この素晴らしい世界で本当の居場所を!   作:味噌おでん

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1巻の内容もあと3、4話分といったところでしょうか。
べルディア回です、どうぞ!


魔王軍幹部、べルディア

―前回のあらすじ―

 

レタス収穫→借金返済不可→魔王軍幹部のせいでクエストがない、の3連コンボに絶望に打ちひしがれるアクア。

することがないので三日月を引き連れて爆裂散歩をはじめためぐみん。

特に出番のなかったカズマとダクネス。

皆自分の思い思いに生活する中、魔王軍の幹部、べルディアが現れた!

 

「ま、ままま毎日毎日毎日!お、おお俺の城に爆裂魔法毎日欠かさずを撃ちこんでくる、頭のおかしい魔法使いは誰だぁぁぁーーー!!」

 

 

爆裂魔法・・・だと!?

その場にいた全員が頭のおかしい爆裂魔法使い(めぐみん)に目を向ける。周囲から冷たい視線を受けためぐみんは、自分の近くにいた魔法使いの女の子に視線を誘導させた。

 

「ひぃっ!?わ、私じゃないから!私爆裂魔法なんて使えないからぁ!」

 

 

(・・・おい!まさかお前らが毎日爆裂魔法を撃ちこみに行ってたのって・・・!)

 

(みたいだね・・・、ごめん、忘れてた)

 

(忘れてたってお前なぁ!)

 

さすがに観念したのか、めぐみんが前に出た。三日月も後に続く。

 

「お前が・・・!お前がおれの城に爆裂魔法を撃ちこんでた頭のおかしい魔法使いか!俺が魔王軍幹部だと知っての狼藉なら、堂々と城に攻めてこい!雑魚しかいないと放っておけば毎日毎日ポンポンポンポンと撃ちこみおって!頭おかしいんじゃないのか貴様ぁ!?」

 

魔王軍幹部、激おこである。

 

「・・・我が名はめぐみん、『アークウィザード』にして、爆裂魔法を操る者・・・」

 

「・・・めぐみんってなんだ、バカにしてるのか?」

 

「ち、違わい!・・・われは紅魔族の者にして、この街随一の魔法使い、私が爆裂魔法を撃ちこんでいたのは、あなたをおびき寄せるための作戦!まんまとこの街に来たのが運の尽きです!」

 

(・・・おい、あいつ何言ってんだ?俺には爆裂魔法が撃ちたいって三日月に駄々こねてたようにしかみえなかったが・・・)

 

(うむ、しかもさらっと『この街随一』とか言っているしな)

 

(今日はまだ爆裂魔法撃ってないんでしょ?それに今日は冒険者もたくさんいるし強気なのよ)

 

仲間からこの言われようである。酷い。

 

「ほう、紅魔族の者か。なるほど、その名前は俺をバカにしているんじゃなかったのか」

 

「おい、親からもらった私の名前に文句があるなら聞こうじゃないか」

 

紅魔族といえば魔王軍も警戒するほどの相手であるが、べルディアはそんなこと気にしていない様子だった。

 

「・・・フン、まあいい。もともとお前らに用はない。城に爆裂魔法を撃ちこんでくるのをやめてもらえればそれでいい。」

 

「それは私に死ねと?紅魔族は爆裂魔法を撃たないと死んでしまうのですが」

 

「オイそんなこと聞いたことないぞ、適当な嘘をつくんじゃない!・・・どうしてもやめるつもりはないんだな、雑魚を蹂躙するのは趣味じゃないが、迷惑行為をやめないとなれば実力行使しかあるまい」

 

「迷惑なのはこっちの方です!あなたのおかげでこっちは仕事もろくに受けられないんですよ!・・・余裕ぶってるのも今のうちです、先生!お願いします!」

 

まさかのアクアに丸投げ。先生呼ばわりされて機嫌のよくなったアクアは、まんざらでもなさそうにべルディアの前に出た。

 

「しょーがないわねー!魔王軍幹部だかなんだか知らないけど、こんな昼間にのこのこ出てくるなんて「浄化してください」って言ってるようなもんよ!もとはといえばこいつのせいで私の貯金は大変なことになってるんだし、覚悟なさい!」

 

あなたが素寒貧なのはあなたがつくった借金のせいです。

 

「ほう、『アークプリースト』か?仮にも魔王軍の幹部がこんなところにいる低レベルの『アークプリースト』に浄化させられるとでも思っているのか?・・・そうだな、少し遊んでやろう」

 

余裕綽々な様子べルディアは、めぐみんに指を向けると

 

