やっぱりデュエルを文にして書くって難しいよね。
デッキや手札を調節しながら書く事が……
「俺はでカース・オブ・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!」
「う、うわぁぁぁ!」
(これは、何だ?夢?)
「へっ、俺の勝ちだぜ、小学生にも勝てなさそうなクズが、俺に勝てるわけないだろ。それより、お前、暗黒騎士ガイアがデッキに入ってたよな?お前みたいな雑魚にレアカードの暗黒騎士ガイアは勿体ないから、俺が上手く有効活用してやるよ」
(明晰夢っていう奴か?それより何だろう……、この光景は……。それに、あれは……、俺か?)
「そ、そんな、事、で、ででで出来ない……こ、これは、ぼ、ぼぼ僕の大切なカード、だ、だだから……」
(どうやらデュエルをしているみたいだが、この様な光景を俺は知らない。という事はこの世界の俺の過去か?)
「うぜぇ。その喋り方ムカツクなぁ……。お前の事情なんか知ったこっちゃねぇ。とっとと俺に寄越せ!」
(ふ~む、これは、負けた直後にカードを奪われている画って分かるんだが、そもそもアンティルールは基本的に禁止している筈。そういえば、この世界の俺って、口調はどもってて、性格は暗く、虐められっ子気質って月陽が言ってたっけか……)
吃音の少年のデッキを、強引に奪い取った粗暴な行動を取る少年は、中身を確認し、暗黒騎士ガイアを引き抜いた。
(暗黒騎士ガイア?疾風ならまだしも、バニラのだろ?強さ的には微妙で、使い辛いんだけど、そんなに大切なのか?ああ、そういえば、初代主人公の武藤遊戯が使ってたっけか。じゃあ、この世界じゃそれなりにレアリティは高いのかな?)
粗暴な少年の行動を、抑えようとして吃音の少年が動いた。
バキッ!
しかしあっさり防がれ、頬を殴られた。
「返して……、か、返してよ……」
「うっせぇ!」バシッ!
更に殴られる。
(これって、ただの強盗じゃん)
「ハッ!しっかり頂いたぜ。じゃーな!」
「ぐっ……」
(成程ね。最初に机に置いてあったデッキを見た時、あんなに悲惨だったのは、ああいう風に常日頃レアカードを奪われてたからか?それにしても、腹立たしい。この世界の俺が……。もっと抵抗しろや。覇気も弱々しいし。だから、増長するんだろうが。ああ、腹立たしい。この世界の俺って柔道やってなかったのか?やってりゃ、あれぐらいの奴ならブン投げられるのにな。はっきり言って、俺に似てるだけの別人じゃねーか)
その光景を最後に、辺りに白く霞んだ靄の様な物が立ち込め、直後に地震な揺れが起こったかと思えば、大和を呼ぶ声が響いた。
(ん?な、なんだ地震か?景色が薄らいで行ってるぞ……)
そこで、大和の意識は途切れた。
「……ま、……さま、……んさま!……さい!」
「ん、ん~」
「今日…………でしょ。ご………さま!ご主人様!」
何処からともなく聞こえてくる炉えに、大和はうっすらと目を開ける。
目の前には、メイド服を着た月陽の姿が映った。
「ん~と、あー、月陽か?メイド服……?あ、夢の続きかな?」
「いやいや、違うよ。現実だよ!ほら、何時まで寝惚けてんの!?今日、試験日でしょ!?」
「試験……、あ!試験日!」
試験日という言葉で、一瞬のうちに、寝惚け眼の虚ろ目から目が見開き、ガバッと勢いよく置きだした。
「そうだった。今日試験日だよ!今何時だ!?」
「朝7時だよ」
「7時?なんだまだ大丈夫じゃん」
「確かにそうだけど、寝惚けててミスしたんじゃ後悔先に立たずだよ?だから早めに起きて頭をスッキリさせてから、余裕持って行動しなさいよ」
「お前は小姑か? (∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい」
「何時までもふざけてないないでとっとと起きなさい!」
「はいはい、分かりましたよ。起きますよ!そういえばお前、罰ゲームは昨日終わったのに、まだメイド服着て、ご主人様って呼んでるのか?」
本来なら、昨日のうちに罰ゲームは終わっていたのに、未だにメイド服を着て、尚且つ大和を起こしに来る月陽に疑問を抱いた。
