提督食堂~艦娘達の憩いの場~   作:秩父快急

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加賀~肉じゃが~

 ガラガラガラ…。

 

 「おっ、いらっしゃい。」

 「提督こんばんは。」

 「いつものかい?」

 「ええ…。」

 

 トントントン…。グツグツ…。

 

 「お待たせ。」

 「ありがとう…。流石に気分が高揚します。」

 加賀は肉じゃがを受けとると静かに食べ始めた。加賀はこの横須賀鎮守府でも古参であり一航戦の主力空母として赤城と共に活躍している。普段から赤城と共にコンビを組んでいるが、今宵は一人で来ている。

 「今日は赤城はどうした?」

 「赤城さんは明日早いから、先に寝たわ。」と加賀。

 「そうか…。」

 加賀は口数が少なく感情が顔に出てこないタイプの為見た目は、物静かだ。だが、実際には感情の起伏は激しいようで「やりました(喜)」や「頭に来ました(怒)」など、普段の口調で答えることがあるためタイミングを間違えると怒りが爆発することもある。一方で、あまり知られてないが動物が好きで特に猫が好きらしい。一ヶ月ほど前の雨の日、提督が買い出しの帰り際の商店街で…。

 「あなた、捨てられてしまったのね…。」と、捨てられた子猫を抱いている加賀を見かけたことがある。

 

「…そう言えば、あのときの子猫はどうしたんだ?」という提督の言葉に箸が止まる。無言の時間が少し流れた後…。

「あの猫…。鎮守府で飼っちゃダメですか?」

 「え?」

 と、驚く提督をキラキラした目で見つめる

 (…そんか顔で見つめられたらなぁ~f(^^;)と、困る提督。少し考えたあと、「分かった。分かった。飼っていいよ…。」と答えた。

「やりました。」と、珍しく頬笑む彼女を見て提督は一瞬ドキッとする。「それにしても、加賀は肉じゃがが本当に好きだなぁ?」提督が尋ねると、加賀は「艦の時から海軍の伝統的料理ですよ。」と答える。提督が作る肉じゃがはすき焼き風の甘辛い濃いめの味付けで牛肉を使っているため濃厚な味付けだ。それがまた、お酒とよく合うらしい…。間宮や鳳翔の作る肉じゃがと違い大きく大雑把に切られた具材はゆっくりと火を通してあるため味が染みてうまい。加賀はここで肉じゃがを食べるときは酒を呑む。といっても、日本酒を一合と少なめである。ほろ酔い気分で居るのが好きとのことで、一人で呑んだ時は同室の赤城にお土産を持って帰ることが彼女の習慣だ。

「ごちそうさまでした。」と、ほろ酔い気分の加賀が呟く。「はい、赤城の分。今日は多めに入れといたよ。」提督がパックに入れた肉じゃがを加賀に手渡す。これは肉じゃがの存在を加賀から聞いた赤城が朝食に食べるための物だ。明日は赤城と加賀は共に演習に参加する。そのための活力だ。

「いつもありがとうございます。」

と、お礼を言う加賀に…。

「本当は赤城が喜ぶ顔を見たいんだろ?」

と気になっていたことをぶつけてみる。すると…。

「なっ、なんてこというんですか(・・;)」

と、急に裏声になり顔が赤くなる。

「まぁ、いいさ。赤城にもよろしくな。それから…。」と、提督は台所の奥から鰹節を少量袋に入れて持ってきた。

「これ、子猫に食わしてあげな。栄養つくから。」

と、手渡す。

「あ、ありがとうございます…。」驚いた加賀だったが、提督にも公式に猫を飼って良いと許可が降りたことを示す事だった。赤城への肉じゃがと子猫への鰹節を持って自室へ向かう加賀の後ろ姿を見て提督は(加賀も女の子なんだなぁ~動物が好きだとは…。)と思いながら見送った。後日、加賀が拾ってきた子猫は空母寮でのマスコットキャラ的な存在になり空母組の他駆逐艦からも人気の猫となった。「やりました。」と、加賀は猫を撫でながら呟いた。

 

 




今日の話は…。肉じゃがよりも動物メインになりましたね(笑)加賀さんって見た目はムスッとしてますが、動物にはこころを開くことが多いんじゃないのかなって?思いまして今回の話を作りました。加賀さん肉じゃが大好きですし♪
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