「あー。今日もあっちいなぁ…。」
梅雨の晴れ間。夏が近いのかジメジメと湿気のある暑さに見舞われた横須賀鎮守府。こう暑いと、さっぱりしたものが食べたくなってくる。勿論、提督食堂でもここ最近はさっぱり系の物を頼む艦娘が増えてきた。いくら梅雨の季節だと言っても、今日は夏日。炎天下での出撃は日陰がなく暑い上に、ただでさえ太陽光で艤装が加熱されているのに射撃をすれば余計に砲身が加熱され火傷しそうになる。こんな炎天下の中、厄介なことに鎮守府周辺海域に深海棲艦の潜水艦が大量発生。駆逐艦達はその処理に追われていた。その中に江戸弁で話す艦娘がいた。
「ちわ!涼風だよ。あたしが居れば百人力さー!」白露型駆逐艦10番艦涼風だ。今日は、時雨や五十鈴達と一緒に哨戒活動をしている。
「ったく、なんでこんなに潜水艦が大量発生したのよ(怒)」と、ご機嫌斜めの五十鈴を時雨が「暑いから出てきたんじゃないですか?」と慰める。
「大丈夫!あたしがどんどん沈めてやっから!」と、自信満々の涼風。
ドオオオオオンンン
大きな水柱が上がる。涼風が積んでいた爆雷で敵潜水艦を撃沈したのだ。こうして10隻以上の潜水艦を撃沈または拿捕し、鎮守府に帰還したのは夕方だった。風呂に入りさっぱりした涼風は風呂上がりのコーヒー牛乳を一気飲みする。
「プハァー!やっぱり風呂上がりはこいつに限るぜ。」
風呂を出た涼風はタオルを首に掛けて提督食堂へやって来た。
「おっ、涼風か。このところ忙しかったな。」
「全くだよ提督。なんでこんなに潜水艦が大量発生したんだか?」
と、少々首をかしげる涼風。
「ところで今日もいつものやつかい?」
「ああ。あれを食べないと落ち着かないんだ!」
涼風はいつも食べているものを注文した。
トントントン ザァー
「はい。おまたせ。」
涼風が注文したのはシンプルなざる蕎麦だ。
「んじゃ、いっただきまーす!」
出された蕎麦は少し太めの田舎蕎麦だ。めんつゆに蕎麦をちょこっとだけ浸けて一気に吸い込む。口のなかでシコシコの麺を噛むと広がるのは蕎麦のいい香り。
「んー!おいしい!」
満面の笑みで蕎麦をすする。涼風は江戸っ子気質なのか、蕎麦やお寿司が大好物だ。中でも蕎麦の食べ方には気を使っており、めんつゆに山葵は入れないタイプだ。本人いわくシンプルに蕎麦の豊かな香りを楽しみたいそうだ。
「ふぁ~♪ごちそうさま!」
あっという間にざる蕎麦を食べ終えた涼風は提督に…。
「提督、蕎麦作るの上手くなったねぇー!」と褒めた。
「いや、まだまださ。そば打ちはこれからもっと修行しなくちゃ。今度、更科蕎麦に挑戦しようと思うんだが、また試食してくれないか?」と、提督が蕎麦の試食を涼風に頼む。
「わかったよ!あたいに任せときなぁー!」と、自信満々に元気よく涼風は答えた。
こんにちは急行 奥秩父です。今回は涼風の話を書いてみました。江戸っ子気質の艦娘なので何がいいか迷いました。江戸といえば蕎麦や寿司、天麩羅とか思い浮かんだので、ざる蕎麦にしてみました。提督が蕎麦打ちに挑戦している描写も少しだけ入れてみました。蕎麦打ちって、結構難しいですよね。私もやったことが何度かあるのですが…。水の配分に大苦戦します。うどんと違って蕎麦はまとまりにくいという事もあるので、大変でした。でも、まだまだ沢山練習して…。目標は大晦日の年越蕎麦を粉から作る!事が当面の目標ですねf(^^;