入った。

 

「まもなく、パイレッツオブトレビアーンのショー、「ゲットパイ」が開演いたします!皆様、中央へとお集まり下さい。」

 

「おっ、北上、ショーだってよ。」

 

しかし、ここで北上に電流走る。

 

「提督、いくよっ!」

 

突然北上が駆け出した。何事かと問いただしたくはあったがとにかく後を追う。

 

結構な距離を駆け抜け、あるジェットコースターの前にやってきた。息を切らして提督が問う。

 

「おい...ぜぇ...ぜぇ...どういうことだ...説明しろ...」

 

「あっ、あのっ、もしかしてみんながショーを見ている隙に...」

 

「そっ。流石名取じゃん。前に大井っちと来た時これに乗ったんだけど、面白かったんだぁ〜」

 

やってきたのは「雷神スピリッツ」。ジェットコースターというのはとりあえず人気があるので待ち時間が長くなってしまいがちだが、北上の読み通り、40分待ちとなっていた。ジェットコースター系でこれは破格である。

 

「あの...私、ジェットコースターとか初めてなの。大丈夫かしら。」

 

ここで神風さんがまさかの処女宣言。

 

「あっ、俺も...」

 

自分も便乗する。なにせ初めてなんだ。こういうのは。一回転とかしちゃってるけど大丈夫か?

 

「あーへーきへーき。結構面白いよ。提督は知らんけど」

 

「しょ、翔鶴姉...」

 

「ず、瑞鶴、大丈夫よ。鎧袖一触よ。心配いらないわ。」

 

「緊張で加賀さんのセリフ出ちゃってるよ...翔鶴姉!」

 

どうやら翔鶴姉は絶叫系は苦手のようだ。

 

「おい、翔鶴は大丈夫なのか?もしアレならやらなくても...」

 

「いえ提督...大丈夫です...!この子を...今度は守らないと...!」

 

「あー、翔鶴姉はなんだかんだ言って私がいつも付き合わせてるから大丈夫だと思うよ」

 

どうやら翔鶴はいつも瑞鶴と一緒に絶叫系に乗って慣れてはいるようだ。ということは瑞鶴はこういうの得意なのか。

 

「翔鶴!大丈夫でち!ゴーヤもこういうのは初めてでちが、いけそうな気がするでち!なんとかなるでち!」

 

「電もそう思います。なのです!」

 

「榛名も、大丈夫です!」

 

そうか、ゴーヤも初めてだったのか。確かにこういうところにはあまり来てなさそうだが…電と榛名はなんだかんだ強そうだな...

 

待っていると、ショーが終わったのか人が新しく列になだれ込んできた。同時にファストチケットを持っていた人達が列に入ってきて一般が進まなくなる。

 

列に加わって約60分、ついに自分たちの番がやってきた。この60分、初挑戦組、特に神風は泣きそうな顔をしていたが、覚悟を決めたのか、スッキリした顔になっていた。自分も、この60分で大分良くなったと思う。

 

席につくと、隣に座ったゴーヤが何か言っている。

 

「て、てーとく。てーとく。手を...」

 

とりあえず握ってやるとガタガタ震えていた。お前大丈夫とか言ってたじゃないか。コースターが動き始めた。

 

-----

 

ゴールすると、全身がかき混ぜられたような、そんな感覚があった。同時に、冷めやらぬ興奮が体を襲う。

 

「た、楽しかった...」

 

心ここに在らずといった神風がぽつりと言った。

 

アトラクションから出て、一番はしゃいでいたのはゴーヤだった。あれだけ始まる前怖がっていたのは内緒にしといてやろう。

 

最初の坂を降りる位のとこまでは繋いでいたがあとはさっさと離してでちでち言っていた。調子のいいやつだ。

 

しかし、確かに楽しかった。特に一回転。あれはいい。最高だ。

 

一行は次のアトラクションに向かう。テラーオブタワーまであと一つくらいならアトラクションに乗れるであろう時間が残っていた。

 

「あっ、あれがいいでち!」

 

ゴーヤが指さしたのは「深海20000マイル」。潜水艦のアトラクションだ。

 

「はい!榛名は大丈夫です。」

 

「あーあれ乗ったことないかもー、いいねー」

 

待ち時間は20分と書いてあった。中は結構長い行列が出来ていたが、回転率がすこぶるいい。あっという間に回ってきた。

 

潜水艦に乗り込み、サーチライトを夢中で動かしている隣に座った神風にさっきのについて聞いてみた。

 

「なに、司令官。今、私、索敵してるから忙しいの。でもそうね、うん。楽しかったわ。あんなの初めてよ。よしっ」

 

潜水艦といいなんといい、作り込みがすごい。これだけ作るのにどれだけの労力が必要だろう。

 

海の底から生還した一行は、満を持してテラーオブタワーに向かう。

 

タワーオブテラーは怒涛の150分待ちであった。が、しかし、一行は秘密兵器を持っている。

 

ファストチケット!