「『汝に死の宣告を!お前は1週間後に死ぬだろう』!」

 

べルディアが放った呪いは、まっすぐめぐみんに向かい―――

 

「―――っく!」

 

―――めぐみんをかばった三日月に当たった。

 

「おい三日月!大丈夫か!?」

 

「・・・うん。おれは平気」

 

慌ててカズマたちが三日月に駆け寄るが、三日月はいたって平気そうに還すのだった。

 

「その呪いは今は問題ない。狙いとは違ったがまあいい。・・・紅魔族の娘よ、その男は1週間後に死ぬ。貴様の行いのせいで、お前の仲間はこれから死の恐怖におびえることとなるのだ!クハハハハッ!素直に俺の言うことを聞いていればよかったものを―――」

 

仰々しくしゃべるべルディアだったが、その続きは言わなかった。否、言えなかった。

なぜなら―――

 

「―――フンッ!」

 

三日月(「敵の事情?何それ美味しいの」マン)が、得物(鉄血メイス)を自分に向かって振りかぶってきたからだ。

 

とっさに反応したべルディアだったが、回避が間に合わず、胸の鎧に小さくない傷がついた。

 

「き、貴様怖くないのか!仲間のせいで死ぬんだぞ!?」

 

「別にめぐみんのせいだなんて思ってないし、それに―――」

 

普段彼が浮かべないような、獣のような笑みを浮かべながら、

 

「―――アンタをやっちまえばいいんでしょ!」

 

三日月はべルディアに襲い掛かった。その勢いに気圧されたたのか、動きが鈍るべルディア。渾身のフルスイングから放たれた一撃は

 

「―――っく!」

 

彼の手から剣をはじき落とした。

 

「・・・面白い!紅魔族の娘よ!この男の呪いを解きたくば、我が城に出向き、俺のもとまでたどり着いて見せろ!言っておくが城内にはわが配下のアンデッドナイトがひしめいている。クククッ、ひよっこのお前らに、果たしてたどり着けるかな?」

「そしてそこの男よ!貴様の呪いが解けたその時、お前と1対1(サシ)で戦ってやろう!このべルディアの首、獲れるものなら獲ってみろ!」

 

尊大な(ボスっぽい)ことを言うと、べルディアはマントを翻し(ボスっぽい動作で)帰っていった。

皆が呆然とする中、めぐみんは一人歩き出した。

 

「おいめぐみん、なにするつもりだ」

 

「・・・決まってるでしょう。あのデュラハンに爆裂魔法を撃ちこんできます。ミカヅキの呪いを解かなくては・・・!」

 

カズマに肩をつかまれると、強い意志のこもった瞳で、めぐみんは答えた。

 

「・・・ったく、しょうがねえなぁ、お前1人じゃ爆裂魔法を撃ちこんだ後に動けなくなってアンデッドに囲まれるのがオチだ。帰りにおぶってくれる奴も必要だろ?」

 

「それを言うならカズマもだよ。もともと気づけなかったおれも悪いんだし、撃つまでの時間を稼ぐためにも前衛は必要でしょ?」

 

めぐみんの思いにこたえるように、男二人が腰を上げる。仲間を思う絆が、確かにそこにあった。

 

「目標は三日月の呪いを解除することだ、あいつと直接戦う必要はない。幸い1週間もあるし、1階1階爆裂魔法で敵を削っていけば何とかなるだろ」

 

カズマの提案に、2人がうなずく。絶対に仲間を助ける、そんな思いが彼らの中で確かに燃え上がっていた―――

 

「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

 

―――のだが、アクアの杖から放たれた奇妙な擬音が付きそうな光が三日月を包む。

 

「私にかかれば、デュラハンの呪いなんて楽勝よ!どう?たまにはプリーストっぽいでしょう?」

 

―――『緊急クエスト:魔王軍幹部べルディアの撃退』、クリア?




べルディア回(その1)でした。「首獲れってお前すでに首とれてるだろ」とか言っちゃいけません。
初めてカズマさんがかっこいいと思えたこのシーン、大好きです。

―次回予告―
占い師の予言が気になって訪れてみれば、思わぬ収穫があったものだ。
俺に恐れず立ち向かってくる度胸と実力、それにあの強い瞳・・・、ここまで血がたぎるのは久々だ!奴らが来るのが楽しみでしょうがない!

次回「この素晴らしい世界で本当の居場所を!」

「ソードマスターミツルギ」

こちらも万全の体制でもてなさなければな!お前たち、城中にありったけの罠という罠を仕掛けてこい!ククククク・・・、このダンジョン、貴様らに攻略できるか・・・!?
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