提督食堂~艦娘達の憩いの場~   作:秩父快急

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弥生~ポテチパン~

「だから、弥生…。怒ってなんかないですよ。」彼女の一言はよくこの言葉から始まる。

 

 「はぁ…。なんで、弥生はよく間違えられるのだろう。」

三月のある夜の事、弥生は提督食堂で一人で呟いていた。

「どうした?弥生…。なんか、あったのか?」

提督が話しかけると弥生は普段の事を話始めた。表情が硬く、話が苦手な彼女はよく怒っていると間違えられることが多い。艦娘としての成績は優秀なのだが…。その性格から、他の艦娘からは声が掛けにくいと言われていた。その為、友人は戦火を共にした睦月型の仲間ぐらいしかいなかった。

 「弥生…。怒ってなんかないのに…。」

「う~ん…。弥生は表情硬いからなぁ(^^;」と、どう対処したらいいか困る提督。意気消沈する弥生に提督はある料理を出した。弥生が生まれた横須賀のB級グルメのポテチパンだ。コールスローにのりしお味のポテトチップスを砕いてまぜ、それをコッペパンに挟んだB級感満載のパンだが…。弥生の大好物である。

「ま、これを食べて元気出しな。」

「…いただきます。」

弥生は静かにパンにかぶりつく。コールスローのキャベツのシャキシャキ感に水分を吸ってしんなりとしたポテトチップスの塩気と油が絶妙にドレッシングとマッチして美味しい。

「…弥生はポテチパン食べてるときは笑顔になるよな(笑)」

「え、弥生…。笑ってる?」

「ああ…。」

 提督の言葉に少し驚く弥生。すると提督がある提案をして来た。

 

 数日後、タンカー護衛任務で弥生達第30駆逐隊のメンバー(弥生 睦月 如月 卯月 三日月 望月)と同行してきた綾波 敷波 は沖合で昼食を取ることとなった。

「あ~お腹すいた。今日のお昼はなんだっけ?」と、敷波。

「もう、お昼になりますね。」時計を見ながらお昼だと話す三日月。

「早くお昼にするにゃしぃ~」

と、お腹を空かせた睦月が嘆く。各自持っていた戦闘糧食を鞄から取り出す。

「んぁ~またおむすびかぁ。」

と、連続のおむすびに愚痴を出す望月。すると弥生が持っていた鞄からパンが入った袋を取り出す。

「弥生ちゃん?出発前から気になっていたんだけどなにそれ?」綾波が気になって尋ねてきた。

「確かに、その袋はなにかしら?」如月も気になるのか尋ねてくる。

「あの…これ、よかったら…。みんなで食べましょう?」と、ポテチパンを綾波に手渡す。

「これは?何パン?」

「およ?これは野菜がはさんであるにしゃしい~。」

「…私が生まれた、横須賀の名物。ポテチパンで…す。」弥生は恥ずかしながらポテチパンの事を話す。

「弥生ちゃん、ありがとう。」と、綾波。

「ちょうど、おむすびに飽きてきた所だったから助かったわぁ~。」敷波は弥生から手渡されるとすぐにポテチパンにかぶりついた。

 

 「ん!これ美味しい~♪」

 「このパン初めてだけど美味しい~!」

 

 と、皆から歓声が上がる。その言葉に弥生は少し照れていたが…。

 「よかった…。皆、美味しいって言ってくれて。弥生…うれしい。」

 「あっ、珍しく弥生ちゃんが笑ってるぴょん~!」と、卯月。

 「ほんとにゃしぃ~♪」

 

このあとポテチパンで栄養を補給した弥生達はタンカー護衛任務を大成功させ帰還した。その夜、弥生はお礼を言いに提督の元へやって来た。

「…司令官。…今日は、ありがとう。」

「ポテチパンは好評だったかい?」

「…うん。」

「ならよかった。弥生も皆と話ができて良かったな。」

 普段は表情が硬い弥生だったが、この日は笑顔だった。その後、弥生が配ったポテチパンの噂が鎮守府に広がりポテチパンブームとなったのは秘密である。もちろん、弥生もこの事がきっかけで他の駆逐艦娘達と話す機会が増えたのであった。

 

 

 





 こんにちは急行奥秩父です。今回は弥生の話を書いてみました。表情が硬い弥生って、私に似たところがあるのでなんか共感する事の多い艦娘です。(私自身、表情が硬く…。少しは笑えとか学生時代に言われたものですw)劇中に出てきたポテチパンは、弥生が生まれた神奈川県横須賀市のB級グルメの一つです。ポテトチップスとコールスローの絶妙な組み合わせは意外と合うんですよね。横須賀に行ったときはこれを食べることがあるのですが…。市内のパン屋でも限られた所でしか作られておらず、レア物なんですよね(笑)その為、食べられる時と食べられない時があります。人気のパンなので、もう少し作るパン屋が増えればいいんですけどね~ 
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