 

アドミえもんの秘密兵器によって並んでいる大勢の人をドヤ顔で抜いていく。

 

あっという間にエスカレーター乗り込み口にやってきた。途端に足がすくむ。

 

そういえばさっきの雷神スピリッツでは待ち時間の間に覚悟を決められた。しかしどうだ。気づけばこんなところまであっという間に来てしまった。しかもドヤ顔で。しまった。

周りを見てみると、怖がっていたゴーヤも、神風も、さっきので苦手意識がなくなったのかリラックスしている。あっ、翔鶴姉なら...見事に怖がって瑞鶴にしがみついているが、あれは彼女の平常運転だ。あてにならん。

 

しかしここまで来てしまっては仕方がない。やるしかないだろう。

エスカレーターと言っても、シートもあるし、シートベルトも付いている。

 

シートベルトがロックされ、上昇が始まった。2つずつシートが独立しているが、隣に座ったのは、またゴーヤだった。

 

「どうしたんでちか?もしかして〜こわいんでちか〜?」

 

「うるせえ、そうだよ!暗いし、よく見えんし...」

 

「てーとく、怖くなったらゴーヤに抱きついてもいいよ?」

 

「誰がお前なんかに。というかシートベルトがあるから無理だな」

 

「そうでちね…でもゴーヤ、てーとくなr...」

 

もはや何を言っているか耳に入らない。どんどん登っていくにつれ、緊張も高まっていく。

ふと見ると、自分たちを運んでいたはずのエスカレーターがぷっつり切れて、下には奈落があった。

 

「のわああああああああああああああああああああああ」

 

真っ逆さまに落下、不意に急停止し、急上昇、またも落下する。

完全にエスカレーターの挙動ではない。

 

「ぎゃあああああああああああああ」

「でちぃぃいいいいいいいいいいい」

 

二人は絶叫しながら奈落へと落ちていった。

 

-----

 

なんとか生還し、シートベルトのロックが解除される。シートベルトを外そうとすると、右手がまだロックされていた。ご丁寧に指まで絡ませてある。隣を見ると、涙目になったゴーヤがいた。

「おい、降りるぞ」

 

「でち...でち...」

 

正直めちゃくちゃ怖かった。真っ暗で何も見えない恐怖、唯一信頼していたエスカレーターに見放された絶望感、とにかく怖かった。ここまで怖いのはなかなかないだろう。

 

ゴーヤをなんとか立たせて席をたつと、外ではアトラクション中に撮られた写真の販売が行われていた。

 

面白いくらい絶叫している自分。完全に泣いちゃってるゴーヤ。そしてその間には恋人繋ぎで小さな手を包み込む大きな手がしっかり映っていた。

 

(え...いつ繋いだ...?さっぱりわからんかった…)

 

とりあえず2枚買っとくと、続々とみんなが出てきた。

翔鶴は...まあ平常運転だったが、その他全員、特に神風に至ってはとても楽しかったと言わんばかりのこれ以上ない笑顔が輝いていた。

うちの艦娘たちの写真を二枚ずつ買い、一人一枚配ってやる。どれもこれも、みんないい顔をしている。

 

突如、瑞鶴が騒ぎ出す。

 

「ああっ、提督とゴーヤちゃんが...!」

 

まずいと思ったが、もう仕方が無い。こういうのの伝染力は手が付けられないほど大きい。

 

「ち、違うでち!」

 

突然息を吹き返したゴーヤが弁解をする。

 

弁解の結果、提督が突然ゴーヤの手を握ってきたため、ゴーヤは泣いてしまった。提督は二人きりになったらすぐに手を出す淫獣だ、ということで全員が一致した。

 

------------------------------

 

アトラクションから出ると、もう暗くなりかけていた。お土産を買い、名残惜しいがネズミースィーをあとにする。

 

都内のホテルに泊まる予定だ。着いたらみんな疲れているだろうから、今日は麻雀どころじゃないな

 

ひとり提督はそう考えるのであった。




読破おめでとうございます。

見たらまあ分かる通り、東京ディズニーシーに行ってまいりました。

元ネタ
「テラーオブタワー」...「タワーオブテラー」
「タートルチャット」...「タートルトーク」
「深海20000マイル」...「海底2万マイル」
「雷神スピリッツ」...「レイジングスピリッツ」

外から見て内容がわからないものはネタバレ防止のため内容を全カットかまるっきり嘘のものにしてます。エスカレーター落ちるのは流石にないですよねw

まあ人気の場所なんで今更ですが、とても楽しい時間を過ごすことができました!行ったことない人は一生で一度は行っておかないと損ですね!これは!

本日もご来訪ありがとうございました。次、少し開きますがすぐあげるので少々お待ちください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。