その途端、月陽が寸劇を始めた。
「……そ、そんな、酷い……。昨日あんなに私を調教し、弄んでお嫁に行けなくなる様にしておきながら、必要なくなったらポイーですか!?ヨヨヨ……」
そう言って、月陽は崩れ落ちる。
「止めい。そのめんどくせー三文芝居止めい。うぜぇから。そんな悲劇のヒロイン振りたいのなら……」
大和は、ガサゴソとカードを漁り、月陽に差し出した。
「はい。これやるから」
「ん?何これって……、薄倖の美少女……。いや、要らないし。というか持ってるから」
「なんだよ?悲劇のヒロインになりたいんだろ?」
「いや、そうじゃなくて、もう、大にぃもノリ悪いな~。可愛い妹のお茶目じゃん」
「自分で可愛い言うな。それより、何でまだメイド服なん?」
「いやー。昨日ずっと着てたら、愛着が湧いちゃって。服自体は可愛いしね。罰ゲームでメイド服とはいえ、珍しくごしゅ……大にぃが私に買ってプレゼントしてくれたんだしね」
そう言って、メイド服の短めのスカートの裾を掴み、一回転する。
ギリギリ下着が見えそうで見えない、絶妙な塩梅でだ。
「(可愛いじゃねーか。慣れて来たとはいえ、どうも長年一人っ子だったから、兄妹《キョウダイ》が居る事に違和感を覚える。結構可愛いもんだから、その扱いに余計困るんだよな。まぁ、試験に受かってしまえば、生活は大体あっちなんだし、なんとでもなるか)さぁて、着替えるから、出てってくれ」
「あれ?結構可愛く振る舞った筈なのに、スルーされた。なんの反応もされないとそれなりに傷つくなぁ。まぁいいや。兎に角、二度寝しないで、早く準備しなさい」
「はいはい。分かったよ」
大和の返事を確認した後、朝っぱらから月陽とグダグダなやり取りを終えて、月陽は部屋から出て行った。
「……さ、とっとと着替えて、とっとと会場に向かうか」
――――――――――――実技試験会場―In海馬ランド――――――――――――――
さて、試験会場に着いたわけだが、どうやら筆記試験の成績順位が実技試験の受験番号になるみたいなんだけど、受験番号が99位という事から、振るわない成績だった様で結構後ろの方だ。
一応、会場内のフィールドは、10カ所程あるんだけども、これって受け付け順なのか分からんが、アナウンスが来るまで出番はまだ先の様だ。
だから、順番が来るまで、人のデュエルを見ながらボーっとしてた。
最初はね、他人のデュエルの観戦を楽しんでたんだけど、試験官のデッキはクロノス先生のアンティークデッキ以外は試験官も受験生もデッキ構成が似たり寄ったりなんだよねぇ。
例を挙げるとすれば、装備ビートや高レベルで高出力のモンスターをアドバンスしてひたすら殴るのが殆どだね。
まぁ、流石に試験官のデッキは、本人のデッキじゃなくて、試験用のだろうけど、受験生はもうちっと工夫しろよと言いたい。
ネタであって欲しいと願っているが、モリンフェンとかレオ・ウィザードが出て来たんだけど、どういう事?態となの?
其処は、ちょっと笑わせて貰った。
クロノス先生については知らん。
おおよそ、舐められない様にする為か、自己顕示欲を示したいだけか、カードの自慢をしたいかのどれかだろ?
流石に、上位陣はもう少しコンボを重視しているデッキが見られるんだけどねぇ……。
やっぱり、基本的にデッキは似たり寄ったりだから、段々と白けて来る。
受験生の中には、時偶に、バーンしたりロックしたりデッキ破壊して来るのが居たけど、周りで見てる奴等のブーイングが酷い事酷い事。
試験官からも、苦言を呈されているみたいだし。
確かに、初期ライフが4000でフルバーンされるのはきっついだろうけどさぁ、あそこまで批判されるとは……。
俺は、ああいうの、どーやって破ってやろうか、わくわくして楽しいんだけどなぁ……。
見ていると、そういうデッキ使っている受験生は、回し方もそれなりにこなれてるみたいで、全戦全勝と勝率は高いし、本人達はある程度批判覚悟でやっているのかもしれないな。
俺も結構ロックするから、批判の矛先が来そうだけど、ある程度批判は分散してくれるかな?
