―前回のあらすじ―
アクアの知力を上げるためゾンビメーカーを討伐しに行ったカズマたち、そこにいたのは、優しいがどこか威厳のないリッチー、ウィズだった。
夜な夜な墓地の魂を還していたが、かえってそれがゾンビを生みだしていたらしい。
アクアが代わりに成仏を行うということで落ち着いた一行は、そのまま墓地を後にしたのだった。
「・・・あれ?アクアのレベル上げは?」
「「「「あっ」」」」
―――当初の目的を完全に忘れて
―こ、の、す、ばっ!―
「どうだ二人とも、キャベツ狩りの報酬で修理に出していた鎧を強化してみたんだが・・・、に、似合っているか?」
「成金趣味のお偉いさんがつけてそうな鎧だと思う」
「・・・私だってたまには素直にほめてもらいたいのだが・・・」
「普段の行いの所為じゃない?」
キャベツ狩りの報酬が参加した冒険者全員に配られた。昼間から酒を飲み明かす者、装備を新しくした者、借金の返済にあてる者、貯金する者、皆思うままに報酬を使っていた。
「ハァ・・・ハァ・・・、こ、このマナタイトでできた杖の艶・・・!たまりません・・・!」←装備の新調
「・・・うん、もう少しかな」←貯金
「ちょっとぉぉ!なんで私は5万ぽっちなのよ!10や20じゃきかない数はとったわよ!?」←借金のカタ
アクアがとっていたのはレタスだったそうです。
―このすばぁぁ!―
「早速クエストに行きましょう、それもなるべく雑魚が多いやつを!新しい杖の威力を見せてあげます!」
「いいえ金になるクエストを選ぶべきだわ!ツケで今夜のご飯代もないんだもの!」
「ここは強敵の出るクエストをだな、一撃が重くて気持ちいいやつを―――!」
「落ち着けお前ら!掲示板を確認せんことにはだな・・・」
「・・・カズマ、ダクネスが喜びそうなのしか残ってないよ?」
三日月の言う通り、掲示板に貼ってあったのは彼らの手には余る難易度のクエストばかり、これはどうしたことかとルナに話を聞いてみると
「―――魔王軍の幹部!?」
「ええ、ここから少し離れた廃城に住み着いたとかで・・・、その影響か、近辺の弱いモンスターは姿を消してしまっていて・・・首都に応援を頼んでいますが、解決するまではそこにあるクエストしか・・・」
あ、アクアが膝から崩れ落ちた
―このすばぁ・・・―
「・・・そういうわけで、まともなクエストが張り出されるようになるまで、私に付き合ってくれませんか?」
「別にいいけど・・・、付き合うって何するの?」
早朝、三日月はめぐみんに連れられて街の外を出歩いていた。散歩という名目で付き合ったわけだが、どうやら別の意図があるらしい。
「爆裂魔法を撃てないので、こういろいろと、内にたまっていくものがありまして・・・、何か迷惑をかけずに爆裂魔法を撃っても大丈夫そうなのを・・・、あ、あれなんていいんじゃないですか?」
めぐみんが見つけたのは誰も使っていなさそうな寂れた城。早速詠唱を始めるめぐみん。
「・・・ん?何か忘れているような・・・」
「『エクスプロージョン』っ!!」
爆焔、地震でも起きたのかと思うほどの地響きが辺りに鳴り響く。
「あれ?あれだけの威力でも壊れないんだ」
「・・・すいません、帰りはおぶってもらえませんか・・・?」
爆裂魔法を撃ちたいから、帰り道の足になってほしい、ということらしい。
特にやることもないので付き合うことになった爆裂散歩は、1週間ほど続いた。
―このすば―
「緊急!緊急!冒険者の皆さんは、すぐに装備を整えて街の正門に集まってください!」
さあきょうも爆裂に出かけるかー、と支度と腹ごしらえを終わらせたある朝のこと、平和な朝の風景を切り裂くような報せ。
向かった正門の先にいたのは―――
「・・・俺は、先日この近くに越してきた魔王軍の幹部の者だが・・・」
―――漆黒の馬にまたがった、片手に己の首を抱えた騎士、
「ま、ままま毎日毎日毎日!お、おお俺の城に毎日欠かさず爆裂魔法を撃ちこんでくる、頭のおかしい魔法使いは誰だぁぁぁーーー!!」
―――デュラハンが、そこにいた
次回、べルディア戦!・・・になるのかなぁ・・・
毎日背負われて気づいたんですけど、ミカヅキの背中って安心できるんですよね。
温かくて大きくて、街につく頃にはつい寝ちゃっているんですが、起こさずに寝どこまでおぶってくれますのに、ホント第1印象の冷たさで損するタイプの人間ですよね、彼。
次回、「この素晴らしい世界で本当の居場所を!」
「魔王軍幹部、べルディア」
あ、ミカヅキ!今日も爆裂に付き合ってもらいますからね!