自分の拙い作品をこんなにも読んでくださる方がいることを実感します。これからも三日月とともに止まることなく進み続けます!
アクセルの町の郊外で、向かい合う影が二つ。
緑の巨体が跳ね、小さな体でそれをかわす。
―――お前楽しんでるだろ!
空耳である。カエルがしゃべるはずがない。
ジャイアントトードと呼ばれるこのモンスターは、人里付近に現れては、家畜や住民を舌で捕らえて飲み込んでしまう。
繁殖期になるとその数は著しく増加し、冒険者たちに討伐の依頼が出るのだ。
ちなみにその肉はたいへん美味らしく、一匹当たり五千エリスで取引される。
三日月は、単身ジャイアントトードに立ち向かっていた。
初心者殺しとの遭遇した時とは違い、装備は冒険者らしいものとなり、手に持った
大ぶりな攻撃を最小限の動きでよけ、相手にダメージを蓄積していく。しびれを切らしたジャイアントトードは、目の前の小さな獲物を押しつぶそうと、力強く飛び上がった。
隙だらけの一撃を危なげなくかわし、そのまま背中にとりつく。
―――こいつは、死んでいい
相手を見失ったジャイアントトードの脳天に、剣を突き出す。打撃の利かない柔らかい体に、鋭い剣は容易に突き刺さり、ジャイアントトードは絶命した。
剣を引き抜きながら、三日月は周りを見渡す。周囲には、横たわって動かないジャイアントトードが四匹。依頼のノルマは五匹の討伐。
―――三日月がこの世界にきて一年がたとうとしていた。
「ミカヅキー!」
ギルドに戻るやいなや、以前助けた『ウィザード』の少女、リーンが飛びついてきた。
あの日以降、何かあればすぐに三日月に引っ付くのだ。
「おぉミカヅキ、帰ってたのか」
「・・・ぺっ!」
「うぉわ!?汚ぇぞダスト!」
リーンの背後から現れたのは、彼女の仲間である『クルセイダー』のテイラー、『剣士』のダスト、『アーチャー』のキースだ。
「おうおう見せつけてくれるじゃねぇかあぁん?」
「・・・どうしたのさダスト」
「あいつのことは気にするな、いろいろあって荒れてるだけだから」
ちなみにダストだけやたらと喧嘩腰である。
「あ、そうだ。これ返すよ」
そう言って三日月はテイラーから借りていた剣を返す。
「おぉ。使い心地はどうだった?」
「やっぱ使いにくいや。おれは
「はいミカヅキ。これ返すね」
リーンから手渡されたのは、三日月が使うにはあまりにも大きいメイスだった。
「こいつじゃあのカエルを殺りきれないからね」
「打撃に強いもんね、ジャイアントトード」
「今回の稼ぎでいいのが買えるかな。ありがとうテイラー」
「困ったときはお互い様だろ?それにお前には借りがあるからな」
礼をする三日月に、テイラーは笑いながら返す。
「それじゃ筋が通らないよ。後でなんか手伝うから」
「・・・ミカヅキってやたらと筋を通すことにこだわるよね」
どうしてなの?と尋ねるリーン。
「別に?ただ・・・」
「ただ?」
「・・・ううん。何でもない。じゃ」
―――寝床である馬小屋へ帰る途中、三日月は不意に立ち止まった。
日はすでに沈み、空に浮かぶのは、大きく欠けた三日月。
青白く輝くその光は、まるで最初に
―――ねぇ、オルガ
三日月が思いをはせるのは、かつて自分を導き、自分の道を指し示した男。
―――次はおれ、どうすればいい?
心の中でつぶやくのは、何度も彼に問いかけた言葉。
―――いや、わかってる
死ぬまで生きろってオルガは最期に言った、だったらおれは最後まで命令を果たすだけだ。
―――おれはここで生きる。もう一度、この手で―――!
死んだ奴らと、生きてるはずの奴らに誓うように、三日月は手を空に伸ばした。
それはまるで、大切な何かをつかむようで―――
―――この時三日月は知らなかった。自分にとって大きな出会いが起こることを
「―――ようこそ、死後の世界へ」
―――邂逅の時は、近い。
今回でプロローグは終わり。次回から第一章が始まります!
―次章予告―
日本から転生してきた佐藤和真、彼を待ち受けるのは、理想と現実のギャップ、役に立たない女神、そして一癖も二癖もある仲間たち!
「ぷーくすくす!チョー受けるんですけどー!」
「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法の使い手!」
「いいぞ!もっとだ!もっと来い!これは非常に私好みのシチュエーションだ!」
―――ていうか問題児しかいない!大丈夫かこれ!?
「おれの邪魔をするっていうんなら、どこの誰だろうと叩き潰すだけだ」
「お前はもうちょっと落ち着けよぉぉーーー!」
クズ、アホ、厨二、ドⅯ、そして悪魔の繰り広げるドタバタ異世界コメディ!
「この素晴らしい世界で本当の居場所を!」
「アンデッドの俺より容赦がないってどういうことだ!?」
「「敵にかけるかける情けがあるの?」」
Coming soon!