この素晴らしい世界で本当の居場所を!   作:味噌おでん

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三日月が転生したのはカズマさんがアクセルに来る1年前です。


It is the money that moves the world

目を覚ました三日月の目に映ったのは、今までに見たこともない光景だった。

石畳と木組みの家、そして道行く住人、彼が生まれ育った街(クリュセ)に比べても、お世辞にも生活水準が高いようにはみえなかった。

―――でも、みんな生き生きしてる。

少年兵(宇宙ネズミ)ゴミのように扱われる命(ヒューマン・デブリ)に囲まれた三日月には、明日への活力にあふれた人というのは、あまり見慣れないものだった。

希望をもって生きる人々を尻目に、三日月は歩を進める。目指すは冒険者ギルド、三日月の新たな戦いが始まろうとしていた。

 

―――「労働」

働くこと。特に、賃金や報酬を得る目的で働くこと。

      ―――某国語辞典より

三日月は働いていた。鍬で土を耕し、壁を塗り、土を運ぶ。

汗を流して金を得るというのは意外にも三日月の性に合っていた。

そもそもなぜ三日月がこんなことをしているのかというと、ギルドの受付で冒険者登録をしようとしていた時までさかのぼる―――

―――冒険者として登録していただくには手数料として1,000エリスが必要となります。

金どころか今日の食い扶持すらない三日月にとって、働いて金を稼ぐ以外に選択肢はなかった。

 

「おーいミカヅキぃ!そろそろ飯にしようぜー!」

 

「うん、いいよー」

 

素直で物怖じせず、仕事をしっかりこなす三日月は、思いの外、すぐに現場になじんだ。

 

「お?お前また野菜だけか?肉食わねーとちゃんとでかくなれねーぞー?」

 

「いいよ、おれ肉好きじゃないし」

 

―――この世界にきておよそ一週間、三日月は再びギルドに足を運んでいた。

日々の生活費と相談し、ようやく登録しても問題ないほどの金を稼いだからだ。

 

「あ!たしか・・・ミカヅキさん、でしたっけ?」

 

受付に向かうと、ルナ、と初対面時に名乗った金色の髪をまとめた女性が立っていた。

 

「登録、だっけ?しにきたんだけど」

 

ちゃんと金も持ってきた、と1,000エリスちょうど入った巾着を懐から出す。

 

「・・・はい。登録料、しっかりいただきました。

それでは、こちらの水晶に手をかざしてください。あなたのステータスを調べさせていただきます」

 

冒険者は登録時に冒険者カードと呼ばれるアイテムを受け取る。カードには自分の名前とステータス、スキルに職業といった個人の冒険者としての情報が記されている。身分証明書となると同時に、自分の力を示す物、習得スキルの管理に必要な物となる。

手をかざし、水晶が数秒光ると、ルナは慣れた手つきで冒険者カードを作っていく―――途中で、何かに気づいたような素振りを見せると、慌てて三日月に詰め寄った。

 

「―――な、なな何ですかこのステータス!?」

 

「え、なんか駄目だった?」

 

「魔法適正0!幸運値もかなり低い!知能は人並みですが、筋力などの戦闘系ステータスの高さが尋常じゃありません!」

 

ここまで偏ったステータスは初めてです!と動揺したルナを落ち着かせ、次へ進む。

 

「このステータスだと、『ウィザード』や『プリースト』などの職業は無理ですね。『戦士』職なら上級職の―――」

 

「―――この『冒険者』、ってやつ。なに?」

 

「え?ああ・・・、専用のスキルを持たない代わりにあらゆるスキルを覚えることができる職業です。

最も、スキルポイントを多く消費する上に、器用貧乏になりがちなので、最弱職などと呼ばれているのであまりお勧めは―――」

 

「じゃぁそれで」

 

―――三日月がギルドを後にした後も、ルナは不思議な物を見たような顔でいた。ほかの職業になれるのにわざわざ『冒険者』になる者はそうはいない。それは冒険者にとっての共通認識で、ルナも同様だった。

 

「―――ミカヅキ・オーガスさん」

 

ルナの目に映ったのは、魔王軍を打倒する新たな光か、それとも―――

 

 

「―――へぇ」

「気になって様子を見に来たら『冒険者』に、ねぇ―――」

「いったい彼はこの世界に何をもたらすのかな―――?」




最後に出てきた謎の人物、一体何リスなんだ・・・?

これから職業には『』をつけていきます。

三日月の肉嫌いは
・2期中で動物の肉を食べたシーンがない
・ヤマギの「動物の肉は好きじゃない」
などの描写から推察したねつ造設定です。
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