まぁ、結局のところ、デュエルを見てて面白いのは、そいつらぐらいかな?
いい加減、待つのもダルくなってきた大和は、時間が来るまでデッキの確認をしようかとした時、デュエルフロアに来る様にとのアナウンスが入り、ようやく大和の番に回って来た。
「なんでやねん。タイミングわりぃ……、まぁいいや。ようやく回って来たし、さって行くか」
そう言って、大和が試験を受けるフィールドへと向かった。
「ふむ、君が受験番号99番の受験生かね?」
「えーそうですよ。受験番号99番、葦原大和です」
「うむ、確認した。私は試験官の山田太郎だ。勝てば、印象も強く残り、合否が有利に働くのは事実が、負けとしても、落ちるわけではないから、落ち着いて行いなさい。あくまでデュエルのタクティクスを見る為のものだ」
「……う~っす(や、山田太郎って、例名かよ、すんごい没個性的だな。思わず噴きそうになったよ)」
試験官の説明に、大和はやる気のない気の抜けた様な返事をする。
その返事に、試験官はイラッと来た様で、試験官は少し説教を始めた。
「君の試験なのだよ?もう少し緊張感を持ったらどうかね?」
「あー、これが俺の素なので、気にしないでください」
しかし大和は、試験官の小言を直す事はせず、どこまでもマイペースで振る舞う。
「……まぁ、いい。それでは、まずデッキを用意しなさい」
試験官はまだいろいろ言いたい事があったが、あまり小言に時間を割くわけにもいかなく、先を進めた。
「う~っす。ああ、そうだ。デュエル始める前に試験官さんに質問したいんですけど、いいっすか?」
「構わない。何でも聞いて来なさい」
「ああ、どうもすんません。試験官さんは、1~5までの数字で、一番好きな数字は何ですか?」
大和は唐突に、試験とは何にも関係なさそうな質問をして来た。
「は?いきなり何を言っているんだ?試験とは何にも関係ない様だが、ふざけているのかね?」
大和の質問の意図が分からず、試験官は眉を顰ませ、若干強い口調で聞き返してきた。
「ああ、言葉が足りなかったっすね。今デッキを5個程持って来てあるんですが、どれを使おうか迷ってたんで、だったら、試験官さんに決めて貰おうと、それぞれのデッキに1~5の番号を付けてあるんで、聞いたんですけど」
「は?君の持つ一番強いデッキにすればいいのではないか?」
「いえ、デッキの強さ的にはどれもこれもあまり変わりません。精々相性の問題ぐらいです。何より、どうせ試験官さんのデッキって試験用に作った、当たり障りのないオーソドックスな装備ビートデッキでしょ?だったら、どのデッキを選んでも負けないと思いますよ?それに、今日は5個しか持って来ていませんが、家に帰ればデッキは10個以上ありますから。その中で選抜して持って来たんですから、どのデッキでも大差はありません」
知ってか知らずか、非常に見下した発言且つ、挑発的な言葉なのだが、大和自身は本当の事を言っている為、挑発行為だという事に気付いておらず、不毛に試験官を煽っている。
当然、試験官は挑発されたと思った為、激怒する。
「なんだと!?いいだろう。そこまで言うのなら、試験用デッキではなく、私のデッキでお前を倒そう。私情で悪いがその減らず口を何も言い出せなくさせてやろう!」
「(あれ?なんか怒ってるんだけど?二人称が君からお前になってるし、俺に対する態度と口調が乱雑なんだけど……。まぁ、いいや)それは、試験官さんの好きにして下さい。いや、寧ろそっちの方が面白い。それで、何番を選びます?」
「では、5番目を選ぼう(くっ、相変わらず舐めたままだな?いいだろう。コテンパンにしてやろう)」
「分かりました」
大和は、リュックから黒めのクリアなストレージケースを取り出し、それを開けると、5つずつデッキがしきられている、一番左端にあるデッキを取り出して、デュエルディスクに挿入した。
そして、用のないデッキはリュックに入れ直し、リュックをまた背負う。
「準備出来ましたよ(ふ~ん、このデッキね……)」
「宜しい。では、これより試験を開始する。」
「「デュエル!」」
「先攻は、君から始めるといい」
