提督食堂~艦娘達の憩いの場~   作:秩父快急

20 / 26
天龍~炒飯~

 

 「とぉぉぉぉおおお!!!めーーーん!!!」

 

 バチン!バチン!

 

 夕暮れの道場に天龍の声が響く。

「おっ、相変わらずだな天龍は。」

 通りがかった提督が覗くと、天龍は竹刀を使い汗だくで剣の練習をしていた。一心不乱に剣術の練習をする天龍。彼女は天龍型軽巡洋艦の一番艦だ。なぜここまで真剣に稽古をしているかと言うと、理由は右目の眼帯である。昔の彼女は眼帯をしておらず、男気満ちた行動で深海棲艦を圧倒していた。だが2年前のアイアンボトムサウンドでの戦いの際、タ級との肉弾戦で相討ちになったのだ。その時に右目にタ級の刀によって切り傷を負ってしまい現在に至っている。その時のタ級とは切っても切れない因縁の関係であり、現在も争っている。ただ、天龍の場合右目を負傷したために右目の視力はほぼゼロに近い。その上、古傷が見えてしまうために眼帯をしているのである。隻眼の艦娘となった今は、剣術をさらに磨いてあのタ級に勝負を挑み絶対に倒す気持ちでいる。そんな強気な彼女も、稽古を終わりには提督食堂にやって来る。

 「おっ、提督。今日も来たぜ。」と白い歯を見せながら微笑む天龍。今夜彼女が注文したのは炒飯だ。

 

 ジュワー カンカンカン!

 

 ラードとネギのいい香りに中華鍋を振る豪快な音。これだけでもお腹が空いてくる。

 

 「はい。おまたせ。」

 提督の可憐な鍋つかいで見事に焼き上がった炒飯は、昔の中華料理店で出されるような蒲鉾が入ったレトロな炒飯だ。それに上にちょこんと乗ったグリーンピースがアクセントとなって全体を引き締めている。

 

 「やっぱ、これだせぇ~♪」

 出されたそばから天龍はレンゲで炒飯を口へ運ぶ。香ばしく炒めあげられた炒飯は玉子の優しい香りに叉焼の力強い旨み。蒲鉾から出た魚介系の味が見事に合わさって美味しい。炒飯の付け合わせに出してくれたわかめスープはお酢が少しだけ入っており、この酸味が炒飯を進ませてくれる。

 「やっぱ、提督の炒飯はうめぇなぁ~♪」と天龍。

「まぁ、昔からよく作っているからな。でも、まだまだよ。」と、提督が話すが…。天龍は「これだけ旨ければ独立できるって!」と褒め称える。

「ところで天龍?また、あのタ級勝負するのか?」と提督が尋ねると天龍は…。

「ああ、あいつは俺の因縁の相手だからな。今度の出撃でケリつけてやるぜ。」と、自信満々に答える。

「でもな、無理はするんじゃないぞf(^^;君には駆逐艦の子達が沢山居るんだからな。」と提督。天龍は見た目が怖い反面、根は優しくてよく駆逐艦達の遊び相手をしている。この前は休日のグラウンドで球技大会を主催したほどだ。

 「ま、油断せずやっていくよ。」と、炒飯を食べ終えた天龍はお冷やを一気に飲み干した。

 

 その一ヶ月後。

 

 天龍は再びあのタ級と出会うこととなった。同行していた青葉や鳥海によると…。タ級は砲を持っていたが、天龍はなんと飛んできた弾を自身の刀で真っ二つにしそのまま魚雷を全門斉射しタ級へ命中させた。怯んだタ級の懐刀へ突撃し肉弾戦へもつれ込んだあと、自身の刀でタ級を斬り倒したとのこと。こうして長年の因縁の戦いに終止符を打つことができたとのことだ。

 

 





今日はなんだか、思いつきが多くて沢山書いてます(笑)今回は天龍の話です。天龍の眼帯って、昔の古傷を隠しているように見えますよね?なんで、艦娘なのに隻眼何だろう?と思いつつ書いたお話です。完全に自分の想像ですが、昔の戦闘で負傷しその傷を隠しているという設定にしてみました。また、映画での天龍の刀使いが上手だったので取り入れてみました。毎日の稽古で自身を磨きあげる天龍。かっこいいですね。あと、劇中に出てきた炒飯ですが…。中華料理店の炒飯ってラードの薫りがして食欲そそられますよねぇ~(^q^)これに醤油ラーメンのが付いたら完璧です!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。