人知れず姿を消した
傷付きさ迷う彼が迷いこんだのは
全てを受け入れる幻想の郷
─
?「……………」
誰も知らないような奥地の雪原を、古くボロボロな黒いマントを纏った金髪の少年が歩いていく。
その蒼い瞳に、光はない。
?『GV……』
その隣には、蝶のような羽根を持ち、蝶を模した衣装を着た少女
…彼以外には見えないし、その彼さえ、彼女の声が届いていないのか、あるいは─その声こそが彼を最も苛んでいるのか、彼が彼女に応えることはないけれど。
体も心も傷付き果て、無意識に宛もなくさ迷うその少年は、かつて『
彼は歩き続けた。幾日も、幾週も、生きようとする体と虚な心を抱えて、ヒトを避けるようにひたすら歩き続けた。
そしてある日、
「素晴らしいわ…ガンヴォルト!
余計なものを削ぎ落とし、
─そんな貴方は…こんなところで終わるべきではない。せめてもの慈悲を与えましょう。私たちが此方の世界を愛で包む間の、短い時間ではありますが…どうか彼女と、幸せな時間を過ごしてくださいね」
彼は、まるではじめからいなかったかのように忽然と、この世界から姿を消した。
シアン『GV!GV!』
GV「…シアン?僕はいったい……!?」
目を覚ました僕は、辺りを見回し驚く。
そこは、光も届かないような、とても深い森の奥だった。
どういうことだ?何故、僕はここにいる?
…アシモフと戦ってからの記憶がない…
思い出せない……
GV「シアン…僕は今まで何を?」
シアン『ずっと歩き続けてた。私の声も聞かずに』
だから、知らない場所にいるのか…
……シアンに、悪いことしちゃったな……
シアン『でも、この場所にいるのは、そのせいじゃないよ』
GV「!?」
シアン『歩くうちに、紫色の不思議な光が出てきたの。その光に入ったら、ここにいたの。でも、どこかで見た気がするのよね…あの光』
不思議な光に…空間移動か。
……まさか、な。
?「ほう、こんなところにガキがいやがる」
GV「…誰だ!?」
声がする方を見ると、なんと人の形をした岩が
歩いてきた。
GV「能力者か!?」
岩妖怪「能力者ぁ?何のことだ?それよりお前ら、こんな森の奥深くにいるんだ…俺たち妖怪に食われる覚悟はあるんだよなぁ!」
そう言うと、妖怪と名乗った岩はいきなり殴り
かかってきた。
GV(妖怪だと!?それに…もしかして、シアンが
見えているのか!?)
シアン『GV、サポートしようか?』
GV「ああ、頼む。相手の実力が分からないからね。それに、シアンのことも見えるみたいだから」
シアン『え、見えてるの!?…それでも─』
『GVは、私が守る…!』
─♪
GV「はあっ!」
シアンが歌うと、僕の体を虹色のオーラが包み、
僕の
岩妖怪「なんだぁ?妙な真似しやがって!
叩き潰してやる!」
ドカァァァン!
岩の一撃は地面を抉ったが、僕には当たらなかった。いや、
岩妖怪「なにっ!?すり抜けた!?」
GV「電磁結界『カゲロウ』…どんな攻撃も僕には通じない」
そう、僕は電力切れ…オーバーヒートを起こさない限り、あらゆる攻撃をすり抜けられる。
オーバーヒートしない限りはすぐに電力チャージできるから、滅多に無くなることはないが。
岩妖怪「ふざけやがってぇ!」ブンッ
GV「悪いが…僕はこんなところで立ち止まっている暇はないんだ!
迸れ、
天体の如く揺蕩え雷、
是に到る総てを打ち払わん!
『ライトニングスフィア』!」
そう唱えると同時に、僕の周りに三つの巨大な雷球が出現し、それがバリアのようなものを作りながら回転、岩に全て炸裂する。
岩妖怪「ぐあああああっ!
くそ…こんな…ガキ……に…」ガラガラ…
人型の岩は崩れ、ただの岩になった。
シアンも歌うのをやめ、安堵しているようだ。
GV「ふう…」
シアン『お疲れ、GV!』
?「へえ、凄いなお前ら!」
GV・シアン『「!?』」
目の前に歩いてきたのは、白黒の服を着てとんがり帽子を被り、箒を持った金髪の少女だった。
?「森の中が騒がしいから見に来てみたら、お前らが妖怪を倒してたんだ。ビックリしたぜ」
GV「…お前らってことは、君もシアンが見えるのか?」
?「? ああ。シアンっていうのか!」
GV「僕はGV―ガンヴォルト。GVでいい」
シアン『改めまして、シアンです。よろしく』
?「私は魔理沙、
主人公紹介
名前:ガンヴォルト(GV)
性別:男
種族:人間
外見:フェザーの戦闘服(『蒼き雷霆ガンヴォルト』の服装)
詳細:元の世界では最強の
アシモフとの戦いで心も体も傷付き果て、
宛もなくさ迷っていたが、不思議な光に導かれ
幻想郷にたどり着く。
武器は変わらず
名前:シアン
性別:女
種族:幽霊かつ電子生命体
外見:『蒼き雷霆ガンヴォルト』のモルフォ
詳細:アシモフによって殺され、ガンヴォルトと一つになった少女。魂という意味では幽霊だが、体が電子の流れで出来ているという意味では電子生命体なため、種族は断定しにくい。『蒼き雷霆ガンヴォルト爪』の時と違い、力は奪われていない。
次回もお楽しみに!