「分かりました。では、遠慮なく。先攻俺のターン、ドロー。(成程ね。まぁ初手は悪くないかな?)俺はリバースカードを4枚セットして、ターン終了します」
「何?モンスターを出さない?あれだけ大口を叩いておきながら手札事故か?」
初ターンでモンスターを出さなかった事で、試験官だけでなく、観客からも手札事故かの声があちらこちらで聞こえてくる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先攻1ターン目のフィールド状況
大和
ライフ:4000
手札:2枚
モンスター
なし
魔法・罠:4枚セット
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「私のターン、ドロー!私は、モンスターカード、重装武者―ベン・ケイを召喚する」
(やっほーい!禁止カードキタコレ。初っ端からベン・ケイかよ。つう事は、ベン・ケイ1キルか?じゃあ、このパターンは……)
「そして私は、装備カード、デーモンの斧と、融合武器ムラサメブレードと、稲妻の剣を装備させる」
(うん、まぁ、予想通りの展開だな)
「これで、重装武者―ベン・ケイの攻撃力は、3100になる」
攻撃力がいきなりの3000超えに周りは沸き、観客から「あいつ、もう終わったな」の声が聞こえて来た。
当然、大和の耳にも入って来ており、少しだけ不快感を示す。
(うぜぇな。糞観客共め。確かに、Ⅰターン目であんなの出されたら普通の奴等なら諦めるかもしれんが、ライフが0になる前に負けを認めちゃあ、逆転のチャンスなんて絶対来ないし、成長しねぇんだよ)
「そして、私は魔法カード、拘束解放波を発動する。このカードは、自分の装備カードを1枚選択する事で、選択したカードと相手の魔法・罠カードを一掃出来るカードだ」
「(うっわ、そう来るか。だけど、あのカードが出るのって5D'sの時じゃなかったっけ?ん?でも、ちょっと待てよ。あれってセットカードだけを全て破壊するんじゃなかったっけ?その解釈じゃ全て破壊する事になるんだけど。……ん?待てよ、アニメ効果の方か?これ?あの蟹主人公がそんな風に使ってなかったっけか?)
「選択する装備カードは融合武器ムラサメブレードを選択する。しかし、ムラサメブレードはカードの効果では破壊されない為、ムラサメブレードは残り、破壊されるのは相手だけになる」
「流石に、それは通すわけにはいきませんね。魔宮の賄賂を発動しますね~。拘束解放波の発動を無効にして、破壊します」
「何!?(あっさり、決まるかと思ったが、防いで来たか。どうやら、ただの自信過剰な受験生というわけではなさそうだな)」
「(危ない危ない。流石にアカンやろあれは。拘束解放波使うとか質が悪過ぎやでホンマ)ただし、相手は、デッキからカードを1枚ドロー出来ます」
「分かっている。ドロー!」
「この瞬間、罠カード発動しますね~」
「何!?このタイミングで発動する罠カードだと?」
「はい~。便乗を発動します。相手が、ドローフェイズ以外のドローした時、俺はカードを2枚ドロー出来ます。ただし、この発動した瞬間はドロー出来ません」
「魔法・罠の破壊を防ぐだけでなく、魔宮の賄賂のデメリット効果を、便乗で有効活用させるか。なかなかにやるようだな。だがしかし、警戒しなければならない魔法・罠カードを2枚開けた事は好都合。一気に畳み掛ける!重装武者―ベン・ケイでプレイヤーにダイレクトアタック!五条岩融(ごじょういわおとし)!」
「それも、通すわけには行かんね~。罠カード、血の代償を発動しますね~。ライフを500払って、月読命を召喚します。そして月読命の効果を発動します。フィールド上に表側表示のモンスター1体を選択して裏側守備表示にします」
500ポイントのライフコスト
大和のライフ:4000→3500
「何!?スピリットモンスターだと?あんなレアカードを一体……それよりこれは……」
「はい~。試験官さんの想像通りだと思いますよ~。俺が裏側守備表示にするのはベン・ケイを選択しますね~」
「くっ!」
月読の効果で、ベン・ケイは裏側守備表示になる。
「それで、裏側守備表示になったので、装備カードは外れて墓地に送って下さい」
