提督食堂~艦娘達の憩いの場~   作:秩父快急

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最上~玉こんにゃくの煮物~

「重巡洋艦最上型のネームシップ 最上だよ!提督よろしくね!」

 

 横須賀鎮守府に最上が来たのは、まだ開設直後の頃だった。資材も余裕がなく、最上がよく食べていたのは豚汁と一緒に作っている玉こんにゃくの煮物だ。最上との会話は、こんな事から始まった…。

「んんん~。」

「最上?何しているんだい?」

「いやぁ、こんにゃくが取れなくてさ…。」

 提督が豚汁定食の箸休めとして作った玉こんにゃくの煮物。それを最上は食べようとしているのだが…。

「あぁ…。あと、ちょっとだったのに。」

 誰もが経験したことがあるだろうが、表面がツルツルしてる玉こんにゃくは箸で掴むのがとても難しい。

「最上…。食べにくいなら爪楊枝で食べたらどう…。」

「えい!」

 提督が爪楊枝を差し出そうとしたところ、最上は刺し箸で玉こんにゃくを口に入れるところだった。

 

 「あっ…。」

 

 二人の間に無言の時間が数秒流れた。

 「…ハハハ。これはさすがにボク、お行儀悪いよね(汗)」と、苦笑いの最上。これが最上が提督食堂に初めてきた日の出来事である。

 

 コト…。

 

 「はいよ、玉こんにゃくだよ。」

 今宵も最上は玉こんにゃくの煮物を頼んでいた。初期の頃と違って竹串に刺された玉こんにゃくは、箸で掴んで食べるよりずっと食べやすい。そして、茶色に染まり濃いだし醤油の味が染み込んだ玉こんにゃくにほんの少し辛子を付けて食べると格別に旨い。

「あぁ~美味しい~♪三隈も一緒にどう?」

「ありがとうモガミン♪」

 と、二人で仲良く食べる姿はまるで夫婦のようである。

「…君たち、まるで夫婦みたいだな。」

と、提督が話すと最上は…。

「…ナイナイナイ!!!ボク、こう見えて一応女の子なんだからさ!」

と、真っ赤な顔で慌てる最上を三隈は微笑みながら見つめる。

「もう、提督からかうのやめてよ!」

「ハハハf(^^; ごめんごめん。つい見てたら言いたくなっちゃって。」と、提督は苦笑いで冗談だと伝える。最上は艦娘としては珍しく見た目がほぼ男子なので、よく間違えられることもしばしば。さらに私服姿になると服装によっては男に見えてしまう事が多い。特に特徴的なのは「ボク。」という一人称だ。まぁ、それもあるのか気が合う艦娘は深雪を始めとするアウトドア系の艦娘達だ。それはさておき、最上の好きな食べ物の一つである玉こんにゃく。提督食堂でも、メニューに載ってはいるのだか…。少しマイナーなのか、あまり多く頼む艦娘はいない。だが、最上はよく食べる。一串に一口サイズの玉こんにゃくが5つ。それを今宵は6本も平らげたのだ。

「最上?こんにゃくばっかり食べて力つくの?」と、近くのテーブルにいた蒼龍が尋ねてきた。

「だって~カロリー低いし、腹持ちはいいし…。だって、ボクにとっては最高のおかずだもん!」

 と、言い張る最上の美味しそうな顔を見て他のテーブルからも今宵は玉こんにゃくの注文が相次いだ。それに負けじと最上も「提督!お代わり!」とお代わりを求めてきた。

 

 

 




こんばんは 急行奥秩父です。今宵は最上の話を書いてみました。最上と玉こんにゃく。地理に詳しい方ならお分かりだと思いますが…。最上の名前の由来になった最上川は山形県を流れています。また、玉こんにゃくは山形県の郷土料理の一つであり知名度高いですよね♪でも、玉こんにゃくってバラシてあると箸で掴みにくいので串に刺して煮ている事が多いですよね。バラシてあるのを食べるとき、刺し箸…。やっちゃう方多いと思います。でも、あれってマナー違反なんですよね(・・;)美味しく食べれればそれで良いかもしれませんが…。世界に誇る日本食ですので、箸のマナーを再確認するのも大切なのかな…?

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