「くっ(ちっ、やられた!もう1枚の伏せカードの警戒を緩めてしまった)」リバースカードを1枚セットしてターンは終了だ……」
「ターンが終了した時、月読命はスピリットモンスターなので、スピリットモンスターの共通効果の召喚したターンのエンドフェイズ時は手札に戻ります」
「という事は、血の代償の効果がライフが続く限り略無限に使えると言う事か。つまり、私の攻撃は、月読の効果の所為で、必ず1回は防がれると言う事か!?」
「はい、そういう事になりますね~。駄目ですね~。試験官ともあろう人が、カードの存在を忘れてはいけませんね~」
「くつ(あの99番の言い方に凄く腹が立つが、事実だけに言い返せない……。だが、相手が攻撃してくれば、ミラーフォースで破壊してやる!)」
「それじゃあ、次は俺のターンですね~」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後攻1ターン目のフィールド状況
試験官(山田太郎)
ライフ:4000
手札:2枚
モンスター
重装武者―ベン・ケイ:星4/闇属性/戦士族/攻500/守800/裏側守備表示
魔法・罠:1枚セット
大和
ライフ:3500
手札:2枚
モンスター
なし
魔法・罠:便乗、血の代償、1枚セット
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ドロー、さてどう料理しよっかな?じゃあ、不死之炎鳥を攻撃表示で召喚しますね。
このまま攻撃してもいいんですが、ダメージを与えられるわけではないので、強制転移を発動させて貰います。まぁ1対1なんで、単純に交換するだけですね~。
そして、そのままターン終了です。ターンのエンドフェイズ時に試験官さんに送った、不死之炎鳥を自分の手札に戻します」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先攻2ターン目のフィールド状況
大和
ライフ:3500
手札:2枚
モンスター
重装武者―ベン・ケイ:星4/闇属性/戦士族/攻500/守800/裏側守備表示
魔法・罠:便乗、血の代償、1枚セット
試験官(山田太郎)
ライフ:4000
手札:1枚
モンスター
なし
魔法・罠:なし
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ぐっ、追撃は来なかったものの、フィールドががら空きではないか!私のターンドロー!」
試験官がドローしてそのカードを見た時、しばし長考する。
(むぅ、強欲な壺か……。使った場合相手の便乗の効果でドローされるが、使わなければ、事態も好転はしないか……、ここは、臆せず行く!)よし!私は魔法カード、強欲な壺を発動させる!強欲な壺の効果でデッキからカードを2枚ドローする」
「ドローフェイズ以外でドローしたので、便乗の効果で俺も2枚ドローします」
「それは、承知している!」
ドローしたカードを見て、試験官はニヤリと笑みを浮かべる。
「(よし、いいカードを引いたぞ)私は魔法カード、増援を発動させる。デッキからレベル4以下の戦士族モンスターを手札に加える!私がデッキから選択するのは不意打ち又佐を選択する!そして手札に加えた不意打ち又佐を攻撃表示で召喚する!そして私は此処で、天よりの宝札を発動させる!お互いにカードを6枚になる様にドローする!」
天よりの宝札の発動で、観客から(ウオー!スゲー!)だの、(最強の手札増強カードを此処で持ってくるとは)の声が、聞こえて来る。
「(またそれか、妹の時にもう何度も見た光景だよ)俺も6枚になる様にドローの上に、便乗の効果で更に2枚ドローします。しかし、いいんですか?結局俺にも、手札を増やす事になりますし、次の俺のターンがきつくなりますよ?」
「それは、重々承知している。だがチャンスでもある。此処で一気に決めさせて貰う!」
「へぇ~。それじゃ、このターン頑張って凌いで行きますか……」
「行くぞ!私は手札から魔法カード、二重召喚を発動する!この効果で通常召喚をもう一度行う事が出来る!私が召喚するのは2枚目の不意打ち又佐を召喚する!
更に、装備カード、融合武器ムラサメブレードを不意打ち又佐に装備させる!
更に装備カード、団結の力と魔導師の力をもう一つの不意打ち又佐に装備する!
これで不意打ち又佐の攻撃力は、2100と4900になる!
そして、2枚目の、拘束解放波を発動する。私が選択する装備カードは当然、ムラサメブレードを選択する!」
「凄いっすねー。本当に一気決める気なんですね。ですがそうはさせません。罠カード、魔宮の賄賂を発動しますね。試験官さんは1枚ドローして、俺も2枚ドローします」
「くっ、また防がれたか。もう1枚伏せてあったのか……」
「まぁ、限界一杯積んでますから」
「そうか。だが、次のターンは来させん!今度はモンスターが2体いるから、月読命だけではさっきの様に攻撃を止める事は出来んぞ!ムラサメブレードを装備した不意打ち又佐で、裏側表示モンスターに攻撃!」
「させませんよ~。血の代償の効果で、ライフを500払って月読命を召喚します。月読命の効果で裏側守備表示にして、ムラサメブレードは墓地に送って下さい」
500ポイントのライフコスト
大和のライフ:3500→3000
「ふっ、それは予想済みだ!私には不意打ち又佐がもう1枚ある!もう1枚の不意打ち又佐(団結の力と魔導師の力を装備した)で、月読命に攻撃!」
「ところがどっこい、俺は更にライフを500払って竜宮之姫を召喚します。竜宮之姫は召喚した時に相手モンスターの表示形式を変更します。なので、不意打ち又佐を守備表示にして下さい」
500ポイントのライフコスト
大和のライフ:3000→2500
「何だと!?もう1枚防ぐカードが来ていたか……。そうか!何故、攻撃力の低い方に月読命を使ったのかと一瞬疑問におもったが、先に竜宮之姫を出したら、次に月読命が居るのが分かっているのだから、無闇に攻撃はしない!しかし、先に月読命を出す事で、もう防ぐ物はないと錯覚させ、攻撃を誘う。そしてまんまと守備表示ににして防ぐ。そして守備表示にしたという事は……」
「長々と説明御苦労さんです。はい~、試験官さんお想像通りだと思いますよ~」
「くっ、あの時の違和感に気付いていれば……」
「だから、無闇に手札を増強するからそういう事になるんでだよ。アホだな~。もしかして月読命は1枚だけだと思ってたん?そして、竜宮之姫の存在を知らなかったのか?因みに、竜宮之姫と月読命は2枚づつ入ってるからな?それで、よく試験官が務まるなぁ、おい」
最早、敬語(さっきまでも、馬鹿にしながらの敬語モドキではあるが)ではなく、完全に見下した言い方で、試験を馬鹿にしている。
しかし、試験官はあっさり防がれた事がショックだった様で、大和の馬鹿にした発言に気付いていない。
「……私はターンを終了する……」
「あ~あ、折角手札を揃えたのに、あっと言う間にスッカラカンになりましたね~ターンのエンドフェイズ時にスピリットモンスターは手札に戻ります」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後攻2ターン目のフィールド状況
試験官(山田太郎)
ライフ:4000
手札:0枚
モンスター
不意打ち又佐:星3/闇属性/戦士族/攻2100/守800/融合武器ムラサメブレード装備/裏側守備表示
不意打ち又佐:星3/闇属性/戦士族/攻4900/守4400/団結の力、魔導師の力装備/守備表示
魔法・罠:融合武器ムラサメブレード、団結の力、魔導師の力、1枚セット
大和
ライフ:2500
手札:8枚
モンスター
重装武者―ベン・ケイ:星4/闇属性/戦士族/攻500/守800/裏側守備表示
魔法・罠:便乗、血の代償
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「俺のターンドロー。う~ん、手札が一杯。さて、どうしよう。まだ、遊んでもいいんだけど、もう、決めちゃうか。それじゃあ魔法カード、抹殺の使徒を発動します。その裏側守備表示にしてある、不意打ち又佐を破壊して、除外しますね。まぁ、後半の効果は不意打ち又佐はリバースモンスターではないから、意味はないね」
「何!?除外か!くっ」
「更に魔法カード、シールドクラッシュを発動します。試験官さんの残ってる守備表示モンスターを破壊しますね~」
レーザー砲の様な光線が飛び出し、不意打ち又佐を破壊した。
「ぐっ、守備力2800のモンスターをあっさり破壊するか……」
「よ~し、モンスターゾーンはすっきりしたし、行きますか。俺はまず、手札の不死之炎鳥を除外して、伊弉凪を特殊召喚します」
「何!?スピリットモンスターは特殊召喚出来ない筈だ!」
突然試験官が頓珍漢な発言をする。
「残念ながら、伊弉凪はスピリットモンスターに入らないんだなぁ。それよりも、試験官ならカード効果ぐらい知っとけ馬鹿が」
「何だと!?試験官に向かってそんな口を……」
「試験官のクセにカード効果を把握してないのが悪い。それに、スピリットモンスターでも特殊召喚出来るモンスターは居るぞー。大和神というモンスターカードが、唯一スピリットモンスターでも特殊召喚出来るカードだ。まぁ、逆に通常召喚が出来ないんだけどな。まぁそんな事はどうでもいい。先を進めます」
「更に俺は、裏側守備表示のモンスターを生け贄に、鳳凰を召喚する」
大和のフィールドに、火の粉を撒き散らし、虹色の炎に輝く火の鳥が現れる。
先程の、不死之炎鳥よりも、大きく、力強い炎を輝かせている。
その姿に観客が、「綺麗」だの「ふつくしい」だの声が響く。
特に、女性陣に結構高評価の様で、歓声が多い。
「そして、鳳凰を召喚した時、効果を発動させる。鳳凰の効果は、召喚した時に、相手のセットした魔法・罠カードを全て破壊する」
「何だと!?何て強力な効果だ!ハーピィの羽根箒とほぼ同じではないか!?」
禁止カードのハーピィの羽根箒に近い効果に、試験官は恐れ戦く。
「行け、鳳凰!相手の魔法・罠カードを駆逐せよ!」
大和の号令に、鳳凰は翼から炎を撒き散らして(イメージで)、試験官の魔法、罠カードを破壊した。
「何!?くっ、頼みの綱のミラーフォースが……。私の負けか……」
「ミラーフォースかよ。危ないなぁ(この世界じゃ、本当に仕事しないな……)。そして更に俺はトレード・インを発動させます。俺は手札の火之迦具土を墓地に送り2枚ドローします。そして、墓地の火之迦具土を除外して、大和神を特殊召喚します」
「何!?その2体で終わるのに、更に召喚するだと!?」
「何か問題でも?」
「ない。ないが、勝負は決まっているのに、何故、態々召喚をするのか!?」
「いえね、やるからに全力全壊でぶっ潰すのが、俺のモットーなので。ああ、そうそう、俺はモンスターを更に召喚しますからね~。というわけで、魔法カード、二重召喚を発動します。召喚するのは、因幡之白兎を召喚します。大和神って大国主がモデルだから因幡之白兎をセットで出してあげないとね。嫁取り行繋がりで。よ~し、これで準備は完了です。本当は、血の代償を使ってもう1体出したかったんだけど、月読命と竜宮之姫しかもう手札に無かったし、出しても意味ないしね~、特に月読命は強制的に効果が発動しちゃうからね~。さぁて、覚悟はいいですか?」
因みに今の大和のモンスターゾーンの状況は……
伊弉凪:星6/風属性/天使族/攻2200/守1000
鳳凰:星6/炎属性/鳥獣族/攻2100/守1800
大和神:星6/闇属性/戦士族/攻2200/守1200
因幡之白兎:星3/地属性/獣族/攻700/守500
となります。
「ああ、もう応える気力もありませんか。じゃあ、行っきまーす。スピリット軍団で、プレイヤーに一斉にダイレクトアタック!」
ズガガガーン!!!!!!!
「ぐ、ぐわー!!!!!!!!!!!」
大和の号令に、大和のモンスター軍は試験官に、けたたましく響き渡る爆音で、ド派手な一撃を見舞った。
2200+2200+2100+700=攻撃力7200
試験官(山田太郎)ライフ4000-総攻撃力7200→3200のオーバーキル
「ふぅ、お~わりっと」
大和の攻撃が決まり、勝負が決した瞬間、観客の歓声が一斉に沸いた。
「うおおおーすっげー!」「熱い戦いだったぜ!」「キャー!すっごーい」「あの、受験生すっごく強いわ」
(うるせー。さっき、結構な人数があいつ終わったな?とか言ってたよな?何このテノヒラクルーは?)
「悔しいが、私自身のデッキを使って負けた。それも、戦闘ダメ―ジを1度も与える事なく……。完敗だよ。素晴らしいタクティクスだ」
「あ、どうも(俺的には不満なんだよなー。結構ギリギリだったし、ライフを削り過ぎた……。バトルフェーダーを3枚も入れてるのに、1枚も来ないのはどういう事?こいつが来ないと、上級スピリットモンスターの生け贄がスムーズに行かなくなるだろうが。それにライフ回復するカードが来ないってどういう事だ?エレメントの泉どころか、ドレインシールドを3枚ブチ込んでるのに来ねぇし。特に今日みたいに攻撃力を爆上げするもんだから、余計にそう思ったぞ)」
そう一人で頭の中で反省していると、試験官から声が掛かった。
「合否については、追って通達する」
「ああ、はい、分かりました~」
その光景を見ていた、万条目とその取り巻き達と、天上院明日香、カイザーこと丸藤亮が、思い思いに感想を述べた。
「万条目さん、今の受験生なかなかやりますね。あの試験官は確か、実技試験の最高責任者のクロノス教諭に匹敵する実力を持つという声がありますが、その試験官に勝つとは……。それも試験用のデッキではなく、本気のデッキに……」
「ふ、ふん!あんなのただのマグレか、試験官の油断に決まっている。でなければ、99番ごときに負ける筈がない!」
「そうかもしれませんが、コスト以外ノーダメージとい事は、少なくとも雑魚ではありません。何より、扱いが難しいと言われている、使い手の少なく幻のカードとまで呼ばれたスピリットモンスターを使っています」
「ふん!」
「どう?さっきの受験生。なかなか面白いんじゃない?」
「ああ、終始落ち着いたデュエルをしていた。それに守備が堅い。ライフ上は接戦に見えるが、そのライフは全てコストだ。戦闘ダメージを受けていない。俺でも付け入るのに苦労するだろう」
「ふふ。亮が其処まで言うなんてね」
「それ程期待をしているという事だ」
そして、大和がステージから退こうとした時、見覚えのある人物が駆け込んできた。
ご存知、遊戯王GXの主人公、遊城十代の登場である。
大和の目の前で、アニメで見たやり取りが繰り広げられていた。
(おー、あれが、この舞台の主人公みたいだね~。丁度終わったし、彼のデュエルを見てから帰るか……)
そして大和は、観覧席に向かい、十代のデュエルを眺めた。
という事で第2話でした。
アンケートの方ですが、TFキャラをヒロインにして欲しいとの要望が多かったので、ヒロイン化します。
どうやら、藤原雪乃とツァン・ディレが3票とトップで並んでますね。
略、決定でしょうか?
あんまりいっぱい居ても、俺の腕が無いので、書ききれる自信がないので、オリヒロと、雪乃とツァンになるのかな?
それと、デッキレシピは載せて欲しいという方が多かったかな?
後、タイトルにある転世っていう字が誤字報告で来たのですが、転生ではなく転世と書いたのは態とです。
ジャンルとしては、転生というより自分が自分に憑依する異世界憑依なんですよね。
ですから、異世界移転を略した形で書きました。
という事でまた次回お会いしましょう。